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DMGP2024-1st Day2(オリジナル) 決勝Round 1:朝は太極拳 vs. いぬのきもち

ライター:高橋 穂(北白河)
撮影:瀬尾 亜沙子

 大型大会としてはまだ2回目となる、3人チーム戦のGPとなったDMGP2024-1st-Day2。

 厳しい予選を勝ち抜いて本戦に足を進めたのは、開始時の約4%ほどとなる64チームのみ。

 しかもここからはシングルエリミネーションとなり、負ければ終わりの一発勝負。これまで以上に、チームの絆が試されることとなる。

 そんな重要な一番でフィーチャー卓に選ばれたチームは、全勝で予選2位通過を果たした朝は太極拳と予選63位で滑り込んだいぬのきもち

 強豪プレイヤー揃いの朝は太極拳に対して、いぬのきもちは大逆転を決めることができるか。

 これまでの予選と明確に異なる戦いが、始まろうとしている。

A卓:あーくん/WING vs 紅鮭師匠
B卓:taki vs KOKONATS
C卓:えむつー vs うたーん

 今回はそんな一戦から、A卓のあーくん/WING紅鮭師匠の対戦にクローズアップしていきたい。

先攻:あーくん/WING  両者とも《S・S・S》をチャージするという立ち上がりで、ゲームは幕を開ける。

 ミラーマッチかと思われた矢先、次のターンのチャージがそれぞれ《聖魔連結王 ドルファディロム》《ボルシャック・ガラワルド》だったことでお互いのデッキが決定的に違うことが明らかになった。

 あーくん/WINGのデッキは、環境屈指のヘビーコントロールこと【5c蒼龍】。

 マナさえ十分貯まってしまえば、硬い受け札のバックアップの元巨大クリーチャーたちの群れが相手を蹂躙する……という、息の長い活躍を続ける逸品だ。このデッキにおいては、冒頭の《S・S・S》は言わずもがな鉄壁のトリガーとして相手の攻めを受け止めてくれることだろう。
 そして、紅鮭師匠が握るのは【ハチ公ワンショット】。

 デッキを高コストカードで埋め尽くしたうえで、ガチンコ・ジャッジで勝つたびにデッキから同名を呼び出す《特攻の忠剣ハチ公》を連鎖させて、ジャッジ5連勝で相手のすべてのシールドを割り切る……という、ある意味漢らしいビートダウンの動きが売りのこのデッキ。

 高コストかつ「踏ませた返しにブロッカーを無視して走れるトリガー」である《S・S・S》はこのデッキにとっても頼れる一枚だが、逆に踏んだら地獄(スクラッパーだけに)…というのも言わずもがなだ。
 お互いに相手のやりたいことが見えてきた形だが、3ターン目のあーくん/WINGの様子がおかしい。

 本来迷わず自然単色マナをチャージして5文明を揃え、マナブーストに動きたいターンだが、迷った末に手札からチャージされたのは《天災 デドダム》。どうやらマナに埋められる自然マナがなかったようだ。

 この1ターンの隙に《青銅のバンビシカット / 「我が力、しかと見よ!」》をチャージして、4ターン目のハチ公ラッシュに備える紅鮭師匠

 何としても動かざるを得ないあーくん/WING《S・S・S》をチャージすると(本来3ターン目に欲しかったはずの)《八頭竜 ACE-Yamata / 神秘の宝剣》の呪文面を使用し、山札のチェックに入る。

 デッキを何周か確認するほど深く深く考えたのち、マナに送ったのは《ブレイン・スラッシュ》。そのままポーカーフェイスでターンを返す。

 《ボルシャック・ガラワルド》をチャージして待望の4マナに到達した紅鮭師匠は、満を持して《特攻の忠剣ハチ公》を召喚!

 スピードアタッカーでガラ空きの盤面を駆け抜けてシールドを1枚ブレイクすると、ここからはガチンコ・ジャッジの時間だ。


 同時にデッキトップをめくると、コストは8と3。紅鮭師匠の勝利として、2枚目の《特攻の忠剣ハチ公》が山札から姿を現す……はずなのだが、こちらも何か考える必要があるらしい。同じく時間をかけてデッキを何周か確認したのち、《特攻の忠剣ハチ公》が姿を現す。

 ここからは、シールドチェックとガチンコ・ジャッジが続いていく。  2体目。トリガーはなし。ガチンコ・ジャッジは、9と6で勝ち。

 この連撃がどうか成就しますようにと、両手を合わせて祈る紅鮭師匠。
 
 3体目。トリガーはなし。ガチンコ・ジャッジは、10と6で勝ち。

 シールドを次々と削られながら、ポーカーフェイスを貫くあーくん/WING。

 4体目。トリガーはなし。ガチンコ・ジャッジは、8と2で勝ち。


 そして。

 5体目。トリガーはなし。ガチンコ・ジャッジは…5と8で負け。だが。  その結果は、逆転する。

 なぜ紅鮭師匠が山札を何度も確認していたか。それは、最初のサーチの際に、山札に《特攻の忠剣ハチ公》が4枚しか残っていなかったからだ。

 このターンで勝負を決めるには、「ガチンコ・ジャッジに4連勝したうえでトリガーを耐えきり、最後の1回のジャッジで《逆転王女プリン》をめくる」しかない。その幸運を、紅鮭師匠は自ら掴み取ったのだ。

 なぜあーくん/WINGが山札を何度も確認していたか。それは、シールドの中にいてほしいS・トリガーが、すべて山札に眠っていたからだ。

 ビートダウンであるところの【ハチ公ワンショット】を相手にする際、トリガーはまさに生命線。大量に搭載したはずのそれが1枚も存在しないという不運を掴まされたにも関わらず、それを表情に出さず勝負師に徹したあーくん/WINGの胆力も相当なものと言えるだろう。

 直後。王女の声援でタップとアンタップを「逆転」した《特攻の忠剣ハチ公》が、そのまま紅鮭師匠に勝利をもたらすべくあーくん/WINGに特攻(ぶっこ)んだ。

Winner:紅鮭師匠


 ……だが。これでゲームは終わらない。なぜならこれはチーム戦だからだ。

 別卓に目を移すと、全く別のゲームが繰り広げられていた。


 ゲームはすでに終盤戦。  朝は太極拳B卓のtakiとC卓のえむつーが、互いの手札を確認して相談しながら動いている。

 そう。朝は太極拳のデッキは、3人とも【5c蒼龍】。

 チームの誰かがプレイに迷ったら、即座に横の仲間に助言を求められるというチーム戦ならではの特徴を活かしたチーム編成なのだ。  B卓として中央に座るtakiのアドバイスを受けたえむつーが、【水魔導具】のうたーんを確実に追い詰めていく。  そしてtaki自身は、KOKONATSの【ハチ公ワンショット】に対して致命的な一枚となる《終末の監視者 ジ・ウォッチ》をはじめとする大型クリーチャーたちをすでに立てることに成功しているのだ。  単純計算で二倍の思考リソースを得たえむつーうたーんをきっちり仕留めたのを見届けると、話しながらいつの間にか《終末の監視者 ジ・ウォッチ》だけでなく《聖魔連結王 ドルファディロム》3体・《零獄接続王 ロマノグリラ0世》《砕慄接続 グレイトフル・ベン》などをずらりと並べていたtakiが攻撃に回る。

 この圧倒的な布陣にはKOKONATSのシールドから出てきた《逆転王女プリン》もさすがに力及ばず、そのまま朝は太極拳が決勝Round2への進出を決めた。

Winner:朝は太極拳

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