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DMGP2023-1st Day2(オリジナル)準々決勝:デデ vs. とり

ライター:津乗 新(ばんちき)
撮影者:三田 健太

※撮影時のみマスクを外しています。

 まずは対戦開始前、両者にトップ8入賞プロモの《流星のガイアッシュ・カイザー》が手渡された。
 お互いここまでの健闘を噛み締めつつ、それぞれ状態を確認する時間となる。

 手早く状態確認を終えてカードを仕舞うデデに対し、手が震えてしまいカードローダーへの収納に少々手こずるとり

とり「すみません、不器用なんすよ...」

 そう話すとりの様子に緊張は見られない。が、全く緊張していないと言えばウソになるだろう。

 なにせ「GPベスト4」をかけた本試合の方が、普段のCSで幾度となく経験している決勝戦よりもかかっているものが格段に大きい。

 とりはなんとか傷つけることなく《流星のガイアッシュ・カイザー》を仕舞い終えると、

とり「とりあえずあと2回勝って全国行きたいっす」

 と、DMPランキング最上位の常連であるとりらしい目標と意識の高さが伺える言葉を口にする。

 それに対しデデは、

デデ「あ、たしかにそうっすね...」

 と、全国大会の出場権そっちのけでこの試合への集中に入っているようだった。
 本人に聞いたところ、

デデ「全国大会に出れるかどうかよりも、今日優勝したいです。」

 と話してくれた。
 「GP優勝」というビッグタイトル獲得まであと3勝ということもあり、まずは目先の1勝に気持ちを寄せたいといったところだろうか。

 それぞれ最終的な目標は違えど、この対戦を勝ち抜けないといけないという条件は同じだ。
 目標に向けて最も重要なベスト4をかけたゲームが始まる。

Game1

先攻:とり  先攻のとりは、環境に対するキラーカードである《烈火大聖 ソンクン》をマナチャージして《凶戦士ブレイズ・クロー》を召喚。
 【火単我我我】の理想ムーブである「先1ブレイズクロー」を決め、ロケットスタートでゲームを片付けにいく。

 対するデデは《堕呪 エアヴォ》をチャージしてターン終了。使用デッキは【水魔導具】だ。

 【火単我我我】と【水魔導具】のマッチアップは、基本的には【火単我我我】側にかなり勝率が傾く。
 【火単我我我】の素早い打点形成に対して、【水魔導具】側はトリガーで耐えるだけでは相手の盤面を返せないため、ただ耐えるだけではなく《卍 新世壊 卍》によるカウンターの準備を進めながら耐える必要があるのだ。

 当然そんなことは履修済みであるとりは、2ターン目に《斬斬人形コダマンマ GS》チャージから《斬斬人形コダマンマ GS》を召喚し、手札を減らすことなく打点を追加して《凶戦士ブレイズ・クロー》を攻撃に向かわせる。
 ここはトリガーを踏むことなく、まずは相手に《卍 新世壊 卍》所持を要求する理想的な展開でターンを終えた。

 返すデデのターン。《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》チャージからしっかり《卍 新世壊 卍》を設置し、まずは第一関門を突破することに成功。

 これに対してとりは、《我我我ガイアール・ブランド》チャージから《一番隊 チュチュリス》を召喚してその上に《我我我ガイアール・ブランド》を進化させ、最速の3ターン目にいきなりゲームを終わらせにかかる。

 まずは強制攻撃である《凶戦士ブレイズ・クロー》で1枚ブレイクすると、シールドから《堕呪 エアヴォ》が姿を現し、《斬斬人形コダマンマ GS》が手札に戻される。

 それでもとりは動じることなく、続けて《我我我ガイアール・ブランド》で攻撃。もう1枚トリガーを踏まない限り、起き上がった《凶戦士ブレイズ・クロー》と進化元の《一番隊 チュチュリス》で打点はぴったりだ。

 生きるか死ぬか。
 慎重にデデがシールドをめくると、そこから宣言されたのは《堕呪 カージグリ》

 これによってとりの《凶戦士ブレイズ・クロー》が手札に戻され、デデを倒しきる打点が無くなってしまった。

 しかし、これでもまだとりに勝ち筋が残っているのが【火単我我我】VS【水魔導具】のマッチアップの特徴だ。

 返しのターン、仮に《卍 新世壊 卍》の下に魔導具呪文を4枚用意できたとしても、そこから唱える《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》に加え、射出先のドルスザクまで揃わない限り、【火単我我我】側がすぐさま負けてしまうことはない。
 パーツのどれかが欠けてターンが回ってきさえすれば、残った手札からスピードアタッカーを展開して【火単我我我】側が押し切れる。

 このパーツ要求を考慮してか、《我我我ガイアール・ブランド》の進化元である《一番隊 チュチュリス》は攻撃に向かわせず、デデのシールドを1枚残した状態でとりはターンを終了した。

