全国大会2024注目プレイヤー事前インタビュー:~前編~
ライター:河野 真成(神結)
DMGPやエリア予選と比べて、DMPランキングの戦いというのはスポットが当たりにくい。いわば、陰の戦いだ。しかし2024年度は、ランキングシステム自体に大きな変化があった。それは従来までの「獲得した全てのポイントが計上される」というシステムから、「1週間で獲得したポイントのうち、上位2つまでがポイントとして計上される」というものだ。
これによってチャンスを得たプレイヤーもいれば、逆に従来までの戦い方を見直すことになったプレイヤーもいた。
プレイヤーたちは、この変化をどう捉えたか。
また或いはこの変更に対して、プレイヤーたちはどのように対処したのだろうか。
今回は前年に引き続き、前期・後期ランキングプレイヤーたちの中から、個人的に注目している数名にそれぞれ話を聞かせてもらった。
前期ランキング10位:ロマサイ

ロマサイは、愛知で活躍を続ける古豪プレイヤーだ。
GP5thで4位、そして同年ランキングも4位。年が違えば、全国大会に出ることが出来た筈だった。だが、この時は叶わなかった。
その後もデュエマを長く続けていたが、システム変更を期に、ランキングへと参戦。そして見事全国大会への切符を勝ち取った。
デュエマを代表する「ループ愛好家」でもある彼は、どのように全国大会を決めたのだろうか。
エシャロットから今日まで、全てのループを愛する男
――本日はよろしくお願いします。早速ですが、ロマサイさんがデュエマを始めたのはいつ頃だったのでしょうか?ロマサイ「確かデュエマが最初に発売されてから2年後くらいだったと思います。最初に当てたSRが《超神龍バイラス・ゲイル》だったんですよ」

ロマサイ「ちょっとはっきりとは覚えていないですが、当時は小学校2~3年生くらいだったと思います。そこから『カードそのものは触っていない』という時期はありましたけど情報は追っていて強弱はあれどずっと何かしらは触れていたと思います」
――ちなみにショップ大会とか、或いはCSとかに出始めたのっていつ頃でしたか?
ロマサイ「大会に出始めたのが、それこそ(戦国編の)《邪眼皇ロマノフI世》を最初の方使っていた記憶がありますね。CSに出るようになったのはCSサポートが出来てから(2015年)なので、革命編の頃でしょうか」
――その頃ってどんな使っていたんですか?
ロマサイ「よく使っていのは《龍覇 イメン=ブーゴ》とか《龍覇 サソリス》だったんですが、その頃【水自然サソリス】(※)というデッキを使っていまして……」
※《終末の時計 ザ・クロック》や《飛散する斧 プロメテウス》等の水文明が入ったサソリス。
――あー……そのデッキ名を久々に聞きました。あれ勝ったのって、ロマサイさんだったんですね。
ロマサイ「そうですね、最初は自分1人で使っていて。それなりには勝てていような気がします」
――そしてそこから少し時期を置いて2017年に入ると鎖風車のループ(※)が登場しますが、ロマサイさんと言えばこのデッキの印象が強いです。
※《ベイB ジャック》を使用した自然単のデッキの中で、《大勇者「鎖風車」》を使用したループを軸にしたもの
ロマサイ「あれで結構有名になったかもしれません。その頃は本当にそのデッキをばかりを使っていた時期ですね」
――いままで使っていたデッキの中でも鎖風車は思い入れのあるデッキなんでしょうか?
ロマサイ「どうですかね。思い入れのあるデッキは色々あるんですけど、一番初めに僕がループにはまったキッカケとなったのが【エシャロットループ】(※)なんですよ」
※《剛勇霊騎エシャロット》と《エマージェンシー・タイフーン》を組み合わせた即死ループデッキのこと。2008~2009年頃に登場した。
――ループの元祖的なデッキですが、ループデッキが生まれてからずっと触っている感じなんですか?
ロマサイ「そうですね、ずっと触っています。やっぱり一番好きなのがループデッキなので」
ファイアー・バードと共に
――ロマサイさんの経歴で言うと、どうしても2017年の印象が強いです。GP4thでベスト16、GP5thで4位、そしてランキングでは惜しくも全国大会には届きませんでしたが、4位(※)でした。※2017年のDMPランキングによる全国参加は上位3名までだった
ロマサイ「本当にギリギリ、最後60pts差だったような気がします」
――その年は、どういった形でデュエマをしていたんですか?
ロマサイ「うーん、特に遠征とかしていたわけでもないんですよね。大阪にはよく行っていましたけど。ただそれもWINNERS(※)の面々でみんなで行ったりとか、そういった感じです」
※かつて愛知県にあったデュエマ専門店のこと。
――WINNERSの方々は、皆さん仲良かった印象があります。
ロマサイ「そうですね……あと、それでいうとWINNERSCSではたくさん勝てたとは思います」
――ちなみに現在だと、どのような方々と一緒にデュエマしていることが多いんでしょうか?
ロマサイ「有名どころだと、やっぱりアーチー・じゃきーとか、あとはS.S……他にももっしーとか、その辺りが一番ですかね。普段すごい一緒にやっているというわけではないんですけど、デッキの意見交換とか、そういう話をしていることが多いです。特にこういう時期なんで、頼りにさせてもらっています」
――踏まえて2024年のランキングなんですが、今年になってランキング制度が変わりましたけど、走る予定とかは元々あったのでしょうか?
ロマサイ「5月の超flat-CSで6000ptsを取るまでは走るとかそういったことは全然考えてなくて、そこでポイントが取れたことと、制度も変わったこともあって、走った感じです」
――仕事を続けながらだったとは思うんですけど、どういった形でCSに参加していたんですか?
ロマサイ「基本土日ではあるんですけど、ちょっと自分は運が良かったというか、それなりに平日CSも出られたんですよ。平日も夜にもちょくちょく」
――最終的に全国圏内に入ったわけですが、走ってみて上手くいった部分とかはどんなところにありましたか? デッキとか、ポイントの盛り方とかになりますが。
ロマサイ「一番よかったのは、【ファイアー・バード】にちゃんと向き合ったことですね。発売してから、ある時期を堺にもう【ファイアー・バード】しか使わなかった時期があるんですよ。まぁ時期というか、ランキングが終わるまで」
――【ファイアー・バード】が出たのが前期の7月の終わりだったと思うのですが、そこからはずっと【ファイアー・バード】ですか?
ロマサイ「8月くらいから使い始めたと思うんですけど、そこから9月終わりまで2カ月間、ずっと【ファイアー・バード】ですね」
――ランキングを確認してみると、8月後半からのメダルの数がスゴイですね。
ロマサイ「ここで勝率が安定したので、最後まで走り切れたというのはあると思います」
――逆にここは上手くいかなかったなとか、苦労したなというのはありますか?
ロマサイ「うーん、最初に6000pts取ってからは【火水マジック】とか【闇自然アビス】とか使っていたんですけど、なんか上手くポイント盛れなくて。途中で【闇単アビス】みたいなデッキに逃げたり、変なカード入れたり、そんなことをしていました。そもそも自分が地雷デッキみたいなのが好きなので……」
――確かに変化球のようなデッキの方が好きな印象はあります。
ロマサイ「どうしてもそういうのに逃げたくなっちゃって、それは良くなかったですね。逆に8月以降の路線変更が上手くいって、【ファイアー・バード】を突き詰めた結果に終盤で盛り返して全国行きました、っていう形です」
――改めて、今年からランキング制度が『1週間のうち、ポイントの多い上位2つ分がランキングに反映される』というものに変更になっています。今のランキングについて、率直にどうお考えですか?
ロマサイ「僕は賛成というか、ほぼこれがいいんじゃないかなと思っています。……より個人的な願望を言うならレーティング制度というか、ポイント足すだけじゃなくて勝率とかまでいったら嬉しいっちゃ嬉しいんですけど……それはそれで大会を開くメリットとか、参加者集めるとか、デュエマ全体にとってはよくないかなと思っていまして、現状くらいがちょうどいいんじゃないかなと、そう思っています」
僕かじゃきーかももっしーが優勝します
――ちなみに少しデュエマとは離れるんですが、デュエマやっているとき以外の普段の過ごし方って何かありますか?ロマサイ「YouTubeでデュエマの動画を観るのはデュエマに含まれますよね……それでいうと、にじさんじは結構観ていますので今回のコラボは嬉しいですね」
――好きなライバーの方とか、今回カード化されているのでしょうか?
ロマサイ「正直箱推しなんで、誰がされてもめっちゃ嬉しいんですよ。ぜひ第2弾もやって欲しいです」
――では最後になりますが、全国大会への意気込みをお願いします。
ロマサイ「僕かじゃきーかももっしーが優勝します」
――ありがとうございました。
前期ランキング8位:あんだんて

何よりもアドバンスが好きで、GR召喚が好きな男であるが、そんな彼にアドバンスCSの会場に行っても会えない時が一時期あった。
それが2024年前期だった。
この時あんだんては前期ランキングをひた走っており、過酷な戦いに挑んでいた。
現在はYouTubeのZweilanceチャンネルで「アドバンスの伝道師」として対戦動画に出演しているが、彼のデュエマ半生や過酷な戦いの日々について今回訊いてみた。
GR召喚、最高!
――今回ご協力いただきありがとうございます。まず、あんだんてさんのデュエマ経歴というか、19年以前を全く知らないので、ぜひその辺についてはお話していただければと。あんだんて「初めてデュエマのカードに触ったのって、第1弾なんですよ」
――長いね。
あんだんて「でも何か構築済デッキとかじゃなくてパックで買ったんで、みんながよくしている『《ガトリング・ワイバーン》か《トゲ刺しマンドラ》か』とか、そういうのはないんですよね」
――ちなみに最初に作ったデッキってどんなのでした?
あんだんて「ありがちな光のブロッカー並べて、火で殴るみたいな感じです。当時、光と火に何のシナジーもないんですけど」
――その頃は友達と普通に遊んでいた感じでした?
あんだんて「そうです。で、その後で初めてデッキらしいデッキを使ったのが【ウェーブストライカー】でした」
――あれ、とりあえずウェーブストライカーって書いてあるのを集めればデッキになりますからね。
あんだんて「その後は受験とかで中断はするんですけど、中学校の時は結構やっていましたね。確か中学1年の時に初めてカードショップというものに誘われて行って、そこで大きいお友達ができて、そこから競技というか、真剣に戦うデュエマという概念を知りました」
――それ以来、ずっとデュエマを続けているんです?
あんだんて「うーん、これも話すと長いんですけど。でもエリア予選で【光闇自然ギャラクシー】とか【シノビドルゲーザ】(※)みたいなのは使っていた記憶はあるので、その辺りまではやっていたんだと思います」
※:前者は《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》を軸としたコントロールデッキで、後者はジャイアントを軸に《剛撃戦攻ドルゲーザ》によるドローでシノビを抱えて攻めるというミッドレンジもコントロールも出来るデッキ
――その後中断するんですね。
あんだんて「大学受験の勉強始めたので、高校2年の終盤くらいからは記憶ないんですよね。その頃はブロックの概念が出来て、《超次元バイス・ホール》の撃ち合いとかはしていたので、そこら辺までだと思います」
――ではどのようなタイミングで復帰したいんですか?
あんだんて「大学2年くらいのときに、当時仲良かった人たちとカラオケに行ったんですけど、そしたら後輩が『キューブドラフト』を持ってきていて」
――濃い後輩くんだね。
あんだんて「で、キューブドラフトを遊んでたいたんですが、まぁ自分は受験期ギリギリまでデュエマしていたし、中学は遊んで暮らしていたんで、『自分がカードゲームをやったらどうなるか』っていうの、よくわかっていたんですよ。だから大会には絶対出ないって決めていました」
――わかります。自分も同じ理由で、大学時代デュエマやってなかったので……。
あんだんて「だからキュードラで遊んでいたんですけど、キュードラに新しく入ったカードなんかで触れて、デュエマの時系列自体はちょくちょく追えてはいたんですよね。例えば、DS期はドラグナー絡みの影響で、カードプールの更新が少ないとか」
――でも結局はデュエマのCSに戻ってくるわけなんですけど、何のキッカケで戻ることになったんですか?
