DMGP2025-1st Day1(アドバンス)Round 6:村井vs. ソーマシュ
ライター:鈴木 響太(ボルスズ)
撮影:後長 京介

『逆転』、『王道』、『戦略』……キードライバーはいくつかあれど、この試合を見たものはこの言葉が浮かぶのではないだろうか?
『忍耐』もまたカードゲームだ、と。
ここまで5戦全勝。悠々の折り返しを見せるのはFTGの最強兄貴こと村井と白き獣ソーマシュ。両者相応の緊張感に包まれる中、会話も少なめに戦いの火蓋は切られた。
先攻:村井

これを喰らってはひとたまりもない村井。ここは初動をプレイしたいところだが動けない。
これ幸いと《配膳犬のトレス》を召喚し《料理犬のヴィヤンドゥ》を回収し、《お目覚めメイ様》を寝かせるソーマシュ!あわやゲームエンド級のアクションが!

どこかホッとした表情を浮かべる村井。待望のアクションとなる《ボルシャック・ドラゴン / 決闘者・チャージャー》をプレイするも、回収できるカードはなし。息苦しい展開が続く。

時間の欲しいソーマシュはここで《とこしえの超人》を呼び出す。少しでも処理につまずけば、【火光自然ボルシャック】としては歯がゆい時間が続くことになる。
ビッグアクションに待ったをかけられた村井。一考の後、二度目の≪決闘者・チャージャー≫から呼び寄せたのは、値千金の《ボルシャック・スーパーヒーロー / 超英雄タイム》!!

翻って少しでもデッキを掘り進めたい、盤面にドリームメイトを広げていきたいソーマシュ。その二つの欲求から《ピザスターのアンティハムト》を経由して《キャディ・ビートル》を着地させるも決定的な動きは起こせない。
ゲームを決める手が引けぬまま、時間が過ぎていく。
お互いに我慢の時は続く中、村井の一手は《魂の呼び声》。《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》、《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》、そして《禁断竜王 Vol-Val-8》を未来へと送り込む。
≪超英雄タイム≫はまだ撃たない。それは《禁断竜王 Vol-Val-8》でゲームを決める、という宣言とも取れるプレイ。村井のストーリーはここにあった。あとはソーマシュが差すか、村井の忍耐が身を結ぶかの勝負。最後の攻防が始まる。
《キャディ・ビートル》の賞味期限が近いことも含め、勝負を急ぎたいソーマシュだが、未だリソースに繋がらない。せめて《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》からのゲームエンドは避けたいと、都合2枚目となる《とこしえの超人》をプレイしてターンを返すことに。
一方手札の多色率もあり、あと2往復のターンが欲しい村井。引き付けて引き付けて、満を辞して着地した《ボルシャック・スーパーヒーロー / 超英雄タイム》が2体の《とこしえの超人》と《配膳犬のトレス》を残し、戦場を破壊!特殊勝利への道を大きく交代させ、あと1往復をやり過ごすのみ。
だが、指を咥えて見ているソーマシュではない。奪われたボードリソースを取り返すべく、《激烈元気モーニンジョー》+《料理長のラビシェフ》を展開!これだけのドリームメイト、そして手札があれば次の1ターンでゲームを決めることだって無謀ではない。
ここだけ。最後にこの1ターンだけは乗り切りたい村井。
《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を召喚するのみに留め、デッキトップの《禁断竜王 Vol-Val-8》へと望みを託す。
正真正銘、渾身の1ターン。《トレジャー・マップ》から《ピザスターのアンティハムト》を加えると、そのままプレイするソーマシュ。《料理犬のヴィヤンドゥ》を踏み倒し、《お目覚めメイ様》を追加召喚することで、戦場に並んだドリームメイトは6体。
最後の《ピザスターのアンティハムト》まで繋がるのか?その先の《お目覚めメイ様》はあるのか?
緊張の一瞬。
ハイパーモードと2種のパンプで12000となった《料理犬のヴィヤンドゥ》が《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を踏み潰し、めくった先は……
《キャディ・ビートル》。

呼応して現れた《禁断竜王 Vol-Val-8》がそのままプレイヤーへ攻撃を仕掛ける!

Winner:村井
デュエル・マスターズにおいて、最もスピーディで最もパワフルなどフォーマットにおいても、時には『忍耐』こそが勝負を決めることもあると物語るような一戦だった。
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