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DMGP2025-1st Day2(オリジナル) 3位決定戦:えて. vs. Rikky

ライター:山口 海斗(ジャイロ)
撮影:瀬尾 亜沙子

 ジャッジマネージャーの中嶋氏より、3位決定戦のルールが告げられる。

中嶋「先ほど行った準決勝とルールは変わりません。制限時間50分の2本先取になります。ただし、賞品は異なります。」
中嶋「3位の方のみ、2025年の全国大会出場権が発生します。」

 3位決定戦の卓につく、えて.Rikky両名の雰囲気がヒリついた。

 直近のグランプリであるDMGP2024-2ndが両日とも特殊だったというべきか。既に片方のプレイヤーに全国大会出場権が渡されている状況で始まったため、どちらも名誉を懸けての3位決定戦であった。

 3位決定戦に本来あるべきヒリつき。今日一日、えて.Rikkyも比較的笑顔のタイミングが多いプレイヤーではあったが、いまこのタイミングはそれもお預け。
 入念にお互いのデッキをシャッフルしシールドを展開。対戦準備を整えた。

Game 1

先攻:Rikky  予選順位12位。先攻の利を活かして《飛ベル津バサ「曲通風」》を最速で投下するRikky。これにより、えて.《メンデルスゾーン》もリスクだけ孕んだ1マナ加速になり下がる。

 Rikkyは手を緩めない。《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》の上面を召喚すると、えて.の最速《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》という負け筋すらつぶしていく。
 Rikkyが使うのは魔王軍御用達の【火水闇ジャオウガ】。豊富なメタ(妨害)クリーチャーに手札破壊を絡め、相手の動きを縛り上げたところで《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》にてゲームエンドを狙う。

 「デュエル・マスターズ DXカードスリーブ 鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ」で赤と黒、『みんなと戦えてよかった。』の「フレーバーテキストTシャツ」で青を纏い、自身のコーデも火水闇の3色になっているのは偶然か。

 一方えて.が使うのは本戦進出数第2位の【火光自然ボルシャック】。

 ゲームを決定づける強力なドラゴンが多数入っており、マナさえあれば、《ボルシャック・スーパーヒーロー / 超英雄タイム》の下面など軽量の除去+《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》でどのような状況からでもワンチャンスを狙える。

 兎にも角にも、まず必要なのはマナである。

 地道にマナを貯めようとえて.は再度《メンデルスゾーン》を唱えたが、無慈悲にも捲れたのは3枚目の《メンデルスゾーン》
 手札を1枚失ったえて.に対して、Rikky《修羅の死神フミシュナ / 「この先は修羅の道ぞ」》の上面でさらに追い打ちの手札破壊をかける。

 光文明のマナを確保し、なんとか《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の召喚に成功するえて.だが、今度は≪ボン・キゴマイム≫が重たくのしかかり、攻撃することも、山札を捲ることも叶わない。

 Rikky《アーテル・ゴルギーニ》から《邪龍 ジャジーブラッド》を蘇生して《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を回収。《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を難なく破壊してターンを終える。
 苦しい展開の続くえて.。おもわず「うーん…」と声が漏れる。

 それもそのはず、えて.の手札には2枚の《光鎧龍ホーリーグレイス》しかないのだ。片方をチャージすることで《光鎧龍ホーリーグレイス》を召喚できるが……できるが特別なにも起こらない。すぐにRikkyのターンとなり全軍アンタップされてしまうだけだ。

 Rikkyの用意する戦線が、真綿を締めるかのごとくえて.を追い詰める。えて.《光鎧龍ホーリーグレイス》を召喚してターンエンド。ついにえて.の手札は0枚となった。

 万に一つの負けがあってはならない。Rikkyは詰める手を緩めない。

 《単騎連射 マグナム》を召喚し、既に3枚見えている《光鎧龍ホーリーグレイス》の4枚目を完全にケア。さらにハイパーエナジーを活用して《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を僅か2マナで召喚。

