超CSⅧ北海道:事前記事 デュエマと飯さえあればいい ~北海道編~
ライター:河野 真成(神結)
2025年の超CSは、遂に北海道へと上陸する。そして超CS福岡以来、筆者がひっそりと続けている「デュエマと飯さえあればいい」の企画も、第3回目である。
今回、遂にこれまでの要望にお応え(?)する形で、事前記事としてお届けすることが可能となった。
何度か書いていることではあるが、超CSはその誕生より、地方都市での開催に力を注いでいる。
利便性や集客で言えば、3大都市圏で開催するのが効率いいのかもしれないが、こうやって地方に目を向けたイベントを開催するというのは、地方出身の1プレイヤーとして大変嬉しく思っている。
デュエル・マスターズを通して様々な土地を知り、デュエル・マスターズを通して他地域と交流するというのは、人生トータルで鑑みたときにプラスにはたらくことだろう。
そんなわけで改めて、今回の舞台は北海道である。
北海道といえば、数々の強豪プレイヤーを輩出している土地だ。【水自然ジャイアント】を使ったリノグレが、全国大会2024を制したのは記憶に新しいだろう。
それ以外にも数々のプレイヤーが結果を残しているのだが、これはシンプルに実績を書き連ねていく方がわかりやすだろう。
2017 超cs熊本 準優勝(セキボン)
2018 GP7th 3位(Zweilance)
2019 GP8th Day2 準優勝(セキボン)
2019 超cs山形 優勝(ミノミー)
2022 全国大会2019 優勝(セキボン)、準優勝(NJ)
2022 超CSⅣ京都3位(セキボン)
2022 DMGP2022 Day2 準優勝(ぴゅう)
2023 最強位決定戦 3位(ぴゅう)
2024 DMGP2024-1st Day2 準優勝(taki、えむつー)
2024 超CSⅦ横浜 準優勝(taki)
2024 DMGP2024-2nd 3位(えむつー)
2025 全国大会2024 優勝(リノグレ)
抜けがあったら恐縮ではあるのだが、これらは北海道出身のプレイヤーたちによる公式大会での実績である(あくまで出身であるので、当時の時点で既に北海道を離れていたプレイヤーもいることをご留意いただきたい)。
恐ろしい話だが、毎年のように結果を残し続けているのだ。
では、こうしたプレイヤーたちはどういった背景で誕生しているのだろうか。そして北海道のデュエマ事情とはどういったものなのだろうか。
というわけで今回、現在も北海道で活躍する強豪プレイヤーたちに、北海道のデュエマ事情や強さの秘密、そして北海道の魅力についてインタビューを行った。
だいぶ与太話もあったが、それはそれ。
協力いただいた5名のプレイヤーには、改めて感謝をしたい(本文中は全て敬称略)。
強者たちの故郷、北海道
北海道は、とにかく広い。折角なので、この記事を読む前に先にGoogleマップでも何でもいいので、北海道の地図を開いてみることをオススメする。北海道の中心都市と言えば札幌であるが、そこから北にある旭川まで行こうとするとざっと150キロくらいの距離がある。
この距離間は本州に住んでいるとイメージしづらいところではあるが、ざっくり言えば東京から那須塩原までがちょうどそのくらいであるらしい。
えむつー(小樽)「小樽は札幌には近い方で、電車で1時間しないくらいで着きますが、そこから旭川まで行こうとすると、それはもう“遠征”ですね」
リノグレ(旭川)「札幌や北見に“遠征”することはありますが、高速(道路)で1時間半から2時間くらいは掛かりますよ」
どうやら都市間を移動するのは、もはや遠征であるとの認識だった。
故に、北海道の中でも地方ごとにデュエマ事情は異なってくる。
ひとまずそれぞれの地域のプレイヤーたちに、地方ごとの違いを聞いてみよう。
札幌近辺
セキボン「札幌はデュエマに関してはかなり恵まれていると思います」そう語るのは、デュエチューブリーグの魔王軍の一員として活躍するセキボン。
セキボン「札幌は近年になって全国チェーンのカードショップが増えました。店舗が増えたことでCSの開催頻度も上がり、これまでは月に4回くらいの開催だったのが平日含めて、1週間で3~4回できるようになったんですよ」
平日含めて3~4回の開催となると、大都市圏とさほど変わらない頻度である。
セキボン「100人を越えるCSも開催できるようになっていますし、運営という観点でもプレミCSを開催しているスピンホイールさんって方が凄く慕われていまして。人柄もイベンターとしても尊敬できる人です。運営ノウハウを受け継いでいる人も増えていますし、デュエマをやるにはかなり充実した場所だと思いますね」
