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全国大会2018 準決勝:ギラサキ(滋賀) vs. シュウ(埼玉)

 40人いたプレイヤーも、勝ち残っているのはもはや4人。

 そして彼らのデッキの内訳は、驚くべき様相を呈していた。

ギラサキ (自然ジョーカーズ) vs. シュウ (ジョーカーズ)
ゴリえもん(ジョーカーズ) vs. Runo (チェンジザドンジャングル)

 『ジョーカーズ』無双。カードプールの広い殿堂環境がしかしここまで顕著なメタゲームになるとは、一週間前の大会結果などから誰が予想できただろうか。

 だが、否。彼らは予想した。この場においては『ジョーカーズ』こそが最強のデッキであると。

 けれども、そのほぼ同じ結論にたどり着いたにもかかわらず。DMGP7thの準優勝者でもあるギラサキのデッキだけは、他の『ジョーカーズ』とは一線を画していた。

 『自然ジョーカーズ』。昨年の日本王者であるdottoに声をかけて一緒に調整をし、たどり着いたのがこの形だった。無色の『ジョーカーズ』は、ループがある都合上もはやテンプレートレシピが36~37枚固まっている。その構成パーツは、ほとんどがDMRP-06までのカードで占められている。だからDMRP-07で自然文明のジョーカーズが出ても、そこに入る余地はなかった。いや正確には、ないと思われていた。(・・・・・・・・・・)

 しかし、違った。『ジョーカーズ』にはまだ先があった。増えるであろう『ジョーカーズ』同型戦を見越した、先の先を取れる形。初動である2コストクリーチャーの枚数を増量し、安定して先にビッグアクションにつなげられる『自然ジョーカーズ』は、しかしループパーツの枚数を大きく損ねることもないその奇跡的なバランスを見出したことによって成り立っていた。それは間違いなく関西勢が練り上げた一つの成果であり、この大会のシークレットテクの一つであった。

シュウ「次元4枚です。フィーチャー席でこれができるなんてw」

ギラサキ「トレンドになるかもですね。(実況の) 真木さんが困るかもw」

 対するは、DMGP6thの準優勝チームの一員でもあるシュウ。テンプレートから《ワイルド・シールド・クライマックス》を抜いて《シャダンQ》を採用した『無色ジョラゴンジョーカーズ』は、チームメイトであるヤザワの手によるものだという。彼らは、テンプレートの残りの3~4枚を煮詰める選択をした。複雑なループルートを頭に叩き込み、同じくチームメイトでもあるゴリえもんと共にここまで勝ち上がってきた。

 2人は予選ラウンドの5回戦目で既に当たっており、そのときはギラサキが勝利している。『ジョーカーズ』同型戦では、初動のもたつきは命取りになる。その点初動の安定性を改良した『自然ジョーカーズ』は、無色のそれに対して明確に相性が良いと言ってよかった。

 しかも決勝ラウンドは、紛れの少ない2本先取なのだ。

 盟友dottoは予選ラウンドで散り、今や関西を背負って戦うこととなったギラサキと、チームメイトとの決勝戦まであと一歩というところまで漕ぎつけたシュウ。

 日本一まで、あと2勝。

 準決勝、色違いの『ジョーカーズ』対決が幕を開けた。

Game 1

先攻:ギラサキ

 予選の順位で先攻はギラサキ。1ターン目は《名犬機 ワンコピー/ 101匹コピット大冒険》チャージに対して《バイナラドア》チャージで互いに動きはなし。

 そして肝心の初動、2ターン目。ギラサキは《メイプル超もみ人》チャージからの《タイク・タイソンズ》。この時点で4ターン目の6マナが確定する強力なムーブ。対してシュウは《パーリ騎士》をチャージするのみ。《ヤッタレマン》が、ない。

 これを見たギラサキは《ワイルド・シールド・クライマックス》チャージから《ヤッタレマン》を送り出すと、《タイク・タイソンズ》の攻撃時に《メイプル超もみ人》へと「Jチェンジ」、このターン5マナへと加速する。対してシュウの側にはS・トリガーはなく、返すターンに《キング・ザ・スロットン7/7777777》チャージからようやくの初動となる《ポクチンちん》を召喚するにとどまる。

 そしてギラサキの先攻4ターン目。ゲームは予想外の方向から、早くもクライマックスを迎えることになる。
 何と6マナから《アイアン・マンハッタン》を1軽減+J・O・E 2で召喚!

 《ワイルド・シールド・クライマックス》によって火マナが供給されていたことにより発生したルートを、ギラサキはしっかりと見逃さなかった。登場時効果で、4枚のシールドのうち2枚がブレイク。S・トリガーは、ない。

 さらにすぐさま《キング・ザ・スロットン7/7777777》を捨てて召喚制限の効果を使用しつつ、そのままW・ブレイク。

 残りのアタッカーは《ヤッタレマン》《メイプル超もみ人》。一瞬トリガーしたカードを出そうとしたシュウだったが、トリガー2枚要求のために1枚では返せないことを悟ると、次のゲームに移ることを選択した。


ギラサキ 1-0 シュウ


シュウ「……せめて1回は勝ちたいなぁ」

 シャッフル中、シュウがポツリと漏らす。厳しいマッチアップであることは、シュウにももちろんわかっていた。だが、次のゲームは先攻。ならばまだチャンスはある。

 日本一に挑戦できるチャンスは、人生で何度あるだろうか。

 限られたこの機会に自分を出し尽くすべく、シュウは再び5枚の手札を手に取った。


Game 2

先攻:シュウ

 シュウが《バイナラドア》チャージでターンを返すと、ギラサキは《ワイルド・シールド・クライマックス》をチャージ。続けて《キング・ザ・スロットン7/7777777》をチャージしたシュウは……ターンエンド。再び《ヤッタレマン》は、ない。

 対するギラサキは《キング・ザ・スロットン7/7777777》チャージから《ヤッタレマン》。だが、今回もシュウも《キング・ザ・スロットン7/7777777》チャージから1ターン遅れで《ヤッタレマン》を送り出す。

 それでもギラサキはここで自然マナを引き込んだか、《ソーナンデス》チャージから《タイク・タイソンズ》。これで次のターンには《ジョット・ガン・ジョラゴン》が召喚できる態勢だ。
 対するシュウのアクションは《シャダンQ》チャージから《ポクチンちん》《ガヨウ神》はないが、ひとまずシュウも次のターンには《ジョット・ガン・ジョラゴン》で走れそうな状況を作ることに成功する。

 しかしギラサキは《ジョジョジョ・ジョーカーズ》をチャージすると、《ヤッタレマン》《タイク・タイソンズ》を手札に戻して《ジョット・ガン・ジョラゴン》を召喚!

 攻撃時に捨てたのはまずは《ガヨウ神》。さらにジョラゴン・ビッグ1で使用した能力で捨てたのが、あろうことか《燃えるデット・ソード》 これによりシュウの展開は大きく後退することとなる。しかもW・ブレイクでS・トリガーはない。

 返すターン、《ポクチンちん》を失いつつ3マナに戻ってしまったために《ジョット・ガン・ジョラゴン》が出せないシュウは、やむなく《シャダンQ》チャージから《ジョジョジョ・ジョーカーズ》。手札に加えた《ポクチンちん》を、そのまま出すことくらいしかできない。

 ギラサキのターン。《タイク・タイソンズ》をチャージして6マナ、そこから《ソーナンデス》を出すと、マッハファイターで《ポクチンちん》をまずは打ち取る。さらに《ジョット・ガン・ジョラゴン》の攻撃時に《アイアン・マンハッタン》を捨て、能力とW・ブレイクでシュウのシールドをすべて割りきる。

 しかも、ここでもトリガーはない。その瞬間、ギラサキは「良し!」と小さく呟いた。《アイアン・マンハッタン》の召喚制限がある状態でこの盤面を返すことは、事実上不可能と言ってよかった。

 シュウもようやく召喚した《ジョット・ガン・ジョラゴン》でギラサキに最後の一撃を入れに行くが、《ガヨウ神》《ガヨウ神》《アイアン・マンハッタン》《キング・ザ・スロットン7/7777777》と捨てたところで、めくれた3枚にはデッキの中で唯一ジョーカーズではない《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》の姿が。これにはシュウも苦笑いするしかない。

ギラサキ「ちなみに、マンハッタン使ってるんで出ないですね」

シュウ「出ないですよね……」

 もちろんシュウも先刻承知だが、できるだけの抵抗は示したかったのだろう。しかしそれでも最後の最後まで締まらない引きを見て、いいオチがついたとばかりに笑顔でターンを返す。

 そしてターンが返ってきたギラサキは、シュウを介錯せんと《ジョット・ガン・ジョラゴン》を攻撃に向かわせる。

ギラサキ「ダイレクトで」

シュウ「ありがとうございました」


ギラサキ 2-0 シュウ


シュウ「結局ギラサキさん相手0-3したのかー……」

ギラサキ「またどっかで会ったらお願いします」

 2本連続で2ターン目にクリーチャーを出せたギラサキに対し、2本連続で2ターン目をチャージゴーでしか返せなかったシュウ。

 もちろんそれがすべてではないにせよ、『自然ジョーカーズ』の強みが明確な差となって表れた試合となった。

ギラサキ「緑の安定感が勝った感じでしたね。最後マンハッタンで詰めれたのが、緑の良いところが出ましたね」

 去年は予選落ちでdottoの優勝を見守ったギラサキ。忘れもの(トロフィー)を取りに行くため、そのdottoと一緒に調整した『自然ジョーカーズ』と共に、決勝戦へと臨む。

Winner:ギラサキ
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