全国大会2015:メタゲームブレイクダウン
日本一決定戦の話をするにあたって、特筆するべき点がひとつある。
それは、新たな「殿堂入りルール」の適用初日に開催された大会という事だ。
つまり、この日本一決定戦を戦う18人はデュエル・マスターズの新環境を作る担い手という捉え方もできる。各地のエリア代表戦を勝ち上がってきた猛者たちが、この大一番の日に手にするデッキとは果たして……。
とまぁ、勿体ぶるような事でもないので、ちゃっちゃっと見ていくことにしよう。
■火単侵略 9人
内訳
3人 火単t光
3人 火単t水
1人 火単
1人 火闇
1人 火単t光水
■デッドゾーン 5人
内訳
3人 水闇自然
1人 水闇
1人 光水闇
■サンマッド 1人
■カイザー「刃鬼」 1人
■ヘブンズ・ゲート 1人
■5cコントロール 1人
決勝トーナメント
■火単侵略 3人
内約
2人 火単t水
1人 火闇
■デッドゾーン 3人
内訳
1人 水闇自然
1人 水闇
1人 光水闇
■カイザー「刃鬼」 1人
■ヘブンズ・ゲート 1人
火単禁断侵略 ・・・・・9人
配信でもごく自然に表現されていた「バイク」こと火単侵略。これほどまでに浸透しているのは、尊敬する師匠が流布した事も勿論の事ながら、そのイメージの一貫性とありあまる強さに裏付けされている事が主だろう。「禁断のドキンダムX」で「禁断」という武器を携え、さらなる進化を遂げた【火単侵略】。
結果的に、参加者の50%が「禁断」の力に身を委ねる事となった。現在では同系やコントロール相手に突き刺さる 《暴走龍 5000GT》 を搭載していたり、《閃光の守護者ホーリー》 をタッチする事で確保していた防御手段を、水文明にシフトしていたりと、デッキの進化は留まることを知らない。誰もが認めるトップメタデッキだろう。
デッドゾーン ・・・・・5人
日本一を決める場において第2勢力となったのは通称闇のバイク、【デッドゾーン】。(一部では”廃車”なんて表現もされているとか)
「侵略」はそのギミック上、どんなデッキでも手軽に使える万能コマンド、《勝利のガイアール・カイザー》 と相性がよく、5マナ圏なら 《轟く侵略 レッドゾーン》 を使う際にも筆頭候補だったのだが、
あろうことか、除去範囲は多少萎んだものの、繰り返し使える闇の「レッドゾーン」が登場してしまった。
進化元の広さや高打点である事も相まって、コントロール系統のデッキでも除去を兼ねたフィニッシャーとして重宝され、「闇文明」と「超次元」が絡もうものなら、確実に搭載されるほど、勢力を伸ばしている。中でもこのカードの登場によって、数年越しで頭角を現した 《超次元ガロウズ・ホール》 、革命ブロック構築でも大暴れした 《復讐 ブラックサイコ》 などで、リソースの奪取と素早く詰める事に特化した【水闇自然デッドゾーン】は、【火単禁断侵略】に負けずとも劣らない、強力デッキである。
その他 ・・・・各1人(計4人)
上記2勢力にほとんどの参加者が身を委ねたが、もちろんその他のデッキも負けてはいない。
《ニコル・ボーラス》 を加え、より凶悪なアプローチが可能となった【5色コントロール】、メタゲームへの優先順位によって多彩な構築が可能となる【サンマッド】や、不朽の強さで環境に君臨し続けるビッグマナの代名詞、【カイザー「刃鬼」】。
そして、殿堂入りによって弱体化を強いられても、なお使い手を魅了する【ヘブンズ・ゲート】。
上の2大勢力をしっかり抑え、「日本一を制するデッキ」がこの中にある事を、自分はこの時まだ知らない。
そこは、前年の象徴である「ドラグハート」が覇権を争っている世界。中でも使用率がダントツ多かったのが【闇単ヘルボロフ】。2枚置かれた《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》が生み出すアドバンテージは無尽蔵で、これを撒き返す事ができるはほぼ皆無だった。
が、しかし、 《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》 が殿堂入りとなり、アドバンテージエンジンに上限がついたのと、「7マナのカードをプレイしてゲームを組み立てる」事が環境の高速化によって以前ほど通用しなくなっており、大多数だった【闇単ヘルボロフ】スキーに再考の余地を与えたと言える。
そして、もう一つ大きな変化があったのは【ヘブンズ・ゲート】において核となっていた 《奇跡の精霊ミルザム》 の殿堂。 《音感の精霊龍 エメラルーダ》 と併せる事で膨大なアドバンテージと、様々なループコンボを生み出していたが、今回の殿堂でループ精度とデッキの安定性の両立は、難易度が格段に上がった。
事実、今回の日本一決定戦でもただひとりいた【ヘブンズ・ゲート】は「相手のシールドを全て叩いて倒す」という意志がデッキリストに明確に表されている。
昨今の【ヘブンズ・ゲート】は割合で見ても「ループコンボ」に傾倒していたので、戦術を見直すいい機会なのかもしれない。
一方で、GPを制したデッキだった【イメンループ】は、ループの核となる《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》がプレミアム殿堂となり、環境のスピードに対応しきれない問題が深刻化したため、新たな戦術が開拓されない限り、大人しくなりそうだ。
特に、 《ジ・エンド・オブ・エックス》 を搭載した【火禁断侵略】は実際に大会参加者の中にも何人か存在したのだ。
惜しくも、それらのデッキは決勝ラウンドに残らなかったが、今までにないアプローチができるカードとして大きな可能性を魅せてくれた事は間違いないだろう。また、今回は採用されていなかったが、 《ミラクルストップ》 は勢力を伸ばしつつある、「超次元呪文」メインのデッキや、難攻不落のデッキ、【ヘブンズ・ゲート】に強烈に突き刺さる。
激動のようなメタゲームの変化は繰り返しつつも、開拓されていないアーキタイプや、強力なカードはまだまだ存在するように見える。
思わぬカードの実用性を、新鋭のアーキタイプを、はじめて世に知らしめるのは、次はアナタかもしれない。
それは、新たな「殿堂入りルール」の適用初日に開催された大会という事だ。
つまり、この日本一決定戦を戦う18人はデュエル・マスターズの新環境を作る担い手という捉え方もできる。各地のエリア代表戦を勝ち上がってきた猛者たちが、この大一番の日に手にするデッキとは果たして……。
とまぁ、勿体ぶるような事でもないので、ちゃっちゃっと見ていくことにしよう。
デュエルマ・スターカップ日本一決定戦 メタゲーム・ブレイクダウン
予選ラウンド■火単侵略 9人
内訳
3人 火単t光
3人 火単t水
1人 火単
1人 火闇
1人 火単t光水
■デッドゾーン 5人
内訳
3人 水闇自然
1人 水闇
1人 光水闇
■サンマッド 1人
■カイザー「刃鬼」 1人
■ヘブンズ・ゲート 1人
■5cコントロール 1人
決勝トーナメント
■火単侵略 3人
内約
2人 火単t水
1人 火闇
■デッドゾーン 3人
内訳
1人 水闇自然
1人 水闇
1人 光水闇
■カイザー「刃鬼」 1人
■ヘブンズ・ゲート 1人
火単禁断侵略 ・・・・・9人
配信でもごく自然に表現されていた「バイク」こと火単侵略。これほどまでに浸透しているのは、尊敬する師匠が流布した事も勿論の事ながら、そのイメージの一貫性とありあまる強さに裏付けされている事が主だろう。「禁断のドキンダムX」で「禁断」という武器を携え、さらなる進化を遂げた【火単侵略】。
結果的に、参加者の50%が「禁断」の力に身を委ねる事となった。現在では同系やコントロール相手に突き刺さる 《暴走龍 5000GT》 を搭載していたり、《閃光の守護者ホーリー》 をタッチする事で確保していた防御手段を、水文明にシフトしていたりと、デッキの進化は留まることを知らない。誰もが認めるトップメタデッキだろう。
