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DMGP2025-2nd Day1(アドバンス)決勝戦:デンネ vs. とり🐥

ライター:山口 海斗(ジャイロ)
撮影:後長 京介

 10年前のDMGP-1st、優勝した【イメンループ】において≪邪帝遺跡 ボアロパゴス≫はループの中心として無限の盤面を生成した。

 8年前のDMGP-4th、優勝した【火自然モルト「王」】では《二刀龍覇 グレンモルト 「王」》《銀河大剣 ガイハート》《無敵王剣 ギガハート》で双剣を構えた。

 6年前のDMGP-8th、優勝した【火光ミッツァイル】における《BAKUOOON・ミッツァイル》は当時最新ギミックの超GRを引っさげての奮闘。

 昨年のDMGP2024-2ndで優勝した【4cドラグナー】では《13番目の計画》による40枚からの解放、直近のDMGP2025-1stで優勝した【光水ヘブンズ・ゲート】では《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》による自在の支援。


 今年で10周年を迎えたDMGPの歴史は、外部ゾーンと共に歩んできた歴史でもある。
 そこにドラグハートと共に歩んできた≪モルト≫が並び立っていることに、思わず「物語」を感じずにはいられない。

「デンネの物語」

 使用デッキは【火水自然ドラグナー】。
 冒頭にも述べたDMGP-8thで優勝した【火光ミッツァイル】はデンネによるもの。スマホ版でもある「デュエル・マスターズ プレイス」のGPでも優勝しており、「GP二冠」と呼ばれる様になって久しい。今夜、「紙のGP二冠」あるいは「GP三冠」となれるか。これはデンネにとって「挑戦の物語」。

「とりの物語」

 使用デッキは【火水自然ドラグナー】。
 関西の競技シーンをジャッジとして支え続けているとり。プレイヤーとしての活躍も華々しく、DMGP2023-1st Day2ではトップ8を収めており《流星のガイアッシュ・カイザー》を持ち帰っている。2年前はトップ8で散ったが、今は決勝戦まで勝ち進んだ。これはとりにとって「再戦の物語」。

 特筆すべきはメインデッキ40枚に加え超次元ゾーンの8枚まで全く同じの48枚完全同型戦!
 10年続いたDMGPだがこんなことは今までにない。両雄がDMGPの新たな歴史を紡ぐ。

Game1

先攻:デンネ  【火水自然ドラグナー】の同型戦において、勝利までのチェックポイントはいくつかある。
 中でも最初のチェックポイントは《メンデルスゾーン》を2ターン目に実行して2マナ加速」できるかである。

 デンネは最初のチェックポイントを見事クリア。《メンデルスゾーン》で2マナ加速を成功させ、先攻のアドバンテージを維持する。
 一方後手のとり、2ターン目をマナチャージのみと痛恨のパス。大きく差をつけられる。

 続くチェックポイントは《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》+ ドラグナーを持ち合わせている」かになるが、流石にそれは叶わず。
 とはいえ再度《メンデルスゾーン》を唱え2マナ加速。デンネはリズム良くカードをマナゾーンに揃えてゆく。

 返すとり《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》の下面でマナを伸ばしつつデンネ《メンデルスゾーン》2枚を山札に返すことで少しでもデンネの出力を落とす。
 《爆熱剣 バトライ刃》《爆銀王剣 バトガイ刃斗》で山札からドラゴンを呼ぶ際に足枷となるよう、せめてもの抵抗を試みる。

 だが。
 それもデンネ《地封龍 ギャイア》を手札に持っていなければの話。2度に続く《メンデルスゾーン》に加えて、毎ターン丁寧にマナゾーンにドラゴンをセットしていたデンネ。マナゾーンのドラゴンは8枚を迎えた!

 デンネ《双龍覇王 モルトVERSUS》を召喚すると≪爆熱王DX バトガイ銀河≫を直接バトルゾーンへ送り込む。

 ≪爆熱王DX バトガイ銀河≫の攻撃時に《地封龍 ギャイア》を出すと、【火水自然ドラグナー】同型戦における最終チェックポイントである《双龍覇王 モルトVERSUS》のいない状況で《地封龍 ギャイア》を出す」をクリア!  とりは「仕方ない……」と溢して投了を選んだ。

デンネ 1-0 とり

 最初のチェックポイントであるマナ加速を先攻でクリアしたデンネ。後攻でクリアできなかったとり
 たった一つの要求を通せないだけでこうも負けに直結する、アドバンス環境の厳しさを物語る一戦目に感じる。

Game2

先攻:とり  とりは先程クリアできなかった「《メンデルスゾーン》を2ターン目に実行して2マナ加速」のチェックポイントをクリア、見事2マナ加速!
 ……したかに見えたが、惜しくも《メンデルスゾーン》が捲れてしまい1マナ加速のみに留まる。
 後攻のデンネは2ターン続けてのマナタップインでマナを伸ばせない、とりは何とか命拾いをした。

 「《メンデルスゾーン》を2ターン目に実行して2マナ加速」をクリアできなかったとり。4マナ域の行動もなくパスでターンを終えるが、返すデンネも≪お清めシャラップ≫を唱えるのみで下準備の時間が続く。

 本来であれば《双龍覇王 モルトVERSUS》の召喚ができたターンだが1マナ足りない。《メンデルスゾーン》のマナ加速失敗が悔やまれる。

 しかしとりはもう一つのチェックポイントをクリアしていた。
「≪「助けて!モルト!!」≫+ ドラグナーを持ち合わせている」のだ!

