超CSⅣ静岡 Round 6:ピノア vs. パタ@いっせー
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:瀬尾 亜沙子
パタ@いっせー。かつて"WINNERS"の名の下に一時代を築き、先月開催された全国大会2019 日本一決定戦にも出場していた東海の強豪が今大会で相棒に選んだのは、最新の流行デッキであるガイアハザード退化だった。
一方、対するピノアのデッキは火自然アポロヌス・ドラゲリオン。前週の競技シーンでの勝ち星をガイアハザード退化と二分した、最速のオールイン・コンボだ。
最速VS最新。王来MAX最終弾環境の一つの到達点とも言える旬のデッキ同士の対決で、一歩先んじるのははたしてどちらのデッキか。
Game
先攻のパタ@いっせーが《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》をチャージしてターンを返したのに対し、ピノアは《新世界王の思想》チャージから《ストリエ雷鬼の巻》を出す立ち上がり。返すパタ@いっせーは《新世界王の思想》チャージから《地龍神の魔陣》で《天災 デドダム》をマナに置いてターンエンド。一方ピノアは再びの《新世界王の思想》チャージから《ジャスミンの地版》。
ここでパタ@いっせーが再び《新世界王の思想》をチャージし、どれだけ思想が強い対戦なんだと思わずツッコみかけたところで、先にプレッシャーをかけに動いたのはパタ@いっせーの側だった。
すなわち、4マナから召喚したのは《禁断英雄 モモキングダムX》。当然のごとく《自然の四君子 ガイアハザード》が下に敷かれ、さらにパタ@いっせーは残った2マナに手をかける……が、フリをしたのみで《生魂転霊》はなくそのままターンエンド。
こうなるとチャンスが回ってきたのはピノアの側。《ジャスミンの地版》チャージから《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》を《ジャスミンの地版》の上に「スター進化」させると、攻撃時に「侵略」……《轟く侵略 レッドゾーン》2枚!《禁断英雄 モモキングダムX》を《自然の四君子 ガイアハザード》ごと除去しながらT・ブレイク。トリガーはない。
パタ@いっせー「手札0ですか?」
ピノア「0でーす!」
勇気のオールイン。この《轟く侵略 レッドゾーン》を捌ければゲームの趨勢が一気に傾くところだが、ここで返すパタ@いっせーの行動は《新世界王の権威》アンタップインからの《闘争と成長の決断》で、マナ加速しつつ《ストリエ雷鬼の巻》を破壊することで後続の可能性を減らすことくらいしかできない。
そしてターンが返ってきたピノアは、ドローの前に祈るように両手をパンと一度合わせる。はたして引き込んだのは……《エボリューション・エッグ》!
ピノア「ちょっと考えますね……」
だが冷静に考えると、ここでたとえ《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》を持ってきたとしても《轟く侵略 レッドゾーン》の上には「侵略」できない。だからこのドローは、タマシードをトップデッキした場合に備える《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》を探してくるしかない……はずだった。
通常の火自然アポロヌスならば。
だが、ここでピノアのオリジナルテクが火を噴いた。回収したのは《ブランド-MAX》!確かにこれならば、ドローにかかわらず次のターンに倒しきれるチャンスが生まれる。
そしてピノアは、わずかに深く息を吸ったのち、力強く宣言する。
ピノア「ブレイク!」
残る2枚のシールドを、《轟く侵略 レッドゾーン》がぶち抜く。はたしてトリガーは……ない!
シールドがなくなった状態でターンを返されたパタ@いっせーは、バトルゾーンにいる前門の《轟く侵略 レッドゾーン》と手札にいる後門の《ブランド-MAX》を同時に捌くことを求められる。そして、現在の手札には解答はない。だから、できることは一つしかなかった。
すなわち、《地龍神の魔陣》。3枚の中に《禁断英雄 モモキングダムX》があれば、《自然の四君子 ガイアハザード》へと退化させてこの窮地を脱出できる。
かくして見た3枚は……《生魂転霊》《天災 デドダム》《地龍神の魔陣》。解答にならない。《禁断英雄 モモキングダムX》が、見つからない。
やむなく、《天災 デドダム》召喚から《生魂転霊》で3ブーストすることくらいしかできない。
そして。
パタ@いっせー「……終了です」
ダメ押しに《ブランド-MAX》を召喚したピノアが、そのまま3ターン目の《轟く侵略 レッドゾーン》で見事最後まで走りきったのだった。
Winner: ピノア
パタ@いっせー「3ターン目に《禁断英雄 モモキングダムX》出したのミスかなー……」
ピノア「あのターンに退化されてたら厳しかったですが、《禁断英雄 モモキングダムX》だけだったら、《轟く侵略 レッドゾーン》を2枚抱えてたから、なんとかなるかもと思ってました」
パタ@いっせー「返しで1ターン濁ってくれたら《闘争と成長の決断》でタマシード2枚割ろうと思ってて……《禁断英雄 モモキングダムX》出してなかったら走ってないですよね?」
ピノア「《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》を引くまで待ったと思います。《ジャスミンの地版》で《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》がマナに落ちたのを見て、『これは自分の側にツキがないな』と思ってましたが……w」
パタ@いっせー「《ブランド-MAX》が強かったなー」
ピノア「昨日夜中に『《エボリューション・エッグ》で拾えるの強くね?』と思って入れたんです。敗北回避も地味に強いですし」
パタ@いっせー「シールドがなかったからパンプアップした《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》で《轟く侵略 レッドゾーン》を踏みたかったんですけど、実質スピードアタッカーを抱えられてはどうしようもなかったですね……」
かくして最速VS最新の結果は、《ブランド-MAX》という最新をも取り入れた最速の側に軍配が上がったのだった。
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