デュエル・マスターズ

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DMGP2022 Day2 準決勝:サノル vs. ぴゅう

ライター:川﨑 大輔
撮影者:瀬尾 亜沙子

 デュエルをする事と、物語を紡ぐことは同じだ

 これは比喩でもなんでもない。

 物語が文字や言葉によって紡がれるように、デュエルはカードテキストによって展開される。

 文字通り「テキスト」という共通点があるのだ。

 さらに言えば、物語が起承転結や序破急といった展開があり、登場人物の役割が変化するように、デュエルも展開によっていろいろなものの意味が変わる。

 わかりやすいのはリソースだ。リソース差を稼ぎ合うゲームになったとしても、リソース差はそのままゲームに勝たせてくれるわけではないのでどこかで損をしつつも盤面に展開しなければいけない。まるで、物語が序盤は状況説明に尺を使いつつ、場面を展開させていくようではないか。

 と、まるで嘘のような嘘を考えていると、二人は昨日の結果について語っていた。 ぴゅう 「昨日は出てましたか?」

サノル 「昨日は6-3でしたね」

ぴゅう 「僕は7-2でしたけど予選落ちでした」

 先日とうって変わって今日はあと1勝で決勝を迎えたサノルとぴゅう。

 使用するデッキは、圧倒的なリソース差で戦う5Cコントロールのサノルと、圧倒的な展開力で戦う光火《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》のぴゅう。

 得意とするシーンが全く違う二人の対戦は、どのような物語を見せてくれるのか。

Game 1

 先手のサノルが《》をチャージすると、ぴゅうが《スロットンの心絵》をチャージする立ち上がりから互いに2ターン目もマナチャージのみ、サノルはそのまま3ターン目も《龍風混成 ザーディクリカ》をチャージしてターンを終えるのみという静かな立ち上がりとなった。

 結果、ファーストアクションとなったぴゅうの《カーネンの心絵》は進化を3枚めくり、《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》を手札に入れる。残った《ボルシャック・モモキングNEX》《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》は山札の下に送り込まれる。

 ここでサノルはなおも《覚醒連結 XXDDZ》をチャージするのみと4ターン連続のパス。ぴゅうは2枚の《ゲラッチョの心絵》をプレイしてドローによってバトルゾーンにタマシードを並べつつ手札を整理していくのだが、5ターン目のサノルのファーストアクションが一気にゲームを動かす。  《ドラゴンズ・サイン》からの《龍風混成 ザーディクリカ》、そして能力によって手札から放たれる《ロスト・Re:ソウル》

 2枚の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》《アルカディアス・モモキング》《キャンベロ <レッゾ.Star>》《カーネンの心絵》というゲームを決めうる手札を捨てさせられたぴゅうは続くターンはノーアクション。対するサノルは《天災 デドダム》《フェアリー・ミラクル》でマナを加速するとターンエンドに《龍風混成 ザーディクリカ》でドローし、アドバンテージ差を広げていく。

 《カーネンの心絵》をプレイしたぴゅうだったが捲れたのは残念ながら3枚ともタマシード。とはいえ、アドバンテージ差を埋める可能性がある《ライオネルの天宝》を手札に加えられたのは不幸中の幸いか。

 一方でぴゅうとのアドバンテージ差を広げることに注力しているサノルは《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ /「未来から来る、だからミラクル」》の呪文側をプレイして3枚ドローするとさらに《フェアリー・ミラクル》をプレイと、ダブルなミラクルで《ライオネルの天宝》程度では差は埋められない事を見せつける。

 サノルのEXライフも含めて、手札・マナ・シールドとすべてのリソースで負けているぴゅうは《ライオネルの天宝》で少しでも差を埋めてターンを終える。だが、11マナに手札が6枚という圧倒的なリソースをもつサノルは、アドバンテージ差を広げつつも次第にそれをゲーム勝利に使えるリソースに転用し始める。

 まずは5マナで《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》をプレイすると《SSS級天災 デッドダムド》を手札に加えバウンスは無しを宣言。そして残る5マナで《ドラゴンズ・サイン》からの《龍風混成 ザーディクリカ》をプレイし再びの《ロスト・Re:ソウル》でぴゅうの手札を再び刈り取る。ターンエンドにドローできるカードは2枚に増え、一方のぴゅうはドローしたカードを裏向きに伏せたままターンエンドを宣言する。

