DMGP2024-1st Day1(アドバンス) 決勝Round 4:☆ヨッシー☆ vs. かめ
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:瀬尾 亜沙子
トップ8がかかった、大事な大事な決勝ラウンド4回戦。そこにおいてフィーチャーマッチに現れたのは、かつて伝説を作った男、かめだった。 DMGP5thでの準優勝という名誉と、準決勝で起こった伝説のレッドゾーン事件の当事者でもあるという不名誉。どちらの意味でも、人々の記憶に残り続けているプレイヤーだ。 しかし、いつまでも不名誉な文脈で語られ続けるというのもいい加減飽きただろう。汚名を返上するには、今こそ新しい伝説が必要だ。
だが、そんなかめの対戦相手がまたとんでもないダークホースだった。《FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~》を見せつけ、【光闇火ドルマゲドン】であることを隠そうともしないかめに対し、☆ヨッシー☆が使用しているのはアドバンス・フォーマットにおいてまさかの、そうまさかの【光単ゴルギーニ】なのだ。 しかも、ここまで勝ち上がってきたのもただのフロックというわけではない。前のラウンドで☆ヨッシー☆は【光自然ヘブンズ・ゲート】に対し、絶望的な状況から見事な立ち回りで勝利しているのである。
とはいえ、もし【光単ゴルギーニ】がアドバンスのグランプリでトップ8に入賞ともなれば、【光単ゴルギーニ】というデッキのポテンシャルは大きく見直されることとなるだろう。その意味でも、間違いなく☆ヨッシー☆もまた伝説に手をかけている。
それでも、トップ8に勝ち上がれるのは。伝説を作る資格が得られるのは、☆ヨッシー☆とかめ、どちらかたった一人だけなのだ。 新たな伝説の担い手候補と、古き伝説の立役者。二つの伝説の可能性が、このバブルマッチで実現をかけて交錯した。
Game
予選通過順位が上のかめが先攻。《灰燼と天門の儀式》チャージから2ターン目に早くも《Forbidden Sunrise ~禁断の夜明け~》を設置するロケットスタート。対する☆ヨッシー☆は《検問の守り 輝羅》を送り出して《魔光神官ルドルフ・アルカディア》からの大技をケアするが、かめは落ち着いて《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》の呪文側で3枚回収という、ブン回りにブン回りを重ねたブンブンな立ち上がりを見せる。 それでもここで☆ヨッシー☆も新戦力《獲銀月 ペトローバ》を送り出す。次の自分のターンまで離れない上に、「ハイパー化」して攻撃すれば盤面を一気に有利な状態にまで持っていけるということで、ゲームの主導権は☆ヨッシー☆の側に移ったか……と、そう思われた。
だが。 ここでかめのアクションは《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》!
《検問の守り 輝羅》を破壊しながら☆ヨッシー☆に召喚制限をかけると、《獲銀月 ペトローバ》は「ハイパー化」の種も必要だがそうすると《獲銀月 ペトローバ》の能力によるクリーチャー踏み倒しが行えないというジレンマに追い込まれてしまう。 これには☆ヨッシー☆も《ポッピ・冠・ラッキー》を召喚して一旦力を溜めざるをえないが、かめはなおも6マナから2軽減の《聖魔連結王 ドルファディロム》!
