デュエル・マスターズ

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超CSⅣ宮城 決勝Round 4:ひんた vs. らなき

ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:堀川 優一

旅の終盤、頂が見えてきた最後の難所。

 600名超いた参加者も、気づけば16名にまで絞られた。実績という意味でも、あるいは賞品であるCSプロモ版《SSS級天災 デッドダムド》の有無という意味でも一つの到達点となるトップ8までは、あとたったの1勝。

 しかしその1勝が、多くのプレイヤーにとってはどこまでも遠いのだ。

 その1勝をかけて戦うのは、関東の競技シーンでは知らぬ者はいないであろう強豪であるひんた。2022年8月13日現在DMPランキング1位をひた走っている上に、スマートフォンゲーム「デュエル・マスターズ プレイス」でも月間1位を複数回獲得した実績があるなど、デュエマというゲームそのものへの総合的な理解度が高いプレイヤーだ。

 それに対するは地元勢のらなき。東北における久しぶりの大型イベント開催に際して優勝実績の東北外流出という事態だけは防ぐためにも、ここは奮起のしどころだろう。
 勝てば天国、負ければ地獄。記憶と記録に残るかどうかの瀬戸際で、2つの意思が激突した。

Game

 予選通過順位が上位のひんたが先攻。《悪魔妖精ベラドンナ》チャージで「水闇自然ハンデス」であることをほぼ宣言したに等しいひんたに対し、らなきがチャージしたのは《秩序の意志》でデッキ内容を悟らせない。

 ただこれを見て少なくとも《飛ベル津バサ「曲通風」》が絡んだゲームにはならないと判断したひんたはチャージだけしてターンエンド。一方、らなきのマナチャージは今度は《神の試練》《秩序の意志》でデッキ内に相当枚数の闇のカードが入っているにもかかわらず《神の試練》を採用……環境のデッキを注意深く追っている人ならば、この時点でらなきのデッキが判別できたかもしれない。
 ともあれ、先攻3ターン目を迎えたひんたは《コオニ弁天》チャージから《天災 デドダム》《Disジルコン》マナ、《特攻人形ジェニー》墓地でリソースを伸ばす。

 そして後攻3ターン目、ついにらなきが動き出す。まずは《秩序の意志》チャージから《傀儡 ジェニ-1》を召喚し、ひんたの手札から《CRYMAX ジャオウガ》を落とすと、さらに「G・ゼロ」《人形の裏技ペット・パペット》《若き大長老 アプル》をも落とす!  「水闇ハンデス」。王来MAX最終弾での《自然の四君子 ガイアハザード》の登場で「ガイアハザード退化」が話題になった陰で、同じタイミングで《ナーガの海黒環》の登場したことによって成立していた比較的新しいアーキタイプだ。

ひんた「手札が3?」

らなき「3枚です」

 だが、実はこのマッチアップはひんたの側に圧倒的に分があった

 その理由はすぐに明らかになる。返すひんたがチャージなしで4マナから《有象夢造》を唱え、《悪魔妖精ベラドンナ》《若き大長老 アプル》を蘇生してらなきの手札から《絶望と反魂と滅殺の決断》を奪い去ると、返すらなきは《悪臭怪人ゴキーン》チャージから《ナーガの海黒環》を出すのだが……《若き大長老 アプル》の効果で墓地からカードが戻せないため、効果が発動しない!(・・・・・・・・・)
 他方、返すひんたはなおも《若き大長老 アプル》チャージからの《天災 デドダム》《生命と大地と轟破の決断》をマナに置きつつ、らなきの残った手札1枚を《悪魔妖精ベラドンナ》で刈り取る。落ちたのは《ナーガの海黒環》

 そしてもはや《絶望と反魂と滅殺の決断》を素引きしない限りほとんどできることがないらなきがカードを引いたのみでターンを返したのに対し、ひんたはさらに《有象夢造》《若き大長老 アプル》2体目+《悪魔妖精ベラドンナ》を蘇生してらなきの手札を絞りながら自分だけリソースを拡充していく。  それでもらなきも、ひんたが《魂晶 リゲル-2》によって墓地の《CRYMAX ジャオウガ》を回収したタイミングで《傀儡 ジェニ-1》を突き刺し、2分の1の勝負に打ち勝って見事《CRYMAX ジャオウガ》を落とすことには成功するのだが、状況的にはほとんど焼け石に水だ。

 しかもなお悪いことに、ひんたが続けて引き込んだ《有象夢造》《アクア・ベララー》を蘇生させると、ただでさえ有効札が少ないらなきの山札上が検閲されはじめてしまう。

 そしてそこから程なくして十分な打点を揃えたひんたが《SSS級天災 デッドダムド》の「S級侵略」を絡めてらなきのシールドを2点、2点、1点と一息にブレイクしはじめると、そのまま間を置かず放たれたダイレクトアタックに抵抗する術は、もはやらなきには残されていないのだった。

ひんた「っしゃ!」

Winner: ひんた


--「この『水闇ハンデス』というデッキは今日までにかなり使い込まれたのでしょうか?また、どういった理由で選択に至りましたか?」

らなき「ひと月前ほどから使っていて、環境の通りが良いと思って選択しました。『JO退化』や『アポロヌス・ドラゲリオン』、『マッド・デッド・ウッド』に『墓地退化』など、環境内に多く存在する手札の中にコンボを要求したり墓地を利用したりするデッキに対して、手札破壊と《ブレイン・コンチェルト》の墓地リセットで強く出れるのが特徴です」

らなき《悪臭怪人ゴキーン》で相手の山札上も固定できるので、ハンデスにありがちなトップ解決っていう弱点も少なく、またハンデスというコンセプトに加えて《人形の裏技ペット・パペット》もあって先手後手の差も苦にならない、いやむしろ後手の方が嬉しい場合も多いです。後手の分だけ手札も多い上に、実はカード単体だとそれぞれは弱いカードばっかりなので、相手のデッキを判別しないとマナ置きにすごく苦労するんですよね。その意味でも相手のデッキがわかる後手の方がゲームしやすいです。もちろん先手の方が強い部分もあり、総じて先手後手差によるストレスが少ないデッキだと思います」

--「デッキ構築やカード採用でこだわった部分はありますか?」

らなき「カード採用というよりは細部の枚数調整が一番こだわった部分ですね。どうしても《ナーガの海黒環》に頼りきりになってしまうデッキなので、ドローとハンデスの枚数配分はかなり試行錯誤しました」

--「『水闇自然ハンデス』との相性は、やはり厳しいのでしょうか?」

らなき「そうですね。《若き大長老 アプル》だけは本当にダメです。手札から《絶望と反魂と滅殺の決断》を唱えるしかないので……ただここまで良い対面ばかり引かせてもらったんで、『とうとう来たかー』といった感じでまあ仕方ないですね」

 惜しくもトップ8進出はならなかったが、「水闇ハンデス」を使ってトップ16まで勝ち上がったプレイヤーがいるという事実は、たとえデッキリストという記録には残らなかったとしても、日本各地で同じアーキタイプを使用するプレイヤーたちに対して勇気を与え、そして同時に彼らの記憶にも残るはずだ。

 次回以降の大会での、らなきのさらなる奮戦に期待したい。

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