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DMGP2025-1st Day1(アドバンス) 準々決勝:ネバー vs. サラー

ライター:高橋 穂(北白河)
撮影:坂井 郁弥

 2つのフォーマットでの2Day開催となった、今回のDMGP2025-1st。

 その2フォーマットとは、デッキ外カードを含めたすべてのカードが使える「アドバンス」とメインデッキのみを使う「オリジナル」。今回のDay1はアドバンスで開かれているというのも言わずもがなだ。

 しかし、この準々決勝に残ったプレイヤーの半分がメインデッキ外のデッキをほぼ使わない、「ほとんどオリジナルのデッキ」を使うことになるとは誰が予想できただろうか?

 そのデッキは【ファイアー・バード】。

 デュエマ史上でも屈指の完成度を誇るビートダウンデッキであると同時に、本来その手のデッキが同時に持ちえないはずの展開力・妨害力・リソース確保性能などをほぼメインデッキのみで実現する逸品だ。

 そしてこの【ファイアー・バード】を手に準々決勝に残ってきたプレイヤーのひとりが、愛知県よりやってきたサラー。選択肢の広いこのデッキを冷静なプレイングで使いこなしてここまで勝ち上がった……という事実から、その練度が尋常のものではないことが伺える。  逆に、アドバンスでこそ真価を発揮するデッキも存在する。その一例が、【光水ヘブンズ・ゲート】だ。

 もちろんブロッカーによる硬い防御と《真気楼と誠偽感の決断》の登場による柔軟性の強化もあり、メインデッキだけでも非常に強力なデッキであるのは確かだ。しかし、アドバンス特有の要素として《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》によって自由自在な超次元ゾーンのカードにアクセスできるのは大きな魅力と言えるだろう。

 実際にこのデッキを駆ってここまでやってきた地元千葉のプレイヤーであるネバーも、デッキ選択理由として「アドバンスで最もデッキパワーが高いから」と語っている。

 だが、当然デッキパワーだけでこの準々決勝までやってこれるはずがない。初めてのカバレージ卓ということもありやや緊張の色が見えるが、練り上げた戦略と自分のチューンを信じてじっと試合開始の合図を待つ。  いわばアドバンス対オリジナルというべきデッキパワーの頂上決戦を制して、ベスト4に歩みを進めるのはどちらか。

Game 1

 先攻:サラー  ファーストムーブは先攻2ターン目、サラー《マジシャン・ルピア》《ヤット・パウル》を捨てて順調に手札を整えるのに対し、ネバーはじっくりタップインを処理していく。

 潤沢な手札を前に少し悩んだのち、サラーはできうる限りの攻撃的プレイを狙う。すなわち、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》《ハッター・ルピア》を踏み倒したうえで連撃効果を付与し、ハイパー化させたうえでシールドに攻撃を開始する。

 メクレイドからは《ポッピ・冠・ラッキー》が出てきて体勢はさらに盤石に……と思われた矢先、ブレイクしたシールドからは《光開の精霊サイフォゲート》が登場!これにはサラーもため息。

 《ハッター・ルピア》《光開の精霊サイフォゲート》自体はすぐに破壊されるが、本題は踏み倒し。《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》がEXライフシールドとともに登場し、《ハッター・ルピア》ですぐにそのシールドが剥がれて呪文踏み倒しが確定……という「友情コンボ」に発展してしまう。

 さらにここで踏み倒されたのが、《理想と平和の決断》。手札補充で《真気楼と誠偽感の決断》《ヘブンズ・ゲート》が加わった上に、2回目の攻撃を待たずして《ハッター・ルピア》をシールド化してしまう。

 そしてこのターンに合計4体のクリーチャーが出ていることから、ターン終了時にネバーは今手札に加えた《真気楼と誠偽感の決断》を宣言。手札入れ替えと踏み倒しを選ぶが、《ポッピ・冠・ラッキー》のため墓地から踏み倒すことはできず、実質的に手札入れ替えだけを行った形となる。  こうしてサラーの攻めを凌いだら、次はネバーの【天門】の時間。

 《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》《マジシャン・ルピア》を攻撃する際、このデッキの代名詞《ヘブンズ・ゲート》を踏み倒す!

