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最強位決定戦 3位決定戦 :みれう vs. ぴゅう

ライター:塚本 樹詩
撮影者:後長 京介

 最強の座を掴みかけた二人による延長戦が始まろうとしている。

 銅の《アビスベル=ジャシン帝》プレートを得ること、一つでも順位を上げること、目の前の勝負に負けないこと、4位にならないこと、と戦う理由は沢山あるだろう。

 去年の6月に開催された2019年度日本一決定戦の3決に座っていた◆ドラ焼きは、その年のDMPランキングで1位となりながらもおんそくに負け4位に甘んじることとなった。

 その悔しさが今の原動力になっているのかはわからないが、今その◆ドラ焼きは決勝へと駒を進め、過去の自分を超えようとしている。

 毎年同じようなことが起こる訳ではないのだが、勝負事の結果が人に何かしらの影響を与えることは確かだ。

 来年度への分岐点と銘打つには少々大げさかもしれない戦いが今始まる。

Game1

先攻:ぴゅう  先攻は予選ラウンドの最終順位が高いほうとなっているので、予選ラウンド3位だったぴゅうがまずは《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》を使ってカードを2枚引き、《一なる部隊 イワシン》を捨て、ロケットスタートを決める。

 《一なる部隊 イワシン》の効果でもカードを1枚引いた後に捨てたのは《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》

 対するみれうは《地龍神の魔陣》で上から3枚のカードを見ると、1枚を手札に加える。  そしてぴゅうの3ターン目、召喚されたのは《絶望神サガ》

 予選ラウンドのアドバンスフォーマットでは《絶望神サガ》に抗う形で【闇火バイク】を選択したぴゅうであったが、オリジナルフォーマットでは《絶望神サガ》を選択しここまで勝ち上がったので、その勢いが圧となり、このままゲームが決まっていまいそうな雰囲気となる。

 が、墓地に置かれたのは《蒼狼の大王 イザナギテラス》

 2枚目の《絶望神サガ》ではなかったものの、ここから更にコンボに繋がる可能性はまだあるので《絶望神サガ》の効果で《蒼狼の大王 イザナギテラス》がバトルゾーンに出ると、ぴゅうは山札の上から5枚をめくり更なる解答を求める。

 そして手札から使われたのは《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》《絶望神サガ》《水上第九院 シャコガイル》の3枚が墓地に置かれ、《絶望神サガ》を回収すると、次のターンには決まる状態でターンエンド。

 それを良しとしないみれうは《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》でマナを加速させながらぴゅうの墓地をリセット。これで、数ターンの猶予を稼げたのだろうか?

 墓地がリセットされたが、手札には《絶望神サガ》を抱え込むぴゅうは、《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》で手札を増やすのみでターンを終える。次のターンには5マナに到達するので、2マナのドローから《絶望神サガ》と繋げて再びコンボが決まるかもしれないような状況となる。

 そうなる前に手を打ちたいみれうだが、ここで取った行動は《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》。コンボを止めるための対抗策である《とこしえの超人》を求めて山札の上から3枚のカードを見るものの、そこに解答は無く、《蒼狼の大王 イザナギテラス》をマイナス修正で破壊してターンを終えることとなる。

 そして5ターン目、ぴゅうは《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》で2枚のカードを引き墓地に《絶望神サガ》捨てる。そう、捨てるということはあるということだ。残った3マナで《絶望神サガ》を使うと、任意の回数カードを引いて捨てる状態に突入する。

 その動作の途中でみれうはぴゅうの墓地の内容を確認すると、手札に《超神星DOOM・ドラゲリオン》があるかどうかを尋ね、ぴゅうはそれを見せると瞬く間に試合が終わった。

 みれうの投了により、まずはぴゅうが1勝。

みれう 0-1 ぴゅう

Game2

先攻:みれう  Game2以降は前のGameで負けたプレイヤーが先攻となるので、今度はみれうのターンから試合が始まる。予選ラウンドではぴゅうに負けているので、借りを返すのならばまずはここで勝たなければならない。

 《ブレイン・スラッシュ》《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》《天災 デドダム》とタップインのマナをチャージし続け、もたついた展開のスターとなったみれうであったが3ターン目にようやく《とこしえの超人》を召喚することができ、後手3ターン目の《絶望神サガ》コンボを何とか封じることに成功。  このメタクリーチャーをぴゅうはなんと《学校男 / ゾンビ・カーニバル》で対処!

 これで安心できなくなったみれうは、《天災 デドダム》に答えを託すも、追加のアクションに繋げることはできず、無防備な状態でターンを渡すこととなる。

 ぴゅうは当然の《絶望神サガ》召喚。まずは第一段階クリアだが、ここで出てくるのは前のGame同様《蒼狼の大王 イザナギテラス》。そして効果で使われたカードは《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》の呪文側!

 再び墓地の《絶望神サガ》が復活するのかと思いきや、ここで墓地から蘇生されたのは《学校男 / ゾンビ・カーニバル》

 自分の《蒼狼の大王 イザナギテラス》をも巻き込み《天災 デドダム》を破壊すると、次のターンみれうが取った行動は《ブレイン・スラッシュ》。6マナで墓地の《とこしえの超人》を蘇らせるのみでターンを終えたが、もしここで《天災 デドダム》が生き残っていたらついてくるおまけのことを考えると、先ほどの《学校男 / ゾンビ・カーニバル》の影響はとてつもない。

 しかし、墓地が再び蓋をされてしまったのでぴゅうは《蒼狼の大王 イザナギテラス》召喚から《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》に繋げると、残った1マナで《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》を召喚し再び《とこしえの超人》を対処する。

 これにはたまらず、下から覗き込むように山札のカードを引くみれう。  表情は変わらず、首を傾げながら再びの《ブレイン・スラッシュ》で再びの《とこしえの超人》復活。

 しかし、ぴゅう側も都合よく毎ターン《とこしえの超人》を対処できる訳ではないので、ここでは一旦《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》から《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》へと繋げ、リソースの補充にターンを費やす。

 なんとか優位を保てたみれうは、更にそれを強固なものにすべく《天災 デドダム》から《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》の呪文側で墓地をリセット。

 その中で唯一、負けに繋がる可能性のある《超神星DOOM・ドラゲリオン》だけは山札に戻さないというプレイで《とこしえの超人》が除去される可能性を少しでも下げる。

 ここから再び墓地の枚数を増やす行動に数ターンを費やすぴゅう、それに対してみれうは追加の対抗策が欲しいところである。

 そんな中《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》を使うと、山札の上3枚から飛び出したのは《とこしえの超人》《生命と大地と轟破の決断》

 残りのマナは十分にあるのでマナゾーンに置かれた《生命と大地と轟破の決断》を使って、マナゾーンから《とこしえの超人》《龍素記号wD サイクルペディア》を呼び出すと、《龍素記号wD サイクルペディア》が墓地から《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》で再びぴゅうの墓地をリセット!

 先ほど同様《超神星DOOM・ドラゲリオン》とともに、今度は追加で《ブラッディ・タイフーン》《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》といったリソースカードも、ロングゲームでは危険と判断し墓地に残す。

 返しのターンに再び《蒼狼の大王 イザナギテラス》を経由して《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》を2回使い、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》を使われたとは思えない墓地の数を再び積み重ねるぴゅう。

 マナが並んでいたら、ドローカードが連鎖する構造となっているので、毎ターン《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》が撃てないのであれば何かしらの手段で2体の《とこしえの超人》が対処されそうな状態なので、決め手が欲しいみれう。

 《龍素記号wD サイクルペディア》の恩恵を受けて2回使えることとなった《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》から《地龍神の魔陣》と繋げ三度の《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》《超神星DOOM・ドラゲリオン》以外の墓地のカードをリセット。

 再びぴゅうがドローカードを連鎖させ墓地を肥やすと最後には《絶望神サガ》を召喚してコンボに王手をかける。  返しのターンにみれうが召喚したのは《クイーン・アマテラス》

 そして《クイーン・アマテラス》《フォース・アゲイン》が使われる。

 みれうのデッキは《龍素記号wD サイクルペディア》を軸に呪文で対戦相手をコントロールしていくのだが、そこに恐るべきコンボが隠されていた。

 《龍素記号wD サイクルペディア》《クイーン・アマテラス》がいる状態で手札から《フォース・アゲイン》を使い、それを《龍素記号wD サイクルペディア》の能力で2回使えるようにする。

 すると、2回の《フォース・アゲイン》《龍素記号wD サイクルペディア》《クイーン・アマテラス》のそれぞれを出し入れすることとなる。

 こうして新鮮な状態に戻った《龍素記号wD サイクルペディア》が登場時の効果で墓地の《フォース・アゲイン》を使い《クイーン・アマテラス》を出し入れすると、《クイーン・アマテラス》の能力が2回使える状態で《フォース・アゲイン》が山札に戻る。

 これで1回目の《クイーン・アマテラス》の効果により山札から手札に加えられた《フォース・アゲイン》を使うと、それを《龍素記号wD サイクルペディア》がコピーすることとなるので、こうすることにより《クイーン・アマテラス》の登場時効果を使える回数が余分に1回ずつ増えていき、結果、任意の回数山札の中の6コスト以下の呪文が使えるようになる。

 これに《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》を絡め、自分の墓地をリセットする動きを加えると、自分の山札が無くなることなく、相手のリソースを無限に刈り取ることができる。

 こんな秘密兵器が隠されたデッキをみれうは自分で作り上げたというのだから驚きだ!

 そして、これで無限に6コスト以下の呪文が使えるような状態になったのだが、度重なるマナ加速に加えて、キーカードがシールドに置かれてしまっているため、都合無限ドローと無限墓地リセット、無限《生命と大地と轟破の決断》しかできない状態になってしまっていた。

 しかし無限に使われる《生命と大地と轟破の決断》《ブレイン・スラッシュ》のバックアップを受けて何が何でも4体揃うこととなった《とこしえの超人》をぴゅうは対処することはできず、みれうがクリーチャーでシールドをブレイクしだすと、残された僅かな時間ではこの状況を打破できず、みれうが何とか勝利を手繰り寄せたのだった。

みれう 1-1 ぴゅう

Game3

先攻:ぴゅう

 前のゲームではもつれた末に負けてしまったぴゅうだが、最後は先手で試合に臨めることとなった。

 最速でコンボを決めるルートになると、みれう側に介入する余地が少ないので、まずは《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》で準備を進める。

 2ドローの後に《黙示賢者ソルハバキ》を捨て次のターンのビックチャンスを待つぴゅうだったが、そうはさせまいとみれうはマナゾーンの《天災 デドダム》をアンタップさせると同時に《生命と大地と轟破の決断》をマナチャージし、すぐさまその2枚をタップさせた。

《とこしえの超人》×2

 2ターン目のアクションとしてはこれ以上にない動きを見せると、ぴゅうも深くうなずきながらターンを迎える。

 《「敬虔なる警官」》1枚では対処できない状況となり、再び長い闘いになりそうなぴゅうは《ブラッディ・タイフーン》でまずはリソースを貯め込むことを選択。

 《一なる部隊 イワシン》《終断γ ドルブロ / ボーンおどり・チャージャー》と捨てて、《一なる部隊 イワシン》の効果で更にドローを進めた後に《ロスト・ウォーターゲイト》を捨てる。
 ここからみれうは《天災 デドダム》を経由してからぴゅうが墓地を肥やしている間に《絶望と反魂と滅殺の決断》を手札→墓地と2ターン連続で使うことで、手札を全て破壊する。

 しかし、ここでぴゅうは《キング・ザ・スロットン7/7777777》をトップデッキする!これでみれうの山上3枚にコスト1のカードがあれば《とこしえの超人》2体を一気に対処できる!

1枚目《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》

2枚目《マナ・クライシス》

3枚目……《地龍神の魔陣》!!

 ヒットせず!結果コスト3のカードが指定され《天災 デドダム》が公開された3枚のカードとともにボトムへ追いやられる。

 が、しかし、みれうはこの細い負け筋をケアし実は3枚目の《とこしえの超人》をずっと手札に抱えていた。

 そして次のターンにきっちり《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》でぴゅうの墓地も締め出すと、後はどうやって試合を畳むのかが焦点となるが、Game2と違ってマナゾーンにキーカードが埋まっているわけではないので《龍素記号wD サイクルペディア》《クイーン・アマテラス》とゆっくり毎ターン召喚し再びコンボを決める。

 無限に《マナ・クライシス》

 無限に《絶望と反魂と滅殺の決断》

 無限に《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》

 とぴゅうの全てのリソースを削除できる状態になると、為す術が無くなりぴゅうは投了を宣言。


みれう 2-1 ぴゅう

Winner:みれう

 《絶望神サガ》が牽引した最強位決定戦というフィールドにて、新たな可能性を見せたみれうの勝利。

 デッキ構築の発想力、チューニング、プレイング、その全てが多くの人に衝撃を与えただろう。

 このカバレージや配信動画のアーカイブの中でこの戦いがいつでもみられることが素晴らしいと思うくらいの試合だった。

 そして、みれうの次に作る新しいデッキが見たい!という気持ちで今は胸がいっぱいだ。これだからデュエマはたまらない。



 と3決の余韻に浸っていた筆者であったが、後日衝撃の事実を知ることとなった。

 日本一決定戦と同じような立ち位置の大会の4位となったぴゅうは、今回とも選手のパワーをあやかるためにDMGP版の《偽りの王 ヴィルヘルム》の柄のスリーブを使用していた。

 そう、とも選手といえば全国大会2016で4位だったプレイヤーだ。そんな本人の危惧が的中したのかどうかはわからないがぴゅうは4位となった。

 次回、全国大会2023日本一決定戦ではスリーブの柄にも注目してみようと思わされる戦いであった。

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