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超CSⅥ福岡 準決勝:やっすー vs. カルマ

ライター:山口 海斗(ジャイロ)
撮影者:瀬尾 亜沙子


 激しい風雨が吹き、《鋼龍 クシャルダオラ》が選べないまま始まった超CSⅥ福岡も残すは準決勝と決勝のみ。
 予選突破を果たした上位128名のデッキ分布を見ると、予選突破数1位は【水火マジック】、次いで【水闇COMPLEX】【水闇魔導具】、4位に【アカシックフィオナ】である。BEST4に残っているデッキが上位4デッキ一つずつという形であり、まさしく現環境の答え合わせといえる。

 カルマの【水火マジック】か、やっすーの【アカシックフィオナ】か。答え合わせの片割れ、準決勝を追っていこう。

Game 1


先攻:やっすー  《巨大設計図》でループに必要な《森夢龍 フィオナ・フォレスト》を回収するやっすー。最速4ターンループに必要な3つの条件「《森夢龍 フィオナ・フォレスト》が手札にある」「《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》が手札にある」「《完全水中要塞 アカシック3》がマナにある」のうち一つ目をクリアする。対するカルマも2ターン目に《歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて》の上面を召喚しており、【水火マジック】のスタートとしては十分だ。

 やっすーは手札に《八頭竜 ACE-Yamata / 神秘の宝剣》を抱えており、これによりマナゾーンに《完全水中要塞 アカシック3》を送ることに成功。残す条件は「《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》が手札にある」かのみだ。カルマ視点、やっすーの手札を知ることは叶わない。ならば。

 カルマ《氷柱と炎弧の決断》を唱え、「自分の手札を1枚捨て、カードを2枚引く。」効果を2回選択。攻撃に必要な手札を整えると攻勢に出た。まずは≪歌舞音愛 ヒメカット≫を《芸魔隠狐 カラクリバーシ》に革命チェンジ、唱えるのはもちろん《瞬閃と疾駆と双撃の決断》だ。≪歌舞音愛 ヒメカット≫を再度場に出し、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》の2回攻撃を選択。《芸魔隠狐 カラクリバーシ》の攻撃は止まらない。《芸魔王将 カクメイジン》に革命チェンジし、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》《氷柱と炎弧の決断》で手札とバトルゾーンを整える。《芸魔王将 カクメイジン》のダブルブレイク!

 やっすーはここで≪ナウ・オア・ネバー≫をトリガーさせ、手札から別の≪天命龍装 ホーリーエンド≫を見せて全体タップと1ドロー。強力なトリガーではあるが、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》によって”攻撃終了後にアンタップする”《芸魔王将 カクメイジン》を止めるには至らない。引き続きカルマの波状攻撃が続く状況ではあるが、やっすーに焦りはない。それもそのはず、≪神秘の宝剣≫によってシールドゾーンのカードはすべて見えており、まだ有効なトリガーがシールドに眠っていることをやっすーは知っているのだ。

 とはいえ、カルマに止まる理由は無い。むしろ、最後の条件である「《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》が手札にある」をやっすーがクリアしていることを知った今、このターン中の決着が必要だ。アンタップされた《芸魔王将 カクメイジン》《芸魔王将 カクメイジン》へと革命チェンジ、再び《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を唱え、アンタップ効果の対象になる。やっすーの残る2枚のシールドを割り切った。

 やっすーは自身のシールドを知っている。ならばこの展開も、すべて見えていたはずだ。  《卍月 ガ・リュザーク 卍 / 「すべて見えているぞ!」》!!

 カルマの展開したマジック軍団に待ったをかけ、4ターン目をもぎ取る。3つの条件は既にクリア済。更にシールドを全て割られているため、実質《デビル・ドレーン》を打った状態でのループ始動のようなもの。始まったやっすーの呪文連打が止まることは無かった。

やっすー 1-0 カルマ

 実は、やっすーの手札はループ始動までの3つの条件こそクリアしていたのだが、その後に打つ呪文が少し心細い状況であった。カルマの攻撃を利用して手札を増やすことで、このゲームの勝利を得たのだ。山札を見た際のシールドゾーンにあるカードの逆算。有名なテクニックではあるが、しっかりとそれを行うことの重要性が見えた1戦であった。

Game 2


先攻:カルマ  2ターン目の≪歌舞音愛 ヒメカット≫、3ターン目の《氷柱と炎弧の決断》としっかり【水火マジック】の動きを押し付けるカルマ。しかし3ターン目は攻撃に入らずターンを終了する。

 対するやっすーは【フィオナアカシック】の動きをカルマ以上に押し付けていく。1ターン目に《完全水中要塞 アカシック3》をマナチャージ、2ターン目の《巨大設計図》《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》を回収、3ターン目にマナチャージしたのは《森夢龍 フィオナ・フォレスト》。≪神秘の宝剣≫から《デビル・ドレーン》を自身のマナゾーンに揃えた。Game1とは違い、カルマ視点からでも確実に次のターンにループが始まることが分かる。

 いよいよ後が無くなったカルマ《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を召喚して、祈りを込めて2枚ドローするも……。
 ここで無念のターンエンド。

 3ターン目、4ターン目と山札を掘り続けたカルマであったが、革命チェンジ先である《芸魔隠狐 カラクリバーシ》《芸魔王将 カクメイジン》を見つけることができなかった。

 やっすーは≪ナウ・オア・ネバー≫から《森夢龍 フィオナ・フォレスト》《森夢龍 フィオナ・フォレスト》から《完全水中要塞 アカシック3》と展開し、《魔刻の斬将オルゼキア / 訪れる魔の時刻》2枚と《黒豆だんしゃく / 白米男しゃく》で1マナ加速&マナ回収ループに入る。フィニッシュループに使用する《ラルド・ワースピーダ/H.D.2.》が山札の一番下にいたというアクシデントこそあったが、やっすーが採用していた《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》によって難なく回避。カルマの山札を全てマナゾーンに送り込んで、決勝へとコマを進めた。

やっすー 2-0 カルマ
Winner:やっすー

 一般的に【水火マジック】は苦手とされる【フィオナアカシック】。しかしやっすーはGama1でも活躍を見せた《卍月 ガ・リュザーク 卍 / 「すべて見えているぞ!」》を3枚と厚く採用することで対【水火マジック】性能を大きく上げている。加えて、フィニッシャー役には《ラルド・ワースピーダ/H.D.2.》に加え《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》とかなり回しやすさを重視して超CSという環境を勝ち抜けてきた。

 元より【水闇魔導具】へ有利を主張できる【フィオナアカシック】が、今度は【水火マジック】への回答を手にした。各デッキのセオリーを見直すいい機会になるかもしれない。

 惜しくも敗れたカルマだが、彼のプレイングの上手さはカバレージ班の中でも話題に上るほど。この対戦では日の目を見なかったが、《飛翔龍 5000VT》《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》をここ一番のタイミングで相手にぶつける様や、《芸魔王将 カクメイジン》による波状攻撃が止まってしまう際にも《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》のクリーチャー面を添えることでカウンターを防いだりと、できることの幅が広い。普段はどういった練習をされているのか聞いたところ次のように返ってきた。

カルマ「のすけさんのdiscordサーバーのお陰です。」

 ちゃっかり宣伝された形になったが、カルマが実際にこの場にいるのだから影響は大きいのだろう。


 その後、やっすーに話を聞いていく過程で分かったことなのだが、地元福岡県でベスト4まで残っているのは彼だけとのこと。1人の観戦者として、地元で栄光を飾る姿は応援したくなる。残るは決勝戦のみ。

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