 どうやっても勝てそう、と言ってもいいような盤面を作り上げたサノルだったが、ここで長考。あまりに多すぎる選択肢の中からサノルが選んだのは≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫の召喚だった。

 これはつまり、ゲームを決めるという宣言に他ならない。《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》でアタックするとすぐさま《時の法皇 ミラダンテⅫ》へと革命チェンジ、ツインパクトの下面に続くこのゲーム2回目の《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ /「未来から来る、だからミラクル」》奇跡の競演、今度はツインパクト上面が決まり、呪文やクリーチャーのトリガーがほぼ封じられる形となってしまう。

 3枚ブレイクされたところでサノルのバトルゾーンにはアタックできるクリーチャーは2体の《龍風混成 ザーディクリカ》《天災 デドダム》。デッキのメイン構成をクリーチャーでも呪文でもないタマシードに頼るぴゅうのデッキは、《龍風混成 ザーディクリカ》のアタックに対して《ゲラッチョの心絵》をトリガーすることに成功するのだが、これは召喚酔いの≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫がタップされるだけで攻撃の頭数を減らせない。

 《ライオネルの天宝》で増やされた最後のシールドを《天災 デドダム》がブレイクし、最後に《龍風混成 ザーディクリカ》がダイレクト・アタックが宣言されると、ぴゅうは勝利のために大量にリソースを展開したサノルの数少ないデメリットである「次のゲームに向けて情報を大量にさらしたこと」からメリットを最大限に享受するべくマナゾーンの確認を要求するのだった。

サノル 1-0 ぴゅう


Game 2

 今度は先手のぴゅうは2ターン目に《ゲラッチョの心絵》をプレイしてドロー、返しのターンでサノルは《龍風混成 ザーディクリカ》をチャージするのみだが、1ターン目に《天災 デドダム》をチャージしていたことでマナゾーンに早くも5文明揃えることに成功する。

 続くターンにぴゅうがプレイした《ルピア炎鬼の封》のテキストを確認した上で、サノルはちょっと諮詢したのちにアンタップマナとして《フェアリー・ミラクル》をチャージしてからの《天災 デドダム》召喚で墓地に《ロスト・Re:ソウル》を落とす。

 Game 1より1ターン早い次のターンの《ドラゴンズ・サイン》からの《龍風混成 ザーディクリカ》《ロスト・Re:ソウル》が見えるぴゅうではあるが、今回はぴゅうも手札以外のリソースに干渉できるタマシードを展開していた。

 それが先ほどテキストを確認された《ルピア炎鬼の封》。自身から進化する場合限定とは言え、2マナのマナ加速を実現するこのカードによってぴゅうは4ターン目に《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》を着地させることに成功する。

 そして「『展開こそが正義』というイデアが現実に投影されたカード」としかいいようのないこのカードが今度はぴゅうに信じられないレベルのアドバンテージ差を実現させる。

 まずは《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の出た時の能力で《ゲラッチョの心絵》をバトルゾーンに出す、今度は《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》のタマシードが出た時の能力で《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の2枚目をバトルゾーンに呼び出す。

 2枚目の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の能力で《カーネンの心絵》をバトルゾーンに出すと、ここでは更なる《カーネンの心絵》と3枚目の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》が捲れてしまいぴゅうの手札に入る。ありがたく2枚目の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》のタマシードが出た時の能力で3枚目の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》に連鎖させ、《カーネンの心絵》の2枚目は《アルカディアス・モモキング》《ライオネルの天宝》をぴゅうの手札に加える。

 ぴゅうは《カーネンの心絵》を3枚目の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の能力で《アルカディアス・モモキング》に進化させると、《ゲラッチョの心絵》でタップしていた《天災 デドダム》にアタックして長かった4ターン目を終える。

 あまりにも一気に、しかも同じようなカードの挙動が連続してしまって筆者の文章力では読者にどんな状況になっているのかが上手く伝えることができていたかははなはだ心配であるし上手く伝えられる自信もないのだが、端的に言えば3体の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》《アルカディアス・モモキング》が並んでいる。なんでかわからないが突然そんな盤面ができあがってしまっている。

