全国大会2024 九州エリア予選:メタゲームブレイクダウン
ライター:清水 勇貴(yk800)
福岡は博多の地に集いし89名の戦士たち。エリア予選の参加者数としては、関東エリアに次ぐ第二位に付け、会場は大きな熱気に包まれた。熾烈な戦いの舞台となっているここ博多国際会議場から、本大会のメタゲームブレイクダウンをお届けしよう。
ここまで1週ごとに開催されていた各地のエリア予選だが、直前の東海・北陸エリアの予選から九州エリア予選までは2週間のブランクがある。そのため、プレイヤーにとっては新たに登場したデッキを検討する時間が少し多めに確保されていた。
東海エリア予選は全体としてゼニスの躍進が目立つメタゲーム(ゲーム環境)だった。
革命チェンジにハイパー化にハイパーエナジー……通常弾で主力となったギミックは軒並みバトルゾーンを起点に展開を作る。ゆえにマッハファイターと革命チェンジで盤面を制圧し、メタクリーチャーで後続の速攻をシャットアウトできる【水自然ジャイアント】は、長らく2ブロックにおけるメタゲームの中心にあった。
一方で、ゼニス系デッキの序盤戦はまず水晶マナを生み出すところから始まり、盤面に小型クリーチャーを並べることはない。バトルゾーンに一切依存せず、唐突に超大型フィニッシャーが着地するため、他のデッキと対策の軸が大きく異なるのだ。
特に北海道エリア予選で登場し、翌週の東北エリア予選で磨き上げられた【光水自然ゼニス】は東海エリアの台風の目だったと言ってよいだろう。防御性能の高さと《聖霊超王 H・アルカディアス》による呪文ロックの掛け合わせはメタゲームにおけるひとつの解答だった。
続く北陸エリア予選ではマジック中心のメタゲームが形成されたが、ここでもやはり【光水自然ゼニス】は強かった。使用母数5名のうち3名が予選ラウンドを突破する大戦果だ。
しかし、優勝を収めたデッキは、そのどちらにおいても【火水マジック】。
殿堂環境では後輩の台頭によって日の目を見なくなって久しいが、カードプールに限りのある2ブロックにおいては、その烈火の如き速攻と流水の如き柔軟性は健在である。
【光水自然ゼニス】が多いか、【火水マジック】が多いか、あるいは一周回って【水自然ジャイアント】や【ターボマジック】が復権するか……。
いざ、フタを開けてみよう。
全参加者デッキ分布
16 火水闇プレジール10 水自然ジャイアント(うち闇文明採用型2名)
10 水闇ハイパーエナジー
9 ターボマジック
9 火水マジック
8 闇自然アビス
6 光闇メカ
6 光水闇エルボロム
5 光水自然ゼニス
10 その他(母数2以下)
計89名
予想外、の一言に尽きる。
東海・北陸エリア予選で同時多発的にベスト8入賞を果たした【火水闇プレジール】は、九州の地にこそ輝いた。
本大会で主役の座を掴んだのは、北陸予選で活躍した《DARK MATERIAL COMPLEX》と《死神覇王 ブラックXENARCH》をガッツリと採用する闇文明メインの構成。16名中実に13名がこの基盤を選択しており、単独で抜き出しても首位となる。
また、他大会ではほとんど見られなかった、【水闇ハイパーエナジー】、あるいは【水闇ボウダン=ロウ】とも呼ぶべきデッキの母数も目立つ。
詳細は後述するが、大枠としては軽量ハイパーエナジーで盤面を展開しながら山札を掘削していき、《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》の呪文側の条件を達成、《掘々人形ジェニス》で使い回して無限追加ターンを獲得することを目指したデッキだ。
その他にも【光闇メカ】や【闇自然アビス】など多くのデッキが母数を確保する群雄割拠のメタゲームを形成しているが、それら闇文明を少しでも含むデッキの大半に採用され、本大会のメタゲームを定義したカードがある。
《死神覇王 ブラックXENARCH》。 このカードによる継続的な除去とハンデスにどう立ち向かうかが、本大会のひとつのキーポイントとなった。
もっともわかりやすい解答は《DARK MATERIAL COMPLEX》だ。
たとえ1万体のクリーチャーが出てバトルゾーンを離れたとしても《死神覇王 ブラックXENARCH》の誘発は1回ずつ起こる。全て「バトルゾーンを離れない」《DARK MATERIAL COMPLEX》に吸わせてしまえば《死神覇王 ブラックXENARCH》の能力はないも同然だ。
他にも《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》や《ポッピ・冠・ラッキー》など、何らかの手段で破壊を免れられるクリーチャーの採用は今環境を攻略するうえでのチェックポイントであったといえる。
逆に、使用者数が大幅に激減したのはゼニス系統。【光水自然ゼニス】が5名を数えるのみで、他のカラーリングの使用者に至っては1人もいない。
これがメタゲームの産物なのか、九州という地域のお国柄なのかは神のみぞ知る。
しかしながら、実際のところ、無数に襲い来る《死神覇王 ブラックXENARCH》と《DARK MATERIAL COMPLEX》を前に、どっしりとしたビッグマナデッキはいささか分が悪かっただろう。結果として【光水自然ゼニス】が活躍しづらいメタゲームにあったことは間違いない。
ベスト16内訳
4 火水マジック3 火水闇プレジール
2 光水闇エルボロム
2 水自然ジャイアント
2 光闇メカ
1 ターボマジック
1 水闇ハイパーエナジー
1 火光ファイアー・バード
スイスドロー突破を果たしたデッキの内訳は以上の通りだ。多少の前後はあるものの、大枠としては使用者数5名以上のデッキタイプから幅広いデッキタイプがトーナメントラウンド進出を果たしている。
しかし、ここでもやはり【光水自然ゼニス】の姿が消えている。また、予選使用者数が8名を越えたデッキの中で、【水闇ハイパーエナジー】・【ターボマジック】・【闇自然アビス】の3種は予選ラウンドの突破者数が1名以下にとどまった。
ここからは、個別のデッキタイプについて見ていこう。
【火水闇プレジール】
えいりゅー 全国大会2024 九州エリア予選 2ブロック構築 |
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予選使用者数第1位にして、優勝を果たしたえいりゅー選手も使用した【火水闇プレジール】。予選突破者数こそ【火水マジック】に譲ったものの、本大会を象徴するデッキを挙げるならば、このデッキしかない。
他地域のエリア予選でも活躍の片鱗は見せていたが、こと九州の2ブロック環境においては店舗予選の段階から「勝ち馬」デッキとして知られていたという。今回は本場の力を見せつけた結果となった。
【火水闇プレジール】は、対応能力に優れた柔軟性の高いミッドレンジデッキだ。
ハイパー化した《楽識神官 プレジール》の攻撃時能力で唱える呪文として主に採用されているのは、《氷柱と炎弧の決断》、《鬼火と魍魎の決断》、《イカリノアブラニ火ヲツケロ》の3種。
このうち3種全てがクリーチャーを展開する手段と盤面への干渉手段を併せ持ち、さらに《氷柱と炎弧の決断》はドローソースを、《鬼火と魍魎の決断》はハンデスによるリソース制圧や即時打点の追加をこなす。
踏み倒し先となるクリーチャーの能力まで合わせれば、これらの呪文がプレイヤーにもたらす選択肢は膨大なまでに広がるだろう。
素早く攻めてくる相手は《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》と受けトリガーで凌ぎ、ハイパー化した《楽識神官 プレジール》で盤面を叩きながら呪文を唱えてテンポ良く切り返す。
メタクリーチャーで強固な盤面を築いてくる相手には《鬼火と魍魎の決断》や《アーテル・ゴルギーニ》をはじめとする除去手段で応戦し、中盤以降は《死神覇王 ブラックXENARCH》を着地させてから小型クリーチャーをばら撒いて相手のリソースと盤面を制圧する。
どっしりと構えてくる相手には《DARK MATERIAL COMPLEX》がゲームに制限時間を設け、ひとたび開放されれば並大抵では止まらない打点を築き上げて強引に突破しきる。こちらでも《死神覇王 ブラックXENARCH》のリソース制圧が非常に良く機能する。
特に中長期戦において《DARK MATERIAL COMPLEX》と《死神覇王 ブラックXENARCH》の存在が非常に頼もしい。呪文を主体としてギミックをメインとしながらも、《死神覇王 ブラックXENARCH》の存在が《聖霊超王 H・アルカディアス》の定着を許さない点でメインギミックとの相性補完も良い。
総合して、アドバンテージを巡る攻防においては右に出るものがいないほどのポテンシャルを秘めたデッキだと言えるだろう。
一方で、このデッキには弱点も確かに存在している。
代表的なものが、3ターン目までに相手に干渉する手段が非常に限られる点だ。相手への妨害と呼べる軽量クリーチャーは《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》か《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》ぐらいしか採用できず、これらが有効に機能しないデッキ相手にはほぼ何もないのと同義だ。
特に、水晶マナの下準備さえできてしまえば好き放題でき、手札の減らないアクションが多いためリソースも潤沢、フィニッシュまでの速度も決して遅くない【ターボマジック】は苦手なデッキの代表格と言えるだろう。
また、【火水マジック】に代表される高速ビートダウンについても手放しに相性がいいとは言いきれない。12枚(条件付きの《氷柱と炎弧の決断》も合わせれば15枚)の受けトリガーに、革命チェンジを阻害する《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》が4枚採用されているが、分がよくとも噛み合い次第であっさりと突破されかねないのがデュエル・マスターズの摂理だ。
並みいる強敵を打ち破り、九州エリアを制した【火水闇プレジール】。この結果が今後のエリア予選にどう影響を及ぼすかにも注目だ。
【水自然ジャイアント】
運命の頂サラダ 全国大会2024 九州エリア予選 2ブロック構築 |
盤面の王者、【水自然ジャイアント】はやはり健在だ。
北海道エリアで華々しい優勝を飾って以降は他のデッキにトレンドをさらわれていた感のある【水自然ジャイアント】だが、本大会では使用母数2位タイを記録し、準優勝となった運命の頂 サラダ選手の愛機もこのデッキだった。
活躍の背景には、メタゲームの違いがあるだろう。直後に挙げる【水闇ハイパーエナジー】をはじめ、《死神覇王 ブラックXENARCH》が支配するメタゲームが本大会では繰り広げられていた。すなわち、序盤からクリーチャーを展開するデッキタイプが数多くいるメタゲームである。
マッハファイターと革命チェンジで盤面を制圧するデッキが、軽量クリーチャーを早期展開するデッキに強いのは道理だ。特に《竹刀の超人 / サイバー免許皆伝》で早期の革命チェンジを可能としている構築は相性差がより顕著に現れるだろう。
構築全体が大きくアップデートされているわけではないが、環境に合わせたチューンナップは随所に見られる。
《同期の妖精 / ド浮きの動悸》が多用される環境において多面除去が有用に働きやすく、単純に《ナイター・ファイアフライ》よりも1体多くのクリーチャーを止められる《蒼神龍トライクラブ・トライショット》がやや多めに採用されている。
また、ミラーや【マジック】系デッキとの対面において除去を強要し、下面の呪文も《DARK MATERIAL COMPLEX》系デッキとの対面において貴重な1ターンを稼げる《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》も見逃せない。
北海道エリアで優勝を収めたリノグレ選手もこのカードを3枚採用した構築を使用していた。現環境で【水自然ジャイアント】を使うなら、優先的に採用を検討したいカードだと言えそうだ。
しばらくは苦境に立たされていたものの、【火水マジック】や軽量クリーチャー+《死神覇王 ブラックXENARCH》系のデッキが増え、環境上の立ち位置は良くなっている。メタゲームが一周し、再び【水自然ジャイアント】が輝く時が来たのかもしれない。
【火水マジック】
スエキチ 全国大会2024 九州エリア予選 2ブロック構築 |
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2ブロックにおけるアグロ(速攻)デッキの最右翼、「環境最速」の看板を背負う【火水マジック】。これまで開催された4つのエリア予選のうち3会場で優勝を飾っており、現段階において最も注目されているデッキタイプのひとつだろう。