 えて.のシールドを焼き払ってから≪ボン・キゴマイム≫でシールドをブレイク。

 続く《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の攻撃では《アーテル・ゴルギーニ》が蘇生され、「コスト4以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。」効果を2回選択。

 《シャワ=アガール》と、その上に《邪龍 ジャジーブラッド》を進化クリーチャーとして送り出す。
 ≪ボン・キゴマイム≫の攻撃によって手札に入ったシールド1枚は無慈悲にも《シャワ=アガール》の能力によってえて.の墓地に落とされてしまう。

 《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》によって全軍スピードアタッカー付与、《邪龍 ジャジーブラッド》でもスピードアタッカーとブロックされないが自軍に与えられている。
 《邪龍 ジャジーブラッド》はG-NEO進化によって除去耐性も持ち、《シャワ=アガール》の持っていたジャストダイバーまで引き継いでいる。

 ありとあらゆる「負け」への可能性を潰し、Rikkyが芸術的な完封勝利を収めた。

えて. 0-1 Rikky


 先攻のブン回りとは違う、上振れヤッホーとも違う。負け筋となりうる部分を直前に取り除く試合展開は、芸術にも近い印象を受けた。
一方、苦しい展開の続くえて.だが、彼は自分のデッキと自分の選択を信じている。

えて.「運とパワーでゴリ押しできるこのデッキは自分に合っている。」

 「いきなりつよいデッキ」からデュエル・マスターズを始めたというえて.。運とパワーのゴリ押しは、彼にとっての王道戦略でもあるのだ。

 Game 1は惜しくも予選順位で先手を取られ動けなかったが、今度はえて.が先攻。巻き返せるか。

Game 2

先攻:えて.  まずは《メンデルスゾーン》でロケットスタートを切りたいえて.。迎えた先攻2ターン目、手札に《メンデルスゾーン》を抱えてはいるが…多色カードと光文明単色のカードが手札に嵩張って無念のターンエンド。
 するとRikky《飛ベル津バサ「曲通風」》、≪ボン・キゴマイム≫でまたしてもえて.の勝ち筋をどんどん狭めていく。

 ≪ボン・キゴマイム≫で攻撃できないとはいえ、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を召喚してえて.は圧をかける。
 この時点でRikky《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を退かす手段はなく、今にもえて.の攻撃が始まろうとしていたが……。

 Rikkyの山札の上から駆けつけるは《冥土人形ヴァミリア・バレル》。デッキが勝てと言っているかのようなトップドロー!
 すぐさま召喚して《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を退かすと、次のターンに襲われていたであろう《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》の手札破壊に成功する。ここでいったん手の止まるRikky

 ロングゲームを望んでも良いが、相手のマナは次ターンで6まで伸びる。≪超英雄タイム≫+《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》のように、≪ボン・キゴマイム≫を破壊しながら《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》に行動されてはゲームが終わりかねない。
 Rikkyは一刻もはやくこのゲームをたたむため、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を待たずの決着を狙った。

 まずは《飛ベル津バサ「曲通風」》でシールドをブレイク、何もない。
 続けて≪ボン・キゴマイム≫でシールドをブレイク!これにより、次のターンにハイパー化した《冥土人形ヴァミリア・バレル》と含めてダイレクトアタックまで持っていけるだけの状況を作り上げたのだ。

 Rikkyによる技ありの分割リーサルにより、グンと勝ちの目を広げた。それもこれも全て……S・トリガーを踏まなければの話。
 ≪ボン・キゴマイム≫のブレイクに対して《ボルシャック・大河・ルピア》をトリガーしたえて.。となると途端に話は変わってくる。  まずは目の上のこぶでもある≪ボン・キゴマイム≫を《ボルシャック・大河・ルピア》の登場時能力でマナゾーンへ。
 手札に戻された《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を再度出しなおすと、トップを捲りながらRikkyの盤面を枯らすことができる布陣に!

