全国大会2019:メタゲームブレイクダウン~アドバンス~
ライター:清水 勇貴
いよいよ開幕した日本一決定戦2019。前半戦のフォーマットとなるアドバンス環境のメタゲームブレイクダウンをお届けしていく。日本全国の強豪たちはどのようなデッキを選択したのだろうか? まずはメタゲームの基礎となる各デッキの使用者数から確認しよう。
■【モモキングダム退化】・・・23名
■【火単ブランド】・・・12名
■【4cドラグナー】・・・5名
■【ガイアッシュ覇道】・・・2名
■【4cギャラクシールド】・・・1名
■【60枚グラスパーキリコ】・・・1名
■【火単旅路G3】・・・1名
計45名
蓋を開ければ【モモキングダム退化】、【火単ブランド】、【モモキングダム退化】、【火単ブランド】……。
強烈なパンチャーを高速で押し付けることに長けたデッキがメタゲームの大部分を占めることとなった。
現代デュエマのビートダウンデッキは、火力が高ければ攻め手も豊富。きっちり回れば、どれだけ防御力に優れたデッキでも手が付けられない。
対応する側に回ることを嫌い、対応させる側を選択した選手が多かったということだろう。
環境で名前を聞く機会も多いデッキたちが立ち並ぶ中、それぞれのデッキについて
【モモキングダム退化】
◆ドラ焼き デュエル・マスターズ 全国大会2019 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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18/23。
この数字は、【モモキングダム退化】の定番パーツである《アルカディアス・モモキング》をデッキに採り入れなかったプレイヤーの割合だ。
雑多なデッキに対して強烈なフィニッシャーとなりうる《アルカディアス・モモキング》だが、日本一決定戦は「強いプレイヤー」のみが集う最高峰の舞台。
【モモキングダム退化】ミラーや【火単ブランド】とのマッチアップでは効果が薄く、【4cドラグナー】も《ドラゴンズ・サイン》で容易に乗り越え、展開を作られてしまう。
23人の選手のうち実に18人が《アルカディアス・モモキング》を採用しなかったのは、「お前たちだって《アルカディアス・モモキング》で詰むような弱いデッキは持ってこないだろう?」という、ライバルへの信頼の表れなのかもしれない。
【火単ブランド】
アーチー デュエル・マスターズ 全国大会2019 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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通常の大会ではメタクリーチャーを一切採用しない構築も珍しくない【火単ブランド】。
だが、今回の日本一決定戦2019では、出場者のほとんどが《こたつむり》、あるいは《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》のためにデッキの3〜4枠を割く結果となった。
最大の仮想敵は、言わずもがな【モモキングダム退化】だろう。
《こたつむり》は単純に殴り手として強く、【火単ブランド】ミラーも見られる手堅い選択肢。ただし、2ターン目に《禁断英雄 モモキングダムX》を設置された場合はメタとしての意味をなさないのが弱点だ。
《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》はほぼ【モモキングダム退化】ピンポイントながら、《バッドドッグ・マニアクス》がなければ動けなくなる強烈なメタカードとなる。
テンプレートに甘んじず、環境を鋭敏に読み切った結果だと言えるだろう。
【4cドラグナー】
ZweiLance デュエル・マスターズ 全国大会2019 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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デュエチューブでもお馴染みのZweiLance選手と、盟友おんそく選手が持ち込んだのは、独特のカード選択を組み込んだ【4cドラグナー】……いや、【5cドラグナー】だ。
《悪魔龍 ダークマスターズ》、《熱核連結 ガイアトム・シックス》を追加採用することでドラゴンを増やしながら闇文明の枚数を9枚確保。
闇文明が増えたことでマナを伸ばして手札から《最終龍覇 グレンモルト》をプレイしやすく、追加の受け札として《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》をスーパー・S・バックできるようになっている。
また、《悪魔龍 ダークマスターズ》と相性のいいカードとして、≪ナウ・オア・ネバー≫も追加採用されており、ビートダウンデッキに対してトリガー率をあげるとともに、早期のハンデスによるゲームコントロールも可能。
「対策されきった定番のデッキ」に大胆なアップグレードを施し、【モモキングダム退化】と【火単速攻】が跋扈する環境でZweiLance、おんそく両選手はそれぞれ4-0、3-1の好成績を記録している。
その他のデッキ
多くのプレイヤーが強力さの周知されたデッキを選択する中、ビートダウン環境を読み切ったデッキチョイスを見せたのがぴゅう選手だ。
ぴゅう デュエル・マスターズ 全国大会2019 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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とにもかくにも防御性能が非常に高く、【モモキングダム退化】や【火単ブランド】の超高火力デッキさえも真正面から受け切れるよう構築されているのが最大の特徴。
ミッドレンジ寄りのデッキに対しても《流星のガイアッシュ・カイザー》×《終末の監視者 ジ・ウォッチ》という最強の蓋を手に立ち向かい、ぴゅう選手はアドバンスラウンド全勝を記録している。
総括
アドバンスラウンドの全勝者は3名おり、それぞれの使用デッキは、【モモキングダム退化】、【5cドラグナー】、【4cギャラクシールド】。ビートダウンデッキの海となることを見事に読み切り、防御性能を高めたデッキを使用したプレイヤーが結果として2席を占めることとなった。
だが、多くの強豪プレイヤーが「【モモキングダム退化】が最強デッキである」と結論し、持ち込んだ事実はしかと胸に刻むべきだろう。
現在のアドバンス環境を支配するのは、紛れもなく王来篇の主人公、モモキングなのだ。
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