予選での使用者数9名に対して予選突破者は4名と、予選使用者数最大の【火水闇プレジール】を抜いてトップをマークしている。デッキとしての揺るぎない強さを見せつけた。
本大会では、防御性能に偏重したデッキよりもそれに有利な《DARK MATERIAL COMPLEX》+《死神覇王 ブラックXENARCH》系のデッキやコンボ性の強いデッキが多いメタゲームが展開された。結果的に【火水マジック】にとっては悪くない舞台となっていたと言えるだろう。
デッキとしての強さには疑いの余地がない一方で、決勝トーナメントでは防御性能に極振りした【光水闇エルボロム】や≪ボン・キゴマイム≫入りの【水自然ジャイアント】に敗れている。
圧倒的な速度と粘り強さの原動力となるリソース力は健在だが、対策される側に回った時の対応力はオリジナルの全盛期と比べればやはり見劣りしてしまう。マークが高まる中で、一発限りの決勝トーナメントを勝ち抜けるかが今後の【火水マジック】の見どころだろう。
【水闇ハイパーエナジー】
セイリュー 全国大会2024 九州エリア予選 2ブロック構築 |
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同じく他エリアでは母数の少ないデッキタイプであった【火水闇プレジール】と、明暗を分ける格好になった【水闇ハイパーエナジー】。予選使用者10名に対して予選突破者は1名にとどまった。
軽量クリーチャーを最序盤からバラ撒きながらハイパーエナジーでボードを形成し、大量のドローと墓地肥やしで山札を削って《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》での追加ターン獲得まで漕ぎ着ける。
山札を掘り切るまでの盤面を支えるために採用されているのが《死神覇王 ブラックXENARCH》だ。大量の小型クリーチャーとハイパーエナジーによる展開力と相性が良く、相手のリソースを根こそぎにしてフィニッシュまでの時間を稼ぐ。
《超暴淵 ボウダン=ロウ》は山札掘削とフィニッシュ準備を兼ねており、登場時能力で山札を5枚掘り進めながら《暴徒-da-bummer》と《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》を同時に釣り上げ、メガ・ラスト・バーストを付与してよりコンパクトに追加ターンを得られる体勢を作り上げる。
多くの構築ではさらに《掘々人形ジェニス》まで採用し、継続的な墓地回収で《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》を使い回して無限追加ターンを得ることを最終的なゴールとしていた。
のびのび動けた際の厄介さは指折りではあるが、展開の起点をバトルゾーンに依存しているため、先んじて盤面制圧されることへの対抗策が非常に少ない。テンポの良い展開のためにメタクリーチャーに割ける枠も限られるため、革命チェンジをはじめとする強力な踏み倒しギミックも素通しになりがちだ。
序盤の盤面に取り合わない【ゼニス】系や【ターボマジック】のようなデッキに対しては有効な選択肢になりうるものの、今回のメタゲームにおいては結果的に立ち位置に不安のあるデッキの位置に甘んじてしまったと言えるだろう。
【光水闇エルボロム】
TCEoL 全国大会2024 九州エリア予選 2ブロック構築 |
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極めて高い防御力と、《超光喜 エルボロム》+《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》によるフィニッシャー射出ギミックを強みとする、2ブロックにおける受けデッキの代表格。
TCEoL選手はこのデッキを手に本戦進出後の【火水マジック】2連戦を制し、ベスト4へと進出した。
特徴的なのは、《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》の採用だろう。