 ≪「助けて!モルト!!」≫を唱えると、Game1の意趣返しともとれるとり《双龍覇王 モルトVERSUS》着地&《爆銀王剣 バトガイ刃斗》装備!  《双龍覇王 モルトVERSUS》によるW・ブレイク。《爆銀王剣 バトガイ刃斗》によって山札の上から呼び出したのは《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》

 「先に《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を出す」というチェックポイントをクリアしつつ、≪爆熱王DX バトガイ銀河≫によるT・ブレイクが炸裂。隣には《地封龍 ギャイア》が添えられ、《双龍覇王 モルトVERSUS》のいない状況で《地封龍 ギャイア》を出す」もクリア済みだ。

 デンネは「素晴らしい!」という賞賛を送りながら投了。とりの勝利を受け入れた。

デンネ 1-1 とり

 直前の3位決定戦が制限時間いっぱいのロングゲームに対して、Game1・Game2と終えたここまでわずか8分。
 お互いに知り尽くしているデッキだからこそ、48枚全く同じデッキだからこそのツーカーのやり取りがなされる。
 とはいえ残るは一戦。勝利の結末で締められるのはデンネの「挑戦の物語」か、とりの「再戦の物語」か。

Game3

先攻:デンネ

 お互いに3ターン目までチャージエンドが続く。
 デンネ《ボルシャック・栄光・ルピア》で2マナ加速したのに対してとりは1ターン遅れての《メンデルスゾーン》で2マナ加速に成功。

 ビッグアクションの可能なマナ域で迎えた先攻デンネの4ターン目だが、追加の《ボルシャック・栄光・ルピア》《メンデルスゾーン》とマナ加速のみに終始。無防備な状態でとりにターンを渡した。

 とりデンネにマナの枚数を確認すると「9!」と威勢よく返ってくる。

 Game1の展開がよぎる。9マナあれば《双龍覇王 モルトVERSUS》が直接≪爆熱王DX バトガイ銀河≫を呼び込むことも、《地封龍 ギャイア》を召喚してしまうことすらも可能だ。

 とりは何としてもここで決着を付けなくてはならない。《双龍覇王 モルトVERSUS》を召喚すると小考の末《爆銀王剣 バトガイ刃斗》を装備、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》のクリーチャー面へと革命チェンジを宣言したのであった。

 【火水自然ドラグナー】の48枚完全同型戦につき、この対戦においてはこんなチェックポイントも発生している。それは、《双龍覇王 モルトVERSUS》のW・ブレイクでG・ストライクを踏まなければ貫通する」というものだ。

 詳しく解説しよう。

 《双龍覇王 モルトVERSUS》を召喚し、《爆銀王剣 バトガイ刃斗》を装備。攻撃時に≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫への革命チェンジを解決。《爆銀王剣 バトガイ刃斗》の効果でドラゴンを捲ることで≪爆熱王DX バトガイ銀河≫へ龍解&≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫がW・ブレイク。

 ここでG・ストライクさえ踏まなければ(《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》はS・トリガーになっておらず、≪炎龍覇 グレンアイラ)はトリガーしても特に仕事が無い)、≪爆熱王DX バトガイ銀河≫の攻撃時に《銀河大剣 ガイハート》を装備したスピードアタッカー兼ジャストダイバーの《双龍覇王 モルトVERSUS》が完成するため、止めることのできるカードは無くそのままダイレクトアタックに成功するのだ。

 《ルード・ザーナ》《次世代龍覇 Q.E.Deux》の様なS・トリガーがいないからこそ、それを完全に知り尽くしている48枚完全同型戦だからこそ、発生しているEXステージのようなチェックポイント。裏ワザにも近い。

 とりのこのプランニングは完璧だった。後手という遅れを取った以上、どこかで遅れを挽回する必要がある。そのリスクとして最初のブレイク2枚でG・ストライクを避けるというのは余りにも低いリスクであり、デンネがマナ加速のみでターンを終えた今、タイミングは完璧である。

 完璧である。完璧であった。完璧のはずだった。






 《爆銀王剣 バトガイ刃斗》《メンデルスゾーン》が捲れてしまわなければ。  追加のドラゴンが出ることはなく、《爆銀王剣 バトガイ刃斗》は龍解せずに超次元へ吸い込まれる。
 結果、≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫がW・ブレイクをしたのみでとりのターンは終了してしまった。

