DMGP2025-1st Day2(オリジナル)Round 8:リグゼ vs. @sigam
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:坂井 郁弥
予選ラウンド9回戦もいよいよあと2回戦を残すのみ。決勝トーナメントに進出する128名に入るには、8勝1敗が安全なライン。一応負けたラウンドが後半であれば2敗でもワンチャンスは生まれるものの、基本的に2敗はできないと思っておいた方がいいというところ。つまりここまで6勝1敗と順調に見える成績も、実のところは残り2連勝要求。そんな崖っぷちのラインで戦うプレイヤー同士の戦いをお届けしよう。
フィーチャーマッチエリアに現れたのは、ゲーム系配信者として知られるリグゼ。普段スマートフォンアプリの「デュエル・マスターズ プレイス」の配信も行っており、ルール面での心配は不要だろうが、紙のデュエル・マスターズにおける大型大会への参加は初めてとのこと。だが初めてのフィーチャーマッチにも臆することなく、むしろ場慣れした雰囲気すら感じさせる。
そんなリグゼだったが、シャッフルの際に対戦相手の@sigamからの「「ちょっとシャッフルしにくいかもしれないです」という申し出を受け、念のために相手のデッキはジャッジに代わりにシャッフルしてもらうことに。
リグゼ「デュエプレなら勝手にやってくれるんですけどね……もしこぼしちゃって警告とか付いちゃったりすると、立場上ちょっと問題じゃないですかーw」
わざわざ言わなくても良さそうなことでも、裏表なく明け透けに語るから嫌味がない。インターネットで耳目を惹いて活動していれば影の世界からの妬みややっかみもあるだろうが、それでいて多くの人気を集めているのは、そんなリグゼの人柄あってこそかもしれない。

互いに絶対に負けられない、そんな一戦が始まった。
Game
ジャンケンで先攻はリグゼ。もちろんデュエル・マスターズは放っておいても勝手にマナが増えるわけでもないため、《アリスの突撃インタビュー》《龍后凰翔クイーン・ルピア》《凰翔竜機マーチ・ルピア》《アシステスト・インコッピ》《ハッター・ルピア》という手札内容から《アリスの突撃インタビュー》をマナゾーンにチャージしてターンを終える。すると対する@sigamは《凰翔竜機マーチ・ルピア》をチャージし、「ファイアー・バード」同型対決であることが明らかとなる。
となれば《ハッター・ルピア》を抱えている現状、「ハイパー化」のための2コスト初動がどうしても引きたいリグゼ。2ターン目のドロー前に両手を擦り合わせ、幸運を祈ると……引き込んだのは2コスト帯以上のベストドロー、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》!本人の脳内では切り札をドローした演出が入ったかもしれないが表情には出さず、《凰翔竜機マーチ・ルピア》をチャージしてターンを返す。そして@sigamが《アシステスト・インコッピ》チャージながらも動きがないのに対し、単色縛りの3ターン目のドローでもしっかりと《ヤット・パウル》を引き込むと、そのままチャージして《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を唱える!
リグゼ「コスト3以下のクリーチャーを出すモードを2回使います」
丁寧な宣言で《ハッター・ルピア》と《アシステスト・インコッピ》を送り出すと、「ハイパー化」して攻撃時「メクレイド」……だが3枚の中からチョイスされたのは《ルピア&ガ:ナテハ》とちょっと大人しめ。これを見て@sigamも少し安心した様子ながらも「ブレイク通ります」とトリガーなしを宣言、《ルピア&ガ:ナテハ》の能力だけ解決されてターンが移る。

一方先攻4ターン目のリグゼはまたしても無事単色の《ポッピ・冠・ラッキー》を引き込むと、即チャージから《雷炎翔鎧バルピアレスク》を送り出し、《ルピア&ガ:ナテハ》をタップして《ハッター・ルピア》を「ハイパー化」。そしてそのまま@sigamのシールドへと疾走する《ハッター・ルピア》の能力で「メクレイド」しにいく。
リグゼ「手札何枚ですか?」
@sigam「5枚です」

だがそれでも@sigamもさる者、《ハッター・ルピア》のブレイクでトリガーしたのは《アリスの突撃インタビュー》!《アリス・ルピア》を切って《ハッター・ルピア》と《雷炎翔鎧バルピアレスク》を対象にとる。しかしここでリグゼは《アシステスト・インコッピ》の「ウルトラ・セイバー」で《雷炎翔鎧バルピアレスク》をしっかりと守護し、攻勢を止めるには至らない。

そうなればやることは決まっている。《雷炎翔鎧バルピアレスク》の攻撃時に《龍后凰翔クイーン・ルピア》を出しつつシールドブレイク。これが無事通ったのを見届けると、攻撃の終わりに5体破壊のところ、《龍后凰翔クイーン・ルピア》2体は破壊予定の《雷炎翔鎧バルピアレスク》と《ルピア&ガ:ナテハ》でそれぞれ破壊置換、《ポッピ・冠・ラッキー》は「エスケープ」。結果実質2体破壊のみで追加ターン獲得と、まるで次元が歪曲したとしか思えない、しかしもちろんルール通りの挙動で圧倒する。
そしてなおも《龍后凰翔クイーン・ルピア》で攻撃すると、またしても破壊を《ポッピ・冠・ラッキー》に「エスケープ」させながら「メクレイド」。さらなる追加打点として《凰翔竜機マーチ・ルピア》を降臨させつつ、残り2枚しかない@sigamのシールドに対してW・ブレイクしにいく。トリガーなしの宣言は、まるでリグゼのためのファンファーレ。
もちろんリグゼがそこからリーサルを逃すことはなく、そのまま《龍后凰翔クイーン・ルピア》によるダイレクトアタックを決めたのだった。
Winner: リグゼ
リグゼがデュエチューブ生放送の勝利者インタビューという天象の楽土に連れていかれたところで、残念ながら敗北してしまった@sigamにも話を聞いてみた。
@sigam「たぶんミスってますね……《ハンプティ・ルピア》の抜き方、もっと相手の条件が厳しくなるような抜き方があったんじゃないかと」
ーー「普段から『ファイアー・バード』を使われているんでしょうか?」
@sigam「いえ、使い始めて2ヶ月くらいです。普段はグラスパーを使ってるんですが、せっかくグランプリに出るってことで練習して使いました」
ーー「ちなみにデュエマ歴はどれくらいでしょうか?」
@sigam「「小5から始めて、現在高1で6年くらいですね」
リグゼの先攻ぶん回りによるどうしようもないゲーム展開だったとはいえ、そんなゲームからでもあるいは小鳥たちをもう少しだけちゃんと飛ばすことができたのかもしれない……と反省点を見出す@sigamの姿勢は、たとえ今回勝てなくても末恐ろしいプレイヤーへと成長することを予感させた。
不運という災禍を超え、いつかまたフィーチャーマッチで出会えることを、運命の神々に願っておくとしよう。
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