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DMGP2024-1st Day1(アドバンス)Round 3:キナリ vs. つっしー

ライター:高橋 穂(北白河)
撮影:瀬尾 亜沙子

 「日本一デュエマが強いのは誰か?」

 ともすれば不毛なものにもなりかねないこの問いだが、つい先日の「全国大会2023」にて一つの明確な答えが生まれた。

 すなわち、若き絶対王者キナリだ。

 「逆転こそがカードゲームだ」というこのゲームのキャッチコピー通り、最後のシールドからのスーパーS・トリガーによる大逆転勝利で優勝に輝いたのは記憶に新しい。

 わずか15歳にして名だたる強者との連戦を制してきた経験からか、本来緊張するであろうフィーチャー席においても落ち着きを崩さない。


 だが、彼と相対するつっしーもまた、プレッシャーの色を見せず淡々と準備を続ける。

 主に東北地方のCSで活動し多数の実績を残す強豪だけに、フィーチャーマッチ程度の緊張はもはや慣れっこなのだろう。

 王者に一矢報いんとする静かな闘志をもって、ゲーム外カードの提示へと準備を進める。


 彼らが公開したカードは、この通りだ。

つっしー:≪時空の戦猫ヤヌスグレンオー≫《13番目の計画》《時空の禁断 レッドゾーンX》《時空の禁断 レッドゾーンX》≪蒼き覚醒 ドギラゴンX≫《頂上の王龍 ヴィル・ド・テラ》《頂上の精霊 ミラクルスZ》《頂上龍素 サイクリタ》+超GR

キナリ《頂上龍素 サイクリタ》《頂上龍素 サイクリタ》《頂上の精霊 ミラクルスZ》《銀河大剣 ガイハート》《将龍剣 ガイアール》《獄龍刃 ディアボロス》≪蒼き覚醒 ドギラゴンX≫《時空の禁断 レッドゾーンX》+《FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~》+超GR


 かつてキナリに勝利をもたらした《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》のパーテーションが見守る中、予選第三ラウンドは幕を開けた。
先攻:つっしー

 それぞれ《流星のガイアッシュ・カイザー》《テック団の波壊Go!》とチャージする立ち上がり。

 《偽りの名 システイス》チャージからつっしーの唱えた《地龍神の魔陣》がゲーム開始の狼煙を上げる。

 マナに送られたのは、《SSS級天災 デッドダムド》。この組み合わせのデッキといえば、【水闇自然デッドダムド】だ。

 かつてフォーマットがオリジナルとアドバンスに別れる前に一世を風靡したこのデッキだが、実は「コマンド」の充実に伴い現代デュエマにおいても十分以上の出力を持つ。

 安定した基盤に加え、超GRも駆使した妨害性能とアドバンテージ性能は本物。昨今増加中の受けの強いデッキに対しても《S級宇宙 アダムスキー》という回答を持つなど、ほとんど警戒されない今こそその強さを見抜いたつっしーの慧眼が光るチョイスといえる。


 これに対し、キナリ《D2V3 終断のレッドトロン / フォビドゥン・ハンド》をマナに送り、《Forbidden Sunrise ~禁断の夜明け~》で応える。

 やや怪訝な顔のつっしー。このカードを使う定番デッキといえば【光闇火ドルマゲドン】だが、それにしては最初のチャージの《テック団の波壊Go!》が引っかかる。超次元ゾーンからも、水文明の気配が濃厚に漂っているのは明らかだ。
 相手の手の内がわからないなら、まずはこちらの手を進める…とばかりに、もう1枚《SSS級天災 デッドダムド》をチャージして《天災 デドダム》を召喚するつっしー

 ちょうど《虹速 ザ・ヴェルデ》が埋まったマナから《とこしえの超人》が出せるというラッキーもあり、【光闇火ドルマゲドン】のキームーブである《魔光神官ルドルフ・アルカディア》からの進化を牽制しにかかる。


 しかし、この動きが思わぬ角度からキナリのデッキを明らかにし、そしてつっしー自身に試練をもたらすこととなる。

 《聖魔連結王 ドルファディロム》をチャージしたキナリの手から放たれたのは、2枚目の《Forbidden Sunrise ~禁断の夜明け~》!先ほど展開された《とこしえの超人》を逆用し、一挙4マナブースト&コマンドのコスト4軽減の陣容を作り上げる!

 さらにここからマナに見えたのは、【光闇火ドルマゲドン】おなじみの進化クリーチャーではなく《熊田すず》《ブレイン・スラッシュ》といった大量の強力トリガーたち!

 そう。キナリが持ち込んだのは、実に30枚ものS・トリガーを搭載した、全く新たな形の【4cカウンタードルマゲドン】とでもいうべき秘密兵器だったのだ!

 トリガーによる逆転劇で全国大会優勝をもぎ取った彼らしい選択である。


 この先どんな大型コマンドが飛んでくるかわからなくなったつっしーは、まずはその手札を落として選択肢を減らさんとする。

 無月の大罪で軽減された《乱罪 ダイパ殺デー》からは確認してハンデスできる《カット 丙-二式》が出てくるが、最後に残ったキナリの手札は《聖魔連結王 ドルファディロム》《最終龍覇 ボロフ》というどちらを残してもゲームが変わりうる代物!