返すターン、ここでようやく登場した☆ヨッシー☆の《シェケダン・ドメチアーレ》がなけなしの2ドローをもたらすが、カードパワーの差はまるで子供と大人の喧嘩を見ているようだ。 さらにかめは2枚目の《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》で《シェケダン・ドメチアーレ》を破壊しつつ、《ポッピ・冠・ラッキー》の「エスケープ」で削れていた☆ヨッシー☆のシールドをW・ブレイクで攻め立てる。《検問の守り 輝羅》の「G・ストライク」で《聖魔連結王 ドルファディロム》は止まるが、かめはなおも召喚制限があるうちにシールドをすべて割りきってしまう。
それでもここで《ゲラッチョの心絵》が2枚トリガーし、返しの《シェケダン・ドメチアーレ》でようやく一気に4枚もの大量ドローを果たした☆ヨッシー☆だったが。
ダメ押しに送り込まれた2体目の《聖魔連結王 ドルファディロム》が、トップ8進出への望みを粉々に打ち砕いたのだった。
Winner: かめ
かめ「……っし!」
一つの大きな壁を乗り越えたかめは、新たなる伝説を作りに決勝ラウンドへと向かった。
その一方で、あと一歩というところで伝説を作り損ねた☆ヨッシー☆に、愛用の【光単ゴルギーニ】について聞いてみることにした。
--「このデッキはご自身で制作されたものでしょうか?」
☆ヨッシー☆「そうですね」
--「いつ頃から使われているんですか?」
☆ヨッシー☆「結構前から使ってまして……少なくとも1年以上は使用していますね」
--「となると、他のデッキを使うことはあまりない感じでしょうか?」
☆ヨッシー☆「そうですね、特化していると言ってもいいと思います。もちろんたまに他のデッキに浮気的なことはありますけどね」
--「《ヴェネラック-F5》と《獲銀月 ペトローバ》という2種の新カードが採用されていますが、採用理由をお聞かせください」
☆ヨッシー☆「今回は新弾発売から一週間しかなかったんで難しかったんですけれども、《ヴェネラック-F5》は【火水マジック】や【闇自然アビス】に対して有効ということで4枚すぐに採用しました」
☆ヨッシー☆「《獲銀月 ペトローバ》に関しては、このデッキはどうしても1ターンに1枚しかカードをプレイできずカードパワーが低いところが弱点だったところ、このカードを見たときに『入れてみよう』と思ってこちらも4枚からスタートしました。ただアドバンスなのでメタが刺さらないと厳しいので、最終的に2枚に落ち着きましたね」
--「入っているメタカードの種類が尋常じゃないくらい豊富ですよね」
☆ヨッシー☆「そうですね、相手に合わせて出していく形になります。珍しいところでは《閃閃-ダセンゼ》なんかも入れてますね」
--「《星姫械 マリハダル / レプリカ・オークション》じゃダメなんでしょうか?」
☆ヨッシー☆「ダメですね。各ターンなので、天門相手に最後殴るときに《奇石 ミクセル / ジャミング・チャフ》を打っていると、《光開の精霊サイフォゲート》→《闘門の精霊ウェルキウス》までで止まってどうやっても《∞龍 ゲンムエンペラー》が出せなくなるんですよ」
--「この枚数バランスは感覚的なものでしょうか?」
☆ヨッシー☆「友達との調整グループがあるので、そこでちょっと試しながら……でも何をどれくらい入れるかはつい昨日まで悩みましたね」
--「《ゲラッチョの心絵》はどういった理由での採用でしょうか?」
☆ヨッシー☆「1ドローがとにかく大事ですね。《ドラン・ゴルギーニ》や《シェケダン・ドメチアーレ》といった強いカードを引きにいきたい。先攻なら特に。あと面の取り合いになったときに1体タップが強いです。《ドラン・ゴルギーニ》や《シェケダン・ドメチアーレ》の攻撃の的を作れるので」
--「ちなみに、ドルマゲドン相手はさすがに厳しいマッチアップなのでしょうか?」
☆ヨッシー☆「いえ、練習ではむしろ有利という認識でした。《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の返しを《ドラン・ゴルギーニ》で止めて、《聖魔連結王 ドルファディロム》に対してはタマシードが残るので返しで《ドラン・ゴルギーニ》起動で対抗できます。封印も《検問の守り 輝羅》で機能不全にできますしね。ただ相手先攻のぶん回りで、なおかつこちらが《ドラン・ゴルギーニ》を引いていないとなるとお手上げでした。だからこそ余計に悔しいですね。まあしゃーなしっす」
--「ありがとうございました」
出力に振りきった怪物だらけのアドバンス環境だからこそ、《検問の守り 輝羅》や《ポッピ・冠・ラッキー》といった超次元・超GRを完全封殺できる光のメタクリーチャーが生き生きと輝きだす。
「ゴルギーニ・タウンの快男児」、☆ヨッシー☆がこれから作るであろう【光単ゴルギーニ】伝説にも期待だ。
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