デンネ「呪文が使えないだけだよね。」  何度も指差し確認をし、自身の状況を明確にしてゆく。
 土壇場で獲得したデンネのターン、直前の大量マナブーストによってすっかり伸び切ったマナは彼を呼び出すのに十分であった。

 《夢双龍覇 モルトDREAM》!!  《爆銀王剣 バトガイ刃斗》《爆熱剣 バトライ刃》《無敵剣 プロト・ギガハート》の装備!
 強力な除去体勢に加えて山札を2度も捲ってドラゴンを呼び出す《夢双龍覇 モルトDREAM》は、デンネに勝利をもたらすまであっという間であった。

 ダメ押しとも言える追加の《夢双龍覇 モルトDREAM》《双龍覇王 モルトVERSUS》が呼び出されると、装備!龍解!!革命チェンジ!!!

 【火水自然ドラグナー】に搭載されたあらゆるギミックを駆使して、とりのシールドをブレイクすることなく《地封龍 ギャイア》のいる盤面に辿り着いた!

 これまでに述べた【火水自然ドラグナー】ミラーにおけるチェックポイント。
「先に《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を出す」
《双龍覇王 モルトVERSUS》のいない状況で《地封龍 ギャイア》を出す」
 これら全てをキチンと通過し、デンネは5枚のシールドをブレイク!ダイレクトアタックまで決めたのであった。

デンネ「また全国で!」  デンネのエールを受けて、静かに頷いたとり。両名の固い握手でDMGP2025-2nd-Day1は幕を降ろした。

デンネ 2-1 とり


--優勝おめでとうございます!GP優勝の台詞は過去にご経験あるかと思いますので、今回はこの記事を読まれている方に向けてのメッセージなどをいただければ!

 ちょっと意地悪な質問だったかもしれない。「GP三冠という名誉」あるいは「紙のGP二冠という名誉」、「リーガーとしての意気込み」、「全国大会への意気込み」。デンネの「挑戦の物語」はあまりにも多すぎる。
 それでも、そんな中でも彼の台詞は意外なものであった。最後は是非とも彼の台詞でお別れしたい。

デンネ「本当に最高のゲームなので、もっとデュエル・マスターズを愛してください!」 WINEER:デンネ!!!

 デンネ
 DMGP2025-2nd
 アドバンス構築
 24 クリーチャー
4 《ボルシャック・栄光・ルピア》
4 《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》
4 《双龍覇王 モルトVERSUS》
3 《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》
1 《蒼き団長 ドギラゴン剣》
1 《時の法皇 ミラダンテⅫ》
3 《地封龍 ギャイア》
4 《夢双龍覇 モルトDREAM》
 11 ツインパクト
4 《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》
4 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》
3 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》
 5 呪文その他
4 《メンデルスゾーン》
1 《禁断 ~封印されしX~》
 8 超次元ゾーン
1 《熱血剣 グリージーホーン》
1 《無敵剣 プロト・ギガハート》
1 《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》
1 《爆熱剣 バトライ刃》
1 《銀河大剣 ガイハート》
1 《爆勇王剣 ラッシュ・ギガハート》
1 《爆銀王剣 バトガイ刃斗》
1 《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》
 12 超GRゾーン
2 《クリスマⅢ》
2 《アカカゲ・レッドシャドウ》
1 《オレちんレンジ》
2 《カット 丙-二式》
2 《続召の意志 マーチス》
1 《ボボボ三坊主》
2 《防羅の意志 ベンリーニ》



 とり🐥
 DMGP2025-2nd
 アドバンス構築
 24 クリーチャー
4 《ボルシャック・栄光・ルピア》
4 《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》
4 《双龍覇王 モルトVERSUS》
3 《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》
1 《蒼き団長 ドギラゴン剣》
1 《時の法皇 ミラダンテⅫ》
3 《地封龍 ギャイア》
4 《夢双龍覇 モルトDREAM》
 11 ツインパクト
4 《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》
4 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》
3 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》
 5 呪文その他
4 《メンデルスゾーン》
1 《禁断 ~封印されしX~》
 8 超次元ゾーン
1 《熱血剣 グリージーホーン》
1 《無敵剣 プロト・ギガハート》
1 《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》
1 《爆熱剣 バトライ刃》
1 《銀河大剣 ガイハート》
1 《爆勇王剣 ラッシュ・ギガハート》
1 《爆銀王剣 バトガイ刃斗》
1 《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》
 12 超GRゾーン
2 《パス・オクタン》
1 《シェイク・シャーク》
2 《ジェイ-SHOCKER》
1 《全能ゼンノー》
1 《無限合体 ダンダルダBB》
1 《ロッキーロック》
2 《C.A.P. アアルカイト》
1 《The ジョラゴン・ガンマスター》
1 《The ジョギラゴン・アバレガン》



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