フィニッシャー兼《死神覇王 XENARCH》の的としては《DARK MATERIAL COMPLEX》も採用を検討できるが、このカードは動き出せば強力なフィニッシャーにはなる一方でそれまで何かできるわけではない。
《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》はシールドの追加が必要にはなるものの、3ターン目までに設置できれば4ターン目の《超光喜 エルボロム》の登場時能力に反応して起き上がり、ハイパー化のタネになってくれるのがデッキと噛み合うポイントだ。
シールドを追加するトリガーとも相性が良く、バトルゾーンを離れずシールドが追加されるたびに何度も起き上がる粘り強いブロッカーとして機能してくれる。
1枚採用された《超天使 ゴルドラン・ゴルギーニ》との無限攻撃コンボも見事な隠し味だ。
【火光ファイアー・バード】
おのでぃー 全国大会2024 九州エリア予選 2ブロック構築 |
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最後に、独創的なデッキでベスト8入賞を果たしたおのでぃー選手の【火光ファイアー・バード】を紹介しよう。……【火光アーマード】ではない。【火光ファイアー・バード】だ。
4×10の非常にシンプルな構築の中に無数の創意工夫の数々が伺えるが、何と言っても《ポッピ・冠・ラッキー》の存在抜きにしてこのデッキのことは考えられないだろう。
《楽識神官 プレジール》や《芸魔王将 カクメイジン》、《アビスベル=覇=ロード》に《超重竜 ゴルファンタジスタ》、《ブレイン・スラッシュ》はもちろんのこと《超暴淵 ボウダン=ロウ》、そして何より《死神覇王 ブラックXENARCH》まで。
現在の2ブロック環境を定義するデッキのほとんどが、《ポッピ・冠・ラッキー》のメタに引っかかる何かしらのギミックを有している。あまり有効に機能しないのは【ゼニス】系統のデッキくらいだが、本大会のメタにおいてはほとんど気にならなかっただろう。
さらに、環境における除去手段が破壊に偏重しているのも、エスケープを持つ《ポッピ・冠・ラッキー》の立ち位置の良さに拍車をかけている。
パワー低下除去と踏み倒しを同時にこなす《アーテル・ゴルギーニ》は天敵と言えるが、他には一時凌ぎにしかならないバウンスによる除去か、他にクリーチャーがいる状況下での《超楽識 フミビロム》など、本大会で上位入賞したデッキが《ポッピ・冠・ラッキー》を後腐れなく除去する手段は非常に限られていた。
同じく、登場時に大量の墓地回収を行なって手札リソースを溢れさせつつ、破壊除去をこちらのクリーチャー展開に置き換える《ボルシャック・モルナルク》も《死神覇王 ブラックXENARCH》をうまく機能させない強力な1枚だ。
《ボルシャック・モルナルク》は《雷炎翔鎧バルピアレスク》との相性もよく、《ボルシャック・モルナルク》3枚と2体のファイアー・バードを召喚できるマナさえあれば、《雷炎翔鎧バルピアレスク》が攻撃できるかぎり追加ターンが獲得できる。
《ボルシャック・アークゼオス》による《雷炎翔鎧バルピアレスク》へのアクセス率増加と継続的な盤面処理も、デッキ全体がファイアー・バードに寄り切ることでより強力に機能する。
「『ファンタジーBEST』がなければ【ファイアー・バード】は組めない」——そんな先入観を見事に覆してくれる構築だ。
《DARK MATERIAL COMPLEX》と《死神覇王 ブラックXENARCH》がメタゲームを席巻した九州エリア予選。闇文明を代表する2枚のパワーカードを攻略すべく、数多くのデッキが何らかの解答を携えて挑む中、それでも優勝を収めたのは両者を採用した【火水闇プレジール】だった。
今週末に開催される関西エリア予選をもって「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」環境はひと区切り。来年以降に残された2つのエリア、およびジャッジ予選は「悪魔神、復活」を加えた新たなメタゲームが始まる。
まさに現環境の集大成とも言える関西エリアではどのようなメタゲームが繰り広げられるのか。本大会の記録が考察の一助となれば幸いだ。
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