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超CSⅣ ジャッジマネージャーインタビュー

ライター:川﨑 大輔
撮影者:堀川 優一

 約3年ぶりの大型イベントという事で静岡・福岡・宮城・京都という4会場で開催される超CSⅣ宮城。

 参加するプレイヤーにとっても3年ぶりの大型イベントであると言うことは、会場で働くジャッジにとっても3年目であるという事だ。
 そんな会場で、ヘッドジャッジの山田 侃生氏を差し置いてマイクアナウンスをしているこの人は一体、誰なのだろうか!?

 それがホビージャパン、ゲーム開発3課の中嶋智哉氏だ。  なお、ジャッジマネージャー中嶋氏には5年前の超CS熊本においても、ほぼ同じ導入でインタビューをさせてもらっている。ジャッジマネージャーという仕事についての基本的な質問はこちらでも行われているので併せてお読みいただけると幸いである。


ジャッジマネージャーという仕事

--「本日はお忙しい中か、改めてお時間をとっていただきありがとうございます。まずは以前のインタビューでも詳しく説明していただいたと思うのですが、そちらの記事を読んでいない方の為にも簡単にジャッジマネージャーという仕事について簡単に教えていただけますか?」

中嶋「そうですね……マネージャーという仕事から皆さんが想像するのは芸能人のマネージャーだとは思うんですが、まさしく同じような仕事をしていると考えてもらっていいと思います」

--「なるほど……とはいっても、芸能人のマネージャーがどんな仕事しているかも中々一般的な知識でもない気がするのでもう少し掘り下げて説明頂けますか?」

中嶋「おそらく、スケジュール管理・仕事の捻出・外部との折衝が主な仕事になると思うのですが、我々がジャッジの皆さんに対して行っている仕事も基本的には同じです」

 ここで簡単に補足すると

スケジュール管理:各大型イベントでの人員募集・当日のシフト管理

仕事の捻出:各大型イベントでの人材登用・当日のチーム分け

外部との折衝:当日までの主催者とのミーティング・当日のスコアキーパー、カバレージライターとのコミュニケーション

 が含まれていると考えていいだろう。

 また、ここでは語られていないが芸能人のマネージャーがレッスンスケジュールを組んだりするように、ジャッジ同士の勉強会・反省会の場を提供する仕事もしている。

中嶋「芸能人のマネージャーと大きく違うのは、マネージャーさんによって人数の差があるとは言え、基本は個人に対するマネージメントなのに対して、ジャッジマネージャーが行うのは、当日のジャッジ全体という組織、ひいては現在268名いる認定ジャッジという組織全体へのマネージメントであるという所ですかね」

--「なるほど。ちなみに、対応する相手が組織であるのに対して、ジャッジマネージャーは中嶋さんおひとりですか?」

中嶋「いえ。現在は3名でジャッジ全体のマネージメントをしています。この仕事の成り立ちにあたるDMGP1stの時にはわたくし一人だったのですが、認定ジャッジも大型大会も増え、さすがに業務内容的にも業務量的にも一人でこなせる量ではなくなっていきましたので現在は3名で運用しています。1stとか2ndくらいまでは本当に死にそうになりながらやってました(笑)」
--「その3名の中で、中嶋さんがチーフマネージャーにあたる立場である、という理解で間違いないでしょうか?」

中嶋「そうですね。そういう見方で問題ないと思います」


3年間のブランク

--「さて、今回の超CSⅣ、デュエマとしては約3年ぶりの大型イベントとなったわけですが、かなりの期間が空いた事での……ブランクというかそういうものは実感されましたか?」

中嶋「そうですね……ジャッジによる、ってのが正直な答えではあります。これは否定的な意味や個人の資質って意味ではなく、3年間って人生の中で考えてもかなり長いじゃないですか。そうするとやはり私生活もずいぶん変化があったり、それに伴ってデュエマに対するつきあい方とかも変わってくるんですよね。実際、今回、普段応募してくる方の中でも生活が変わって応募してこない方もいましたし」

--「なるほど。例えば、現在も地元のCSではジャッジを積極的にやっていて大型イベントが3年ぶりって方もいれば、本当にジャッジ業務をやること自体が3年ぶりって方もいるって感じですか」

中嶋「そうですね。もちろん、その上で久々に大型イベントに来て当時の感覚をすぐに思い出して勘を取り戻す方もいれば、そこに時間がかかる方も当然いて。それは人によって違うのは当たり前なので問題ではないのですが、全体として3年間のブランクがあるというのはそういう所からも感じましたね」

--「私生活の変化もスキルの変化も、常に大型イベントがあってコミュニケーションがあれば少しずつ慣れていくものですけど、ブランクが大きいとギャップが強く感じられますもんね。ちなみにこれはちょっと微妙な質問なのかもしれないのですが、実際の所、ブランクによって予想以上にジャッジの皆さんのスキルにバラつきがある状態だったとは思います。そのように様々なスキルの人が混在している状況だと苦労しそうだなと思うのは、そもそもブランクが大きい方に勘を取り戻してもらうって事と、ジャッジ間での感覚のギャップがある事を均す事とふたつがあると思うのですが、実際の所どちらの方がイベント運営において大変でしたか?」

中嶋「圧倒的に後者(ジャッジ間のギャップ)ですね。というのも、前者(ジャッジのブランク)に関してはむしろ、ジャッジ側ではなく我々ジャッジマネージャー側の反省点だと思っています。」

--「むしろ、ジャッジマネージャー側がジャッジにブランクがある事に対応しきれていなかったと」

中嶋「そういう事になりますね。やはり、イベント運営のマニュアルなどは毎回アップグレードしていってましたし、多くのジャッジはすでに過去のマニュアルを知っている状態で一部の新規のジャッジに気を配ってマネージメントしていたのですが、今回、ほぼ3年前のままのマニュアルを最初は用意してしまったんですよね」

--「マニュアルだけ浦島太郎状態だったと」

中嶋「はい。『この辺は言われなくてもわかるよね』ってのはジャッジの方のスキルとしてはあるものなのかもしれませんが、我々ジャッジマネージャー側としてはそのスタンスではいけなくて。その中でかなりマニュアルが『言われなくてもわかるよね』になってしまっていて、『あれ?これ、多分伝わってないかも』と感じてジャッジの皆さんにブランクがあるというのがどういう事なのかを改めて気が付かされました」

--「そこは、ここまでの3大会で修正してきたポイントですか

中嶋「ここは我々が改善するべきポイントですし、逆に言えば我々側が修正することでなんとかなるので。一方で現場のジャッジ同士でのコミュニケーションでの練度の差、ブランクの差の方が解決が難しい問題だったと感じています」

--「僕もここまで3会場で参加させていただいていて、確かに静岡では色々とぎこちない点がありましたが、福岡・宮城と明らかに運営がスムーズになっていっているのを感じているのですが、中嶋さん的にはいかがでしょうか?」

中嶋「それこそ今回の仙台で一気によくなってきたなと感じてます。やはり静岡と福岡は距離もあるので参加しているジャッジが全然違うメンバーだったんですよね」

--「福岡でも、マニュアルの改善などで多少はフォローできたとしても、ブランク自体は大きかったと」

中嶋「今回は超CSⅣへの参加が2回目以上のジャッジも増えていて、ブランクに起因する様々な問題がかなりスムーズになってよりよいイベント運営・イベント進行ができていると思います。それと、静岡から福岡までは間が1週間しかなかったのが、福岡から宮城は間が2週間あって準備がしやすかったってのもありますね」

--「あぁ、それは(カバレージチームの)僕も実感してます。静岡から福岡に比べて、宮城は準備やフィードバックに時間をあてられてかなり楽にはなりましたよね」

中嶋「まぁ、だからって『じゃあ、2週間ごとならイベントできるのか?』って話ではないですけどね(笑)」

--「1週間より2週間の方がマシってだけの話ですもんね(笑)」


5年間で変わった事

--「以前のインタビューの中で中嶋さんは『今後対応していく様々な課題も見えてきたので今後さらなる改善をしたいですね』という発言をされていたのですが、実際、前回のインタビューからの5年間でなにか改善したことってありましたか?」

中嶋「そんな事言ってましたっけ?(笑)」

--「言ってましたし、性格的にも言いそうじゃないですか?(笑)」

中嶋「たしかに。そうですね、最近で一番大きかった変化はコレ(といって耳のイヤホンを指す)ですかね」
--「あぁ、それ気になってたんですよね。ヘッドジャッジの山田さんとかもつけてますし」

中嶋「これ、ジャッジ用のディスコードサーバーにつながっていて、そこで連携がとれるようになってるんです。以前もトランシーバーなどは使っていたんですけど、これによってさらに多くのジャッジと連携がとりやすくなったのは大きいですね」 --「それはいつぐらいに導入されたんですか?」

中嶋「本格的に導入したのは今回の超CSⅣが始まってからですね。以前も他の現場では導入してたりはあったんですが、デュエマでは今回が初めてですね。今までに比べて、ディスコードの普及率もあがりましたし、それとワイヤレスイヤホンが普及したりと導入しやすい土壌ができてきて、ついに本格導入できたという感じです。次のDMGPではさらに本格的に導入していきたいと思っています」

--「なるほど。ガジェットやデジタルを取り巻く環境がやっと中嶋智哉に追いついてきたって感じですか。たしかに、この3年間でオンラインミーティングの需要が一気に増えてそのあたりを取り巻く環境は様変わりしましたもんね」

中嶋「ジャッジ間の連絡なども今まではSlackを使用していたのですが、これを機にディスコードに一本化しました」

--「その辺混在してると地味に伝達漏れや確認漏れが発生するのは最近のあるあるですね」

中嶋「他だと、当時に比べて改めてジャッジの体調管理に気を使っているっていうのはあります。例えば今回だと、水分補給のためのジャッジ用のスポーツドリンクや熱中症対策に塩飴を用意したりしています。地味なように見えますが、こういう部分のケアを各人に任せるのではなくきっちりとイベント側で準備すると言うのもジャッジマネージャーの重要な仕事だと思ってます」

--「外を出あるくことが減って体力が落ちてる方もいるでしょうしね」
中嶋「はい。ジャッジの仕事はフロアを歩き回るのでかなりの体力勝負です。特にこういった大型イベントだと会場の広さが段違いなので、普段からイベント運営しているジャッジだとしても想像以上に体力を持っていかれるっていうのはありますね」

--「ご時世柄ってのもありますよね……そういえば、当時と比べてペアリングも完全デジタルに移行しましたよね」

中嶋「そこも世間にデジタルデバイスが普及した恩恵が大きいですね」


この5年間で苦労したイベント

--「以前のインタビューでは、それまでの4回のDMGPを始めとする大型イベントの思い出についても簡単に語っていただきましたが、その後のイベントで特に印象に残ってるイベントはありますか?」

中嶋「それはやっぱり2日制だったDMGP8thじゃないですかね。さすがにあの規模のイベントを2日間やるのは、普通に大変でした」

--「中嶋さんは色々なゲーム関係のイベントをやられてて複数日に渡るイベントも体験しているかと思われますが、それでもDMGP8thは大変でしたか?」

中嶋「普段、全力を出さないと回せないようなイベントであるDMGPを2日連続でやるのは、元々2日に分ける前提のイベントを2日やるのとはさすがに全然違いますね。単純に2日間の参加者が同じくらいいるってだけでも大変ですよ」

--「ちなみに8thで印象的だった出来事はありますか?」

中嶋「先ほどのペアリングがデジタルに移行したって話がありましたが、8thの時点でほぼ移行してたんですね。ただ、8thは参加者もすごくて当時はまだ導入したばかりでサーバーの負荷に耐えきれなくて、登録者番号ごとに区切ってペアリング見てくださいってアナウンスしたのが印象的ですね」

--「10月に予定されているDMGP2022も2日制のイベントですけど……」

中嶋「そうですね……万全の態勢で臨みたいと思います。というか、2日制のDMGPはカバレージチームも大変じゃないですか?」

--「多分、当時参加したカバレージライターに聞いてもほとんどが『DMGP8thが一番大変だった』って答えると思いますよ……そうでもないか。多分、チーム戦のDMGP6thの方が大変だったってライターも結構いそうですね、チーム戦、カバレージ本当に大変なんで。中嶋さん的にはチーム戦だったDMGP6thはどうだったんですか?」

