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DMGP2025-1st Day1(アドバンス)決勝Round 1:すめらぎ vs. うにほー

ライター:高橋 穂(北白河)
撮影:坂井 郁弥

 広いホールを埋め尽くした4600人を数えるプレイヤーも、予選という選別を経ていつの間にか残るはわずか128人。

 もはや「会場の一角」レベルまで狭まってしまった本戦エリアだが、プレイヤーたちの熱気はさらに濃密なものとなりつつある。

 しかし、その熱の届かないテーブルが一つだけ存在する。それがここ、フィーチャーエリアだ。

 このエリアにて落ち着いてシャッフルを進めるのは、Youtubeでも活躍する強豪、すめらぎ

 彼が相棒として選んだのは、全国大会でも使用した呪文を生かした即死コンボ、【火光水Dracheループ】……しかも環境の仮想敵をきっちり見定めたうえで独自のチューンを施した最新鋭のものだ。

すめらぎ「母数が多いと予想した【天門】や【バロム】といったデッキに対して有利が取れて、さらに母数は少なくても強豪プレイヤーが使う可能性のある【ブラックXENARCH】に強く出られるデッキとして選びました」

 最速3ターン、安定して4ターン目に無限GR召喚に突入し、相手の山札を引かせきって勝利を掴める高速コンボデッキとして、ここまで好成績を残してきた。「理」のデッキ選択がピッタリはまった形になる。  そして彼と相対するのは、福井県からやってきたうにほー

 彼が相棒として選んだのは、【モルトDREAM】。根強い人気の【モルトNEXT】の直系の後継者にして、アドバンスの象徴たるドラグハートをフル活用するドラゴンデッキだ。

 うにほー「10年くらい前から【モルトNEXT】をずっと使ってて、デッキ自体に愛着がすごくありまして。それで今回もこのデッキを選びました」

 はにかみながら語るその表情だけでなく、バージョンまできっちりこだわったカード選択やそのデッキでここまで勝ち抜いてきたという事実からも、うにほーのデッキへの愛情が伺える。  クリーチャーと呪文。GRと超次元。理と情。相反するデッキ選択だが、思いは一つ。目の前の相手に勝つ、それだけだ。

先攻:うにほー  予選の順位が高いうにほーが先攻となる。

 《王道の革命 ドギラゴン》をチャージするうにほーに対して、すめらぎは初手を眺めて悩みながら綿密なプランニングを行う。しばらく間があり、プランが定まってチャージされたのは《豪運の絆》だ。

 コンボデッキの気配に悩まされながらもうにほー《光鎧龍ホーリーグレイス》をマナに送るが、すめらぎが淀みなくチャージしたのは《クルトの気合釣り》という一般的な構築ではあまり見ない一枚。「コンボデッキである」という事実だけを突きつけ、いつ仕掛けるかという動きを悟らせない。

 最速パターンなら次のターンに負けかねない状況のうにほーだが、ここは《光鎧龍ホーリーグレイス》をマナに埋めつつ《R.S.F.K. / オールイン・チャージャー》の呪文面で自分の動きを貫く。幸いにもガチンコ・ジャッジには勝利し、手札を減らさずマナを伸ばすことに成功する。


 はたしてすめらぎの手札には3ターン目に始動できる手札は入っておらず、《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》をチャージしての《T・T・T》で手札を整えるのみ。

 とはいえこの3ドローが入った以上、次のターンのループ突入はほぼ確定したといえるだろう。プランニング通りに手札を眺め、すめらぎはターンを返す。

 事実上のラストターンを言外に突きつけられ、動くしかなくなったうにほー。呼吸を整え、ゆっくりと山札の上のカードを見て、一度その場に伏せて息をつく。

 そして決意したように《R.S.F.K. / オールイン・チャージャー》をチャージすると、間髪入れずに《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》の呪文面を使用!アイラだけでなくうにほーを助けに、手札から金色の《夢双龍覇 モルトDREAM》がバトルゾーンに舞い降りる!  見えている情報を元に、何を装備するかをじっくり考えるうにほー。悩んだ末に選ばれたのは、《無敵剣 プロト・ギガハート》《爆炎大剣 ガイサーガ》《爆銀王剣 バトガイ刃斗》という布陣だ。

うにほー「よし」

 小さく、しかし力強くつぶやいた後、うにほーすめらぎのシールドをめがけて攻撃に出る。

 一回目の攻撃。まずは《爆銀王剣 バトガイ刃斗》で山札をめくるが、ここで出てきたのはデッキ内唯一のハズレとなる《メンデルスゾーン》。その後《爆炎大剣 ガイサーガ》の効果で《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》が手札に加わる。

 この3ブレイクの際に何らかのS・トリガーがあれば《夢双龍覇 モルトDREAM》を対処する隙が生まれたのだが、すめらぎは無念そうな顔で3枚のシールドをそのまま手札に加えるのみ。

 そして、二発目の攻撃。うにほーは祈る。《爆銀王剣 バトガイ刃斗》により、勝利を確定させるようなドラゴンがデッキの一番上から登場することを。

 そして。  うにほーのデッキと、そこに10年前からいたドラゴンは、その祈りに応えた。

 デッキに1枚の殿堂入りカードこと《メガ・マナロック・ドラゴン》が、次のターンに動き出すはずのすめらぎのマナをロックする!

 まさに「これしかない」一枚の登場に、すめらぎはおろかうにほーも驚愕の表情を浮かべる。


 その驚きの混ざったままの声と手で《爆炎大剣 ガイサーガ》《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を手札に加えてそのままブレイクを宣言する……そのタイミングで、うにほーの表情が変わるとともにジャッジから声がかかる。

 うにほーは興奮のあまり効果処理を行い切らないままブレイクに進んでしまったため、任意効果である《爆銀王剣 バトガイ刃斗》の龍解のタイミングを逃してしまったのだ

 一度宣言してしまった以上処理は巻き戻らないため、ダイレクトアタック役がいないまま2枚のシールドがブレイクされ、そのターンの攻撃は終了となる。「やってしまった」という表情のうにほー

 マナを封殺されている状況ではあるが、ギリギリ生きてターンが返ってきそうなすめらぎ。ブレイクで激増した手札を眺めつつターン終了時のタイミングで何かを宣言しようとするが、ここでふとあることに気付く。 すめらぎ「このターン、2体しかクリーチャー出てないですよね?」

 そう、すめらぎの手には《真気楼と誠偽感の決断》が握られていた。  通常ならば、《爆銀王剣 バトガイ刃斗》のついた《夢双龍覇 モルトDREAM》が二回攻撃している時点で踏み倒し条件である「そのターンに3体以上のクリーチャーが出ている」が果たされないことはそうそうない。

 しかし、うにほーは一回目の攻撃で《メンデルスゾーン》をめくって踏み倒しに失敗していたことにより、奇跡的に《真気楼と誠偽感の決断》を回避していたのだ!

 まさかの状況に、これまた驚愕の表情を浮かべる両者。

 やがて、悔しさの混じる苦笑いとともにすめらぎはターンを開始する。……のだが、マナがロックされている以上、いくら手札があっても動けないため、そのままターン終了を宣言する。

 思わぬ珍事がありつつも、そのままうにほー《メガ・マナロック・ドラゴン》がこのゲームに終止符を打つこととなった。

Winner:うにほー

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