 捲りこそ《光鎧龍ホーリーグレイス》のみと控えめであったが、完全に攻守逆転。えて.の優位でゲームは仕切り直しだ。
 Rikky《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を召喚して出てきたばかりの《光鎧龍ホーリーグレイス》とバトル。つづけて《異端流し オニカマス》を召喚してえて.の踏み倒しに待ったをかける。

 《異端流し オニカマス》がいるとはいえ、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》が生き残ってターンを迎えたえて.にとっては最大のチャンスである。
 《魂の呼び声》を唱えると選んだ種族はもちろん「ドラゴン」。既に《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》はいるので、今から踏み倒したい「好きなドラゴン」を本当になんでも披露する場となっている!

 ……が、えて.の顔は険しい。《異端流し オニカマス》がいるからではない。《異端流し オニカマス》がいるときにこそ真っ先に呼びたかった《インフィニティ・ドラゴン》がシールドゾーンに行っており行方不明だからだ。  次善の策として《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》《超竜ヴァルキリアス》を用いて《禁断竜王 Vol-Val-8》を2体並べるプランに切り替える。
 《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》《偽りの希望 鬼丸「終斗」》に攻撃して撃破。

 続く《禁断竜王 Vol-Val-8》の攻撃時の能力で《異端流し オニカマス》の除去には成功したため、ここでいったんターンエンド。更地の盤面に2体の《禁断竜王 Vol-Val-8》が睨みを利かす。

 《異端流し オニカマス》によってEXライフシールドは剥がしているとはいえ、コストもパワーも大きく、ジャストダイバーの《禁断竜王 Vol-Val-8》2体はかなりのプレッシャーに見えた。
 しかしRikky。この程度のプレッシャーなど何度も潜り抜けている。

 まずは≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫を唱えて「9」を宣言。これで2体の《禁断竜王 Vol-Val-8》は行動停止する。さらにRikkyが繰り出したのは《アーテル・ゴルギーニ》  直前に破壊された《異端流し オニカマス》、先ほど呪文として墓地に置いた≪ボン・キゴマイム≫を蘇生し、次ターンのえて.の動きをまたしても大きく制限する。

 かろうじてマナが伸びているえて.。≪超英雄タイム≫で≪ボン・キゴマイム≫を除去した後に《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を召喚。

 攻撃時に《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》を呼び出しはするが、《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》も、《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》によって出てきた《ボルシャック・ドラゴン / 決闘者・チャージャー》の上面も、《異端流し オニカマス》によってバトルゾーンから追い出されてしまう。
 またしてもえて.の攻撃はRikkyに届かずターンエンド。

 Rikky《アーテル・ゴルギーニ》から三度≪ボン・キゴマイム≫をバトルゾーンに呼び戻し、ハイパーエナジーを駆使して《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》を2コストで召喚。
 《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》の攻撃時に《冥土人形ヴァミリア・バレル》を蘇生することで《禁断竜王 Vol-Val-8》の除去にも成功すると、えて.のシールドをW・ブレイク!

 何とか《光鎧龍ホーリーグレイス》のトリガーによってターンをもぎ取ったえて.
 しかし渡されたターンはすでにRikkyの策の中。≪ボルシャック・スーパーヒーロー≫を召喚して《異端流し オニカマス》《冥土人形ヴァミリア・バレル》を破壊するのみでターンを終えるえて.に対し、《アーテル・ゴルギーニ》を複数絡めてガチガチの盤面を作って攻め込むRikky  最後は選ばれない《異端流し オニカマス》が走り、Rikkyは今年も全国大会への出場権を手にするのだった。

えて. 0-2 Rikky
Winner:Rikky


--「全国大会の出場決定おめでとうございます。」
--「【火水闇ジャオウガ】は、決して主流なデッキタイプではないと思いますが、使用を決めた理由は何でしょう?」

Rikky「”好き”だからですね。」

 ノータイムでの返答に、思わず彼のTシャツと目が合う。「戦えてよかった。」と心から思える相棒が、彼にとっては【火水闇ジャオウガ】だったのかもしれない。

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