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デュエル・マスターズ

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全国大会2017 決勝戦:dotto vs. ちゃそ



物語を紡ぐ事とデュエルをする事は同じだ。

人と人との意志のぶつかり合いが物語を紡ぐとすれば、デュエルをする事も物語を紡ぐ事と同意と言っても大げさではないだろう。

そして、神は細部に宿るという。

人は無意識にか、完璧な存在である神を目指してしまうという。そして、その過程において細部にまで細心の注意を払った者だけが、神に近づける。だから、神は細部に宿るのだ。

ならば、細部に込めた思いこそが、人の意思だ。大きな視点で見た時に、人と人の違いなんて些細なものだ。だが、その細部の違いこそが、それぞれの意思であり、そのぶつかり合いが物語を紡ぐ。微差の積み重ねが物語となる。

2017年日本一決定戦。激戦区関東エリアを突破したちゃそと、全国ランキング3位のdottoによる決勝戦は、火水を軸に光をタッチした『ドギバス』による同型戦となった。関東と関西、地理的にも遠く離れ、そして調整チームもdottoはあばばばとピカリ、ちゃそも旧原一派と全く別々のものであったにも関わらず、二人の使うデッキは驚くほど似ている。まだ殿堂直後の新しいデッキなのに、だ。

2人のデッキの違いはメインデッキでは7枚、超次元に至ってはたったの1枚。

超次元ゾーンでは、ちゃそは《ガイアール・カイザー》を、dottoは《光器セイント・アヴェ・マリア》を選択した。

ニンジャ・ストライクでは、ちゃそは安定の《光牙忍ハヤブサマル》を、dottoは早いターンから使える《光牙忍ライデン》を選択した。

dottoは、墓地対策になる《龍素記号Xf クローチェ・フオーコ》を採用するために、《奇天烈 シャッフ》《勝利のアパッチ・ウララー》を1枚ずつ削った。

そして、光のトリガーを4枚ずつ。ちゃそは《閃光の守護者ホーリー》を、dottoは《Dの牢閣 メメント守神宮》を選択したのだった。

残りの40枚は全く同じ、《“龍装”チュリス》から《蒼き団長 ドギラゴン剣》《異端流し オニカマス》などのメタクリーチャーでサポートするというコンセプトのデッキ。2枚の《“乱振”舞神 G・W・D》に至るまで同じなのだ。

だが、この違いが二人の選択の差。そして、最大の違いは、二人が全く別々の人間だという事。

果たして、この二人の違いは、どのような物語を紡ぐのか。

Game 1

ここまで予選から全勝のdottoが先手。2ターン目に《熱湯グレンニャー》を召喚し、カードを1枚ドロー。対するちゃそは、後手故に3ターン目の《“龍装”チュリス》をけん制するべく《異端流し オニカマス》を召喚する。

対するdottoは《蒼き団長 ドギラゴン剣》をケアする《異端流し オニカマス》を出すことができず、ここでは《熱湯グレンニャー》《プラチナ・ワルスラS》へと進化し、ドローを進めつつのアタックをするプランを選択する。ここでトリガーはない。


1ターン目に《“龍装”チュリス》をチャージしていたちゃそは当然、手札に《“龍装”チュリス》を持っている。この《異端流し オニカマス》のいない隙に《“龍装”チュリス》を召喚し、《プラチナ・ワルスラS》へとアタックしつつ《蒼き団長 ドギラゴン剣》へと革命チェンジ、ファイナル革命で《熱湯グレンニャー》をバトルゾーンに呼び出してドローを進め、ターンを終了する。

dottoはB・A・Dで《“乱振”舞神 G・W・D》を召喚し、《熱湯グレンニャー》とバトルしつつ、《“乱振”舞神 G・W・D》のマストアタックの効果でシールドへとアタック。ちゃその残るシールド枚数を2枚としてターンを終える。


盤面は強いものの、じわじわとシールドを攻められている形となっているちゃそ。だが、ここは慌てず《単騎連射 マグナム》を召喚し、dottoの選択肢と逆転の機会を少しずつ狭める詰将棋のような選択をとり、ターンを返す。dottoは《Dの牢閣 メメント守神宮》を展開してターンを終える。

そして、ちゃそのターン開始時に《Dの牢閣 メメント守神宮》のDスイッチを発動、ちゃその《蒼き団長 ドギラゴン剣》《異端流し オニカマス》《単騎連射 マグナム》をタップさせる。1ターン封じられる形となったちゃそだが、ここで《奇天烈 シャッフ》を召喚し、4を宣言。こちらもdottoのターンが有意義なものにならない選択をとる。

dottoは《月光電人オボロカゲロウ》を召喚し、4枚ドローから4枚山札の下に送り、打点を作りつつ手札を整理する。そして、《奇天烈 シャッフ》を召喚し、こちらも4を宣言し、自身のターンが帰ってくる可能性と、帰ってきたときに勝利できる可能性を高めターンを終える。


ちゃそは、長考の末にここで2体目の《奇天烈 シャッフ》を召喚、ここでも4を宣言する。十分にトリガーをケアできていないと判断したちゃそは、これでターン終了。ターンが戻ってきたdottoは《月光電人オボロカゲロウ》《プラチナ・ワルスラS》へと進化させつつ、さらにB・A・Dで《“龍装”チュリス》を召喚する。

そして、これらでアタック。打点は3点。前述のように、ちゃそのシールドはすでに2枚。いつのまにか、ちゃそは追い詰められていた。

序盤からじわじわとシールドを詰めていたdottoのプランに応えるかのように、ちゃそのシールドにはトリガーがないのだった。

dotto 1-0 ちゃそ


「魔王」「dottoではなく、もはやgoddo(ゴッド)」と王や神の名をもって語られるdotto。今シーズン、特に11月頃の強さは圧倒的だった。

11月頃、つまりはこの日本一決定戦のエリア予選が開催されていた頃。この時、dottoは4週連続での公認CS優勝という偉業を成し遂げていた。この時、各エリア予選会場で戦うプレイヤーたちは、一方でdottoの快進撃を口々に噂した。「もはやgoddo」というのは、この頃に会場でよく聞いた言葉だ。

実際、この時のdottoは圧倒的に強かった。自身も、最高に自分にフィットしたデッキだったと語る『光自然メタリカ』を手に、11月中はトップ8進出時の優勝率100%という戦績を残しているのだ。12月に入り、トップ8入賞したdottoが準々決勝で敗北したとの報を聞いて、それが本来は当たり前の事であるにも関わらず、多くのプレイヤーが驚きの声をあげたくらいだ。

この時、dottoは『光自然メタリカ』を毎週アップデートしていた。固定パーツの多い『光自然メタリカ』において、それはたった数枚のカードの違い、微差でしかなかったが、しかし、常に前の週のデッキリストよりも、イノベーションに溢れたリストだった。優勝しても満足せず、常に数枚の違いですら探求し続けた、その結晶のようなリストだった。

そして、それはプレイに関してもそうだったのだろう。

『光自然メタリカ』というデッキは、構造上はコンボデッキに分類されうるデッキではあるが、ゲームスピードの観点からみれば、その本質はむしろミッドレンジと呼ばれるデッキであると言っていい。

ミッドレンジとは、簡単に言えば、相手のゲームスピードによって振る舞いを変えるデッキだ。自分より早いデッキ相手には決着のタイミングを引き延ばし、自分より遅いデッキ相手には決着のタイミングを早める。相手によって変わる自分の有利なタイミングを見極め、それに向けてゲームプランを構築するデッキなのである。

そして、dottoはミッドレンジを使うのが抜群にうまい。それは相手とのゲームスピードの違いを見極め、勝負ターンを見つけるのがうまい、という大局観があるプレイヤーである……というレベルを軽く凌駕してるレベルでミッドレンジがうまい。単純なゲームスピードではない、自分の持っているカードがそれぞれ最大の効果を発揮する瞬間を見極め、そこにゲームを持っていくのがうまいのだ。

『光自然メタリカ』を使用している時のカバレージを読んでもそうだし、同じくミッドレンジに分類される『火水ドギバス』を使う今大会でも、何度もそれを見せた。

例えば、Game 1でも、同型対決ながらも、コントロール的にふるまうちゃそに対して、いつでもゲームを決めうるゲームプランを決めて対抗した。

そして、ゲームスピードによる振る舞いは、対するデッキの違いだけでなく、先手後手でも変化する。

Game 2

互いに《勝利のアパッチ・ウララー》をマナチャージする展開、先手のちゃそが《熱湯グレンニャー》を召喚するが、dottoは後手の時には《異端流し オニカマス》を召喚する。

ちゃその3ターン目のアクションも《異端流し オニカマス》。こうして互いに相手の踏み倒しをけん制したところで、マナチャージだけをするターンが1ターンずつ続く。

次にゲームが動き出したのはdottoの4ターン目の《奇天烈 シャッフ》召喚。宣言は3だったのだが、ここでちゃそは《“乱振”舞神 G・W・D》をB・A・Dでバトルゾーンに出し、《奇天烈 シャッフ》をバトルで破壊する。続いて《“乱振”舞神 G・W・D》でアタックしターンを終了する。

dottoは《熱湯グレンニャー》を召喚し、カードをドローするとさらに2体目の《異端流し オニカマス》を追加し、盤面を横に並べ始める。一方のちゃそは、ここもマナをチャージするだけでターンを終える。


リソースを確保するためかdottoはマナチャージせずに《熱湯グレンニャー》《プラチナ・ワルスラS》へと進化させると、シールドに対してアタックを宣言する。このWブレイクでトリガーは無し。残る2体の《異端流し オニカマス》はアタックせずにターンを終える。

ちゃそも《熱湯グレンニャー》《プラチナ・ワルスラS》へと進化させると、dottoの《プラチナ・ワルスラS》へとアタックし、リソースを稼ぎつつ、相手の打点である《プラチナ・ワルスラS》と相打ちを選択する。

ここでマナゾーンに4文明そろっている状態で《月光電人オボロカゲロウ》を召喚すると、手札を充実させたうえで《Dの牢閣 メメント守神宮》を展開してターンを終了、ちゃそのドロー時にDスイッチは発動させない。そのままちゃそは《熱湯グレンニャー》を召喚する。


そして、2体目の《異端流し オニカマス》を召喚。B・A・Dで《“龍装”チュリス》を召喚すると、革命チェンジ無しでdottoのシールドへとアタックしていく。この攻撃をブロックしないdotto。トリガーは無し。

ここでdottoは自身のターンの開始時に《Dの牢閣 メメント守神宮》でちゃそのクリーチャーを全てタップさせる。これが同型対決での《Dの牢閣 メメント守神宮》の強さだ。《月光電人オボロカゲロウ》《プラチナ・ワルスラS》へと進化させ、さらに《“龍装”チュリス》をB・A・Dで召喚する。ここからはタップしているちゃそのクリーチャーへと一方的に有利な選択で攻撃ができる。まず《異端流し オニカマス》の1体目へと《プラチナ・ワルスラS》がアタックする。

さらに《異端流し オニカマス》へと《異端流し オニカマス》がアタックするが、これは《光牙忍ハヤブサマル》でブロックされる。dottoは2体目の《異端流し オニカマス》《異端流し オニカマス》の相打ちを選択する。

そして、《“龍装”チュリス》《蒼き団長 ドギラゴン剣》へと革命チェンジするとファイナル革命で《勝利のアパッチ・ウララー》がバトルゾーンに出てくる。これがさらに《紅蓮の怒 鬼流院 刃》を呼び出する、《熱湯グレンニャー》とバトルし、《光器セイント・アヴェ・マリア》を呼び出すと、さらに《光牙忍ハヤブサマル》とバトルし、これを破壊。

ターンエンドに《光器セイント・アヴェ・マリア》がハンターをアンタップさせる。《Dの牢閣 メメント守神宮》で全てのクリーチャーがブロッカーになっているので、これで返しのちゃそのターンへの防御は万全となる。


帰ってきたターンでちゃそは《熱湯グレンニャー》を召喚したのちに《“龍装”チュリス》を召喚し、《蒼き団長 ドギラゴン剣》へと革命チェンジ、ファイナル革命で《勝利のアパッチ・ウララー》を呼び出す。ここでめくられたカードが《Dの牢閣 メメント守神宮》だったので、《勝利のプリンプリン》を呼び出し、《勝利のアパッチ・ウララー》のアタックを封じる。

ここでdottoは《光牙忍ライデン》をニンジャ・ストライクすると、《勝利のアパッチ・ウララー》をタップし、そして、《蒼き団長 ドギラゴン剣》をブロックする。打点の足りないちゃそはターンを終える。

dottoは《単騎連射 マグナム》を召喚して《閃光の守護者ホーリー》《光牙忍ハヤブサマル》を封じると、万が一すらも《Dの牢閣 メメント守神宮》を張り直しでケアすると、いよいよシールドをブレイクし始める。


《Dの牢閣 メメント守神宮》の加護か、ちゃそにトリガーは無い。

ここからは、ダイレクトアタックまで1本道のビクトリーロード。

dotto 2-0 ちゃそ


同型の《異端流し オニカマス》への殴り返しでの対策と、相手との殴り合いを制するブロッカー付与という二つの役割を兼ねる《Dの牢閣 メメント守神宮》の採用が、最高の形で結果を出したGame 2。

だが、勝利の要因は採用されているカードの差だけではなかった。その差を活かし、カードの価値を少しでも高めようとするdottoのプレイがあってこそ輝くものだった。

前述のように、dottoの使用する赤青バスターは《“龍装”チュリス》《蒼き団長 ドギラゴン剣》《勝利のアパッチ・ウララー》の6打点パッケージと、《異端流し オニカマス》に代表される対策カードを組み合わせた構造のデッキだ。だが、この大会の中でdottoが《蒼き団長 ドギラゴン剣》を革命チェンジした回数は驚くほど少ない。そして、その数少ない革命チェンジも、ほとんどは相手に止めを刺すためのものではなかった。

時には《蒼き団長 ドギラゴン剣》で殴り返しつつ2体の《熱湯グレンニャー》を呼び出しリソースを補充し、時には相手の攻め手を削りつつ《Dの牢閣 メメント守神宮》で守りを固めるための頭数を揃えるために使う。dottoにとって《蒼き団長 ドギラゴン剣》はゲームを決める切札であるだけではなく、他の多くのデッキのカードと同じく、互いのカードの価値を高めるためのツールのひとつにしかすぎないのだ。


dottoは、1枚1枚のカードが少しでも最高の働きをできるよう、1手1手でわずかでも価値を積み重ねていくだけで、それが勝ちにつながるだけのシンプルなプレイなのだ。だが、そのシンプルなプレイが普通はできないのだ。微差の優位に身を委ねるのが怖くて、人は3ターン目に《蒼き団長 ドギラゴン剣》をしたくなってしまう。

委ねられるに至るまで、どれだけの経験の積み重ねが必要なのだろうか。それを成し遂げた男こそ、王や神と呼ばれるにふさわしい。

そして、決勝戦を勝利したことで、1年間積み重ねてきたDMPランキングでも1位となった。誰もが認める2017年最強のプレイヤーだ。

神は細部に宿る。

そして、細部を制したものが王となる。

おめでとう、dotto! 2017年日本王者!
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