デュエル・マスターズ

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超CSⅥ群馬 決勝Round 1:こっちゃー vs. アイザック

ライター:原田 武(たけじょー)
撮影者:瀬尾 亜沙子

アイザック「来ると思ってなかった……!」

こっちゃー「さっき負けたしな……また事故らないように祈ってます」

フィーチャー卓につく二者の表情は、お世辞にも明るいとは言えないものだった。

 そもそも初めてフィーチャーされるというアイザックは緊張を、予選Round4でもフィーチャーされ惜しくも敗れたこっちゃーは不安を、強張った顔に滲ませている。

 それでも、事実として。彼らはここまで勝ち上がってきたのだ。2000人の参加者の内、この決勝ラウンドに駒を進めたのはわずか128名。その自負と実力が二人にはある。

 準備を終えた二人は示し合わせたかのように目を閉じ、静かにその時を待つ。
「デュエマ・スタート!」のコールがかかった時、彼らの目には闘志が燃えていた。

GAME

 予選順位の差で先行はこっちゃー。《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》《天災 デドダム》とマナチャージしていく。【水闇自然DOOM】。「天才ビルダー」こっちゃーの最新作だ。

 一方のアイザックは《芸魔王将 カクメイジン》《飛翔龍 5000VT》とチャージしての《AQvibrato》。【水火マジック】、それも最速の2ターン目のマジック・クリーチャー設置という上々の滑り出し!

 しかし、これに太刀打ちできないデッキが決勝ラウンドに残っている筈もなく。返す刀のこっちゃーのアクションは《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》

 出たターンの攻撃禁止に、踏み倒しに反応して1枚ドロー。マジック一門でありながら【水火マジック】の天敵、まさに獅子身中の虫だ。

 最速ルートに邪魔が入ったアイザックだが、ここは焦らず《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》で手札を整える。そして《AQvibrato》で攻撃を宣言、《芸魔隠狐 カラクリバーシ》へと革命チェンジ。《瞬閃と疾駆と双撃の決断》《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》《単騎連射 マグナム》を並べ、ドローを進めつつ1点を通す。

 が、ここで≪ボン・キゴマイム≫によって3枚増えたこっちゃーの手札から2枚の《流星のガイアッシュ・カイザー》が宣言される!  当然《単騎連射 マグナム》によってこれらは墓地に送られてしまう。すわミスプレイか、と一瞬疑念がよぎるも、手練れのデッキビルダーにそんなミスがあろうはずもない。こっちゃーの目は平静そのものだ。なにか、意図がある。

 そのままターンが返り、先行4ターン目。こっちゃーは《奇天烈 シャッフ》を召喚。宣言は「3」!

 これで《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》《単騎連射 マグナム》の動きが止まり、【水火マジック】の核・《瞬閃と疾駆と双撃の決断》《氷柱と炎弧の決断》が使用不能となる!そして、唯一動ける《芸魔隠狐 カラクリバーシ》には≪ボン・キゴマイム≫をぶつけて相打ちとした。これでターン終了。

 【水火マジック】のメインルートは《芸魔隠狐 カラクリバーシ》《瞬閃と疾駆と双撃の決断》による《芸魔王将 カクメイジン》の瞬間着地、そして《芸魔王将 カクメイジン》からの《瞬閃と疾駆と双撃の決断》《氷柱と炎弧の決断》による小型クリーチャー展開。 強力極まりないこのコンボだが、これをわずか1枚で大幅に遅延させられるのが《奇天烈 シャッフ》なのだ。何の因果か、このクリーチャーもまたマジック・コマンドである!

 またも対処を迫られるアイザックは、ひとまず《AQvibrato》《歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて》のクリーチャー側を召喚。〈マジック・フレンド・バースト〉で《奇天烈 シャッフ》を手札に戻す。

 当然、返しのターンで《奇天烈 シャッフ》を出し直すこっちゃー。宣言は変わらず、3。ふたたびターンの回ったアイザックはもう一体《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を繰り出し、手札を整える。まだ攻められないと判断してターンエンド。

 一旦「溜める」プランに切り替えたアイザックに対し、こっちゃーは更なる一手を打つ。6ターン目、《アーテル・ゴルギーニ》召喚!

 山札の上から4枚を墓地に置き、≪ボン・キゴマイム≫を呼び戻す。さらに《奇天烈 シャッフ》で攻撃し、またしても3を宣言。《奇天烈 シャッフ》3宣言+≪ボン・キゴマイム≫+ブロッカーの《アーテル・ゴルギーニ》という【水火マジック】ガンメタ体制を築き上げた。

 が、アイザックもきちんと「解答」を用意していた。 《飛翔龍 5000VT》!!

 こつこつ並べていたクリーチャーによってコストが軽減され、わずか1コストで登場した《飛翔龍 5000VT》《奇天烈 シャッフ》と≪ボン・キゴマイム≫をまとめて手札に送り返す。余ったマナで《Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》のクリーチャー側まで呼び出してターンを終えた。

 次ターンには走るぞ、という無言の圧を放つアイザック。打って変わって対処を迫られるこっちゃーは、役目を失った《奇天烈 シャッフ》をマナチャージして《ハニー=マーガニー / 「こっちは甘いぞー」》の呪文側を唱えた。山札の上3枚から《龍頭星雲人 / 零誕祭》を手札に、残る2枚を墓地に送る。

こっちゃー「うーん……ちょっと考えますね」

 断りを入れてプランを練るこっちゃー。マナと墓地、お互いのクリーチャーを1枚ずつ確かめてルートを検討する。この時点でこっちゃーのアンタップマナは残り5枚、墓地のカードは9枚。

 しばらくして「よし」とうなずいたかと思うと、まずは≪「こっちは甘いぞー」≫を唱える。ここで《超神星DOOM・ドラゲリオン》が手札に加わり、《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》が墓地に落ちた!これで残り3マナ、墓地12枚。

 そして≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫で8を選んで《飛翔龍 5000VT》の動きを封じたかと思うと、間髪入れずに切札の召喚を宣言する! 《超神星DOOM・ドラゲリオン》降臨!!

 唱えたばかりの≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫が置かれて13枚になった墓地のカードから《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》《アーテル・ゴルギーニ》を残す11枚を進化元として選択し、1コストで召喚。これでマナを使い切る。
 
 そのままシールドへと向かった《超神星DOOM・ドラゲリオン》が〈メテオバーン〉で《単騎連射 マグナム》を破壊、《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》を蘇らせる。今度は《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》が≪Napo獅子-Vi無粋≫を手札に戻し、墓地の《アーテル・ゴルギーニ》を蘇生。

 最後に《アーテル・ゴルギーニ》《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》と≪歌舞音愛 ヒメカット≫のパワーを-4000し、破壊。序盤に墓地に送った《流星のガイアッシュ・カイザー》2枚がなければ、この《アーテル・ゴルギーニ》は出ていない

 ブレイクされた3枚のシールドから《氷柱と炎弧の決断》が飛び出し、ドローと《イシカワ・ハンドシーカー / ♪聞くだけで 才能バレる このチューン》のクリーチャー側をアイザックにもたらしたものの、彼の手駒は大きく数を減らしてしまった。ここでターンエンド。
 
 【水闇自然DOOM】の神髄、墓地とマナをフル活用したビックアクションによってまたしても戦局がひっくり返った。クリーチャーの出た時能力が無効、ブロッカーが2体。そしてシールドが5枚。先程よりさらに強固な包囲網が、アイザックに立ちふさがる。

しかし。

アイザック「マナと《超神星DOOM・ドラゲリオン》の下、見てもいいですか」

アイザックにはまだ、勝利への道筋が見えている。

 公開領域のS・トリガーを確認したのち、まずは《氷柱と炎弧の決断》《アーテル・ゴルギーニ》2体のブロックを禁止。さらに手札を捨てて《強瀾怒闘 キューブリック》をタダ出しし、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》と≪イシカワ・ハンドシーカー≫に2回攻撃を付与!

 これで、ちょうど6打点。  除去での制圧が困難な以上、このターンで倒しきるしかないという判断だ。細い線と言わざるを得ない、だが勝つためには通すしかない!

 まずは《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》で1点。トリガーは無し。アンタップ。

 続いて≪イシカワ・ハンドシーカー≫で1点。トリガーは無し。アンタップ。
 
 もう一度《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》で1点。トリガーは…… 《同期の妖精 / ド浮きの動悸》

 値千金の≪ド浮きの動悸≫が《AQvibrato》を手札に戻す。ワンショットキルの希望は絶たれた。アイザックが、こっちゃーが、同時に深い息を吐く。

 それでも最後まで攻撃を敢行するアイザックだったが、最後のシールドからはダメ押しの《終止の時計 ザ・ミュート》までもが姿を現す!
 
 最後の最後、決死の一射までもを凌ぎきったこっちゃーが、返すターンの総攻撃で勝利を掴み取った。

Winner: こっちゃー

アイザック「ちなみに《同期の妖精 / ド浮きの動悸》《終止の時計 ザ・ミュート》って(デッキに)何枚でした?」

こっちゃー《同期の妖精 / ド浮きの動悸》が2、《終止の時計 ザ・ミュート》が1ですね」

アイザック「なんでそれ踏むの~!?見えてなかったって!」

 対戦前の緊張はどこへやら、楽しげに感想戦を交わす二人。アツい勝負こそが、プレイヤーにとって最高のリラクゼーションなのかもしれない。

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