超CSⅣ京都 Round 6:bkpapa vs. 紅蓮
ライター:林 直幸
撮影者:堀川 優一
DMPランキングの休止が続く中、規模を縮小してのCS参加が認められた頃のことだ。
昔CSに参加してきたプレイヤーが少しずつ戻ってきた。
が、そこには何人かトーナメントシーンを盛り上げるのに必要な人材…
すなわち、トッププレイヤーがいなかったのだ。
ポイントレースという熾烈な争いを求める彼らにとって、もはや賞品が配られるだけの小さな大会は彼らの闘争心を潤すに至らなかった。
特に都心部ではその傾向が目立ち、CSのレベルが下がってきているといっても過言ではなかった。
ウィズコロナにおけるCSはこのまま衰退の一途を辿っていくこととなる……
そんな中でも精力的にCSに参加していたトッププレイヤーも数少ないながら存在する。その一人が紅蓮だ。
2019年度から激戦区の大阪府内で4位に位置付け、コンスタントにCS上位に勝ち進む。たまの情報発信も質が高く、多くのプレイヤーに支持されている人気プレイヤーだ。
他のトッププレイヤーが軒並みCS参加を渋っていたこともあり、当時の大会における勝率は非常に高い。
彼のような存在がトーナメントシーンに彩りを与え続け、当時のデュエマの灯をギリギリまで繋ぎとめていたのだ。
かくしてDMPランキングが再開、トッププレイヤーが多数戻ってきた今も、彼はトッププレイヤーの1人としてランキングをひた走る。ここまで全国20位という好位置だ。
そして本日第5ラウンドまでを4-1でまとめてきた。大型大会での目立った活躍が少ない彼だけに、是が非でも予選突破、そして栄冠を手にしたい。
彼の本懐はマイナーデッキの構築力。今回も構築勝ちで不利対面を捲ってきたという。
対するbkpapaもここまで4-1でまとめてきた実力者。
彼らのデッキ選択、細部の構築がどう試合に影響するか…見ていくこととしよう。
自分の墓地に《砕慄接続 グレイトフル・ベン》を落とし、紅蓮の《MAX・ザ・ジョニー》をハンデス。紅蓮のデッキはかなり受けに寄せたデッキと見て取れる。
そこから試合は静かに進む。マナチャージ、マナチャージ、マナチャージ、マナチャージ……
5マナに到達した紅蓮が先に動く。《スロットンの心絵》!
ここで紅蓮のデッキが【光水ライオネル.Star】と判明する。
が、ここでも効果選択は1ドローの方。盤面には何も干渉しないまま……
bkpapaが、突如としてゲームを大きく動かし始める。
口火を切ったのは《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》。出し入れするのは《邪眼教皇ロマノフⅡ世》!! これが《襲来、鬼札王国!》を捲り、墓地から《砕慄接続 グレイトフル・ベン》を蘇生。《邪眼教皇ロマノフⅡ世》によって肥えた墓地が一気にマナに移動する。 さらに《砕慄接続 グレイトフル・ベン》効果でマナから《Disアイ・チョイス》を無料召喚。
先ほど唱えた≪ナウ・オア・ネバー≫をもう一度唱え、《邪眼教皇ロマノフⅡ世》をさらに出し入れする。
……が、呪文チェインはここでストップ。《フェアリー・ミラクル》を唱え、5色あることを確認して2ブーストしてターンを終える。
そしてbkpapaのマナには…《水上第九院 シャコガイル》の姿が!! bkpapaの使用デッキはいわゆる【ロマノフベン】。
本来であれば《Disアイ・チョイス》の効果で《》を踏み倒し、伸びたマナで一気に決着をつけるデッキ。本来の出力を十分出せたとは言えないだろう。
だが防御力に特化するあまり、コンボデッキには手の打ちようがない…そんな弱点を持つ紅蓮の【光水ライオネル.Star】を相手取るには、この程度の速度で十分だ。
紅蓮は返すターンも《サイバー・ブレイン》を撃ち、引き込んだ《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》でせめてもの妨害をするのが精いっぱい。
bkpapaは《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》下で最もデッキを掘れる選択肢である7マナ《邪眼教皇ロマノフⅡ世》。
これが《襲来、鬼札王国!》と《砕慄接続 グレイトフル・ベン》を捲り、さらにマナを加速させる。
そして、デッキは残り5枚。《砕慄接続 グレイトフル・ベン》からの《水上第九院 シャコガイル》を喉元に突きつけ、ターンを返す。
手札が噛み合えば超展開できる【光水ライオネル.Star】だが…実は噛み合ったとて目の前の《砕慄接続 グレイトフル・ベン》や《Disアイ・チョイス》などのブロッカーを超える手段が皆無。
更に今回は手札が噛み合っていないときた。《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》を召喚、《スロットンの心絵》を出すも…効果は1ドローの方。
《ゲラッチョの心絵》、《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の効果では……何も出てこない。
これが事実上の投了宣言。
返すターン、マナから《水上第九院 シャコガイル》を出すだけ…bkpapaの勝利が決まった瞬間だった。
Winner:bkpapa
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