超CSⅧ北海道 Round 3:えむつー vs. スクリュー
ライター:宮崎 大(アーチー)
撮影:坂井 郁弥
~試合前~
筆者に向けて言い放つ。えむつー「カバレージは大変だぞ」
この記事を書いている立場から言おう。
今からやるマッチの方が大変だぞ。えむつー。
北海道のデュエル・マスターズシーンを支えてきた1人でもあり、DMGP2024-1st 2日目(チーム戦)で準優勝した実績もあるえむつーがこの試合中に口をこぼす。
「うわ、めちゃくちゃめんどくせー」
と試合中に口から出るほど長引いた試合は、時間切れ間際のスクリューの投了によって締められた。
勝利したえむつーも勝った顔はしておらず、悔しい表情をしている。
そんなヘビーな試合をこれから振り返っていこうと思う。
Game
先攻:えむつー試合後、受けの強さを魅力に感じて【巨大アルファディオス】を選択したと話してくれたスクリュー。
開幕は後攻2ターン目、スクリューの《巨大設計図》で幕を開ける。
捲れたカードは《巨大設計図》《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》《光開の精霊サイフォゲート》《∞龍 ゲンムエンペラー》。
回収できたカードは《∞龍 ゲンムエンペラー》1枚のみ。
対して先攻を取ったえむつーは《天災 デドダム》をプレイし、3枚見て《真気楼と誠偽感の決断》をマナ、《飛翔龍 5000VT》を墓地に送る。
そう、えむつーのデッキは【ペテンシーフシギバース】。
現環境でも注目されているカウンターデッキだ。
対するスクリューは《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》の呪文面を唱えて《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》、《王導聖霊 アルファディオス》を回収しリソースを稼ぐ。
もう次にはビッグアクション起こせるぞという圧をかけていく。
対してえむつーは焦らずに《天災 デドダム》をプレイし、ここでは《大樹王 ギガンディダノス》を墓地に落とすことに成功。
圧をかけるのは両者同じ。
「ほーん」
トップドローで表情を変えるスクリュー。
プレイしたカードは先ほど回収した≪スターゲイズ・ゲート≫。そして《光開の精霊サイフォゲート》から《闘門の精霊ウェルキウス》を出し、1ドローで《闘門の精霊ウェルキウス》を引いて連鎖させた締めはもちろん《∞龍 ゲンムエンペラー》。
《∞龍 ゲンムエンペラー》は【ペテンシーフシギバース】に対しても有効なカード。デッキの核でもありカウンター札である《真気楼と誠偽感の決断》が止められてしまう。
もう一種類のカウンター札、《流星のガイアッシュ・カイザー》は封じられていないが悔しくも引くことは叶わなかった。
負けの状況に見えたえむつーだったが、必死に勝ちへの糸を探していく。
《聖霊超王 H・アルカディアス》をプレイし3枚ドロー。
ここで安易にハイパーモードを解放するえむつーではない。
2ターン目の《巨大設計図》で回収したものとは違うイラストの《∞龍 ゲンムエンペラー》が場にいる。
つまり、手札にはもう一枚《∞龍 ゲンムエンペラー》があることが確定しているのだ。
そして、場には《闘門の精霊ウェルキウス》がいるためタップをしてしまうとバトルの的にされ、さらなる大量展開が行われる可能性がある。
ここは冷静にターンエンドを宣言。
スクリュー「ジャスキル行くかー」
このターンを勝負の分かれ道と察したスクリューが思考を巡らせて出したのは、エースカード、《王導聖霊 アルファディオス》。
《光開の精霊サイフォゲート》の上に進化させて超魂レイドを使用し、攻撃時3枚ドローで手札の枚数を増やしていく。打点よりもドロー枚数を優先した理由はこれしかないと言わんばかりに《サファイア・ウィズダム》を《闘門の精霊ウェルキウス》の上に降臨。
▶︎相手がクリーチャーまたは呪文を実行した時、自分はカードを2枚引く。
▶︎相手は、自分の手札の枚数以下のコストを持つクリーチャーまたは呪文を実行できない。
効果を見て分かる通り、最強級のフィニッシャーが降臨したが手札を増やしたとてスクリューの手札はまだ4枚。
えむつーの致命症にはならない。
えむつーは3枚のブレイクから《逆転の影ガレック》をトリガーし、パワー-3000を3回使って《闘門の精霊ウェルキウス》を処理。
《サファイア・ウィズダム》の攻撃には《聖霊超王 H・アルカディアス》でブロック。
スクリューは残る《∞龍 ゲンムエンペラー》で残り2枚のシールドを割り切ってターンエンド。
《聖霊超王 H・アルカディアス》の3ドロー、4枚の盾を手札に加えたえむつーはもちろんここからカウンターする。
【ペテンシーフシギバース】の代名詞、《流星のガイアッシュ・カイザー》!!
勢いよく出した《流星のガイアッシュ・カイザー》だが、なんだか様子がおかしい。そう、《サファイア・ウィズダム》の効果で出なかったのだ。
ブレイク前に4枚の手札があり、《逆転の影ガレック》のS・トリガーで2枚のドローを得ていたスクリューの手札には6枚のカードがあった…
えむつー「ジャストか~」
渋々手札にカードを戻し、深く呼吸をする。
墓地に落としてある《大樹王 ギガンディダノス》によって50000よりパワーが下のクリーチャーの攻撃は止められるが、スクリューの場にいる《∞龍 ゲンムエンペラー》のパワーは∞。
ターンを貰ったが厳しい顔をし時間をとって思考を巡らせていたえむつー。
しかしここで表情が変わる。「いやいやいや、ワンチャンいけるか」
「お前でいい」
「とりあえずフシギバース」と言い放ち《逆転の影ガレック》をマナに引っ込めて《大樹王 ギガンディダノス》。
ここまではわかる。
その先の《∞龍 ゲンムエンペラー》を越えるカードがえむつーの手札にはあった。
このカードがあるから【ヘブンズゲート】に勝てるようになり、ミラーマッチにも強くなった。
【ペテンシーフシギバース】の革命的カード。
《十四番龍 アクロスラピュタズ Par青天井》。
《サファイア・ウィズダム》を越えるパワー19000で上から叩きながら、《∞龍 ゲンムエンペラー》を《竹馬の超人 / テイクバック・チャージャー》のクリーチャー面へと変えていく。一気に盤面は形成逆転されたスクリューだが、《サファイア・ウィズダム》の効果で4枚ドローすることに成功し手札は補充した。
笑いながら「あれ、無理じゃね?」と呟いたができることは全て行う。
《飛翔龍 5000VT》を出して行動を縛り、《闘門の精霊ウェルキウス》召喚から《剛撃聖霊シェバ・エリクシア》→≪支配の精霊ペルフェクト≫
なんとか時間を稼いでいく。
ここで残り時間はまさかの1分半。
お互い目立った長考などは無かったが、大型クリーチャーのやり取りで時間を消費してしまっていた。
焦るえむつーは《流星のガイアッシュ・カイザー》を出し忘れてしまいターンを貰ってしまう。
6マナで《流星のガイアッシュ・カイザー》をそのまま終了してターンエンド。
対するスクリューも急ぎながら《ルード・ザーナ》を出して1ドローする。
ここで時間終了間際、スクリューから投了宣言。
WINNER:えむつー
えむつーも勝ったとは思えない悔しい表情。
山札が残り少なく《大樹王 ギガンディダノス》を返す手段が、《∞龍 ゲンムエンペラー》しか無かったスクリュー。
ゲームが続いても《剛撃聖霊シェバ・エリクシア》のバラバラエティを達成しながら《∞龍 ゲンムエンペラー》を立てるしか勝ち筋が無かっただろう。
しかしえむつーも盤面を捌き切るには大変な大型ブロッカーの数だった。
「うわ、めちゃくちゃめんどくせー」
お互いの粘り強いところが表れた、めんどくさくて良いゲームだった。
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えむつー 超CSⅧ 北海道 オリジナル構築 |
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スクリュー 超CSⅧ 北海道 オリジナル構築 |
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