デュエル・マスターズ

メニュー
商品情報

超CSV大阪 Round 1:ユウキング/わいきん vs. 焼きそば料理長

ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:出端 敏夫

 勝者の頂点を掴むための戦いが始まる。

 超CSⅤ新潟から2週間。真夏の容赦ない日差しがアスファルトから照り返す灼熱地獄の最中、大阪湾を埋め立ててできた人工島・咲州にあるインテックス大阪にて、2000人規模の大型大会が再び開催されることとなった。

 だが、この大会は2週間前の新潟とはあまりにも事情が異なる。

 なぜなら、ほんの1週間前に発売されたばかりの新パックである「大感謝祭 ビクトリーBEST」が、環境に多くのインパクトを与えたからだ。

 それによって今大会は、条件は全員同じとはいえ発売から1週間という限りなく短い準備期間となったがゆえに、少ない試行回数でも勝率の高い道を本能的に選び取れるような、プレイヤーとしての地力が試される環境となった。

 そんな環境において第1回戦のフィーチャーマッチエリアに呼ばれたのはもちろん、2週間前の超CSⅤ新潟において「サガループ」を使用し鮮烈な勝利を飾った「ループの王」ことユウキング/わいきんだ。

 《蝕王の晩餐》型の発明以降の半年弱という期間、ひたすら「サガループ」だけを握り続けて練度を高めきって優勝という結果を掴み取った直後だけに、「大感謝祭 ビクトリーBEST」の発売後でデッキ選択を変えているとは考えづらいが、それでも「サガループ」に新カードの採用があるのかは注目すべきポイントだろう。

 一方、対する焼きそば料理長は地元大阪のプレイヤーとのことだが、対戦相手が超有名プレイヤーということもあってか、少し緊張した様子。  勝者の頂点(ビクトリーBEST)を掴むための第一歩を踏み出すのは、はたしてどちらか。

Game

 じゃんけんで先攻となったユウキング/わいきんが大方の予想通りに相棒の《蒼狼の大王 イザナギテラス》をチャージしたのに対し、焼きそば料理長のマナチャージは若干……少なくともユウキング/わいきんがカードの確認を挟む程度には……意外なカードだった。

ユウキング/わいきん《ハンマ=ダンマ》

焼きそば料理長「です」  アビスロイヤル。主人公種族として毎弾強烈な新規カードを獲得してはいるものの、環境においては直接対決の相性が悪い「サガループ」が大暴れしていることと、その結果としての大量の墓地メタのあおりも受け、現状Tier 3以下に甘んじているデッキタイプではある。

 とはいえ、ユウキング/わいきんにとってはループに入れなければ《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》などから窮鼠猫を噛まれうるくらいのポテンシャルはもちろん有しているため、油断はならない。ひとまず《機術士ディール / 「本日のラッキーナンバー!」》チャージからの《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》《蒼狼の大王 イザナギテラス》を落としてターンを終了する。

 対する焼きそば料理長は《ドアノッカ=ノアドッカ / 「…開けるか?」》チャージから《ベル=ゲルエール》を召喚し、《ハンマ=ダンマ》《謀遠 テレスコ=テレス》が墓地に落ちる。

 返すユウキング/わいきんは《》チャージから《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》《邪神M・ロマノフ》を捨ててターンエンド。さすがに3キルはそうそう決まらないか。

 だが、ここで後攻3ターン目を迎えた焼きそば料理長は、《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》のチャージのみという痛恨のノーアクションでターンを終えてしまう。

 そして、その隙を見逃すようなユウキング/わいきんではなかった。  《強瀾怒闘 キューブリック》チャージから召喚されたのは、もちろん《絶望神サガ》《蒼狼の大王 イザナギテラス》蘇生、5枚から1枚を回収して《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》《絶望神サガ》蘇生し……捨てたのは《絶望神サガ》

