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熊本超CS 決勝戦:りょーつ vs. セキボン

デュエルをする事と物語をつむぐ事は同じだ。

初めての試みとなった熊本超CS。

この大会には大きく分けて、2つの物語があった。

まずは、デッキの物語。

新セット「マジでB・A・Dなラビリンス」発売直後であり「ステキ!カンペキ!ジョーデッキBOX」発売日のイベントという事でいかに新カードが活躍するのか、そして新殿堂後にはどのようなデッキが活躍するのか。

多くのプレイヤーが注目し、また、今回の結果を元にさらに研究が進むだろうとは思われるが、ドギバス系やドルマゲドン系の復権といったメタゲームの中速化や、期待通りの 《“罰怒“ブランド》 とビートジョッキーの躍進、そして《グレート・グラスパー》《古代楽園モアイランド》 といったグランセクトの新カードの活躍といった様々なトピックがあった。

特に、新殿堂で最も大きな影響を受けるデッキである自然系ループがいなくなった後は環境が中速化すると予測したプレイヤーが多く、実際、上位には中速無双の火闇ドルマゲドンXが多く存在していた。

だが、そんな中、自然系ループがいなくなった後のメタゲーム、ではなく、自然系ループの存続を考え、新殿堂後の最新型のデッキリストを完成させたプレイヤーも少なくなかった。

その中のひとりが、この決勝の席に座るセキボンだ。

Game 1
じゃんけんで先攻のセキボンは 《逆転のオーロラ》 チャージからの 《トレジャー・マップ》 によって 《龍覇 マリニャン》 を手に入れると、続いて 《桜風妖精ステップル》 を召喚してマナ加速、さらにこの 《桜風妖精ステップル》《掘師の銀》 でマナゾーンに送りデメリットを帳消しにするという素晴らしい立ち上がり。

対するりょーつは 《テック団の波壊Go!》 を2枚連続でチャージし序盤の2ターンを終えるが、3ターン目には 《リロード・チャージャー》 でマナを増やしつつ 《異端流し オニカマス》 を捨てて、手札を充実させる。

マナが十分にたまったセキボンが続いてバトルゾーンに送り出すのは 《龍覇 マリニャン》 。これで 《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》 をバトルゾーンに設置するとターンエンド。

りょーつは 《ドンドン吸い込むナウ》《龍覇 マリニャン》 を手札に戻す。

ここでセキボンは長考。結果、 《龍覇 マリニャン》 を出しなおすと 《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》 の2枚目を出すと、 《蛇手の親分ゴエモンキー!》 を召喚、マナゾーンから2体の 《桜風妖精ステップル》 を呼び出してターンを終える。

りょーつは先ほど捨てた 《異端流し オニカマス》《超次元リバイヴ・ホール》 で回収しつつ 《勝利のガイアール・カイザー》 を超次元ゾーンから呼び出すと、 《蛇手の親分ゴエモンキー!》 へと攻撃しつつ 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 へと革命チェンジするのだが……ここで「ミスった」と一言。

そう、セキボンはこの時点で手札がゼロなので、相手の手札に依存する 《勝利のアパッチ・ウララー》 の能力が発動しないのだ。

結果、ファイナル革命で 《勝利のアパッチ・ウララー》 こそバトルゾーンに出したものの、追加のサイキック・クリーチャーはなしでターンを終える。

セキボンはターン開始時に2枚の 《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》《》 へと龍解させる。

これでセキボンは4マナ軽減でクリーチャーをプレイできることとなる。

4マナ軽減でプレイすることができる……といっても先ほど書いたようにセキボンの手札は先ほどまでゼロだったので、ここでトップデックしたカードしか使用することができない。

……だが、これがなんと 《雪精 ジャーベル》 だったので追加のカードを手に入れることが可能に。
山札のトップを見て少考したのちに 《バロン・ゴーヤマ》 を手札に入れるとさらに1マナでこれを召喚する。

《バロン・ゴーヤマ》《大勇者「鎖風車」》 をマナゾーンに置くとまたもセキボンは長考する。そして、結果としてビートダウンへとプランを転換。

まずは2体の 《桜風妖精ステップル》 でシールドをブレイク、そして 《掘師の銀》 で3枚目のシールドをブレイクする。このブレイクは 《勇愛の天秤》をトリガーするのだが、セキボンのバトルゾーンにあるクリーチャーはこれで除去できるものが残っていないので、 《異端流し オニカマス》 を捨てて2枚ドローを選択する。

続いてセキボンは 《龍覇 マリニャン》 で4枚目のシールドをブレイクするのだが、今度は 《テック団の波壊Go!》 がトリガーし 《》 が破壊されてしまう。

これで打点が足りなくなったセキボンは、これ以上リソースを与えることを嫌って最後のシールドを残してターンを終える。

りょーつは 《Mの悪魔龍 リンネビーナス》 を召喚。マナ武装4が達成されているので、先ほど 《勇愛の天秤》 で捨てさせられた 《異端流し オニカマス》 がバトルゾーンに戻ってくる。
りょーつは 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 で3枚のブレイク後に 《Mの悪魔龍 リンネビーナス》 が2枚のシールドをブレイクする。

バトルゾーンに残っているのは、セキボンには触れるの事のできない 《異端流し オニカマス》

りょーつ 1-0 セキボン

熊本超CSのもう一つの物語。

それは、ここ熊本、そして熊本エリアを含む九州エリアでのデュエマの盛り上がりという物語だ。

677名の参加者の約70%が九州エリアの参加者であるという事実。

これは、これまで首都圏で開催されていたDMGPでは見られなかった形の盛り上がりであり、また、会場の年齢層の低さなども含めて、店舗予選で権利を獲得しなければならないエリア予選では見られなかった形での盛り上がりだ。

決勝戦開始前にテーブルジャッジからひとつの質問が投げかけられた。

「まもなく決勝戦が始まりますが、お二人とも飛行機の時間などの都合は大丈夫でしょうか?」

これに対してセキボンが「帰りは明日なので大丈夫です」と返すと、りょーつは力強く答える。

りょーつ「地元なので!」

使用するデッキは火闇水のいわゆるカウンターバスターだ。

Game 2


先手をとったセキボンが2ターン目に 《トレジャー・マップ》《天真妖精オチャッピィ》 を手札に入れるところからゲームがスタート。

この 《天真妖精オチャッピィ》 が次のターンに召喚され 《トレジャー・マップ》 を墓地からマナゾーンに置いたのが最初のマナ加速、というあたりがセキボンの厳しさを物語っている。

対して、りょーつは3ターン目の 《リロード・チャージャー》《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》 をディスカード。そして、セキボンが 《龍覇 マリニャン》 から 《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》 を出した返しに、 《超次元リバイヴ・ホール》《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》 を回収しつつ、 《勝利のガイアール・カイザー》《天真妖精オチャッピィ》 へとアタックさせる。

セキボンは 《掘師の銀》《龍覇 マリニャン》 をマナに送りつつ 《勝利のガイアール・カイザー》 を処理する。

ターンの帰ってきたりょーつは 《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》 を召喚すると、 《勝利のアパッチ・ウララー》 を回収、アタックはせずにターンを終える。

セキボンは有効な動きができず、 《曲芸メイド・リン・ララバイ》 を召喚するのみでターンを返す。しかし、ここでマナを増やしてしまったため、返すターンにりょーつは 《テック団の波壊Go!》 を手打ちすることが可能になり、《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》 ごとすべて手札に戻されてしまう。

いったん盤面をリセットされてしまったセキボンは、 《掘師の銀》 を召喚してまずは 《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》 をマナに送ると、続いて《龍覇 マリニャン》《神秘の集う遺跡 エウル=ブッカ》 を再展開する。

りょーつは先ほど回収した 《勝利のアパッチ・ウララー》 を召喚すると、セキボンの2枚の手札のうち1枚を公開、 《革命の巨石》 だったので 《勝利のガイアール・カイザー》 をバトルゾーンに呼び出す。

そして、この 《勝利のガイアール・カイザー》《龍覇 マリニャン》 へとアタックしつつ 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 へと革命チェンジ。そしてファイナル革命で2枚目の 《勝利のアパッチ・ウララー》 をバトルゾーンに出す。

今度はめくれるのは 《光牙忍ハヤブサマル》 がめくれ、光を持つサイキック・クリーチャーである 《アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>》を盤面に追加する。

この時点で、セキボンの手札が 《革命の巨石》《光牙忍ハヤブサマル》という防御的な2枚であることが判明しているため、りょーつは攻撃をやめ、ターンを終える。

裏をかえせば、セキボンは防御的な手札しかないので、動けないという事である。

だが、セキボンのトップデックはこのデッキでは圧倒的な多様性を持つクリーチャーである 《バロン・ゴーヤマ》
長考に長考を重ねた末、山札にマナゾーンに 《アラゴト・ムスビ》 を置いたうえで、マナゾーンからバトルゾーンに 《フィーバー・ナッツ》 を出す。さらにマナ爆誕で 《アラゴト・ムスビ》 をマナゾーンから召喚すると 《バロン・ゴーヤマ》 を再召喚し、再びバトルゾーンに召喚する。

ここでマナゾーンに置くのは 《S級原始 サンマッド》 。そしてバトルゾーンに 《カブラ・カターブラ》 を出すと、 《ダンディ・ナスオ》 回収し、残るマナを使って召喚する。

この 《ダンディ・ナスオ》《蛇手の親分ゴエモンキー!》 をマナゾーンに置くと、行動の選択肢がなくなりターンを終える。

どちらにとっても運命のターン。

りょーつは、 《Mの悪魔龍 リンネビーナス》 を召喚すると、マナ武装でスピードアタッカーを得て、アタックからの革命チェンジで 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 に。

ファイナル革命で 《音精 ラフルル》 が手札からバトルゾーンに出る。

さらに 《》 が禁断開放する。

最初の 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 こそ 《光牙忍ハヤブサマル》 で防いだものの、 《革命の巨石》 を封じられたセキボンはこの重量級軍団を食い止めることはできなかった。

りょーつ 2-0 セキボン

試合が終了するとセキボンがGame 1を振り返って語る。

セキボン「(新殿堂で1枚になっている) 《アラゴト・ムスビ》 がシールドにある可能性を考えて 《S級原始 サンマッド》 で殴るプランを考えなきゃいけなかったー」

新殿堂によってリペアされたとは言え、その構造はいびつになり、圧倒的なプレイスキルが必要なデッキとなった自然ループ。それを長時間の戦いを通して使い続け決勝まで来たセキボンの技術は称賛に価するだろう。

そして、地元開催の意地を見せ、初の超CS優勝の栄誉を地元にもたらしたりょーつ。

だが、彼も地元の物語以外にデッキの物語も詰まっている。

カウンターバスターでは当たり前だと思われていた 《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》 が新環境では適切ではないと看過し、中速環境で強い他の5マナ域のカードを採用していた。

様々な物語が混ざり合って、ひとつの物語になる。

そして、地元開催という超CSという物語は間違いなく大成功となった。

次回の超CSの開催会場となるのはあなたの地元かもしれない。

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