 ここから出てくるのは、《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》《ポッピ・冠・ラッキー》で超次元ゾーンにはアクセスできない状況だが、6枚重ねのEXライフシールドと《ヘブンズ・ゲート》《真気楼と誠偽感の決断》回収という成果を得た今ではもはや些事とすらいえる。

 「純粋に大きくて硬いブロッカーが並ばれたうえ良質な手札も構えられている」という状況で、《ポッピ・冠・ラッキー》しかコントロールしていないサラーはもはや動けない。

 マナチャージだけ行ってそのままターンを返したサラーに対し、ネバーは引導を渡しにかかる。《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》攻撃時効果で《真気楼と誠偽感の決断》を踏み倒し、シールド送りを2回宣言。

 《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》のEXライフシールドを剥がしつつ《ポッピ・冠・ラッキー》をシールド送りにし、《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》の呪文面経由で《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》の6枚のEXライフシールドをすべてトリガー化して暴発……しようとしたところで、これ以上は逆転不可能と認めたサラーは投了を宣言した。

 実際のところその6枚のシールドの中には2枚目以降の《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》も見えており、2戦目以降に時間というリソースを持ち越すことを決断したサラーの選択は的確だったといえよう。

ネバー 1-0 サラー

 「コントロールがビートダウンをコントロールしきって勝つ」という、有史以来無限に続いてきた結末が再現されたGame 1。

 しかし、Game 2ではこの構図は思わぬ変化を見せることになる。

Game 2

先攻:サラー

 Game 1に引き続き、ファーストムーブは先攻2ターン目のサラー《マジシャン・ルピア》《龍后凰翔クイーン・ルピア》を捨てて2ドロー)。ネバーがきっちりチャージを行っていくのも同じだ。

 しかし3ターン目のサラーの動きは《ルピア&ガ:ナテハ》。Game 1と違っての「溜める」動きで、墓地と手札を補充しつつターンを返す。

 これに対して、ネバー《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》の呪文面で溜める動きに入る。《音感の精霊龍 エメラルーダ》《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》が手札に加わり、こちらも6枚まで手札溜めて次のビッグムーブに備える構えを見せる。

 しかし、結論から言えばネバーが使えたのはその6枚の手札のうちのたった1枚だけだった。

 ターンを得たサラーは、まず《アリスの突撃インタビュー》《龍后凰翔クイーン・ルピア》を捨てて即座に蘇生する。そして攻撃時、《凰翔竜機マーチ・ルピア》へと革命チェンジするとともにその《凰翔竜機マーチ・ルピア》を破壊してメクレイド8を宣言、山札の上から《アリス・ルピア》を召喚する。

 そしてそちらの効果で《ハンプティ・ルピア》《龍后凰翔クイーン・ルピア》を展開。《ハンプティ・ルピア》で手札を破壊しながら、待機していた《凰翔竜機マーチ・ルピア》の効果で《龍后凰翔クイーン・ルピア》を蘇生する。

 そしてここから怒涛の連鎖が始動する。《龍后凰翔クイーン・ルピア》が自身を破壊して攻撃をキャンセルしながらメクレイド→さらなる《龍后凰翔クイーン・ルピア》《アリス・ルピア》が登場し、革命チェンジで用意した《凰翔竜機マーチ・ルピア》の蘇生も合わせてさらなる後続を呼ぶ……というムーブで、瞬く間に山札を一周させて切り札の《雷炎翔鎧バルピアレスク》に辿り着いたのだ!  攻撃が成就すると味方5体の破壊と引き換えに追加ターンをもぎ取るこのカードだが、サラーが真に見ているのはそこではない。

 この破壊の際にもそれぞれ《凰翔竜機マーチ・ルピア》の蘇生効果が誘発して待機するので、破壊するクリーチャーのコストを調節することで今破壊した《雷炎翔鎧バルピアレスク》《ハンプティ・ルピア》などを出し直すというチェインコンボじみたムーブが可能になるのだ。  こうして、《雷炎翔鎧バルピアレスク》が攻撃してシールドをブレイク→大量のクリーチャーが破壊されては戻ってくる→追加ターンを得つつ《雷炎翔鎧バルピアレスク》がアンタップ状態で攻撃可能になりつつ《ハンプティ・ルピア》ネバーの手札を奪う……という長い長い生と死のサイクルが始まる。

 途中《ヘブンズ・ゲート》がトリガーして≪支配の精霊ペルフェクト≫が登場して(メクレイドを含む)召喚と呪文の使用が封殺されるという一幕がありながらも、そこから先は純粋な手札や墓地からの踏み倒しのみにシフトすることでこの妨害を完全に貫通。

 最後には合計7回の手札破壊を行ったうえで4ターン分の追加ターンを獲得したサラーに対して、すべての応手を失ったネバーが投了を宣言する形でゲームは幕を閉じた。

ネバー 1-1 サラー

 Game 1とは正反対に、「ビートダウンがコントロールの防御手段を完全にコントロールしきって貫通する」という結末を見せたGame 2。

 しかし、この一見荒唐無稽な勝ち筋をメインデッキ以外に頼らず実現できる……という事実そのものが、【ファイアー・バード】というデッキの強さと、サラーのプレイングの練度を物語っている。

 ここまでの長丁場の大会と長期戦の2ゲームを経て、やや疲労の色が見える両プレイヤー。しかし、勝利への強い意志はどちらも衰えていない。

 己の強さを証明し、準決勝に駒を進めるのはどちらか。

Game 3

先攻:ネバー  初めてネバーが先攻となる。

 順当にマナをチャージしていく両者だが、後攻2ターン目のサラーは早くも熟考。《凰翔竜機マーチ・ルピア》をタップインし、2ターン目の動きをパスする。

 だがネバーの手札にも理想の初動である《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》はなかったようで、こちらも熟考。《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》をチャージする、静かな立ち上がりとなった。

 動き出しに差をつけられずに済んだサラーは、ファーストムーブとして《ポッピ・冠・ラッキー》を召喚。《真気楼と誠偽感の決断》によるS・トリガー踏み倒しや《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》の超次元ゾーンムーブを牽制する。

 これに遅れるわけにはいかないネバーだが、こういう盤面で強い《理想と平和の決断》も引けていない様子。両者の手札枚数を何度も確認しながら、《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》をクリーチャー面で召喚してS・トリガーがめくれるのを期待するが、ここにトリガーはなくそのままターンを返すこととなる。

 この隙に動きたいサラー《ハッター・ルピア》を召喚すると、自分に言い聞かせるように小さくつぶやく。

サラー「やるしかねえ……!」

 そのまま《ハッター・ルピア》をハイパー化し、ネバーのシールドをめがけて攻撃。攻撃時のメクレイドからは《ハンプティ・ルピア》が登場し、ネバーの抱えた手札を明らかにする。

 見えた手札は、《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》というハイカロリーなもの。

 サラーはここから唯一の能動的な動きになりうる《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》を抜き取り、次のターンの動きの芽を摘んでいく。さらにブレイクしたシールドからはトリガーはなく、攻めをうまく成就させつつターンを返す。

 しかし、このブレイクと次のドローがネバーにもたらしたものは非常に大きかった。アンタップインの《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》をチャージして、手札から放たれたのは《真気楼と誠偽感の決断》

 見えていないところから出てきたカードの組み合わせに、サラーは苦い顔。ネバーはシールド化を2回宣言し《ハッター・ルピア》《ポッピ・冠・ラッキー》を除去することに成功する。

 こうなると厳しいのがサラー《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》を握られているのが見えている以上、下手な大量展開やブレイク(からの《ヘブンズ・ゲート》などのトリガー)はリスキーになる。

 しばらく押し引きを考えたのち、サラー《ヤット・パウル》を召喚してシールドの《ポッピ・冠・ラッキー》を回収しそのまま召喚。ネバーに能動的な手札がない隙に、じっくりした盤面作りと妨害を切らさないことを重視してターンを返す。

 そして辛いのはネバーも同じ。高コストのカードが手札に溜まっており身動きが取れない状況であることから、マナチャージすら行わずにターン終了を宣言。

 この隙をサラーは見逃さない。フリーのターンが回ってくると、手札からまたもや《ハンプティ・ルピア》が飛び出る。すでに見えている《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》に加えて《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》……という手札から《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》を捨てさせ、妨害を継続する。

 しかし今日のネバーは、手札を失った後に引いてくるカードが強い。トップから駆け付けた《音感の精霊龍 エメラルーダ》が、シールド回収で新鮮な手札をもたらす!シールドは残り2枚まで落ち込んだうえトリガーもなかったものの、ひとまず手札と盤面を最低限補給することには成功した形だ。

 こうなれば、サラーものんびりしていられない。バトルゾーンに頭数がしっかり揃ったこともあり、切札の《雷炎翔鎧バルピアレスク》を召喚して攻勢に転じる。

 ネバーへの攻撃時に手札から《凰翔竜機マーチ・ルピア》を踏み倒し、Game 2でも行われた蘇生と追加ターンの連鎖を狙おうとする……が、そのブレイクから《光開の精霊サイフォゲート》が飛び出すと思わず舌打ち。

 ネバーの手札からEXライフとともに《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》が飛び出して《真気楼と誠偽感の決断》《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》を回収したことで、突然バトルゾーン・シールド・手札が同時に盤石になってしまった。

 それでも《凰翔竜機マーチ・ルピア》以外の5体を破壊して追加ターンを得たサラーは、積み上がった蘇生効果を解決にかかる。まず《ヤット・パウル》でシールドを回収したのち、《ハンプティ・ルピア》で先ほど回収された《真気楼と誠偽感の決断》を打ち抜かんとする。