 悩みに悩みつつ、《最終龍覇 ボロフ》をハンデスするつっしー。さらに《天災 デドダム》を召喚して少しでも手を進め、勝ち筋となる《S級宇宙 アダムスキー》へつながる道を探す。

 逆に強みを押し付ける側に回ったキナリは、《熊田すず》《聖魔連結王 ドルファディロム》と残った手札2枚を両方展開。《FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~》の封印を解除しつつ、手札と盤面を空っぽにして逆転の芽を摘んでいく。


 早急に目の前の盤面を対処する必要に迫られたつっしーは、マナの《虹速 ザ・ヴェルデ》を召喚してマッハファイターで《聖魔連結王 ドルファディロム》を攻撃時、見えている《SSS級天災 デッドダムド》2枚を同時侵略。

 なんとかEXライフ込みで《聖魔連結王 ドルファディロム》を退けるものの、返しのターンに今度は「何度除去されても超次元ゾーンから戻ってくるコマンド」こと《頂上龍素 サイクリタ》《頂上の精霊 ミラクルスZ》が登場。おまけに《熊田すず》から《時空の禁断 レッドゾーンX》にP侵略され、《SSS級天災 デッドダムド》もすぐさま破壊されることになる。

 こうなると、トップデッキ以外で動く手段がほとんどないつっしーは成すすべがない。動けずターンを返すつっしーに対し、キナリがついに攻撃に出る。
 まず2体目の《頂上龍素 サイクリタ》を召喚して封印解除を進め、《D2V3 終断のレッドトロン / フォビドゥン・ハンド》をクリーチャー側で召喚して頭数を確保。

 その後、《頂上の精霊 ミラクルスZ》《頂上龍素 サイクリタ》でシールドを刻んでいく……が、《若き大長老 アプル》のG・ストライクがめくれたことでここで一度ストップ。ターンを返す。


 なんとかターンが帰ってきたつっしーは、まず《地龍神の魔陣》でキーパーツを引きにかかる。墓地も確認してしっかり見えている情報を整理したのち、引き入れた《絶望と反魂と滅殺の決断》の蘇生効果を2回使用!

 《虹速 ザ・ヴェルデ》《斬罪 シ蔑ザンド》(GRは《クリスマⅢ》)を蘇生し、まずは《斬罪 シ蔑ザンド》の破壊効果で《クリスマⅢ》《頂上龍素 サイクリタ》1体が破壊。

 そして《虹速 ザ・ヴェルデ》のマッハファイターで≪D2V3 終断のレッドトロン≫を攻撃時、またもや《SSS級天災 デッドダムド》2体が墓地から侵略!バトルも併せて《頂上の精霊 ミラクルスZ》《時空の禁断 レッドゾーンX》の合計3体を破壊すると、あれほど並んでいたキナリのバトルゾーンには《頂上龍素 サイクリタ》1体が残るのみとなった。


 攻め手が乏しくなったキナリだが、前述のとおり超次元ゾーンから戻ってくる《頂上の精霊 ミラクルスZ》《頂上龍素 サイクリタ》を召喚すると盤面はすぐさま復帰。生き残っていた《頂上龍素 サイクリタ》がさらにシールドを刻んでターンを返す。

 禁断爆発にリーチがかかった今、つっしーはこのターンに可能な限り動くしかない。キナリの山札は残り10枚まで削れており、耐えきることさえできればまだ目はある。

 墓地から《絶望と反魂と滅殺の決断》の蘇生効果を2回使用して《天災 デドダム》《斬罪 シ蔑ザンド》を呼ぶと、GRからめくれたのが《ロッキーロック》。両者への破壊効果で《頂上龍素 サイクリタ》《ロッキーロック》が破壊されると、《天啓 CX-20》がめくれてつっしーに手札をもたらす!

 しかしまだ《S級宇宙 アダムスキー》の時ではないようで、《フェアリー・Re:ライフ》《乱罪 ダイパ殺デー》無月の大罪で《SSS級天災 デッドダムド》を墓地に送るのみにとどまる。


 そして、これがこのゲームにおけるつっしーのラストターンとなった。


 超次元ゾーンからの召喚を多用して手札消費を抑えていたキナリ《最終龍覇 ボロフ》により最後の一枚の封印を剥がし、≪終焉の禁断 ドルマゲドンX≫を顕現させて二度と剥がれない封印をばらまき、つっしーの盤面を完全に無力化する!

 もはや勝利は目前のキナリだが、逆転の重さを誰よりも知っているからこそ、今はそれをさせないことにすべてを懸ける。

 最初に見えた《偽りの名 システイス》がトリガーしてもダイレクトアタッカーが残るよう、ダメ押しの《聖魔連結王 ドルファディロム》を召喚して残りのシールド2枚をブレイクすると、そこにいたのは果たして《偽りの名 システイス》

 最後の逆転の芽を摘む選択により、《偽りの名 システイス》の攻撃封じをすり抜けた《頂上龍素 サイクリタ》がダイレクトアタックを決めたのであった。

Winner:キナリ

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