 手札やマナといったリソース差のアドバンテージの勝負から、盤面での戦いのフェイズに強制的に引きずり込まれてしまったサノル。Game 1と違い、この段階になってしまったら盤面に干渉しない《ロスト・Re:ソウル》などうっても何も解決しないのだが、このターンに盤面を処理する術を持たないサノルはせめて手札を刈り取って後続の展開を絶たなければますます盤面の差を広げられてしまうだけだ。

 だが、サノルはその《ロスト・Re:ソウル》をプレイすることすらできない。《アルカディアス・モモキング》でタップ状態となる《天災 デドダム》を召喚し、手札とマナと墓地を増やすのみ。さっきまではあれほどにゲームを支配していた《天災 デドダム》のアドバンテージが、あまりにも心もとない。

 一方のぴゅうは、逆に手札とマナだけは伸びているサノルのアドバンテージを《ライオネルの天宝》プレイで利用してドローしつつマナを増やし、さらに《ボルシャック・モモキングNEX》へと進化させるとバトルゾーンに出た時の能力で《ライオネルの天宝》の2枚目がバトルゾーンに出てさらにぴゅうのドローとマナを増やしていく。

 この段階で可能性だけは無限のマナともいえる《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の進化クリーチャーを出す能力はあと2回残っている。1回目で《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》に進化して《天災 デドダム》を破壊すると、最後の1回で《アルカディアス・モモキング》の2体目をバトルゾーンに展開。さらにアタックを宣言すると《キャンベロ <レッゾ.Star>》での侵略を宣言する。

 しかし、いつの間にかリソースの戦いから展開の戦いへとデュエルのストーリーのシーンを変化させ主人公の位置に居たぴゅうだったが、このアタックによって再びシーンが変わって主人公が変わったことにはまだ気が付いていなかった。

 そう、ここからはS・トリガーに逆転のシーン。そして、サノルのデッキはその逆転にかなりの重きを置いたデッキなのだ。

 《キャンベロ <レッゾ.Star>》でのダブル・ブレイクではトリガーを引けなかったサノルだったが、続く2体目の《アルカディアス・モモキング》によるトリプル・ブレイクで2枚のトリガーを引き当てる。

 それが《ドラゴンズ・サイン》《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》だ。

 《キャンベロ <レッゾ.Star>》のクリーチャーをバトルゾーンに出す制限は相手のターンのみ、このターンには当然制限はない。《ドラゴンズ・サイン》《龍風混成 ザーディクリカ》をバトルゾーンに出すと、先にタップ状態で出ていた《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》の能力で5枚を見て長考。結果的に相手のクリーチャーを戻す能力は発動しないものの《ドラゴンズ・サイン》を手札に加えると、《龍風混成 ザーディクリカ》の能力でプレイした≪「未来から来る、だからミラクル」≫でこれをプレイし、そして2枚目の《龍風混成 ザーディクリカ》をバトルゾーンに追加する。

 ここで、墓地の《ドラゴンズ・サイン》がプレイされて《覚醒連結 XXDDZ》がバトルゾーンに出ると、合計3体のディスペクターによってシールドが3枚復活した上で、《ドラゴンズ・サイン》でブロッカーとなったディスペクターたちが《覚醒連結 XXDDZ》でスレイヤーを手に入れてしまったためぴゅうは一気に殴りにくくなってしまう。

 大型でアタックしても、スレイヤーでブロックされてこちらの戦力を削がれてしまった上で、EXライフ1枚の損失で済まされてしまうし、そうでなければ単純にシールドで受けてトリガーのチャンスを作りつつ防げる打点を単純に増やせる。そしてその選択権はすべてサノルにあるため、盤面を見る限り、ギリギリでおしきれないようにも見えるが、ターンを返して完全に相手が主導権を握るのを嫌がってかぴゅうは《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》でアタックすることを選択する。これが展開だけを目的とした空想の物語であれば「隠されたテキスト発動!」などと都合のいい展開でふたたびぴゅうの逆転、などということもあり得るが、現実の積み重ねであるこの現実の物語においてはそんなに都合のいい事は起きないのだ、絶対に。

 《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》の攻撃時の能力でぴゅうの山札が7枚になった事を確認したサノルは……パワー8000の《覚醒連結 XXDDZ》でパワー6000の《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》をブロックし、一方的に倒した上で破壊された時の能力を強制的に発動させて山札切れ勝ちの選択肢を視野に入れようとする。少なくとも、W・ブレイカーをブロッカーで防いでいるだけなので、耐久出来るクリーチャー数には変化はないのだ。

 だが。

 ここで。

 《アルカディアス・モモキング》の隠されたテキストが発動する!!!  《アルカディアス・モモキング》の「他のレクスターズのパワーを+2000する」テキストによって、《覚醒連結 XXDDZ》もバトルで破壊されEXライフが発動、結果として、ぴゅうの《アルカディアス・モモキング》と3体の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》に対して、2枚の(EXライフの)シールドと2体の《龍風混成 ザーディクリカ》で対抗しなければいけなくなってしまったのだ。

 これでは守り切るのに受け手が足りない。サノルは《アルカディアス・モモキング》《キャンベロ <レッゾ.Star>》侵略のアタックに対して2枚のシールドのトリガーにかける事となった。

 だが、ここでは、隠されたS・トリガー発動!とはいかなかった。

サノル 1-1 ぴゅう


Game 3

 3本目にもつれたこの対戦、後手のぴゅうによる《ゲラッチョの心絵》プレイからゲームがスタートする。対するサノルも3ターン目にアンタップのマナを確保して《天災 デドダム》をプレイ、リソース差を広げようとするが、ここはぴゅうも《カーネンの心絵》《キャンベロ <レッゾ.Star>》《ライオネルの天宝》と手札に加え差を広げさせない。

 ≪お清めシャラップ≫でサノルがマナ加速してターンを返し、ぴゅうがドローした所で、サノルのマナが6枚で手札が3枚、ぴゅうはマナが4枚に手札が6枚という状況に。ぴゅうは長考の末に《ライオネルの天宝》をプレイしてマナを伸ばすのではなく、《ライオネルの天宝》をチャージして《カーネンの心絵》《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》へと進化させて《天災 デドダム》を破壊し、早くも盤面のゲームへの布石を打つ。

 そして、この《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》でアタックして《キャンベロ <レッゾ.Star>》に侵略すると、《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》の攻撃時の能力で2枚目の《キャンベロ <レッゾ.Star>》をディスカードする。ここでのトリガーは無し。

 サノルは《SSS級天災 デッドダムド》をタップインでチャージすると6マナで≪「未来から来る、だからミラクル」≫をプレイしてドローした後に≪お清めシャラップ≫をプレイして、まだまだリソース差のゲームである事を主張する。

 だが、5マナが揃ってしまえばぴゅうには「展開こそが正義」というイデアの光に手を伸ばすチャンスが待っている。

 《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》を召喚すると能力で《カーネンの心絵》を出し、2枚目の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》《ライオネルの天宝》のライオネルセットを手に入れる。さらに《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の2枚目をバトルゾーンに出して《ライオネルの天宝》、マナと手札を増やし、その上に《アルカディアス・モモキング》をバトルゾーンに出すと、サノルのマナが8マナである事を確認し、ぴゅうは攻撃無しでターンを返す。

 サノルはマナチャージすると、まずは《アルカディアス・モモキング》でタップインとなる《天災 デドダム》を召喚し、そして《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を召喚、《覚醒連結 XXDDZ》を手札に加える。手札に戻すカードとして《キャンベロ <レッゾ.Star>》を選び、スター進化で進化元の《センメツ邪鬼 <ソルフェニ.鬼>》がバトルゾーンに残る。

 ここで《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》へとアタックを宣言、そして《百族の長 プチョヘンザ》へと革命チェンジすると《アルカディアス・モモキング》以外のスター進化がマナゾーンに送り込まれてしまう。そう、これはマナのリソース差を埋めなければ無法な展開など許さないというサノルの宣言だ。

 返すターンに、マナの数で負けているぴゅうはタップ状態で《アルカディアス・モモキング》《カーネンの心絵》を進化元に召喚する。

 すると、《百族の長 プチョヘンザ》へと《アルカディアス・モモキング》でアタック……すると《キャンベロ <レッゾ.Star>》へと侵略を宣言、当然サイズで劣っている《キャンベロ <レッゾ.Star>》は破壊されてしまうのだが、ここでも《キャンベロ <レッゾ.Star>》の隠されたテキストが発動し、バトルゾーンを離れた《キャンベロ <レッゾ.Star>》は進化元の《アルカディアス・モモキング》をアンタップする。