 ……が、公開されたネバーの手札には、すでに見えている《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》《真気楼と誠偽感の決断》に加えて、なんとさらなる《真気楼と誠偽感の決断》の姿が!  どうやっても《真気楼と誠偽感の決断》を使われてしまうことを悟ったサラーは苦笑い。せめてもの抵抗として《真気楼と誠偽感の決断》を1枚落とし、コスト5を参照して《音感の精霊龍 エメラルーダ》を破壊する。

 さすがに《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》がいる状況で無策に殴りに行けないサラーは、ここでいったんターン終了を宣言。ネバーの手からは予定調和的に《真気楼と誠偽感の決断》が放たれ、《凰翔竜機マーチ・ルピア》《ポッピ・冠・ラッキー》がシールドへと退場する。
 
 追加ターンを得たサラーだが、現状の盤面でこのターン中に《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》とそのEXライフシールド含む2枚のシールドを突破するのは困難だ。

 そう考えてか、サラーは召喚した《龍后凰翔クイーン・ルピア》で攻撃しつつ自身を破壊することで、メクレイドしながら攻撃をキャンセルして安全に盤面の拡充を図る。

 そして登場したのは、《アリス・ルピア》。さらにそこからは《マジシャン・ルピア》《ハッター・ルピア》《ハンプティ・ルピア》が登場し、今欲しい手札リソースと妨害を手に入れることに成功する。

 《ハンプティ・ルピア》《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》を落とすと、サラーは一息ついてそのままターンを終了。見えている脅威に対処し終え、《アリス・ルピア》で出てきたカードを破壊しながら次のターン以降の攻勢に備える。


 だが、《ハンプティ・ルピア》が排除できるのは、あくまで「見えている」脅威だけだ。

 ネバーがここで引いて唱えたのは、3枚目となる《真気楼と誠偽感の決断》 サラー「マジか……」

 呆然とした声を漏らすサラーに対して、ネバーは手札入れ替えとS・トリガー踏み倒しのモードを宣言する。そして新鮮なドローからは《ヘブンズ・ゲート》が捨てられ、即座に唱えられる!

 最序盤から手札で出番を待っていた《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》が飛び出ると、まずは《真気楼と誠偽感の決断》を2枚回収。

 そして《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》《邪帝斧 ボアロアックス》を用意しながら自身のEXライフシールドを6枚まで積み重ね、その《邪帝斧 ボアロアックス》が≪暴発秘宝ベンゾ≫を呼んでそのシールドをすぐさまブレイクする。

 ここまで「見えていないカード」が供給されれば、ネバーの動きは止まらない。

 6枚のシールドからは《ヘブンズ・ゲート》と≪星龍の暴発≫がトリガー。《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》が飛び出て即座にEXライフシールドをトリガー化しながらブレイクすることで、≪「真実を見極めよ、ジョニー!」≫がトリガーしたしたうえで呪文踏み倒しの権利を得る。

 EXライフシールドを失った《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》を手札に戻してから保留されていた呪文踏み倒し効果で《真気楼と誠偽感の決断》→墓地からのS・トリガー踏み倒し2回で《ヘブンズ・ゲート》と≪「真実を見極めよ、ジョニー!」≫が宣言されると、《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》の出入りと踏み倒しはもはや止まらない。

 ≪次元のスカイ・ジェット≫と6枚のEXライフシールドを携えた《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》が飛び出して、≪星龍の暴発≫がその6枚のシールドをトリガー化して暴発……したところで、サラーは「投了します」と宣言した。

Winner:ネバー

 長期戦となったこともあり、次のラウンドまでの時間が迫った短いタイミングにて、サラーネバーに尋ねる。

サラー「最後の(《真気楼と誠偽感の決断》)はトップですよね?」

ネバー「そうですね。運だけ……」

 無論、サラーほどのプレイヤーが、前のターンに確認した相手の手札を把握していないということはまずあり得ない。

 それでも確認せざるを得ないほど、衝撃的なトップデッキだったのだろう。

 両者が勝利のために考えて考えて最善を尽くした結果、その結末がどちらのものでもない「引き」や「運」に委ねられてしまうのは本当によくあることだ。

 だが、それでも。むしろ、自分にできることをすべてやり尽くしたと知っているからこそ、誰にともなくサラーはこう呟く。

サラー「悔しい……!」

 その想いは、実際に戦って勝利したネバーにも痛いほど伝わっていることだろう。敗者の想いをも背負って、ネバーは準決勝へと足を進めた。
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