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DMGP2023-1st Day1(アドバンス) 準決勝:TJM vs. シュガーフラワー

ライター:小林 龍之介
撮影者:瀬尾 亜沙子

※撮影時のみマスクを外しています。  TJMは#フィーチャーmeで「せっかくなら最高の舞台でやりたいです!」とアピールしていた。

 そして、口にした願いは力となり、フィーチャーマッチテーブルまでたどり着いた。
 一緒に過ごす仲間は全国大会出場者が多く、特に今大会ははるる選手に多くのプレイを教わったとのこと。
 GPの準決勝戦は勝てば全国大会出場が確定となる。
 憧れの背中にもう少しで追いつける。
 基礎からデュエル・マスターズを教えてくれた恩に勝って報いたい。

 対するシュガーフラワーは長く5cコントロールを愛し研鑽を積んできたプレイヤーだ。

 今回で5回目となるGP参加で遂に予選を突破し、勢いそのままにベスト8プロモを獲得した。
 そして、ベスト8では憧れていた有名プレイヤーと5cコントロールミラーで相対した。
 まるで夢のようなシチュエーションだ。
 舞い上がる気持ちを抑え、今だけは憧れるのをやめて勝つことだけを考える。
 その気持ちにデッキが応えてくれた。
 地元新潟の人の応援ツイートを見て「でっけえところに居るんだな」と実感した。
 自分だけの対戦じゃない、みんなの気持ちに勝って報いたい。

 2人の、いや、大勢の思いを乗せた対戦が始まる。

Game1

先攻:TJM  まずは2ターン目、TJMは《龍装者“JET”レミング/ローレンツ・タイフーン》で墓地を肥やす。
 次のターンにループが決まるかもしれない。
 理不尽な押し付けプレッシャーだが、シュガーフラワーは冷静に《とこしえの超人》で対応する。

 この大会はサガループを中心に回っていると言っても過言ではない。
 当然シュガーフラワーのデッキにも対抗策となる《とこしえの超人》《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》が搭載されている。
 こうなると立場は入れ替わり、TJMが対応に回る番だ。
 ドローを進めて、メタカードに対するメタカードの《「敬虔なる警官」》を探しに行くTJM。
 この隙にシュガーフラワーはマナを伸ばす。

 しかし、TJMが《「敬虔なる警官」》を見つけたことにより再び立場は逆転した。
 《とこしえの超人》がバウンスされ、召喚も制限される。
 手札には《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》《絶望神サガ》2枚が揃っている。いよいよ王手がかかった。

 シュガーフラワーに番が回る。
 《とこしえの超人》が封じられた今、≪お清めシャラップ≫や《ロスト・Re:ソウル》などメタクリーチャー以外のアプローチでどのようにループを阻止しにいくのか。
 しかし、この展開を予測していたシュガーフラワーはもう一つの抜け道を用意していた。
 すなわち《最終龍覇 グレンモルト》召喚から《邪帝斧 ボアロアックス》装備、マナから《とこしえの超人》を踏み倒し。これなら《「敬虔なる警官」》をすり抜けられる。

 《最終龍覇 グレンモルト》が着地してしまった今、TJMに残されたリミットは短い。
 2マナタップから≪エマージェンシー・タイフーン≫を撃つ姿にシュガーフラワーは《「敬虔なる警官」》ではなかった、と胸を撫でおろす。
 しかし、TJMにはこの展開でも突破できる準備が整っていた。

TJM《疾封怒闘 キューブリック》を捨てて効果で《とこしえの超人》をバウンスします」

 目まぐるしい攻防を経て遂に道がひらけ、絶望の神が舞い降りる。
 ここからはTJMのフィニッシュパーツがシールドに埋まっていないか自分との戦いとなるが、最後のパーツである《一なる部隊 イワシン》が見えると安堵のため息が出た。
 今日一日何度も繰り返したウイニングランは実に明瞭で分かりやすく、《水上第九院 シャコガイル》の登場を見届けたシュガーフラワーは「負け先もらいます」と次のゲームの準備に移った。

TJM 1-0 シュガーフラワー



 準備のさなか、相手の超次元ゾーンに《最終龍覇 グレンモルト》が混じっていることに気付いたTJMは優しく指摘する。
 目の前に座っているのは倒すべき相手だが決して敵ではない。
 正々堂々ぶつかって勝ってこそ胸を張って仲間の元に帰れる。

 双方の準備が万全に整い、再び戦いの火蓋が切って落とされた。

Game2

先攻:シュガーフラワー  何としてもこのゲームを取り返したいシュガーフラワーだが、3ターン目までをマナチャージのみで終えてしまう。ここ一番で手札が良くないようだ。
 対してTJMも2ターン目は動けなかったものの、3ターン目に《コダマダンス・チャージャー》でリソースを伸ばす。
 4ターン目にしてようやく《フェアリー・ミラクル》で2マナ加速成功するものの、先攻の利を活かせぬままTJMの差配に身を委ねる。

 TJMは《ブラッディ・タイフーン》を唱えたのち、3マナを残して「ちょっと考えます」。
 《絶望神サガ》が2枚あればループに入られてしまう状況だが、まだ希望は残っている様子だ。
 ここは《「敬虔なる警官」》をギャラクシールドしてトップ《とこしえの超人》をケアした状態でターンを終える。

 シュガーフラワーは《ドンドン火噴くナウ》でリソースを伸ばす。
 しかし、本来なら余ったマナで出せていたはずの《とこしえの超人》が封じられている。
 再び主導権がTJMに移る。

 ≪エマージェンシー・タイフーン≫で《一なる部隊 イワシン》を捨て、ここ一番のドローに力を込める。
 そしてドローしたカードを見て――大きく息を吐く。 TJM《絶望神サガ》を捨てます」

 それは絶望の鐘の音だ。
 パーツは全て見えた。
 先ほどと同様に《水上第九院 シャコガイル》が登場したところでシュガーフラワーは右手を差し出した。

シュガーフラワー「決勝頑張ってください!」

TJM「そちらも次勝ったら全国なんで、互いに頑張りましょう!」

 きっと彼らはどちらが勝ってもこの紳士的なやり取りを交わしていたのだろう。
 敗者の、そしてその後ろにある大勢の思いを受け取って、勝者は最後の戦いへと向かっていく。

Winner:TJM
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