 そして、横に並んだ《アルカディアス・モモキング》のパワー強化によって《百族の長 プチョヘンザ》のサイズを上回っている《アルカディアス・モモキング》《百族の長 プチョヘンザ》へとアタックし、展開の枷を外す。一方で、細かいテキストを駆使したぴゅうの攻撃によって召喚制限がかかっているのを失念していたサノルは、《アルカディアス・モモキング》対策で《覚醒連結 XXDDZ》をタップでプレイした上で、《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を召喚しようとするが、それができない。

 展開の枷が外れたぴゅうは再び正義のイデアに手を伸ばす。今度は《ボルシャック・モモキングNEX》へと進化すると、ここから《ボルシャック・モモキングNEX》が捲れて進化、さらに《カーネンの心絵》が捲れて《ライオネルの天宝》が手札に入る。そして、3体目の《アルカディアス・モモキング》を召喚する。

 そして展開に展開を重ねたぴゅうは《ボルシャック・モモキングNEX》のアタックでついに《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》までもバトルゾーンに追加する。さらに《ボルシャック・モモキングNEX》は墓地にある2枚の《キャンベロ <レッゾ.Star>》とバトルゾーンにある3枚の《アルカディアス・モモキング》との友情パワーによってQ・ブレイカーにまで成長している。

 しかし、ここからは場面転換、逆転の時間。

 このQ・ブレイカーでトリガーしたのは1枚の《ドラゴンズ・サイン》のみだったが、ここで《龍風混成 ザーディクリカ》がタップ状態でバトルゾーンに出ると、さらに再利用した《ドラゴンズ・サイン》で今度はアンタップ状態の《龍風混成 ザーディクリカ》が登場。この《龍風混成 ザーディクリカ》が≪「未来から来る、だからミラクル」≫をプレイすると、そこから《ドラゴンズ・サイン》につながり3体目の《龍風混成 ザーディクリカ》がバトルゾーンに降り立つ。

 今度は各カードのテキストを確認し、相互作用でそれぞれのクリーチャーのサイズを確認すると、《灰燼と天門の儀式》で墓地の≪闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー≫をバトルゾーンに出してアンタップ状態の《アルカディアス・モモキング》とバトルしスレイヤーでこれを墓地に送り込む。

 1枚のトリガーから3枚のEXライフと2体のアンタップ状態でブロッカーを持った《龍風混成 ザーディクリカ》と一気に防御を展開されてしまったぴゅう。だが、一度始まってしまった攻撃は止めることもできない。2体目の《ボルシャック・モモキングNEX》で攻撃する。

 だが。

 ここで。

 ぴゅうの隠されていたデッキテックが発動する!!  それはデッキに1枚の《EVE-鬼MAX》!!!
 そのテキストを確認し、普段使わない《EVE-鬼MAX》の能力たちが、この場面においてどんな機能を果たすのか……カードテキストを読み込んだサノルは、この物語の結末を理解して天を仰ぐ。


 まずは、T・ブレイクを持っている《ボルシャック・モモキングNEX》《龍風混成 ザーディクリカ》でブロックするしかないので、スレイヤーで倒しつつEXライフがはがされる。続いて、ぴゅうはでタップ状態の《龍風混成 ザーディクリカ》へとアタック、これはブロックしてもしなくても結果は同じなので、EXライフが発動し、2枚目のシールドも墓地に置かれる。

 最後に《EVE-鬼MAX》がアタックすると、アタック時の能力がまず発動してアンタップ状態でブロック前の《龍風混成 ザーディクリカ》とバトルして、勝利し最後のEXライフをはがす。

 そして、攻撃中にダイレクトアタック状態となった《EVE-鬼MAX》は……鬼S-MAXの能力でタマシードを犠牲にバトルゾーンに残り続けるのだった。

サノル 1-2 ぴゅう

 自分のカードはもちろん、相手のカードのテキストまで、そのカードテキストの持つ意味や効果を最大限に発揮させたぴゅうが連続で2ゲームをとって決勝戦へとコマを進めた。

 まさしく、カードテキストが物語を紡ぐ対戦だった。

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