デッドゾーン ・・・・・5人
日本一を決める場において第2勢力となったのは通称闇のバイク、【デッドゾーン】。(一部では”廃車”なんて表現もされているとか)
「侵略」はそのギミック上、どんなデッキでも手軽に使える万能コマンド、《勝利のガイアール・カイザー》 と相性がよく、5マナ圏なら 《轟く侵略 レッドゾーン》 を使う際にも筆頭候補だったのだが、
あろうことか、除去範囲は多少萎んだものの、繰り返し使える闇の「レッドゾーン」が登場してしまった。
進化元の広さや高打点である事も相まって、コントロール系統のデッキでも除去を兼ねたフィニッシャーとして重宝され、「闇文明」と「超次元」が絡もうものなら、確実に搭載されるほど、勢力を伸ばしている。中でもこのカードの登場によって、数年越しで頭角を現した 《超次元ガロウズ・ホール》 、革命ブロック構築でも大暴れした 《復讐 ブラックサイコ》 などで、リソースの奪取と素早く詰める事に特化した【水闇自然デッドゾーン】は、【火単禁断侵略】に負けずとも劣らない、強力デッキである。
その他 ・・・・各1人(計4人)
上記2勢力にほとんどの参加者が身を委ねたが、もちろんその他のデッキも負けてはいない。
《ニコル・ボーラス》 を加え、より凶悪なアプローチが可能となった【5色コントロール】、メタゲームへの優先順位によって多彩な構築が可能となる【サンマッド】や、不朽の強さで環境に君臨し続けるビッグマナの代名詞、【カイザー「刃鬼」】。
そして、殿堂入りによって弱体化を強いられても、なお使い手を魅了する【ヘブンズ・ゲート】。
上の2大勢力をしっかり抑え、「日本一を制するデッキ」がこの中にある事を、自分はこの時まだ知らない。
殿堂入りの影響
振り返れば、日本一決定戦への始まりは昨年の8月に行われた「DMGP1st」だった。そこは、前年の象徴である「ドラグハート」が覇権を争っている世界。中でも使用率がダントツ多かったのが【闇単ヘルボロフ】。2枚置かれた《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》が生み出すアドバンテージは無尽蔵で、これを撒き返す事ができるはほぼ皆無だった。
そして、もう一つ大きな変化があったのは【ヘブンズ・ゲート】において核となっていた 《奇跡の精霊ミルザム》 の殿堂。 《音感の精霊龍 エメラルーダ》 と併せる事で膨大なアドバンテージと、様々なループコンボを生み出していたが、今回の殿堂でループ精度とデッキの安定性の両立は、難易度が格段に上がった。
事実、今回の日本一決定戦でもただひとりいた【ヘブンズ・ゲート】は「相手のシールドを全て叩いて倒す」という意志がデッキリストに明確に表されている。
昨今の【ヘブンズ・ゲート】は割合で見ても「ループコンボ」に傾倒していたので、戦術を見直すいい機会なのかもしれない。
一方で、GPを制したデッキだった【イメンループ】は、ループの核となる《鎧亜戦隊ディス・マジシャン》がプレミアム殿堂となり、環境のスピードに対応しきれない問題が深刻化したため、新たな戦術が開拓されない限り、大人しくなりそうだ。
新カードの影響
今大会では、最新セットからプロモーションカードとして先行登場している、《ジ・エンド・オブ・エックス》 と 《ミラクルストップ》 が使用可能だった。特に、 《ジ・エンド・オブ・エックス》 を搭載した【火禁断侵略】は実際に大会参加者の中にも何人か存在したのだ。
激動のようなメタゲームの変化は繰り返しつつも、開拓されていないアーキタイプや、強力なカードはまだまだ存在するように見える。
思わぬカードの実用性を、新鋭のアーキタイプを、はじめて世に知らしめるのは、次はアナタかもしれない。
TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY