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全国大会2019 北陸エリア予選:トップ5カード~ラッキー・ミッツァイル!!!~

ライター:川崎 大輔


 独創的な『4文明ミッツァイル』と、『火光メタビート』の決勝という、事前には予想しにくい結果となった北陸大会。

 だが、独創的なデッキが生まれる背景には、当然、多くのプレイヤーの環境理解があったことは間違いない。

 ここでは、2019年最初のエリア予選となった北陸エリアを代表する5枚のカードを選出し、大会を振り返っていきたい。


第5位:《BAKUOOON・ミッツァイル》


 まずは、北陸エリアTOP16のブレイクダウンを見てみよう。

  3『火水自然ミッツァイル』
  1『火光水自然ミッツァイル』
  2『火水ジョーカーズミッツァイル』
  3『火単B-我』
  1『闇単ドラガンザーク』
  2『水魔導具』
  1『火光メタビート』
  1『カリヤドネループ』
  1『火自然ヴァイカー』
  1『火水クラッシュ覇道』

 「《BAKUOOON・ミッツァイル》一強ではないか?」と噂されていた今回の2ブロック。その事前予想からすると、4割弱という《BAKUOOON・ミッツァイル》の採用率はかなり少なく感じると思う。

 だが、予選ラウンドの段階では、会場の半分以上のプレイヤーが《BAKUOOON・ミッツァイル》を使っていた。この採用率になった理由のひとつは、予選ラウンドでの《BAKUOOON・ミッツァイル》同士のつぶしあいが大きいだろう。

 だがそれ以上に大きいのは、多くのプレイヤーが「《BAKUOOON・ミッツァイル》同士の不毛なミラーマッチ」を嫌ったからではないかと思われる。

 序盤にあまり干渉要素を持たない《BAKUOOON・ミッツァイル》系デッキのミラーマッチは、先手後手のミスや、序盤のマナ加速事故などのプレイの介入要素がないところで勝負がついてしまう。(誤解の無いように補足しておくと、《BAKUOOON・ミッツァイル》系デッキは、中盤のリソース展開の効率や最後の詰め方などプレイングの差がでる部分は多い。ここで議題にしているのは、相手が動き始めるまでにできることが少ないということだ)

 会場に多く存在すると予測される《BAKUOOON・ミッツァイル》を使うということは、極論勝率は50%を超えないということだ。それであれば、何らかの要素で《BAKUOOON・ミッツァイル》と軸をずらしていくのは、長期的なトーナメントでの戦略として採用する価値がある。

 とはいえ、それは当然、《BAKUOOON・ミッツァイル》系デッキが支配的である前提である。また、環境に存在するデッキのすべてはこのカードとどう戦うかを前提として構築されている。


第4位:《龍星装者 “B-我”ライザ》


 この北陸エリアで対《BAKUOOON・ミッツァイル》デッキの最大戦力となったのは、《龍星装者 “B-我”ライザ》を使用した『火単B-我』である。

 《一番隊 チュチュリス》《ダチッコ・チュリス》から展開して《龍星装者 “B-我”ライザ》へとつなぎ、過剰打点でフィニッシュするこのアーキタイプは、殿堂環境でも姿をみるようになっているが、2ブロックでこそ本領を発揮した。

 このアーキタイプが対《BAKUOOON・ミッツァイル》として白羽の矢がたったのは、単純な速度ではない。デッキの構造上、序盤はある程度クリーチャーを並べたいミッツァイル相手に《ナグナグ・チュリス》《DROROOON・バックラスター》で打点を作りつつ対処し、そしてミッツァイル側の対抗要素である≪「本日のラッキーナンバー!」≫には、フィニッシャーを《“末法”チュリス》《BUNBUN・ヴァイカー》でマナ域をバラすという形で徹底的にミッツァイルと軸をずらしているのだ。

 また、トップ16のむったが使用している『火自然ヴァイカー』のように、《BUNBUN・ヴァイカー》自体も単体で環境を切り開くポテンシャルがあることも追記しておきたい。


第3位:《》


 もし、純粋に序盤のミッツァイルの動きを抑えたいだけなら、手札破壊をはじめとしていくらでも選択肢がないわけではない。

 だが、ミッツァイル系デッキのたちが悪いところは、ある程度マナがそろってしまえば、様々なパターンでの強引なリソース獲得、例えば、《“魔神轟怒”万軍投》から《天啓 CX-20》をめくって、そのまま《BAKUOOON・ミッツァイル》!!(もちろん、合間にお好きなGRクリーチャーでリソース獲得しまくってください)といった動きで突然の致死打点を生み出せてしまうことにある。

 それも、めくれるGRと《天啓 CX-20》でのドロー次第では、追いつめられての「ノートリガーお願いアタック」ではなく≪「本日のラッキーナンバー!」≫まで撃っての安全アタックまでリソースが伸びてしまうことさえあるのだ。

 これを防ぐための方法のひとつは、『火単B-我』がそうであるように軸をずらしてミッツァイル側が立て直す前にこちらが打点を作る方法だが、もうひとつが相手の《BAKUOOON・ミッツァイル》を機能不全にすることである。

 そのために採用されたのが、この、《》だ。実際、優勝者のscarletもミッツァイル同形をこのカードで何戦か勝ち取っているという。

 また、惜しくも決勝1ラウンドのシード戦で敗北したものの、全国優勝経験もあるMGRの使用していた『光水闇手札破壊の蓋に《》』という構築は、対《BAKUOOON・ミッツァイル》の王道であり、今後のエリア予選でもよく見るテクニックとなるだろう。


第2位:《瞬閃と疾駆と双撃の決断》


 2ターン目に《音奏 プーンギ》を出して相手の妨害をしつつ、速やかに相手を倒さなければいけない。

 そんなかなり厳しい要求に対応するべく発見されたカードが、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》だった。打点を増やすことに特化している故、リソース獲得能力を持たず、かなりピーキーな性能という評価であったこのカードであったが、見事なプレイングでつむーじーは使いこなし、決勝までコマを進めている。

 特に、《ナゾの光・リリアング》から《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》を経由してプレイされた時は、環境最大出力のひとつといっても過言ではなく、また、その能力から呼び出された《天雷の導士アヴァラルド公》は失われたリソースを回復してくれる。

 このカードが決定打となったつむーじーの準決勝は熱戦となっているので、ぜひとも一読いただきたい。


第1位:《》


 このエリア予選にはカバレージライターとして参加しているDMGP-9th覇者であるイヌ科はこういった。

イヌ科「この環境を本当に支配しているのは《BAKUOOON・ミッツァイル》ではなく、≪「本日のラッキーナンバー!」≫ですよ」

 そして、その言葉は本当だった。

 環境でもっとも強いカードは《BAKUOOON・ミッツァイル》かもしれないが、多くのプレイヤーがこの大会に向けてもっとも意識していたことは「≪「本日のラッキーナンバー!」≫をうたれた時にどうするか」だったのだ。

 プレイヤーとの会話の中で必ずでてくるのは「≪「本日のラッキーナンバー!」≫の返しに」であったし、それによって、デッキの中のマナバランスをずらすテクニックが当然のものとして扱われていたのだ。

 その典型例として、準優勝のつむーじーのデッキに1枚だけ入った《クイック・スパーク》を紹介して、この記事を終わろうと思う。

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