 これに対し、潤沢な手札からデデが反撃の狼煙をあげる。
 まずは《堕呪 バレッドゥ》を唱えてドローを進め、《終末の時計 ザ・クロック》を捨てる。これで《卍 新世壊 卍》の下にある魔導具呪文は3枚。

 次に《堕呪 ゾメンザン》を唱え、《卍 新世壊 卍》の下に魔導具呪文が4枚敷かれた状態を作ることに成功し、一つ目の壁をクリアした。

 続けてターン終了時に《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》の発動を宣言。二つ目の壁もクリア。

 そして最後の壁である「射出先のドルスザク」。
 手札が弱いことを祈るとりに対し、デデが出した答えは...  最強格のドルスザク3体。最後の壁もクリア。

 これによってとりの盤面と手札を崩壊させた上に《ガル・ラガンザーク》というブロッカーに加えてシールドが1枚残っているデデは、落ち着いて追加ターンに2枚目の《卍 新世壊 卍》を設置。
 続けて《堕呪 ゴンパドゥ》を唱え、魔導具呪文のカウントを1つ進めてターンを返した。

 2枚目の《卍 新世壊 卍》起動を目前に後がなくなったとり。
 意を決して《斬斬人形コダマンマ GS》を召喚し、シールドに回答札を求めに行く。

 これが《“轟轟轟”ブランド》ならあるいは、というところだったが、無念にも回答を引くことができずターンを終えた。

 《卍 新世壊 卍》の2枚目を設置した万全の状態でターンを迎えたデデは、《堕呪 ゾメンザン》《堕呪 ゾメンザン》、≪堕呪 ブラッドゥ≫と立て続けに魔導具呪文を3連打。これで《卍 新世壊 卍》の起動条件を達成し、《「無月」の頂 $スザーク$》を攻撃に向かわせる。

 しかしここで、《「無月」の頂 $スザーク$》の攻撃時による手札破壊効果が解決される前にすかさずとりは投了を宣言した。

とり「2本先取ですよね?」

 ジャッジに問いかけるとりの目は一切死んでいない。
 《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》の2発目を当然耐えることができないとりは、少しでも公開領域を減らして相手に与える情報を少なくする選択をしたのだ。

 複数回対戦するマッチ戦において、相手の公開領域のカードを把握しておくのは非常に重要なポイントとなる。
 無駄にあがくことなく棋譜を汚さず、できることは全てやる。勝負はまだ終わっていない。

Game2

先攻:とり  とりの最初のマナチャージは1本目と同じく《烈火大聖 ソンクン》だが、今回は1コストのクリーチャーを持ち合わせておらず、そのままターンを返すこととなった。

 デデのデッキに《終末の時計 ザ・クロック》が採用されている以上、速い段階でシールドを刻んでおく価値がかなり高いため、ここでのパスは少々気が乗らない展開だ。

 返すデデは、早い段階で多色を逃がしておくために《凶鬼98号 ガシャゴン / 堕呪 ブラッドゥ》をチャージしてターンを終える。

 これに対してとりはトップで引き込んだ《凶戦士ブレイズ・クロー》をお役御免とマナに切り飛ばし、《一番隊 チュチュリス》を場に送り込んでコスト軽減によるスピードアップを計る形。

 《一番隊 チュチュリス》は、最強のフィニッシャーである《我我我ガイアール・ブランド》が1コストで召喚可能になる他、今回とりが【水闇サガ】への対策として採用している《U・S・A・BRELLA》が召喚しやすくなるのもポイントだ。

 対【水魔導具】では、《U・S・A・BRELLA》が持つコスト4以下の呪文への耐性のおかげで《堕呪 カージグリ》《堕呪 エアヴォ》を貫通してプレイヤーに攻め込む打点として運用できるため、ここでの《一番隊 チュチュリス》は非常に強力と言える。

 続くデデのターン。シールド1枚分の手札補充がなかった影響か、ここは《卍 新世壊 卍》を引けておらず《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》を展開してドローを進めてターン終了。

 《卍 新世壊 卍》が展開されていない無防備な状態。とりにとって絶好のチャンスが訪れたが、不運にも手札に《我我我ガイアール・ブランド》の姿はない。

 一先ず《U・S・A・BRELLA》をチャージした後、一旦は打点を伸ばすべく《斬斬人形コダマンマ GS》《こたつむり》を召喚し、《一番隊 チュチュリス》でシールドをブレイクしてリーサルへの準備を進めていく。

 なんとかシールドが残った状態でターンが回ってきたデデは、ようやく引き込んだ《卍 新世壊 卍》を展開。
 続けて余った1マナで《堕呪 ゾメンザン》を打ち込み、カウンターの体制を整えた形だ。

 これによって一気にシールドを刻みづらくなったとりは、このターンが最も大きな分岐点となる。
 少し状況を整理しよう。

 トップドローは《ブンブン・チュリス》で、手札は《ブンブン・チュリス》《U・S・A・BRELLA》《“罰怒“ブランド》の3枚。
 盤面は《一番隊 チュチュリス》《斬斬人形コダマンマ GS》《こたつむり》の3体で、マナは3といった状況だ。

 仮にここで最大打点を出すのであれば、答えは単純。《ブンブン・チュリス》チャージで《こたつむり》のマナ武装を達成させてから《U・S・A・BRELLA》《“罰怒“ブランド》で突っ込む形となる。

 ただし、このプレイを選択した場合、最初の《“罰怒“ブランド》のダブルブレイクで《堕呪 カージグリ》《堕呪 エアヴォ》を踏んでしまうと、残り2枚のシールドの《堕呪 カージグリ》《堕呪 エアヴォ》がケアできなくなってしまう。
 1本目と同様、バウンストリガー2枚で受け切られてしまう打点形成だ。

 最初に嫌な負け方をした以上、《堕呪 エアヴォ》《堕呪 カージグリ》が多めに採用されているのではないかというのは自然な考え方で、可能であれば全力でケアしたいところである。

 しかし、ここで脳裏によぎるのが1本目に《堕呪 バレッドゥ》で捨てられた《終末の時計 ザ・クロック》の存在。
 これをケアするのであれば、シールドをこのターンに1枚ないし2枚は削っておきたいところだが、もしそのブレイクで《堕呪 エアヴォ》《堕呪 カージグリ》を踏んでしまうと、返しに《卍 新世壊 卍》が起動してしまう危険性もある。

 バウンストリガー2枚をケアするか,《終末の時計 ザ・クロック》をケアするか,はたまたこのターンに突っ込むか。
 もう1本も落とせないとりは、最適なプランを探し出すべく熟考に沈む。

 しばらく検討した後にとりが出した答えは、「バウンストリガー2枚のケア」。
 トリガーケアとして優秀な《U・S・A・BRELLA》を盤面に送り出し、後続の《ブンブン・チュリス》《“罰怒“ブランド》をキープしたまま、シールドを攻撃することなく力を溜めてターンを終了した。

 続くデデのターン。1ターン溜めるプランを選ばれた以上、こちらもそれに真っ向から立ち向かうしかない。
 マナチャージから《堕呪 ゴンパドゥ》を2枚連打し、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》の出力を高めた状態でとりに下駄を預ける。

デデ「このデッキを使う以上、自分より速いデッキにはどうしても不利がついてしまうから、GPという長期戦における試行回数の中でワンチャンスを掴むために採用しました。」

 筆者が《終末の時計 ザ・クロック》について尋ねると、デデはこのように答えてくれた。
 絶好のチャンス。このために採用した《終末の時計 ザ・クロック》
 踏めば勝ち,踏まなければ負けという単純明快かつ豪快な受け札だが、それでもこの【火単我我我】vs【水魔導具】という不利なマッチアップで勝つか負けるかの土俵に立てていること自体に価値があるのは間違いない。

 1ターン溜めたことにより打点を伸ばしたとりは、トップで引いた《斬斬人形コダマンマ GS》を召喚。シールドから《ブンブン・チュリス》を引き込み、《“罰怒“ブランド》と共に盤面に送り出す。

 この打点の組み方であれば、おおむね《終末の時計 ザ・クロック》以外は貫通できる。
 ここ一番の大舞台で、冷静に最適解を導き出したのだ。

 意を決してまずは《“罰怒“ブランド》でダブルブレイク。
 果たして、デデのシールドから姿を現すカードは...

「よし!!!」  《終末の時計 ザ・クロック》
 声の主はデデだった。

 無情にも溜めた力を無に帰されたとりは、力なくターンを終了する。

 返すデデのターン。《堕呪 ゾメンザン》《堕呪 エアヴォ》を唱えて《卍 新世壊 卍》の魔導具カウントを進めた後に《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》が解き放たれる。

 ここで場に送り出されたのは、皮肉にも1本目と同じ《「無月」の頂 $スザーク$》2体と《ガル・ラガンザーク》だった。

 これを返す手段がないとりは、静かに投了を宣言した。

Winner:デデ


 「不利対面や不利状況を捲る手段がある」というのは、デュエルマスターズにおいて非常に重要なファクターだ。
 今回デデは《終末の時計 ザ・クロック》にその要素を見出し、見事そのカードによって勝利を手にした。

 敗退後しばらく経ってとりに話を伺うと、全国大会出場に向けて今後も積極的に取り組んでいく様子だった。
 全国大会で再度両者の激突が見れるのを楽しみにしつつ、両者の活躍に期待を寄せて本対戦を締めくくらせていただく。

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