あんだんて「GPの8thですね」
――おんそくさんとデデンネさんが優勝したときのですね。2019年春の。
あんだんて「一緒にキューブドラフト遊んでいた友達がGP出るって言い出して、『へー』と思って聞いていたんですよ。自分は頑なにやらないって決めていた筈なんですけど、楽しそうに会話しているのを見て、俺もやりたいなってなっちゃった」
――あーあ。
あんだんて「これが大失敗(笑)」
――『楽しそう』に負けたんですね。
あんだんて「そう、『楽しそう』に負けて。結局GP8thも出ました。【チェンジザドンジャングル】で。以降、戻ってきてしまいました、この世界に」
――ようこそ、デュエル・マスターズへ。
あんだんて「しかも自分が結構凝り性と言いますか、手元にカードが欠けている状態が気に入らなくて。8thの調整をしているときも、自分は使わないとわかっていた【ジョラゴンループ】を組んでいました。で、せっかくカード集めたら、今度は使いたいじゃないですか。今度はそれを使うためにCS行くんですよ。CS行くと別なデッキが出てきて、またカード集めるじゃないですか。もうこれの繰り返しです」
――あーあ。
あんだんて「で、今もこの状態ですからね。ただ当時はランキングとかは気にしてなかったですし、好きなデッキやカードを使いにいくっていう、よくCSにいるタイプのプレイヤーだったんですよ。実際超天篇なのに使っていたのがチェンジザだったくらいですし」
――まぁ、そうですね。
あんだんて「ただ《MEGATOON・ドッカンデイヤー》っすよね。あの、【4cデイヤーループ】を知ってしまって、ここで『環境デッキが強い』ってことに気が付いてしまうんですよ」
――…………。
あんだんて「そこからは一番強いデッキ信者になりまして。以降はカードパワーといいますか、正確にはGR召喚は強いなとなり、《“魔神轟怒”万軍投》ばかり撃つようになりました。あと、正直自分は浅い状態ではあったんですけど、【4cデイヤーループ】が強すぎてそこそこ勝てたんですよ。で、ここで競技って面白いんだなと勘違いをしてしまいまして、まぁこの理由で競技が面白いんじゃないとは早々に気付くんですが、ランキングにも挑戦してみたいなと思うようになりましたが……今度はコロナが来まして」
――2020年ランキングは、早々に中断されてしまいましたね。
あんだんて「ただそのお陰といいますか、マイケル(チームSAGA)さんと知り合いになったり、あとリモートも積極的にやるようになってZweilanceとも知り合いになったんですよ」
――Zweiさん、リモートの大会とかよくやっていますしね。
あんだんて「で、ここがZweilanceのちょっと商売上手いなぁと思うところなんですけど、あそこにランキングを設けやがってですね(笑)」
――(笑)
あんだんて「こっちはランキングを不完全燃焼で終わっているから、GR召喚がしたくてたまらないわけで、これは上手くハメられました」
――ランキングを頑張ってしまったんだ。
あんだんて「そういうことです。直接何かやり取りしたわけではないんですけど、多分『なんかいつもランキングで上にいる奴だなー』って認識されて、今に至るんだと思います」
人の言うことは聞いた方がいいです
――踏まえて、今年度のランキングの話を伺いたいと思います。あんだんて「色々あって、自分にとってのランキングは一旦『アドバンスの大型大会に出るためのもの』に変わって、100位を目指して頑張ろうというものだったんですよ。土日にCSを4回、平日も1回出られるので計5回、そこで100位を獲って、優先枠でGPに出ようというのが目標だったんですね。ただその時GPのチーム戦があって、Zweiさんとおんそくさんと一緒に出ることになって……まぁ、彼らに対しては引け目みたいな点を感じていたので、頑張って練習するしかないじゃないですか」
――まぁ、その席に座って負けられないですよね。
あんだんて「あともう1つ、その時に《哀樹神官 グリッファ》って新カードが出て僕は(アドバンスの水闇自然デッキに使うと)強いなと感じていたんですけど、チーム戦のためにオリジナルの練習してたので、あんまり調整出来なかったんですよね。最終的にGPでは一定の成績で600pts入ったんですけど、《哀樹神官 グリッファ》については心残りがあったので、5月の超flat-CSのアドバンスに行くことを前日に決めたんですよ」
――そこで結果を残した。
あんだんて「最終的にベスト4で1500pts入って、更にその翌週か翌々週かでまた《哀樹神官 グリッファ》で優勝するんですよ。で、計5000ptsくらいあったので、これでランキング走りませんっていうのはちょっと違うかなと思って」
――そこからランキングを走り始めた、と。
あんだんて「退路を断つために、友人たちに『全国大会を目指してランキングを走ります』って宣言しました」
あんだんて「これ、インタビューの依頼があったときから言おうと思っていたんですけど、『ランキングを走ります』って宣言して全国行けなかったら、それは確かに弱いけどダサくはないじゃないですか。でも『週5~6回しかCS出てないしランキングも走っていないし』って言うのは、弱い上にダサいな、と思って」
――それで、宣言していたんですね。
あんだんて「そうしたら周りも理解を示してくれたのか、またおんそくさんの話になるんですけど、ランキングを走ると宣言したら『音速CSにジャッジとして出禁』を言い渡されました(笑)」
――あー、CSに選手として出ろという。
あんだんて「走り始めてからは地獄の日々でした(笑)どっかで大きく勝って爆盛りするみたいなことは出来なかったので、毎週頑張って300~600くらいをコツコツという」
――ただ最後は「全国大会出場を決める魂の《CRYMAX ジャオウガ》ジャスキル」を通して全国を決めました。
あんだんて「それも大きかったんですけど、1つランキング期間中のターニングポイントだったなというのがあって。ちょうど【ファイアー・バード】が活躍していた頃なんですけど、CS会場見たらバードだらけで。それを見てたZweiさんから『【水闇COMPLEX】使ってマッチング良ければ優勝しますよ』って勧められたんですよ。僕は【水闇COMPLEX】をあまり強いと思ってなかったので抵抗はしたんですけど、ランキング期間中はとにかく人の言うことを素直に聞くと決めていたので、ちゃんと使ったんですよ。そのまま2連で優勝しました」
――Zweiさん様々じゃないですか。
あんだんて「人の言うことは聞いた方がいいです」
全国大会はPK戦
―――長くお話ししてくれましたが、全国大会に向けた意気込みをお願いします。あんだんて「これ、マイケルさんだったかWOlf杯のソルトぐみんカンパニーさん(※)のどっちと話したか忘れましたけど、言葉を選ばずに言うと全国大会って究極は運ゲーだと思っているんですよ」
※栃木県でCSの主催をしているプレイヤー。サッカーが好き。
―――ほほう。
あんだんて「ただ、それを話したらPK戦の話をされまして。PK戦って結構運ゲーって言われたりしますけど、ヨーロッパの強豪チームと、そこら辺の草サッカーチームがPK戦したら、まぁ結果は見えているじゃないですか。だから運だとしても一流のキーパーを用意して、一流のキックを蹴る必要はあると思っているので、そこに近付けるように頑張っています」
――なるほど。
あんだんて「まぁ、そのキッカー選びでいま揉めているところなんですけどね(笑)」
――ありがとうございました。
前期15位:はるる

若き頃よりその実力を発揮し、中学生でCS上位常連へ。その後時を経て、最強位決定戦から今日まで、ランキング争いを勝ち抜き続けている。
そんなはるるではあるが、今年のランキング争いは終盤まで拮抗し、最終的には20pts差で滑り込むこととなった。
DTLと並走した過酷な戦いの日々を振り返ってもらった。
デュエマ英才教育最高傑作
――まずはDTLお疲れ様でした。優勝ありがとうございます。はるる「ありがとうございます」
――あのメンバーで優勝できてよかった。
はるる「最後flat-さん頼りになったのは、ちょっと不満ですけどね(笑)」
――最終戦を見て、やっぱり魔王軍は恐ろしい。
はるる「いやー、怖かったっすね、まじで……」
――改めて、全国大会に向けたお話を伺おうと思うんですが、まずはプレイヤー経歴について聞かせてもらえますか?
はるる「一番最初に触れたのが、ドラゴンサーガの≪最強熱血 オウギンガ≫弾あたりだったと思います」
――2014年なんで、ちょうど10年くらい前ですね。それは友達と遊んでいた感じで?
はるる「そうですね、そんな感じです」
――それ以来、ずっと続けている?
はるる「コロナで中断とかはありましたけど、辞めたとかはなかったですね、自分は。波は多少はありましたけど」
――ちなみに話として脱線するんですけど、はるるくんって見ててそう思うし誰に聞いてそう言うんだけど、プレイ上手いなぁって思ってて。他のゲームとかやっていたりしました?
はるる「いや、他にやっていたのはないですね。昔ちょっとだけ他のカードゲームとか遊んでいたりしましたけど、ガチでやっていたわけではないんで……」
――じゃあカードゲームの基礎とか考え方って、全部デュエマで学んだってことですか?
はるる「そうですね。全部デュエマですね」
――大会とかに出るようになったのはいつだったんですか?
はるる「自分は環境デッキに触れるのが早かったんですよ。ちょっとしたら【闇単ヘルボロフ】とか、そういうのをもう組んでて」
――デュエマ初めて数ヶ月でヘルボロフ……?
はるる「環境デッキとか、動画に出てくるデッキとか組んでみたくて。CSに出たのは中2のときで、友人から誘われて静岡の三島に行ったのを覚えています。そして勿論ボロ負けしたんですけど、そこからもっとCS出たくなったので、近辺のCSを調べるようになったんですよ。そしたらブルーポニーCSっていうイベントがありまして。当時は中学生以下限定のCSだったので、自分はよく出ていました」
――CSで初めて勝ったのっていつでした?
はるる「中3に入ってからすぐだったと思うんで、2017年? ランキングが始まるちょっと前くらいに、【5cバスター】を使って優勝したんですよ。初入賞初優勝でした」
――そこからはずっと毎年安定して高い成績を残している印象があります。
はるる「17年は圏外なんですけど、18年以降は100位以内にはずっと入っていると思います」
――18年も19年も、終盤まで全国ランク争いをしていましたよね(18年度18位、19年度31位)
はるる「18年は自分より一個上から全員に全国マークありましたね(笑)」
――踏まえて2024年度ランキングでしたが、いかがでした。
はるる「もうめっちゃくちゃしんどかったですね(笑)もう数字にも出てる通りなんですけど、マジで勝てなかったです」
――最終日も含めて本当にギリギリの戦いでした。
はるる「特に倍率低いところでしか勝たなかったから、優勝全部1200ptsなんですよ。あと今期のランキングシステムだと、例えば1週間にベスト8をいっぱい獲ることって意味ないので……」
――安定感のあるデッキで安定した順位を取り続けるみたいなプレイヤーにとっては、かなり苦労する形式ではありますね。
はるる「平均値出せても結局一発どっかで当てないといけないので、そこがキツかったですね自分には。今のシステムの方が苦手ではあるなとは思いました」
――今のシステムのランキングを半年やってみて、また来年度も走るとなった場合、デッキ選択とかで自分の中の基準を変えてみようとか、そういうのって考えたりするんですか?
はるる「これはもうありますねめちゃくちゃ。多分走ってるときからもっとデッキ選択を見直すべきだったんでしょうね」
――特に前期に関しては『もっと闇自然アビスを使うべきだった』みたいな話を聞くことも多いです。
はるる「自分は【火水マジック】を使った『期待値稼働』みたいなことをしていたんですけど、以前までの制度であれば取りこぼしも少ないし正解だったと思うんですよ。でも今期に関しては優勝を1点で狙う必要があったんで、結果的には【火水マジック】は向いてなかったんだろうなぁ、って思っています。逆に去年までの制度なら【水闇サガ】って本当に向いてたんだなって思うんですけど、あの時も1位の人(ミノミー)はサガ使ってない人だったんで、1人勝ちを狙うならそういう選択の方が良かったのかもなぁ、とも思います」
――ちなみに、ランキングとDTLってどうやって両立していたんですか?
はるる「前期走ったときはチームSAGAだったんですけど、あの時はチームコンセプト?がランキング優先だったんですよ。Zweiさんもランキング走ってましたし、のすけも含めて3人がランキング走っている状態だったんで、自分もランキングを優先していました。ただそれで言うとCS会場にはみんないたので。CS終わって飯食った後、どっかに移動してDTL調整するみたいな、そんな感じでした」
――CS→CS梯子→DTL調整をやっていたってこと?
はるる「あー、そんな感じです。結構詰め詰めではありましたね」
――そういえば、はるる選手はDTL連覇してるんですね。
はるる「そうなんですよ、非常に運がいいので。後期はそんなに活躍出来なかったんですけどね、勝率も五分だし。リーダーに最後持っていかれちゃうし」
――まぁ、美味しいところはいただかれたよね。
はるる「知らない人からみたら、出来レースにも見えますよ(笑)」
あはよくば
――ところではるるさんと言えば、るるる(FTG)さんとの出会い?についても聞いてみたいです。はるる「るるるとは18年度の最初の方CSで当たって、ハンネがハンネだから『お、はるる対るるるじゃん』ってなったんですよ。結果負けました。《フェアリー・ミラクル》3枚の5cに」
――るるるにもそんな時期があったんだ。
はるる「あの3枚の《フェアリー・ミラクル》、4枚目を持ってなかったから3枚で出たらしいです。それからすぐにというわけではなかったんですが、18年度後半からはなんやかんやで関わりが増えました」
――あとは最近、にわかくんと一緒に動画も始めましたね。これから「こんな動画を出していく」みたいなイメージは決まっているんですか?
はるる「明確な方向性はまだ決まってないっすね。一旦、いま上がっているような動画を続けて、反応を見つつ決めることになると思います」
――まぁ始まったばかりですからね。
はるる「今は時期的に全国大会もありますし、今は出来ない話も多いので……。終わったら無限なんですけど」
――ちなみにどうですか? にわかくんとの相性は。
はるる「まぁまぁまぁ、僕は上手く出来る方だと思いますよ。ただ時折、『本当にコイツは大丈夫なのか?』と思うことはあります(笑)」
――と、まぁそんなお二人も参加する全国大会ですが、意気込みがあればお願いします。
はるる「本当は勝つのは当たり前くらいに言いたいんですけど、正直まずは一旦予選上がりですね。今のところ最強位から3-3続きなので、いまいちパッとしない状態ではあるので。とりあえず予選抜けるところから、あわよくば優勝して、ランキング走らなくて済むといいな(笑)」
――ありがとうございました。
(後編へ続く)
プレイヤープロフィール
ロマサイ:愛知で活躍する稀代のルーパー。GP5thは4位。有名な「カマスレッゾ」事件で、《異端流し オニカマス》を出していた方。
とにかくループデッキが好きで、《大勇者「鎖風車」》を使用したループなどを開発。
ちなみに本人のちょっと不思議なエピソードについては、友人であるS.SのTwitter(現X)にて度々ポストされている。
あんだんて:
主にアドバンスを主戦場に活躍する関東のプレイヤー。DMGP20241stでは、Zweilance・おんそくと組んだチームでベスト64。同じメンバーで挑んだ超CSⅦ横浜ではベスト8。
好きなデッキは【4cマグナ】。
またYouTubeのZweilanceチャンネルでは、対戦役としてアドバンスのデッキについて伝授してくれる。
ちなみに趣味(特技)はヴァイオリンとのこと。
はるる:
2018年度より活躍を見せている、関東のプレイヤー。大型大会の活躍こそ少ないものの、2018年度ランキング以降、常に上位で安定した成績を残し続けている。
またデュエチューブリーグにも参戦しており、前期はチームSAGAで、後期はFTGで優勝。前後期ともに優勝した唯一のリーガーである。
同じFTGの村井・るるるとは特に仲良し。
なおBS12で放送されたドキュメンタリーでは、調整中に非常に眠そうにしているシーンがカメラに抜かれていた。
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