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全国大会2024 Round 4:すがない vs. デデンネ

ライター:原田 武(たけじょー)
撮影:瀬尾 亜沙子

 早くも予選の折り返し地点、Round4まで進行した全国大会2024。ここまでの3戦はアドバンスフォーマットで行われてきたが、以後は決勝戦までオリジナルフォーマットが適用される。

 その転換点でテキストフィーチャーに選ばれたのはすがないデデンネの一戦。

 すがないは普段は2ブロックを主な活動の場としており、また認定ジャッジとして関東圏の競技シーンを大いに盛り上げている一人である。2ヵ月前に開催されたエリア予選・ジャッジ大会にて圧巻の全勝優勝を果たし、プレイヤーとして全国大会に名乗りを上げた。

 対するデデンネは後期DMPランキングの上位枠から参戦。2019年に開催されたGP8th DAY2で優勝、そして昨年行われたデュエプレグランプリ2024にて優勝。輝かしい二冠を携えた、まごうことなき強豪である。
 
 両者とも、アドバンスでの使用デッキは【ドリームメイト】であった。彼らの選択が誤っていなかったことは、ここまで3-0というスコアが雄弁に語っている。

 【BAKUONSOOO】を押さえつけ、【ヘブンズ・ゲート】を素通りし、果ては【ドリームメイト】ミラーマッチを制して、すがないデデンネは相まみえた。  では、続くもう一つの選択―――オリジナルでの使用デッキは如何なるものか。残る予選、そしてその先に待つ本戦の行く末を占うべく、Round4が始まろうとしていた。

 ……握手の直前、すがないがニヤリと笑ったその真意に、思いを馳せる暇もないままに。

GAME

先攻:すがない

すがない「初手はこのようになっております!」

 じゃんけんで先手を勝ち取るや否や、筆者に向けて手札を突き出すすがない。お心遣いありがとうございます……と目線で感謝しつつ、覗き込む。

 えっ。  《「祝」の頂 ウェディング》《鬼面のコード デトロイト・テクノ / 「水晶よ、大地より我が配下を創れ!」》《ヴァリアブル・ポーカー》《終末縫合王 ミカドレオ》《偽りの名 ダスニゼス / リーダー・水晶チャージャー》……。

 【暴発ゼニス】じゃん。

 あっけにとられる筆者をよそに、いそいそと《終末縫合王 ミカドレオ》をマナに置くすがない

 この男、全国大会の大舞台で【暴発ゼニス】をカマすつもりである。≪偽りの名 ダスニゼス≫や≪「水晶よ、大地より我が配下を創れ!」≫、≪星龍の暴発≫によって超大型ゼニスを引き当てて踏み倒す、所謂ガチャデッキだ。

 初めは【水闇自然マルル】かな?といった具合で平然としていたデデンネも、続くすがない《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》チャージを見て表情を変える。すがないから「うふふ」と笑いが漏れた。  あまりにも豪胆なデッキ選択だが、すがないに言わせてみればこれも勝つための選択とのこと。普段オリジナルをプレイしていない自分は練度で劣る、だから運に任せてひっくり返せるデッキを使うのだ、と。

 その意思をカードから読み取ったのだろう、デデンネは即座に《とこしえの超人》を設置して踏み倒しに備えていく。

 返すすがないの動きは《ヴァリアブル・ポーカー》。自身のシールドをチェックし、任意の枚数入れ替える呪文だ。沈思黙考の末2枚を残し、3枚を入れ替える。

 ここにデデンネ《豊潤フォージュン》を合わせ、次ターンには5マナ域に到達する構えだ。問題は、次のターンがマトモな形で帰ってくるのかどうか。

すがない、4ターン目。まずはマナチャージ、そして……持っていた、《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》  クリーチャー側をプレイし、自身のシールドを1枚ブレイク。手に取ったのは最も山札に近い1枚。《ヴァリアブル・ポーカー》で置きなおされた、中身の分からないシールドだ。

 これが≪星龍の暴発≫なら、《とこしえの超人》では対処不能の大爆発が起こる。すがないはカードをめくり上げ、立てた状態でしばらく静止。ややあってプランを固めたか、デデンネにそれを開いた。 《魔誕翔天マルピア》

 ひとまず、ゲームセットは成らず。ここからすがないに選べる選択肢は二つ、さらにもう1枚シールドを割るか、パワーマイナスによって《とこしえの超人》を除去するかだが、ここは後者を選択してターンを返す。

 だが、その一手がデデンネに指針を与えたか。ターンが渡ると、《チアスペース アカネ》を召喚して《魔誕翔天マルピア》に向かわせ、《超重竜 ゴルファンタジスタ》に革命チェンジ。マナから2体目の《とこしえの超人》を引っ張り出す。徹底してすがないの動きを縛る。

 ここにすがないは有効な対処法を持ち合わせず、5ターン目をパス。《超重竜 ゴルファンタジスタ》の終極宣言が高らかに謳いあげられたことで、ゲームは一気にデデンネに傾いていく。

 まずは手札とマナを増やし、怒涛の横展開。《アシステスト・シネラリア》を2体、《チアスペース アカネ》でさらに加速、《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を添えて《完璧妖精マリニャンX》 すがない「出て(トリガーするとき(かわりにトリガーしない)、ですよね。厳しい~!」

 既にデデンネに付き従うスノーフェアリーは5体。クリーチャーを出しても、その能力はトリガーしない。除去を《魔誕翔天マルピア》《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》に任せているすがないにとって、これが事実上のフィニッシュブロー。  最後は複数ターンをまたいでデデンネが殴り切り、ゲームセット。すがないがブレイクした2つ隣のシールドには、≪星龍の暴発≫が眠っていた。

Winner:デデンネ


デデンネ「【暴発ゼニス】、知ってはいたんですけど細部までは把握してなくて。アドリブでした」

デデンネ「今回使ってる【水自然ジャイアント】はメタゲームよりも使いやすさを意識して組んでいます。どのゲームでも機能するカードを重視して積んでいる感じですね」

 【水自然ジャイアント】の採用候補となるカードは数多く存在するが、デデンネが基準としたのは汎用性。特定対面での刺さり具合よりも、幅広く安定して立ち回れることを重視したチューンだという。

 メタゲームの構造が読みにくい全国大会における、どんな相手に対してもコンスタントに出力を発揮できる強みが活かされたと言えるだろう。オリジナル戦でも上々のスタートを切ったデデンネの、更なる活躍に期待したい。

すがない「一人は倒したい~!」

 ……もちろんと言うべきか、この男も諦めていない。次なる暴発を震えて待たれよ。
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