DMGP2026-1st Day2(オリジナル)決勝Round 1:ざさ vs. Halrux
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:坂井 郁弥
なぜなら、それは確率の問題だからだ。普段から触れているカードの種類が多い方が、新カードAと既存カードBとのシナジーに気づきやすい。ゆえに「新カードAによってデッキが生まれる」というインスピレーションは、環境デッキをコピーし続けているだけでは訪れにくい一方で、普段からローグデッキを触る習慣を持つメリットはそこにある。
だが時にそうしたローグデッキ使いたちは、単に新しいデッキを生み出すというだけでなく、我々の想像を超えた活躍を見せることもある。
ざさ「まさかここまで来れるとは……しかもフィーチャー卓に呼ばれるとは思ってなくて……本当に緊張する……」
Halrux「頑張りましょう」
4600名超えの参加者が128名にまで絞られ、始まった決勝トーナメント。スタンディングを確認して予選突破の興奮も冷めやらぬまま、すぐに始まったその第1回戦で、いきなりフィーチャーマッチに呼ばれた茨城勢のざさは、何やら落ち着かない様子だった。
ざさ「このデッキでフィーチャー卓……ダメだってこれ……」
何せ、ざさが使用しているのは、128名の中で間違いなく自分だけしか使用していないと言いきれるほどの珍しい、しかも新カードを採用したローグデッキなのだ。もちろん出場する以上は勝てる気で来ているとはいえ、実際に予選上がりまでしてしまったとなると話は別である。しかもフィーチャーマッチで全国のプレイヤーに生配信でプレイが見られるということもあり、これまで経験したことのないプレッシャーを感じている様子だった。
他方、対戦相手のHalruxははるばる高知からの遠征勢。同郷の友人たちが生放送で応援しつつ見守っているであろう中で使用する「火光自然ドギラゴン王道」は、現オリジナル環境においてはそこまでの上位メタではなかったものの、結果としてトップ128に占めるドラゴン系デッキの割合を総計すると下馬評においてはトップメタと目されていた「光水自然ゴルギーオージャー」よりも多そうな印象であり、今大会における台風の目となっている可能性がある。
それに、変にメタを張らずに真っすぐ突っ込む分、ローグデッキに対して強くなりがちなのがドラゴン系デッキの特徴なのだ。
どちらも予選ラウンドは8勝1敗。ざさがローグ使いの意地を見せつけるか、Halruxのドラゴンがすべてを蹂躙するか。大注目のフィーチャーマッチが開始した。Game
予選順位の差で先攻となったざさが1ターン目にマナチャージした《宝魂剣と獄門盾の決断》を見て、Halruxが一拍固まる立ち上がり。ゴルギーでもダーバンデでも邪眼帝でもない。ありえるとしたらファイアー・バード……?だが考えても仕方がないとばかりに自ターンでカードを引くと、《王道の革命 ドギラゴン》を埋める。すると返すざさの続くマナチャージは《邪脳の魔法陣》で、ますますわからない。それでもHalruxは《ボルシャック・スーパーヒーロー / 超英雄タイム》チャージからの《メンデルスゾーン》で《偽りの希望 鬼丸「終斗」》《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》をめくり2ブースト(マナ加速)成功、相手が何であろうと粉砕する構えを見せる。しかしそんなHalruxの冷静な態度も、さすがに次のマナチャージを見ては崩れざるをえなかった。
ざさ「置くしかないか……《究極銀河ユニバース》置いて終了します」
Halrux「ユニバース⁉……ユニバース……」特殊勝利条件としてはどちらかといえばより簡単な《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》の方ではなく、元祖《究極銀河ユニバース》を使うということは、《禁断英雄 モモキングダムX》の下に《時空工兵タイムチェンジャー》で《究極銀河ユニバース》と進化元のフェニックスを仕込んだ後に《禁断英雄 モモキングダムX》を破壊することで急角度からの特殊勝利を実現する、「ユニバース退化」としか考えられない。
そしてそうとわかった瞬間、すべての情報がつながる。《宝魂剣と獄門盾の決断》のマナベース補正と3以下同時出し効果、さらにS・トリガー付与の条件とバトル効果……何と噛み合いの良いことか!
だがドラゴンデッキ相手ならどう考えても置き得であるはずの《禁断英雄 モモキングダムX》を《メンデルスゾーン》でそれとわかってからも設置しないということは、「頼む……」と必死に両手を合わせるざさの様子から見ても、どうやら《禁断英雄 モモキングダムX》を引けていない様子。ならば感心してばかりもいられないHalruxは、《~輝きは奇跡そのもの~》をマナチャージすると《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を送り出し、ひとまず返しのターンのコンボ始動は防ぎつつプレイヤーへと攻撃。だが余った1マナで《剣轟の団長 ドギラゴン王道》の「D・D・D」宣言まではなく、W・ブレイクにとどまる。S・トリガーは、ない。一方、デッキの種が割れてしまったざさは、とにかく時間を稼ぎたい。《怒りの影ブラック・フェザー》をマナチャージすると、唱えたのは《氷柱と炎弧の決断》。
ざさ「止め+ドロー……いや止め+出しで」《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の攻撃を止めつつ《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》を設置し、わずかながらHalruxの行動を制限しつつドローも進める折衷案をとる。そして返すHalruxは……《偽りの希望 鬼丸「終斗」》をマナチャージしつつ、《メンデルスゾーン》でより確実なフィニッシャーを出せるマナ域へとジャンプアップしにいく……が、ここは《メンデルスゾーン》が1枚めくれて1ブーストのみ。これ以上の無闇なシールドブレイクはせずターン終了。
ざさ「頼む、頼む!……くっそー……いやー引けないかー……」
返すざさはまだ《禁断英雄 モモキングダムX》を引けていない様子で、《怒りの影ブラック・フェザー》を力なくマナチャージしてターン終了。天を仰ぐ。
すると返すHalruxのアクションは《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》!ざさのシールドはまだ3枚残っているためこのターンでダイレクトアタックまでは届かないまでも、シールドをすべて割り切ってしまえばコンボには入れない。必勝を期したW・ブレイクは……だが、《破壊龍神ヘヴィ・デス・メタル GS》「G・ストライク」!
ざさはシールド1枚、首の皮1枚で耐えることに成功する。
そして《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の制限がかかった返しのターン、祈りを込めたドロー……だが。
ざさ「そんな引けないことある……?そんな引けないことある???」
まだ引けない。仕方なく、どうにか生き延びられる術を模索する。
ざさ「ワンチャン……」
その果てに、本来ならコンボパーツを探すための《氷柱と炎弧の決断》を、《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》2体の攻撃を両方止めるために使わざるをえない。何せそうしなければ、「スピードアタッカー」持ちを1体追加されるだけでもジャスキルが生まれてしまうからだ。
これでどうにかもう1ターンだけ……そんなざさの祈りはしかし、返すHalruxによって儚く打ち砕かれた。
《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》召喚から、プレイヤーアタック時「D・D・D」《剣轟の団長 ドギラゴン王道》!マナから3体目の《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》が降臨すると、最後のシールドがブレイクされる。そしてそのまま、ダイレクトアタックが通ったのだった。
ざさ「まあ、だよねー……」
Winner: Halrux
ざさ「ありがとうございました」Halrux「頑張りますので……」
ざさ「頑張ってください!……いやー引けなかったかー!……けどこのデッキで本戦行けたことがでかい!」
そう満足気に語るざさ。フィーチャーマッチで勝てなかった悔しさよりも、自作のローグデッキで予選突破できた喜びの方が大きいのだろう……だがHalruxが勝利者インタビューに向かった後、山札の一番上を「ちなみにどこだった……」と確認するとそこには《禁断英雄 モモキングダムX》の姿が。これには「次だった!次だー……」とさすがに堪えた様子であった。
そんなざさの《宝魂剣と獄門盾の決断》入り「ユニバース退化」というアイデアは、どのようにして生まれたのか。
ざさ「もともとこのデッキが好きだったんですけど、《宝魂剣と獄門盾の決断》を見て『これ強くね⁉』って思って。今までってマナに埋めた《究極銀河ユニバース》が使い道がなくて腐ってたんですよ。でも《宝魂剣と獄門盾の決断》があるなら、埋めて唱えるのに使える。ただ火文明がかなり多くなってしまったので、光のカードも増えたし《邪心臓の魔法陣》を《邪脳の魔法陣》に差し替えて。素での使い道がないように見えて、一回実戦で6マナから3肥やしで《時空工兵タイムチェンジャー》なかったのをめくって《宝魂剣と獄門盾の決断》で蘇生して勝ちっていうのもあったりして、意外と役に立ちます。あと《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》はゴルギーやドリメなど現環境への刺さりが良いのと、《氷柱と炎弧の決断》で出せるのもあって採用しました」
やがて話を聞いていると、生放送での勝利者インタビューから戻ってきたHalruxが話を引き継ぐ。
Halrux「いろいろ採用理由とか、聞いていいですか?」
そうして二人は、その後も話に花を咲かせた様子だった。普段のCSなどでは交わることのない相手との交流も、やはりグランプリの醍醐味だ。
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ざさ DMGP2026-1st オリジナル構築 |
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Halrux DMGP2026-1st オリジナル構築 |
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