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超CSV新潟 Round 6:KODY vs. しんは

ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:堀川 優一(アノアデザイン)

 5戦全勝。

 CSでもそう簡単には達成できない成績で予選ラウンドの前半を折り返したのは、隣県山形の古豪・KODY。しかもここまで最先端のデッキで勝ち上がっているというのだ。

 一方のしんははこれまで目立った実績はなさそうだが、同じくここまで5連勝と強者の風格を漂わせている。

 全8回戦の予選ラウンドでもし6-0できれば、2087名の参加者のうち上位33名前後に入れることになり、残る2回戦を負けたとしても、上位128名のみの決勝ラウンドに進出できる可能性は (6-0スタートの6-2は5-1や4-2からの6-2よりオポネントが高くなりがちなので) かなり高くなる。

 つまりこれは、実質的に決勝ラウンド進出がかかった試合ということだ。  この大一番で、最先端のデッキははたして最先端たるゆえんを見せられるのか。

Game

 じゃんけんで先攻となったしんはが《堕呪 カージグリ》をマナチャージし、「水魔導具」であることが早くも明らかとなった一方で、後攻のKODYのマナチャージは《悪縁 ガクブッチ=リッチーモア》

 そう、KODYのデッキはこの一週間で全国的に流行の兆しを見せているいわゆる「闇火テレスコ」。毎ターン《ブレイン・タッチ》相当の効果が得られる《謀遠 テレスコ=テレス》の登場によりコンセプトが完成した、コントロール型の《百鬼の邪王門》デッキである。  とはいえコントロールの天敵とも言えるのが「水魔導具」。そしてそのパフォーマンスのブレが最大化される緊張の2ターン目、《堕呪 ゴンパドゥ》をチャージしたしんはが唱えたのは……《堕呪 バレッドゥ》《「無月」の頂 $スザーク$》が捨てられつつも、KODYにとってはまずは一安心といったところ。

 だが返すターンも《悪縁 ガクブッチ=リッチーモア》をチャージしたのみでターンを終えたKODYに対し、3ターン目を迎えて《堕呪 エアヴォ》をチャージしたしんはは今度こそ《卍 新世壊 卍》を設置すると、さらに《堕呪 ゾメンザン》で魔導具のカウントを進め、初動の遅れを完璧に取り戻す。  その一方で、あろうことかKODYはここでも《鬼寄せの術》をチャージするのみ。返すしんははそれを尻目に《堕呪 ウキドゥ》《堕呪 ゴンパドゥ》と連打し、5ターン目の《卍 新世壊 卍》起動を予告する。

 しかし、あわやこのままゲームセットというこのタイミングでKODYが唱えたのは《ボルシャック・スーパーヒーロー / 超英雄タイム》起動寸前の《卍 新世壊 卍》を破壊し、ひとまず最悪の事態だけは避けた格好だ。  だが《卍 新世壊 卍》が破壊されても二の矢三の矢で攻められるのが現代の「水魔導具」。《「無月」の頂 $スザーク$》チャージからの《月下旋壊 ド・リュミーズ》《堕呪 ゴンパドゥ》で墓地に大量の魔導具を送り込んだしんはは、ターン終了時に「無月の門・絶」で《「無月」の頂 $スザーク$》を蘇生し、KODYの4枚の手札から《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》を奪い去る。

 返すKODYも《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》チャージから《絶望と反魂と滅殺の決断》《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》を蘇生、ターン終了時に唱えたばかりの《絶望と反魂と滅殺の決断》をそのまま手札に回収するという永久機関のようなシナジーを見せるが、既に着地してしまっている《「無月」の頂 $スザーク$》の前では焼け石に水だ。  なおもしんはは《凶鬼98号 ガシャゴン / 堕呪 ブラッドゥ》で自分の墓地を山札に混ぜ込むと、運良く一発で引き直した《月下旋壊 ド・リュミーズ》からあっという間に《卍 新世壊 卍》を再設置しただけでなく、《堕呪 バレッドゥ》を唱える際に殿堂カード・《ガル・ラガンザーク》の「夢幻無月の門」までをも宣言する始末。

 さらにしんはは《「無月」の頂 $スザーク$》での攻撃時に《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》を破壊とKODYの手札の《CRYMAX ジャオウガ》を奪いながらT・ブレイクしてターンを終え、KODYのシステムクリーチャーたちが定着するのを徹底して許さない。

 対し、《「無月」の頂 $スザーク$》《ガル・ラガンザーク》。そして、《卍 新世壊 卍》。対処しなければならない、だが対処したとしても何度でも蘇ってくる脅威たちを前に、KODYがとれる手段はあまりにも少ない。《鬼寄せの術》チャージからの《絶望と反魂と滅殺の決断》で手札を2枚捨てさせにかかるが、それすらも《「無月」の頂 $スザーク$》の能力でドローにつながる。  そしてターンが返ってきたしんはは、ここで《凶鬼98号 ガシャゴン / 堕呪 ブラッドゥ》でKODYの墓地を掃除しつつ《卍 新世壊 卍》の2枚目を設置だけしてターンエンドという達人の溜めを見せる。前のターンまでのKODYのアクションから、もはや何をされてもターンは返ってくるし、そうなったら100%の勝ちが目指せるという判断だ。

 ラストターンを事実上予告されたKODYはやむなく《鬼寄せの術》から《謀遠 テレスコ=テレス》、さらに《コッコ・武・ルピア》と一気に手札を吐き出してターンを終え、ターン開始時のランダム手札破壊でしんはの手札から《堕呪 エアヴォ》を奪い去る……が、それが最後の抵抗だった。

 しんはが《堕呪 ゴンパドゥ》《堕呪 カージグリ》《謀遠 テレスコ=テレス》を手札に戻しながら《卍 新世壊 卍》の起動条件を満たすと、ついに《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》が唱えられ、《「無月」の頂 $スザーク$》2体が盤面に追加される。

 やがて、追加ターン中に《神の試練》でさらなる追加ターンを得たしんはは、《「無月」の頂 $スザーク$》のダイレクトアタックでKODYを介錯したのだった。

Winner: しんは

 結果としては残念ながら成すすべなく負けてしまった形となったKODYだが、常にポーカーフェイスかつ所作は非常に流麗で、コントロールプレイヤーかくあるべきという落ち着いた振る舞いに感心させられたほどだった。

 そんなKODYに、せっかくなので最新アーキタイプである『闇火テレスコ』というデッキについて軽くインタビューしてみた。

--「『闇火テレスコ』にとって『水魔導具』相手は、《謀遠 テレスコ=テレス》が早期に着地しないと厳しいマッチアップなのでしょうか?」

KODY《謀遠 テレスコ=テレス》もそうですけど、《鬼寄せの術》で無理矢理動いてでも《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》を着地させたいですね。それで《邪招待》でハメるのが理想なんですけど、引くのが遅すぎました。マッチ相性としては、あくまでも体感ですが五分くらいです。《邪招待》にハマればこっちが勝ちますし」 --「この形の『闇火テレスコ』はご自身で調整されたんでしょうか?何かこだわった部分はありますか?」

KODY「自分と身内で調整しました。こだわってる部分……《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》が4枚入っている部分ですかね。ミラーマッチの《謀遠 テレスコ=テレス》を抜けるのと、相手の《CRYMAX ジャオウガ》の能力を使ったりもできます」 --「『闇火テレスコ』のミラーを強く意識した、ということなんでしょうか?」

KODY「いや、全部丸くやろうとした結果こういう風になったというだけですね。特にどれをかなり見たとかはないです」

 なお、この後しんはは勢いに乗って8-0。一方KODYはあえなく連敗するもどうにか8回戦目を勝利し、しんはが全勝したおかげで2敗ラインの中でオポネントも高く、両者ともに決勝ラウンド進出という最上の結果となったのだった。

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