中嶋「いや、これが。どこかで話したことがあるかもしれないんですが、チーム戦って相談OKになってるので、ルール上のトラブルとかもチーム内で解決してくれてる事も多いですし、運営的には実はトラブルが少ない形式のイベントなんですよ。人によっては通常のDMGPよりもスムーズだっていう人もいるくらいですね」

--「あ、そうなんですね。今はオンラインだからあまり関係ないかもしれないですけど、そういえば人数の割に提出する結果報告用紙も少ないですし、その辺はかなり違うのかもしれませんね。デッキリストが少し多いくらいか」

中嶋「ですね。なにかトラブルがあった時も、1対1だと、プレイヤー同士が冷静になれなくてよりトラブルを収めるのが大変だったりするんですけど、チーム戦はチームメイトが結構冷静に仲間をなだめてくれたりして、トラブルが起きたとしても収めやすかったりと全体的に通常のイベントより運営的なメリットがあったりするんですよ」

--「2日制のDMGPの片方がチーム戦、みたいな話も一瞬ありましたけど運営チーム的には『むしろ助かる!』くらいだったんですかね。ちなみにカバレージチームは戦々恐々でしたよ」


大会外でのジャッジマネージャー

--「イベント中のジャッジマネージャーのお仕事については色々聞かせていただいたのですが、その他の時はどのような仕事をされているんですか?もちろん最初に聞いたジャッジの募集などがあるのは当然として」

中嶋「イベント前のマニュアル作成とかも除いてですか?」

--「そうですね。ジャッジマネージャーの人がオフの時は何を考えてるのかなって」

中嶋「なんでしょうねぇ……例えばルールミーティングとかはやってはいますけど、それは完全に別の業務として行っているものですからね。ジャッジマネージャーとして、って話で言えば他のイベントについての情報は積極的に集めてますね」

--「それは他社のTCGってことですか?」

中嶋「TCGに限らず、DCGを含む色々なゲームや、ゲーム以外のイベントもですけど、やっぱり親和性としてはTCGですかね。『へぇ、こういう所でイベントやるんだ?』とか『こういうアナウンスだすんだ?』みたいなのは逐次チェックしていて、我々ならどうするかを考えるのも訓練になりますし、実際に良い所があれば自分たちのイベントをよりよくする為に取り入れる方法を考えたりしてますね。手本になるものも反面教師になるものもありますから、とにかく色々なイベントについて調べるようにはしています」

--「そもそもホビージャパンさんが色々なDCGやボードゲームのイベントを運営してますもんね」

中嶋「そうですね。DCGで言えばデュエプレさんのイベントなども担当させていただいていますし、ボードゲーム(ドミニオン )の日本選手権ヘッドジャッジなんかもやらせて頂いたりしてますが、ゲームによって違うところもあればイベント運営という意味ではフィードバックできることもあります。デュエマのイベントで得て我々の運営するイベント全体にフィードバックさせていただいている事もあれば、逆に他のイベントで得た知見をデュエマのイベントにフィードバックしていることもあります。そういう感じで現場で『ゲームのイベント運営のプロ』として応用をきかせられるように日々インプットをしている感じです」

--「最後にデュエマのイベントについて何かあればお願いします」

中嶋「やはりDMGP1stからイベントに携わっていると、最初のころは色々と大変な事もありましたが、イベントを繰り返して行く事で、参加者の皆さんも、ジャッジの皆さんもイベントの進行に大変協力的で助かっています。デュエマのイベントを繰り返しやっていて、デュエマというコンテンツのいい所だなと思う一番は間違いなくそこですね」

--「ブランクがあってもそこの感覚の部分に関しては皆さん大変協力的でしたもんね」

中嶋「一方で、皆さんが協力的であるっていう事はわれわれマネージャーサイドからすると油断につながってしまう事でもあります。皆さんに感謝しつつも『油断するなよ!!』と常に胸に刻んでより良いイベント運営をできるようにしていきたいと思います」

--「本日はお忙しい中、ありがとうございました」


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