 揃ってしまった《絶望神サガ》2体がバトルゾーンと墓地を行き来するループにより、山札残り2枚まで「引いて捨てる」を繰り返しながら必要なカードがすべて墓地に揃っていることを確認したユウキング/わいきんは、《蒼狼の大王 イザナギテラス》蘇生から《蝕王の晩餐》《龍素記号wD サイクルペディア》蘇生、登場時効果で墓地から《蝕王の晩餐》を唱えて《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》を蘇生する。

 さらに効果で《蝕王の晩餐》《蒼狼の大王 イザナギテラス》に当てて《龍素記号wD サイクルペディア》蘇生、さらに《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》《絶望神サガ》を蘇生し、《蒼狼の大王 イザナギテラス》から山札に戻った《蝕王の晩餐》《龍素記号wD サイクルペディア》《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》に変換。

 かくして山札が《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》1枚で、《龍素記号wD サイクルペディア》ストック1回、《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》ストック1回の状態を初期盤面として、《龍素記号wD サイクルペディア》のストックを無限回溜めるループを丁寧に証明していく。

 そこから《》で焼きそば料理長の手札を確認し、《邪招待》《ベル=ゲルエール》を下に送り、《デビル・ドレーン》で1枚ずつシールドを回収。目当てだった《勝熱と弾丸と自由の決断》《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》の空打ちで捨てたのち、《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》《蝕王の晩餐》の組み合わせで《飛翔龍 5000VT》2体をはじめとする大量の打点を並べ、それらを《勝熱と弾丸と自由の決断》で即時攻撃可能な状態にすると、満を持して焼きそば料理長のシールドをブレイクしにいく。 焼きそば料理長「トリガー使えます?」

ユウキング/わいきん「使えます」

 《悪灯 トーチ=トートロット》《ドアノッカ=ノアドッカ / 「…開けるか?」》《邪招待》の3枚がトリガーしたものの、アビスロイヤルのカードプールではたとえ5枚すべてがトリガーだったとしてもユウキング/わいきんの大量打点を止めるのには不十分なのだった。

Winner: ユウキング/わいきん

 残念ながらループを見守るだけの結果となってしまった焼きそば料理長に、アビスロイヤルを選択した理由について聞いてみた。

焼きそば料理長「アニメも見てて、アビス使ってみたいなと思って使いました」

--「新弾のカードは採用されていましたか?」

焼きそば料理長《邪幽 ジャガイスト》1枚だけですね」 --「焼きそば料理長さんは普段CSなどには出られているのでしょうか?」

焼きそば料理長いえ、全く。こうした大型大会も初めてで……でも新潟の優勝者の方に当たれて、サガループも見られたので満足です」

 競技大会への参加は初めてのプレイヤーということで、負けはしたもののフィーチャーマッチで前大会王者と戦えたのは良い記念かもしれない。

 一方、見事勝利を飾ったユウキング/わいきんは、「大感謝祭 ビクトリーBEST」の新カードをしっかりと取り入れて「サガループ」をアップデートしていた。 ユウキング/わいきん《強瀾怒闘 キューブリック》は、水魔導具や5Cコントロールなど墓地のカードをリセットしてくるメタデッキに対して、3ターン目の《ストリーミング・シェイパー》《デビル・ドレーン》で貯めた手札を生かして墓地0枚からでもループに入れるということで採用しました」 ユウキング/わいきん《飛翔龍 5000VT》は、水闇自然系統のデッキが新潟で多かったのと、関西のCSでも水闇自然《飛翔龍 5000VT》みたいなデッキが勝っていたので、それらの水闇自然系に対して楽に勝とうと思ってフルパワー寄りで組みました」

 噂によると前日はホテルの部屋にインキーをしてしまい、締め出しを食らって3時間部屋の外で寝た状態からのこのフィーチャーマッチとのことらしいが、逆に仕上がっていると言えなくもない。

 かくして前人未到の超CS2連覇へ向けて、「ループの王」がまずは好スタートを切ったのだった。

PAGE TOP

TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY