デュエル・マスターズ

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全国大会2024 3位決定戦:にわか vs.あーるん。

ライター:山口 海斗(ジャイロ)
撮影:後長 京介

 3位決定戦。
 決勝戦を前にした前座に見えるだろうか。おまけに見えるだろうか。しかし、デュエルマスターズの3位決定戦こそ、重たいものは無いと筆者は思うのだ。

 例えばグランプリ。3位には全国大会の参加権が渡されるのに対して4位には無い。
 例えば全国大会。3位には世界に1枚だけの入賞プロモカードが渡されるのに対して4位には無い。

 今更と言えば今更ではあるのだが、改めてこの事実を認識したにわかは震えた声でつぶやく。

にわか「前の3決は全国決まっていたけど、景品が懸かっている3決は初めてかも。」

 普段から比較的ニコニコ顔の多いにわかが目に見えて緊張している。何度も自身の腕をさすり、落ち着こう、落ち着こうとしている。

 対するあーるん。も思いは負けていない。人生の目標として「トロフィーが欲しい」と述べていたあーるん。。全国大会の切符を勝ち取ったDMGP2024-1stでも2位だった彼は、あと一歩のところでトロフィーを逃している。3位に渡される入賞プロモカードは豪華なスクリューダウンに入れられており、彼の目標となるトロフィーであるはずだ。

 お互いの思いは伝わっただろうか。3位決定戦だからこそ懸かっているものがある。奇しくも同い年の2人、最後の勝負が始まる。

Game1

先攻:あーるん。  2ターン目のマナチャージを終え、自然文明を埋められずに渋い顔でいるあーるん。
 一方にわか《メンデルスゾーン》を唱えて1マナではあるがマナを伸ばすことに成功。またもや自然文明を埋められないあーるん。はターンを終えるしかない。ならばこの隙に。

 にわかは軽減能力を使い《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を召喚すると、即座にあーるん。へと攻撃を決める。

 あーるん。の使う【水闇自然マルル】だが、生半可な攻撃に対しては《ブレイン・スラッシュ》での手痛いしっぺ返しがある。しかしそれも、バトルゾーンに水文明・闇文明を揃えている時か墓地に強力なクリーチャーを用意できているときのみ。

 あーるん。が3ターンの間何も動けていないのをにわかは見逃さず、この隙にあーるん。へと攻め込む。

 《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の攻撃時効果で捲れたのは《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》

 《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》は更に《ボルシャック・ドラゴン / 決闘者・チャージャー》の上面と《ボルザード・スーパーヒーロー / 超帝王タイム》の上面を呼び込み、スピードアタッカーを与える。

 ≪ボルシャック・ドラゴン≫があーるん。のシールドに追撃をかけ、≪ボルザード・スーパーヒーロー≫があーるん。のシールドを残さず奪い去る。

 東のボルシャックは目覚め、西のボルザードが咆哮する、古来より伝わる超獣世界の出来事がいま、全国大会のテーブルで行われていた!  実質あーるん。の最終ターン。トップドローで《フェアリー・ギフト》を引き、何とか返せないか思案するが…。

 2コストの初動を打てなかった事実がここにきて重たくのしかかる。せっかくの《フェアリー・ギフト》も活かせず、あーるん。《飛翔龍 5000VT》を召喚するのみでターンエンド。

 あーるん。は知っている。にわかも知っている。
 ドラゴン達を前に《飛翔龍 5000VT》は無力であることを。 にわか 1-0 あーるん。


《ボルシャック・ドラゴン》まだまだ現役で活躍中らしいぜ」

 嘘でも方便でもない。にわかがそれをデュエルマスターズ最高峰の大会で証明してみせたのだ。
 後の無くなったあーるん。はGame2の準備中、何度も深呼吸を行う。文字通り何もできずに負けた。その悔しさを紛らわせている。

Game2

先攻:あーるん。

 Game1では叶わなかった、念願の2コストマナ加速に成功したあーるん。にわか《メンデルスゾーン》で2マナ加速に成功させており、マナレースはにわかが一歩優勢か。

 否、【水闇自然マルル】の真骨頂はマナレースになってこそ。《ヨビニオン・マルル》を召喚するとヨビニオン能力で《天災 デドダム》を出す。

《ヨビニオン・マルル》の効果も合わせて一気に7マナ域にまで到達したあーるん。は手札に《ブレイン・スラッシュ》を抱えており、勝利まであと一手にまで迫る。

《ブレイン・スラッシュ》+《偽りの月 インターステラ》という強力な動きが魅力的だ。」
「受けの固いデッキに負けない貫通力が欲しかった。」
「環境に強い《飛翔龍 5000VT》が強く使えるデッキにしたかった。」

 あーるん。が語る【水闇自然マルル】の強み、そのエピソード。遺憾なく発揮し3位決定戦の場にまでやってきた。次のターンでそれを発揮できるところまで来た!

 …だが、結果としてあーるん。にターンは返ってこない。
 これから我々が見るのは、にわかによる、≪ボルシャック≫による「新たな夜明け」だ。

 にわか《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を召喚し《天災 デドダム》をタップ。今度は攻撃先がある。だけでない!

にわか「革命チェンジ《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》

 《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》の登場時能力に加えて《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の攻撃時能力、合計4体のドラゴンを展開すると更なる《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を呼ぶ!

 2体目の《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》に革命チェンジ、加えて《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の攻撃時の能力でゲームエンド級の《地封龍 ギャイア》をバトルゾーンに呼び込むと、怒涛の過剰10打点を形成!  こうなってしまえばあーるん。必死の《ブレイン・スラッシュ》すら何も痛くない。  そのままドラゴン達はあーるん。に総攻撃し、あっという間にダイレクトアタックまで決めたのだった。 にわか 2-0 あーるん。
Winner:にわか


にわか「勝てた…。」

 にわかはデッキ内で最高の動きを2回連続で成功させ3位を飾った。にわか本人がその事実を受け入れられていないようだ、まだどこかに緊張が残っている。

あーるん。「おめでとうございます。」

 2ゲーム通してにわかのブン回りに屈した彼だが、真っ先ににわかの健闘を称える姿は文句なしにカッコよかった。

 ゲームで魅せたにわか。行動で魅せたあーるん。
 2人の固い握手をもって、全国大会3位決定戦は幕を降ろした。


 勝利者インタビューを終えて戻ってきたにわかには笑顔が戻りつつあった。元々ドラゴン系のデッキが好きだった彼は、環境読みの難しい全国大会だからこそドラゴンの持つカードパワーに惹かれたとのこと。

 デッキ選択の妙が光る、見事な全国大会だったと思う。

 12枚もある一発逆転のシールドトリガーは【火光闇ファイヤーバード】の猛攻を凌ぐため。

 絶妙な色配分はその出力を遺憾なく発揮するため。

 にじさんじコラボのスリーブは、大好きなリゼ・ヘルエスタと共に戦うため。

 緊張のほぐれたにわかは、いつものニコニコ顔で語っていた。
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