全国大会2024 北海道エリア予選:TOP5カード紹介
ライター:塚本 樹詩
エリア予選1発目となった北海道エリア予選。2ブロック構築というフォーマットで行われた今回の大会で印象に残ったカード群の中からTOP5を選出し、ここで紹介していく。
また、こことは別にメタゲームブレイクダウンの記事もあるので、そちらの記事と併せてこれからの2ブロック構築の攻略のヒントとなれば幸いだ。
5位:《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》
「アビス・レボリューション」「王道篇」ともに多色カードは2文明のものが多く、メタゲーム内に存在するアーキタイプ(デッキ戦略)もそれに倣い2文明で構成されるものがほとんどだった。 しかし、この単にトリガーとして強力なだけでなく、3文明を含むこのカードに注目したプレイヤーもいて【COMPLEX】では防御トリガーとしだけでなく《DARK MATERIAL COMPLEX》のカウントを効率よく進めるために運用され、【火自然ゼニス】では、単に自然文明を含んでいるだけで採用といった使われ方をしていた。それでも、このカードは残りの空いた1枚を埋めるような使い方に留まっていた。 そんな中で予選ラウンドを2位で通過した大谷の使う【光水自然ゼニス】では、マナ基盤としても大きく貢献し、《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》《偽りの名 ワスプメリサ》+《聖霊超王 H・アルカディアス》という完封状態を水晶マナという枷の上から実現させていた。
2ブロック構築ではカードプールが狭い関係上、文明を増やしてデッキパワーを底上げするアプローチもあるので、今後も様々なアーキタイプでの採用が検討されそうなポテンシャルを秘めているカードということで5位に選出。
4位:《死神覇王 ブラックXENARCH》
アドバンスで猛威を振るうこのカードも、2ブロック内で居場所を見つけていた。 【COMPLEX】や【闇自然アビス】といったデッキで主に採用され、闇文明を含むならばとりあえず入れとけ!という状態になっていた。カードプールの狭い限定構築ではカードパワーを押し付けるのが正義といった側面もあるので、既に実績のあるカードが使われるのは自然な流れとなっているが、今回の2ブロックでは「革命チェンジ」が多用される環境なので、《死神覇王 ブラックXENARCH》との相性は言わずもがなとなっている。
この点に注目したのが予選を1位で通過した北のあーさんだった。
彼はこのギミックに注目し、なんと【水自然ジャイアント】に4枚採用!! 《五番龍 レイクポーチャー ParZero》や《チアスペース アカネ》のバックアップのもとにデッキ内の2枚をかき集めたり《哀樹神官 グリッファ》を使ったりと、本来のデッキの動きを損なうことなく運用していたのが印象的だった。
本人は壮絶な事故により惜しくも1没となっていたが、2ブロック大本命のアーキタイプともいえる【水自然ジャイアント】同型へのクリティカルな対抗策も含め、今後定番になりそうな活躍を見せていた。
3位:《芸魔王将 カクメイジン》
当時の活躍そのままにとはいかないまでも、ゲームスピードが遅めになりがちな2ブロック構築において速度での勝負を挑むアーキタイプとしては文句ない【火水マジック】のキーカードがこの《芸魔王将 カクメイジン》だ。正攻法な使い方以外にも、DTLで魔王軍の一員であるセキボンが2ブロック構築戦の回で見せた【ターボマジック】のキーカードとしても活躍している。
本人は今回のエリア予選でもこのアーキタイプを使用し、準優勝まで勝ち上がった。 《シャングリラ・クリスタル》からマナを一気に増やし、《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》や《グレート・流星弾》といった高コストの呪文を一気に踏み倒す動きは強力かつ爽快感も高く、【火水マジック】【水自然ジャイアント】に迫る勢いでシェアを拡大し、今回の大会ではこの《芸魔王将 カクメイジン》を使ったプレイヤーが最も多いという結果になった。
2位:《グレート・流星弾》
先述した【ターボマジック】で大活躍していたのがこの《グレート・流星弾》だ。 【火自然ゼニス】では定番のカードなっているが、《芸魔龍王 アメイジン》と組み合わせることにより攻防ですさまじい働きをするこのカードは《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》に継ぐサブプランとしての役割を十二分に果たしていた。特に《氷柱と炎弧の決断》の手札入れ替えモードとも相性が抜群で、《芸魔王将 カクメイジン》や《芸魔龍王 アメイジン》《芸魔隠狐 カラクリバーシ》を墓地から一気にバトルゾーンに呼び出す動きは、本当に合法なのか???と思うくらいのインパクトがあった。
1位:《超球の超人 / 父なるタッチダウン》
今回優勝したリノグレに【水自然ジャイアント】で最も活躍したカードは?と質問したところ、返答されたカードがこの《超球の超人 / 父なるタッチダウン》。リノグレのデッキリストでは1枚のみの採用で、切り札としての役割が強かったことが予測されるが、ボードコントロールに重きを置いた【水自然ジャイアント】ではロングゲームも想定されているので、ゲームが長引く展開ではこのカードへのアクセス自体はそう難しくないだろう。 ジャイアント専用のトリガーとして強力な《輝跡!シャイニングロード・マンティス / 輝跡の大地》のバリューを上げるための枠として《範丸の超人》も含めデッキにちょい足ししているプレイヤーが大半ななかで、リノグレが1日を通してメタゲーム的には《超球の超人 / 父なるタッチダウン》の方が有用であったようだ。
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