デュエル・マスターズ

メニュー
商品情報

DMGP7th:メタゲームブレイクダウン

初の2ブロックのGPとなったDMGP7th。
比較的新しいレギュレーションと言うこともあり情報戦の色が強く、地域や調整チームによって構築の差異がより大きく見られる大会となった。

その中で予選ラウンドを勝ち抜き、本戦へと歩を進めた上位128名のデッキは以下の通りとなった。

・クラッシュ“覇道”:26
(水火:7、水火自然:19)

・サッヴァーク:24
(光ゼロ:23、光単:1)

・“轟轟轟”ブランド:22
(火単:18、光火:4)

・トリガーサッヴァーク:18
(光水:4、光闇:1、光水闇:5、光水火:5、光闇火:1、光水自然タッチゼロ:1、光水自然闇:1)

・卍 デ・スザーク 卍:17
(闇単:15、闇タッチ水:2)

・ジョーカーズ:12
(火ゼロジョラゴン:5、火自然ゼロジョラゴン:4、メラビート:2、ガンバトラーG7:1)

・轟破天九十九語:3
(水自然:1、光水自然:1、光闇自然:1)

・ムカデループ:2
(水闇:2)

・自然タッチ水グランセクト:2
(チェインレックス:1、ゲイルヴェスパー:1)

チームや地域ごとに構築の差異はあれど、勝ち残ったデッキタイプは比較的絞られているようだ。

今回は勝ち進んだいくつかのアーキタイプと、注目のカード1枚をピックアップしメタゲームを分析する。


クラッシュ“覇道”

128デッキのうちの約20%を占める、GP7thの本戦使用率トップを飾ったアーキタイプだ。

《“必駆”蛮触礼亞》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》のコンボを中心に据え、それらと同時展開しやすい《》や場持ちの良い《異端流し オニカマス》でその突破力をサポートしている。

メインギミックが8枚で完結することから構築自由度も高く、《ドンジャングルS7》の有無やブーストカードの枚数等、同じカラータイプの中でも特に構築の差異が大きく見られることがそれを物語っている。

GP以前から2ブロックトップクラスのデッキパワーを持っていると言われていたが、まさに評判通りの使用率となった。

予選を突破した『クラッシュ“覇道”』は大きく分けて水火自然型と水火型の2種類が存在しており、構築傾向が広まっていた水火自然型を選択したプレイヤーが多かったようだ。

また、『火水クラッシュ“覇道”』の中には『水火“轟轟轟”ブランド』と言ってもいいほどにビートジョッキーに寄せたデッキもあったが、《“必駆”蛮触礼亞》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》をメインギミックにしていると思われるため、本記事では『クラッシュ“覇道”』に分類した。

種族同士の繋がりが薄いグッドスタッフ的なデッキと言うこともあり、カードプールが更新されるごとに様々な形に変化していくことだろう。


サッヴァーク

《煌世主 サッヴァーク†》《煌龍 サッヴァーク》を早期にバトルゾーンへ展開し、裁きの紋章でそれらを維持するデッキだ。

準備に多少手間がかかる代わりに、除去に対して非常に強い耐性を持つマスター・ドラゴン達と《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》の組み合わせは前述の《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を超えるほどの突破力を持つ。

しかし強力なデッキである反面プレイ難度も高く、特に「表向きのシールド」と言うリソースを奪い合うミラーマッチは相応の慣れが必要になる。

《サッヴァークDG》型と《煌メク聖戦 絶十》型の2種類が存在したが、後者は予選で多く見られた『卍 デ・スザーク 卍』に当たったためか数を減らし、本選に進出した『サッヴァーク』の多くは《煌メク聖戦 絶十》型と比べて『卍 デ・スザーク 卍』に強い《サッヴァークDG》型であった。


“轟轟轟”ブランド

通常の殿堂レギュレーションでは、環境の合間を圧倒的な速度で駆け抜ける『“轟轟轟”ブランド』。

一方、2ブロック構築では《ドリル・スコール》《予言者クルト》等の1コストカード減少の影響で速度が落ち、『クラッシュ“覇道”』や『ジョーカーズ』相手への不安要素となっている。

多くのプレイヤーが警戒するほどに存在感があるデッキだが、シールド・トリガーが多い2ブロック環境では『“轟轟轟”ブランド』にとって逆風となったようだ。

それでも高い攻撃力は健在で、GP7thでは22人を本選進出へと導いた。


トリガーサッヴァーク

所謂『トリガービート』である。

2ブロック構築は全体的にシールド・トリガーの採用枚数が多い傾向だが、その中でも特に多くのシールド・トリガーが搭載されているデッキだ。

殴るデッキ全般に一定の強さを誇るが、《煌世主 サッヴァーク†》のような強力な除去耐性を持つクリーチャーの対処には苦労するだろう。

メインアタッカーに《煌龍 サッヴァーク》が採用されていること以外は、カラー選択から採用されているシールド・トリガーまで多種多様で、中には《》《改造治療院》のパッケージを採用したハンデス型も見られた。


卍 デ・スザーク 卍

幅広いデッキへの対応力とゲーム序盤に展開された場合の《卍 デ・スザーク 卍》の制圧力は、2ブロックでも猛威を振るう。

比較的環境の中心である『クラッシュ“覇道”』に強く、他のデッキに比べ殿堂レギュレーションとの構築内容の差が小さいことから、使い慣れているプレイヤーも多かったようだ。

しかし、シールド・トリガーの少なさが災いし『“轟轟轟”ブランド』に押し切られたり、ハンデスの殆どを《追憶人形ラビリピト》に依存することから《煌世主 サッヴァーク†》の着地に間に合わないことがある等、構築上の隙を突かれることも多く本選に進出したデッキの数では5番手となった。

また、闇単だけでなく《堕呪 カージグリ》を採用した『闇タッチ水 卍 デ・スザーク 卍』も見られ、今後の研究とカードプールの追加に期待が持てる。


ジョーカーズ

殿堂レギュレーションでは環境トップの一角であるが、2ブロック構築環境ではそれほどの勢いは見られない。

《ガンバトラーG7》型や殿堂レギュレーションでは見られない《メラビート・ザ・ジョニー》型も存在したが、主流は依然《ジョット・ガン・ジョラゴン》型だ。

シールド・トリガーが多い環境では『ジョーカーズ』お得意のワンショットは決まりづらく、防御面ではシールド・トリガーが少ないという『卍 デ・スザーク 卍』と同じ問題を抱えている。

GP7thでは「明確に不利」なデッキや「不利こそ付かないが、有利という訳でもない」と言ったデッキが環境内に多く、本選に進出したジョーカーズは128人のうちの約9%に留まった。


煌龍 サッヴァーク

今大会注目のカードは、本戦に進出した2種類のアーキタイプに採用されている《煌龍 サッヴァーク》

採用デッキは前述の2つを合わせて約32%にも上り、構築のメインに据えられるカードとしては驚異の採用率だ。

「除去耐性付与が自分のクリーチャー全てに及ぶため《卍 デ・スザーク 卍》に強く、他のデッキ相手にも攻撃プランの組み立てに大きく貢献する」
「殿堂レギュレーションと比べて、シールド・トリガーケアするカードが少なく相対的にシールド・トリガーの重要度が増しており、シールドを増やす効果が重宝されている」
以上の2つが、多くのデッキで採用されている理由として考えられる。

本戦に進出したデッキ以外では光自然《》等への採用も見られ、《煌龍 サッヴァーク》の2ブロック環境における適性の高さが表れている。


総括

1ヶ月後にはエリア代表決定戦もあり、環境と構築の研究は更に加速するだろう。

それに伴い少しの間は環境の停滞が見られるかもしれないが、2ブロック構築の制限と1年ごとのカードプール切り替えによってカードプールが狭まっているため新弾の発売の影響も大きく、新しい環境の解析やプレイングの洗練化等の素早さが大型大会で勝負を分ける決め手となる。

そのため地域、チーム同士の情報戦は今後も続きそうである。
PAGE TOP

TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY