DMGP7th Round 8:北のあーさん vs. 青邏
デュエル・マスターズ GP-7th、予選ラウンド第8回戦。
そこにおいてフィーチャーマッチエリアへ呼ばれることになったのは、ここまで6勝1敗という好成績で予選最終戦を迎えた2人のプレイヤーだ。
層の厚い北海道勢の中でも強豪の北のあーさんは、「何かアピールしたいことはありますか?」というこちらの漠然とした質問に対し、「自分が入っている調整グループがあるんですけど……」と話を切り出した。
曰く、北は北海道、南は四国に至るまでメンバーが所属して各地の情報を持ち寄りながら意見交換をする全国規模の調整グループがあり、今回のデッキもそこでの意見交換が基になっていると。
ほぼ毎日と言っていいペースで夜にSkype会議を行い、熊本超CSで準優勝したセキボンや第5回戦で登場したイヌ科をはじめとした錚々たるメンバーが参加しているというその調整グループの名は、「マラかっち」。
それぞれの地方のCSなどで生まれたコミュニティの中で調整を行う時代から、地域の垣根を越えて情報を集約・共有し、新たなビジョンを生み出す時代へ。彼らの取り組みは、デュエマにおいて最先端の試みと言えるかもしれない。
そんな北のあーさんと対峙することになったのが青邏 (読み:せいら)。同様にアピールの質問に対しては、「社会人なんですけど、仕事が終わるたびデュエル・マスターズしか触ってないですし、給料の大半をデュエル・マスターズに使ってます(笑)」と朗らかに答えてくれたのが印象的だった。
だがこの対戦で、青邏のその言葉があらゆる意味で伊達ではないということが明らかになる。
のちほどデッキテクも公開される (予定の) 青邏のデッキは、2ブロック特有のトリガービートというアーキタイプを極限までやりこんだ、全く独自のデッキだったからだ。
3連続で《撃髄医 スパイナー》をチャージしてターンを返す北のあーさんに対し、青邏も《ドラゴンズ・サイン》《罠の超人》《煌龍 サッヴァーク》と埋めただけでターンをパス。4ターン目に北のあーさんの《追憶人形ラビリピト》が青邏の《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》を手札から落としたことが、両者の実質的なファーストアクションとなった。青邏は続くターンも《ボントボルト》を埋めただけでアクションがなく、ならばと北のあーさんはチャージなしで2枚目の《追憶人形ラビリピト》を出し、《煌龍 サッヴァーク》を叩き落とす。
だが、5ターン目に《終末の時計 ザ・クロック》をチャージした青邏は《ドラゴンズ・サイン》を唱えると、《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》をバトルゾーンに送り出す。表向きと裏向きのシールドが追加され、表向きのシールドとなっているのは《A.Q.C》だ。
ここまで太字にしたカードを見ても分かるように、青邏のトリガービートはカードチョイスがかなり独特であり、何が飛び出してくるのか分からない怖さがある。しかし、いずれにせよ最終的には半ロック状態で少しずつ盾を割っていくことを目指すほかない北のあーさんは、5マナ目となる《卍 デ・スザーク 卍》をチャージして《堕魔 ヴォガイガ》を出し、《堕魔 グリギャン》を回収。さらに《堕魔 ドゥグラス》を出してターンを終える。
するとここで、どの道《追憶人形ラビリピト》2体が定着しており手札が維持できないと判断した青邏が勝負に打って出る。《唸る鉄腕 ギリガザミ》を埋めると、《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》のアタック時に《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》! W・ブレイカーによる2回攻撃で、北のあーさんのシールドを一気に4枚も割ることに成功する。
対する北のあーさんは《卍 デ・スザーク 卍》を埋めて《堕魔 ヴォーミラ》、《堕魔 グリギャン》、《堕魔 ドゥリンリ》と並べ、返す《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》の攻撃は2枚目の《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》のトップデッキでうっかり負け確定にならないよう、《堕魔 グリギャン》で受け止める。
再び北のあーさんのターン。《堕魔 ヴォーミラ》の2体目を並べ、効果で墓地から《堕魔 ドゥグラス》と《堕魔 グリギャン》、さらに手札から《堕魔 ドゥグラス》と展開。そして唯一の表向きのカードである《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》が乗ったシールドに攻撃して手札に加えさせると、ターンエンドに《》を宣言して《追憶人形ラビリピト》の効果で即座に手札を落とさせる。
北のあーさんのバトルゾーンには《堕魔 ヴォーミラ》2体と《追憶人形ラビリピト》2体、《》と《堕魔 ドゥポイズ》が見えているので、もはや盤面の《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》に対するブロッカーを毎ターン維持したまま、1枚ずつシールドを割っては《》と《追憶人形ラビリピト》で手札を処理し続けられる状況だ。
しかも仮に青邏がそのままターンを返すと、表向きのシールドがない《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》が処理されてしまう。すなわち、この状況を動かせるのは青邏のトップデッキしかない。
だが、この状況で青邏が引き込んだのは2体目の《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》!
しかも表向きになったのが《ドンドン吸い込むナウ》で、S・トリガーによる反撃が怖い北のあーさんは「表向きの盾をすべて処理したのちに《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》を破壊する」というプランがとりづらくなってしまう。
これを見て北のあーさんは、やむなく墓地から《堕魔 ドゥポイズ》を使用して≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫を墓地に置くと、《追憶人形ラビリピト》で1点だけ小突いてからエンドに《》を再蘇生し、ブロッカーを確保しつつ1枚ずつ青邏の盾を割っていく作戦に変更する。
ここで青邏は《ポクチンちん》を引き込み、自分の山札を回復しつつ山札勝負の目も見据えるが、北のあーさんは《卍 デ・スザーク 卍》で《ポクチンちん》を処理しつつ山札を回復して山札切れをしっかりとケアする。そして再び1点だけ殴ってエンドに《》宣言、《追憶人形ラビリピト》で青邏の手札を処理。プラン変更を強いられたとはいえ、少しずつ青邏を追い詰めていく。
残る青邏のシールドは3枚。《ドンドン吸い込むナウ》が乗ったものがあるとはいえ、それは最後に殴られるだろうから期待できるのは実質2枚のみ。しかもどこで北のあーさんが打点十分と割り切って一気に殴ってくるかも分からない。
北のあーさんは再び《堕魔 ドゥポイズ》で≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫を自壊させ、《追憶人形ラビリピト》で1点。
その1点がしかし、《終末の時計 ザ・クロック》!
生まれた1ターン。ここで青邏は最後のチャンスを手に入れる。すなわち、引き込んだのは《ルクショップ・チェサイズ》。
この状況で求めるものは、あのカードしかない。
2枚の中には……《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》!!
Winner:青邏
北のあーさん「あの (表向きの《ドンドン吸い込むナウ》が埋まった) 盾、先に殴るべきだったなー」
青邏「あれは絶対殴るべきでしたね」
実際、青邏が2体目の《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》で埋めた裏向きの側の盾は、手札がない状況ではトリガーとして機能しない《ドラゴンズ・サイン》だった。裏目もあるとはいえ、そもそも自然のカードが少なめなトリガービートの《ドンドン吸い込むナウ》が防御トリガーとしてどこまで機能するのかということを考えると、《追憶人形ラビリピト》2体の盤面はそう簡単に返せないと割り切って殴ってしまってもよかったかもしれない。
とはいえそれは結果論だから言えることで、様々なカードで通常の構成との違いを印象付けることで北のあーさんの判断を狂わせた青邏の構築が見事だったと評するべきだろう (何せ青邏のデッキには《》(!) まで入っていたのだ)。
北のあーさん「オポネントでワンチャン……もし128位に残れてたら、またよろしくお願いします」
そこにおいてフィーチャーマッチエリアへ呼ばれることになったのは、ここまで6勝1敗という好成績で予選最終戦を迎えた2人のプレイヤーだ。
層の厚い北海道勢の中でも強豪の北のあーさんは、「何かアピールしたいことはありますか?」というこちらの漠然とした質問に対し、「自分が入っている調整グループがあるんですけど……」と話を切り出した。
曰く、北は北海道、南は四国に至るまでメンバーが所属して各地の情報を持ち寄りながら意見交換をする全国規模の調整グループがあり、今回のデッキもそこでの意見交換が基になっていると。
ほぼ毎日と言っていいペースで夜にSkype会議を行い、熊本超CSで準優勝したセキボンや第5回戦で登場したイヌ科をはじめとした錚々たるメンバーが参加しているというその調整グループの名は、「マラかっち」。
それぞれの地方のCSなどで生まれたコミュニティの中で調整を行う時代から、地域の垣根を越えて情報を集約・共有し、新たなビジョンを生み出す時代へ。彼らの取り組みは、デュエマにおいて最先端の試みと言えるかもしれない。
そんな北のあーさんと対峙することになったのが青邏 (読み:せいら)。同様にアピールの質問に対しては、「社会人なんですけど、仕事が終わるたびデュエル・マスターズしか触ってないですし、給料の大半をデュエル・マスターズに使ってます(笑)」と朗らかに答えてくれたのが印象的だった。
だがこの対戦で、青邏のその言葉があらゆる意味で伊達ではないということが明らかになる。
のちほどデッキテクも公開される (予定の) 青邏のデッキは、2ブロック特有のトリガービートというアーキタイプを極限までやりこんだ、全く独自のデッキだったからだ。
3連続で《撃髄医 スパイナー》をチャージしてターンを返す北のあーさんに対し、青邏も《ドラゴンズ・サイン》《罠の超人》《煌龍 サッヴァーク》と埋めただけでターンをパス。4ターン目に北のあーさんの《追憶人形ラビリピト》が青邏の《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》を手札から落としたことが、両者の実質的なファーストアクションとなった。青邏は続くターンも《ボントボルト》を埋めただけでアクションがなく、ならばと北のあーさんはチャージなしで2枚目の《追憶人形ラビリピト》を出し、《煌龍 サッヴァーク》を叩き落とす。
だが、5ターン目に《終末の時計 ザ・クロック》をチャージした青邏は《ドラゴンズ・サイン》を唱えると、《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》をバトルゾーンに送り出す。表向きと裏向きのシールドが追加され、表向きのシールドとなっているのは《A.Q.C》だ。
ここまで太字にしたカードを見ても分かるように、青邏のトリガービートはカードチョイスがかなり独特であり、何が飛び出してくるのか分からない怖さがある。しかし、いずれにせよ最終的には半ロック状態で少しずつ盾を割っていくことを目指すほかない北のあーさんは、5マナ目となる《卍 デ・スザーク 卍》をチャージして《堕魔 ヴォガイガ》を出し、《堕魔 グリギャン》を回収。さらに《堕魔 ドゥグラス》を出してターンを終える。
するとここで、どの道《追憶人形ラビリピト》2体が定着しており手札が維持できないと判断した青邏が勝負に打って出る。《唸る鉄腕 ギリガザミ》を埋めると、《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》のアタック時に《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》! W・ブレイカーによる2回攻撃で、北のあーさんのシールドを一気に4枚も割ることに成功する。
対する北のあーさんは《卍 デ・スザーク 卍》を埋めて《堕魔 ヴォーミラ》、《堕魔 グリギャン》、《堕魔 ドゥリンリ》と並べ、返す《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》の攻撃は2枚目の《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》のトップデッキでうっかり負け確定にならないよう、《堕魔 グリギャン》で受け止める。
再び北のあーさんのターン。《堕魔 ヴォーミラ》の2体目を並べ、効果で墓地から《堕魔 ドゥグラス》と《堕魔 グリギャン》、さらに手札から《堕魔 ドゥグラス》と展開。そして唯一の表向きのカードである《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》が乗ったシールドに攻撃して手札に加えさせると、ターンエンドに《》を宣言して《追憶人形ラビリピト》の効果で即座に手札を落とさせる。
北のあーさんのバトルゾーンには《堕魔 ヴォーミラ》2体と《追憶人形ラビリピト》2体、《》と《堕魔 ドゥポイズ》が見えているので、もはや盤面の《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》に対するブロッカーを毎ターン維持したまま、1枚ずつシールドを割っては《》と《追憶人形ラビリピト》で手札を処理し続けられる状況だ。
しかも仮に青邏がそのままターンを返すと、表向きのシールドがない《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》が処理されてしまう。すなわち、この状況を動かせるのは青邏のトップデッキしかない。
だが、この状況で青邏が引き込んだのは2体目の《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》!
しかも表向きになったのが《ドンドン吸い込むナウ》で、S・トリガーによる反撃が怖い北のあーさんは「表向きの盾をすべて処理したのちに《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》を破壊する」というプランがとりづらくなってしまう。
これを見て北のあーさんは、やむなく墓地から《堕魔 ドゥポイズ》を使用して≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫を墓地に置くと、《追憶人形ラビリピト》で1点だけ小突いてからエンドに《》を再蘇生し、ブロッカーを確保しつつ1枚ずつ青邏の盾を割っていく作戦に変更する。
ここで青邏は《ポクチンちん》を引き込み、自分の山札を回復しつつ山札勝負の目も見据えるが、北のあーさんは《卍 デ・スザーク 卍》で《ポクチンちん》を処理しつつ山札を回復して山札切れをしっかりとケアする。そして再び1点だけ殴ってエンドに《》宣言、《追憶人形ラビリピト》で青邏の手札を処理。プラン変更を強いられたとはいえ、少しずつ青邏を追い詰めていく。
残る青邏のシールドは3枚。《ドンドン吸い込むナウ》が乗ったものがあるとはいえ、それは最後に殴られるだろうから期待できるのは実質2枚のみ。しかもどこで北のあーさんが打点十分と割り切って一気に殴ってくるかも分からない。
北のあーさんは再び《堕魔 ドゥポイズ》で≪卍月 ガ・リュザーク 卍≫を自壊させ、《追憶人形ラビリピト》で1点。
その1点がしかし、《終末の時計 ザ・クロック》!
生まれた1ターン。ここで青邏は最後のチャンスを手に入れる。すなわち、引き込んだのは《ルクショップ・チェサイズ》。
この状況で求めるものは、あのカードしかない。
2枚の中には……《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》!!
Winner:青邏
北のあーさん「あの (表向きの《ドンドン吸い込むナウ》が埋まった) 盾、先に殴るべきだったなー」
青邏「あれは絶対殴るべきでしたね」
実際、青邏が2体目の《サッヴァーク ~正義ノ裁キ~》で埋めた裏向きの側の盾は、手札がない状況ではトリガーとして機能しない《ドラゴンズ・サイン》だった。裏目もあるとはいえ、そもそも自然のカードが少なめなトリガービートの《ドンドン吸い込むナウ》が防御トリガーとしてどこまで機能するのかということを考えると、《追憶人形ラビリピト》2体の盤面はそう簡単に返せないと割り切って殴ってしまってもよかったかもしれない。
とはいえそれは結果論だから言えることで、様々なカードで通常の構成との違いを印象付けることで北のあーさんの判断を狂わせた青邏の構築が見事だったと評するべきだろう (何せ青邏のデッキには《》(!) まで入っていたのだ)。
北のあーさん「オポネントでワンチャン……もし128位に残れてたら、またよろしくお願いします」
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