セキボンとは一世代くらい違うが、小学生の頃から北海道のCSに通い続けているという今泉の話だと、プレイヤー層の変化は感じつつも賑わっているというのは間違いないようだった。
今泉「CSについては今日(インタビュー日、7/31)もあったのですが、新しい人がドンドン入ってきています。平日夕方の開催についても、基本的には50人を超えているのでちゃんと1.2倍になるんですよ」
また昨年のGPにて準優勝に輝いたtakiやえむつーからは、より詳細なプレイヤー事情を教えてくれた。
taki「(札幌の南の方に)苫小牧という場所があるんですけど、ここの子たちが中々やるんですよ。ゆわとか、久遠とか、ポアネとか。しっかり練習しているのがわかるくらいプレイが早いですし、CSの合間のフリーとかでも、判断の難しい部分では質問してきたり、プレイの指摘をし合っていたり。それ以外だと、カードゲーム全般が上手い人で言えば、亘が一番ですかね」
えむつー「北海道って上手いプレイヤー同士が仲良いことが多いですし、そうしたプレイヤーたちが長く続けているんですよ。それこそ、セキボンさんもtakiさんもですけど。で、彼らはCSにとにかく出たがるから、モチベ高い人が生まれやすいんですよね。北海道のプレイヤーが勝っているという点については、そういう事情はあるかと思います」
なお、先ほど名前が上がったプレイヤーたちについては、こんな密告?もあった。
taki「ゆわもポアネも、自分(taki)の悪いところを見て育ってしまった感があるんだよな……野菜食べないし」
えむつー「ゆわはデュエマに真摯に取り組む姿勢もだけど、抜けているところが多すぎて……。ジェネリック〇〇(takiの本名)って呼んでいますよ」
……ともあれ、札幌のデュエマの未来は明るそうである。
旭川
全国大会2024を制したリノグレは、この旭川のプレイヤーである。優勝したことで、地元に変化があったのかを聞いてみると、ちょっと照れながらもこんなふうに回答してくれた。
リノグレ「直接どうこうってわけではないんですけど、色んな人に喜んでもらえたり、おめでとうとは言ってもらえたりはしましたね。それこそ、もうデュエマ離れちゃった人とか、あとは職場の人とか(笑)」
ちゃんと職場バレはしたらしい。
リノグレ「元々旭川のCSって32人での開催なんですけど、これまでは毎回25いくかいかないかのギリギリくらいで、開催が危ういことが多かったんですよ。ただ全国優勝した効果があったのかはわからないですけど、やる気になってくれた人も多いみたいで。最近は事前登録も埋まるし、当日枠落ちるみたいなケースも増えたんですよね。もちろん、冬になったらまた事情が変わるかもしれませんが……」
優勝効果というのはあったみたいだ。
リノグレ「最近は中高~大学生くらいのプレイヤーも見掛けるようになってきました。あとは(2017年に全国に出た)まりんかとはそれこそずっと一緒にデュエマやっていますし、ミノミーさんも来ていますね」
旭川は札幌から距離はあるが、北海道への長期遠征を計画している人やジャイアントの使いの皆々は、ぜひリノグレの地元も訪ねてみて欲しい。
その他(釧路、他)
釧路もまた、強豪プレイヤーを輩出している場所である。今はその地を離れているものの、Zweilanceやぴゅうといったプレイヤーは釧路方面の出身だと教えてもらったことがある。そんな釧路の現在はどういった状況なのだろう。
リノグレ「釧路に関しては伝聞ではあるんですけど」
そう前置きして、リノグレは知っている事情を話してくれた。ちなみに筆者調べだと、旭川と釧路の距離は270キロ。東京-浜松間がざっと250キロくらいである。
リノグレ「釧路って権利戦開催している店舗が3つあるんですよ。権利戦ってCS開催しないと出来ないじゃないですか? つまり、CSに人が集まって開催できているってことなんですよね。参加者リスト見ても埋まっていること多くて……釧路もデュエマ盛り上がっているんだろうなぁ、と思っています」
調べてみると、確かに釧路は定期的なCS開催数も多く、ジャッジの方もSNSを通してイベントの発信等を行っていた。
リノグレ「あとはこの前、北見の方に行って権利を取りました。旭川の東で、こちらもだいぶ遠征にはあるんですが……。恐らく、日本の最北端CSとなると、この北見ですね。旭川と微差ではありますけど」
日本の最北端CSに出てみたい!という方は、ぜひ北見を目指して欲しい。
超CSで北海道を来るプレイヤーへ
お待たせしたかもしれないが、続いて食や観光の話に移ろう。taki「北海道にいるけど海鮮は苦手だし野菜も食べないし、エスコンも試合ないし……そういうのは他の人に聞いてください」
なんか幸先悪いな……。
セキボン「自分は遠征でそれこそ色んな地方に行きましたけど、ご飯に関しては北海道がダントツで美味しいと思っています。“結論”は北海道です」
お、これは頼もしい。
セキボン「北海道のご飯を楽しむなら、“順張り”でいいんですよ」
さすがはリーガー、話の掴みが上手い。
セキボン「まずみんな大好きなラーメンなんですが、ボクは全国各地のラーメン食べましたけど、なんだかんだ北海道が一番美味いな、っていう。『ザ・北海道』のラーメンって言ったら、札幌の縮れ味噌麺というものだと思うんですが、あれ……美味いですね。ラーメン行くなら、普通の札幌味噌ラーメンでいいと思いますよ」
セキボン「あとは……ジンギスカン食べたいって人もいると思うんですけど、“松尾ジンギスカン”っていう東京にも進出しているジンギスカンが一番美味いです。一番有名だとは思うんですけど、それだけに間違いないです。順張りでいいんです。お土産はマルセイバターサンドでいいし」
ただせっかくなので、全国の逆張り民のために、逆択も1つ紹介してもらうことに。
セキボン「逆択か……。敢えて北海道で二郎系ラーメンが食べたいという人は、札幌に“トマト系二郎ラーメン”というのがあるので、衝撃が受けると思うのでいかがでしょう」
セキボン「あと、北海道と言えば海鮮のイメージがありますよね。もし可能だったら、港町に行って欲しいんですよね。札幌から一番だと小樽になりますかね。ただ本場のウニをとなるとと更に奥へ……となって、それはもうそれで旅行ですね(笑)」
セキボン「超CS関係なく、ぜひ北海道には旅行で遊びに来て欲しいんですよ。東京からだと飛行機で時間も掛からないし、時期さえ選べば安く行けるし、思ったより近いですよ。道内移動するよりも楽だと思っています(笑)」
セキボンの話にも上がったが、小樽は札幌から比較的近く、今回超CS北海道に参加するプレイヤーも気軽に行けそうな範囲だ。
今泉「自分は小樽が好きですね。街の風景(運河)とか。観光客向けの飲食とかも集まっていて、楽しみやすい場所だと思っています」
また、リノグレからは旭川の話を聞かせてもらった。
リノグレ「ぜひ来ていただいたなら、一般的に有名なのは旭山動物園だとは思いますが……。旭川は札幌とは違ったラーメン食べられるんですよ。旭川醤油って呼ばれるやつです。焦がし醤油に、油で覆って寒い旭川でも冷めないようにしていて……。癖はありますが、それも含めて味わっていただければと思います」
オマケ
最後にはなるが、今回のインタビューで最年少プレイヤーでありながらも長く北海道のプレイヤーたちと接してきた今泉に、各プレイヤーの印象を順番に聞いてみた。
今泉「セキボンさんは、拘りの人ってイメージです。最近はCSの参加回数減っちゃったんですけど、自分の信じるデッキをずっと使っているという感じで、CSではだいたい同じデッキを使っています」
今泉「takiさんは他人のこと言えないくらいデッキで遊んでいる気がします。よく奇抜なデッキ使っているんですよ。たぶん『いつでも本気出せば勝てる』と思っていますね。強者の余裕なんでしょうか。ただ最近は強いデッキを使っていることも多くて、マジレスしてきます」
今泉「えむつーさんにはよくお世話になっています。昔はセキボンさんと同じで、デッキを変えない印象があったんですが、最近は色んなデッキ使っていますね。Tier2レベルのデッキを使っていることも多いかも? CS参加率も高いですし、アベレージも高いです。あとえむつーさんの場合、チーム戦でちゃんとチームメイトのデッキを気にかけていると言いますか……。セキボンさんやtakiさんが無関心すぎるのかもしれませんが、チームメイトのデッキも真面目に考えてくれるんですよね」
今泉「リノグレさんは昔から5cとかドラゴンデッキとか、ちょっと渋いデッキを愛用しながら勝っていたので憧れでした。特に《ブラッサム・シャワー》入りのドラゴンデッキで勝っていたのが印象に残っています。去年も愛用のジャイアントでエリアから全国優勝までしていて、デッキ愛と勝負強さが凄いです。最近は旭川のCS運営もされていて、古くから北海道のデュエマに貢献している素晴らしい方だと思っています」
超CS北海道には、今回インタビューした全員が参加予定だ。
道内のプレイヤーもそうでないプレイヤーも、ぜひ北海道の強豪との対戦を楽しんで欲しい。
そしてせっかくの北海道なので、デュエマだけでなく観光・飲食まで幅広く楽しんで欲しいと思う。
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