超CSⅥ群馬 Round 8:ドラポ vs. きや
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:瀬尾 亜沙子
予選ラウンドもついに最終戦。6勝1敗ラインでの対決でフィーチャーマッチに呼ばれたのは、ともに実績ある強豪同士だった。
ドラポは昨年7月に開催された超CSⅤ新潟でトップ8に残った経験を持つだけでなく、DMGP2022オリジナルでトップ64入賞、2週間前の超CSⅥ福岡でもトップ128入賞と、大型大会でのアベレージの高さは目を見張るものがある。
対するきやも、既に2023年度DMPランキング下期13位で日本一決定戦の権利を獲得しているほどの強豪。同じ千葉勢として交流がある、言わずと知れた下期ランキング1位のオチャッピィの薫陶を受けているようだ。

Game
じゃんけんで先攻となったドラポのマナチャージは……何と《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》!
一方、対するきやは後攻2ターン目、考える。《ブルーム=プルーフ》か、《サーイ=サイクル》か。そして悩んだ末に《ブルーム=プルーフ》チャージから《サーイ=サイクル》を召喚してターンを返す。3ターンキルは割り切りの構えだ。

するときやは《忍蛇の聖沌 c0br4》をチャージから、《邪侵入》で早くも後攻3ターン目に《アビスベル=ジャシン帝》を着地させる!《サーイ=サイクル》の効果で《アビスベル=ジャシン帝》が墓地に落ちていたからこそ選択できた強気なプランだ。

対し、ここでドラポの手札を見ると《瞬閃と疾駆と双撃の決断》も《ブレードグレンオー・マックス》もあるが《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》が引けていない。それでも《瞬閃と疾駆と双撃の決断》チャージから《蒼狼の大王 イザナギテラス》を召喚し、5枚の中に見つかれば「退化」が成功するというところ。
そして、その5枚の中に《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》は……ない!
ドラポ「墓地を確認しても大丈夫ですか?」
きや「どうぞ」
きやの墓地には《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》《漆黒の深淵 ジャシン帝》《ブルーム=プルーフ》《サーイ=サイクル》とよりどりみどりのアビスが揃っており、このままターンを返すとどこをどうやっても致死打点が出てしまう。

そしてついにきやの後攻4ターン目。《漆黒の深淵 ジャシン帝》をチャージすると、《アビスベル=ジャシン帝》が次々と墓地のアビスたちを「アビスラッシュ」によって呼び出していく。
《漆黒の深淵 ジャシン帝》で《蒼狼の大王 イザナギテラス》を破壊。さらに《漆黒の深淵 ジャシン帝》。《ブルーム=プルーフ》。《サーイ=サイクル》。止まるところを知らないアビスのラッシュが、ブロッカーを排除しながらの8打点を形成する。
さらに《漆黒の深淵 ジャシン帝》での攻撃時に《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》を蘇生し、ドラポの手札の《ブレードグレンオー・マックス》を叩き落としながらW・ブレイク。

けれども「G・ストライク」1枚では、襲いくるアビスの軍勢を押しとどめることなどできはしないのだった。
ドラポ「くー!お前らー!!事故りすぎだよバカ……!」
Winner: きや
--「【光水火マナ退化】を選択されたのはどういった理由からでしょうか?」
ドラポ「環境が【フィオナアカシック】とか【水闇コンプレックス】とかで後ろに寄ってる印象を受けたのがきっかけです。【マナ退化】は決まるのが早いターンもあるけど、余裕を持ってパーツを集められた方が、コンボの成功率も上がりますし、対面ごとに的確に封殺できるクリーチャーを選んで立ててガンガン安心して殴っていけるようになるので」
--「きやさんの方は、【闇単アビスロイヤル】を選択されたのはどういった理由からでしょうか?」
きや「【水火マジック】に対面相性に勝つことができるのと、オチャッピィさんに教わって持ち込めるレベルだと判断したからです」
--「やはり【闇単アビスロイヤル】というデッキは、プレイヤーによって結構差が出るんでしょうか?」
きや「結構差が出ると思います。うーん、どう言えばいいか……『溜めるターンと行かなきゃいけないターンの区別』。あとは『《邪侵入》をすぐに打たずに、出したいものを出せることが確定してから打つ』など、運ゲーにせずに確実なプレイをとる、堅実にプレイするといった部分ですね」
この後結局、きやは53位、ドラポは74位でそれぞれトップ128に進出した。
一つだけ言えることがある。強者であればあるほど、言語化が上手いのだ。
©ANYCOLOR, Inc.
TM and © 2025, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY