デュエル・マスターズ

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超CSⅦ広島:ローグデッキピックアップ

ライター:齋藤 陽(あーくん)

 この環境で順張りのデッキといえば【ファイアー・バード】だ。疑う余地はあまりないだろう。では逆張りのデッキはと聞かれると、【ヘブンズ・ゲート】【グラスパーループ】など、様々な答えが返ってくる。

 これは、自分が使ってきた経験や、対戦した記憶など、共通した認識からできる会話だろう。

 だがしかし、デュエル・マスターズはもっと自由だ。

 順張りや逆張り、そんな言葉では片付かない煌めきを放つ特異点だって存在する。

 この記事ではTOP128まで入賞したプレイヤーの中で使用者がそれぞれ1人しかいなかった、燦然と輝く8種のローグデッキについて紹介しよう。

しゃる:(:【ジョーカーズ】


 しゃる:(
 超CSⅦ広島
 オリジナル構築
 20 クリーチャー
4 《ヤッタレマン》
4 《ポクチンちん》
3 《ヘルトッQ》
1 《飛翔龍 5000VT》
4 《パーリ騎士》
4 《王道の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》
 4 ツインパクト
4 《ネフェルカーネン / タイム・ストップン》
 16 呪文その他
4 《ジョジョジョ・ジョーカーズ》
4 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》
4 《勝熱と弾丸と自由の決断》
2 《破界秘伝ナッシング・ゼロ》
2 《ガンバトラーG7》

「五文明五種族でデュエルせよ!」それがアビスレボリューション最初のキャッチコピーだった。

 しかし、新たに語られた英雄譚は第六の文明を呼び起こす。

 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》を引っ提げて、【ジョーカーズ】が帰ってきたのだ。

 今大会で予選通過をしたしゃる:( 《ジョット・ガン・ジョラゴン》を使用せずに《ガンバトラーG7》をフィニッシャーにしたスマートな形を持ち込んだ。

 細かいところでは《飛翔龍 5000VT》のピン投など、そこには確かな調整の跡が見て取れる。

 まだまだ発展途上のアーキタイプであるため、これをきっかけに今後も研究が進むことだろう。

お餅吸収委員会:【闇単アビス】


 お餅吸収委員会
 超CSⅦ広島
 オリジナル構築
 32 クリーチャー
4 《ブルーム=プルーフ》
4 《漆黒の深淵 ジャシン帝》
4 《邪龍 ジャブラッド》
3 《邪魂龍 ジャビビルブラッド》
2 《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》
3 《アビスベル=ジャシン帝》
1 《深淵の文暴具 ケシカス=カース》
1 《単騎連射 マグナム》
1 《百発人形マグナム》
1 《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》
1 《奇天烈 シャッフ》
3 《アーテル・ゴルギーニ》
3 《忍蛇の聖沌 c0br4》
1 《一なる部隊 イワシン》
 4 ツインパクト
1 《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》
3 《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》
 4 呪文その他
4 《邪侵入》

 現在の主役種族であるアビス。その中で唯一本戦に駒を進めたのは元祖《アビスベル=ジャシン帝》を中心とした【闇単アビス】だった。

 今回勝ち残ったのは一時期流行った《邪魂龍 ジャビビルブラッド》を中心に据えたワンショットコンボ特化のものではなく、《サイバー・K・ウォズレック / ウォズレックの審問》《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》で相手のテンポをくじき、《アビスベル=ジャシン帝》でしっかりと打点を組み上げる構築だ。

 派手なコンボではなく、1つ1つのアドバンテージを大切に立ち回るこのリストは、まさに質実剛健という言葉がよく似合う。

綾鷹にごり:【火光バクテラス】


 綾鷹にごり
 超CSⅦ広島
 オリジナル構築
 19 クリーチャー
2 《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》
4 《光鎧龍ホーリーグレイス》
2 《輝く革命 ボルシャック・フレア》
4 《ボルシャック・ヴォルジャアク》
2 《ボルシャック・ガラワルド》
1 《時の法皇 ミラダンテⅫ》
4 《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》
 13 ツインパクト
4 《レーホウ・衛・デカッチ / 「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》
4 《ボルシャック・ドラゴン / 決闘者・チャージャー》
4 《ボルシャック・ヒート・ドラゴン / ヒートブレス・チャージャー》
1 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》
 8 呪文その他
4 《ドラゴンズ・サイン》
4 《爆殺!! 覇悪怒楽苦》

《ハッター・ルピア》を退かしつつ、《ハンプティ・ルピア》を避けながらカウンターできたら最強なのでは??

 その願いを叶えるカードが《爆殺!! 覇悪怒楽苦》だ。

 それだけ聞くと夢物語に思えるかもしれない。もちろん、スーパーシールドトリガーを狙って発動させることは極めて難しい。

 であれば、ロマンを実行するために、しっかりと脇を固めたデッキを作ればいいだけのだ。

 綾鷹にごりが持ち込んだ【火光バクテラス】は手札の減らないチャージャーが8枚に強力なトリガーが12枚。大型の革命チェンジが11枚と必要なカードをできる限り大量に積み再現性を挙げたカウンタービートダウンだ。

 さらに必要なカードに確実にアクセスするために《レーホウ・衛・デカッチ / 「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》の採用も行われている。

 極上の上振れと、安定した力強さ。大会環境ではあまり見られることのないデッキだが、ボルシャックを信じた結果、見事今大会で爪痕を残すに至ったというわけだ。

サンダーボルト:【光自然ヘブンズ・ゲート】


 サンダーボルト
 超CSⅦ広島
 オリジナル構築
 17 クリーチャー
4 《光開の精霊サイフォゲート》
4 《闘門の精霊ウェルキウス》
3 《∞龍 ゲンムエンペラー》
2 《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》
2 《邪光魔縛 ネロマノフ=ルドルフⅠ世》
1 《閃光の精霊カンビアーレ》
1 《冥界を統べる新月のハーデス》
 15 ツインパクト
4 《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》
4 《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》
3 《閃光の神官 ヴェルベット / フェアリー・パワー》
3 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》
1 《超七極 Gio / 巨大設計図》
 8 呪文その他
4 《巨大設計図》
4 《ヘブンズ・ゲート》

 いきなり強い。今年の4月にデュエル・マスターズの王道として選ばれたのは《巨大設計図》を使用した【光自然ヘブンズ・ゲート】だ。

 時は流れ8月。環境で人気なのは【光水ヘブンズ・ゲート】になってしまった。

 メタカードやドローソースの強化。環境に適応させた結果というわけだ。
 しかし、サンダーボルトは信じた。王道たる、最強の守りのデッキはこちらだと。

 周りに流されなかった強靭な意思が、彼に勝利をもたらしたのだ。

ハンター協会会長:【4c邪王門】


 ハンター協会会長
 超CSⅦ広島
 オリジナル構築
 27 クリーチャー
4 《極楽鳥》
1 《単騎連射 マグナム》
4 《天災 デドダム》
1 《奇天烈 シャッフ》
2 《滅界の魔将バフォロメア》
1 《鬼ヶ大王 ジャオウガ》
2 《龍素記号wD サイクルペディア》
4 《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》
1 《王道の革命 ドギラゴン》
1 《黒神龍ブライゼナーガ》
1 《飛翔龍 5000VT》
1 《時の法皇 ミラダンテⅫ》
1 《蒼き団長 ドギラゴン剣》
1 《アーテル・ゴルギーニ》
2 《機怪人形ガチャック2》
 3 ツインパクト
2 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》
1 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》
 10 呪文その他
1 《デビル・ドレーン》
1 《ファイナル・ストップ》
4 《百鬼の邪王門》
3 《秩序の意志》
1 《百威と族絆の決断》

 ハンター協会会長が持ち込んだのは、かつての環境トップ。【4c邪王門】だ。

 最も注目する部分は《鬼ヶ大王 ジャオウガ》の採用枚数減少だろう。

 その分、《機怪人形ガチャック2》《百威と族絆の決断》《秩序の意志》《滅界の魔将バフォロメア》といったカウンター札を採用しているのが興味深い。

 その中でも《秩序の意志》は【ファイアー・バード】と【ドリームメイト】の両方にクリティカルなダメージを与えることができ、守備の起点になったであろう。

 それを乗り越えてても、最後には《百鬼の邪王門》でカウンターが待つ。

 【火水マジック】が環境から消えたことによるカウンターデッキの反撃は、まだ始まったばかり。そう言わんばかりの守備力を持っている。

とーやP:【5c蒼龍】


 とーやP
 超CSⅦ広島
 オリジナル構築
 21 クリーチャー
3 《天災 デドダム》
2 《砕慄接続 グレイトフル・ベン》
2 《聖魔連結王 ドルファディロム》
1 《流星のガイアッシュ・カイザー》
1 《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》
1 《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》
1 《勝利宣言 鬼丸「覇」》
1 《ルシファー》
1 《終末の監視者 ジ・ウォッチ》
1 《禁時混成王 ドキンダンテXXII》
1 《零獄接続王 ロマノグリラ0世》
1 《霊宝 ヒャクメ-4》
1 《怒流牙 サイゾウミスト》
1 《Disコットン&Disケラサス》
1 《龍仙ロマネスク》
1 《Disアイ・チョイス》
1 《電磁魔天イエス・ザナドゥ》
 1 ツインパクト
1 《八頭竜 ACE-Yamata / 神秘の宝剣》
 18 呪文その他
4 《獅子王の遺跡》
2 《フェアリー・ミラクル》
2 《S・S・S》
2 《蒼龍の大地》
1 《魔弾 マッド・ゲンド・チェスター》
1 《テック団の波壊Go!》
1 《ブレイン・スラッシュ》
1 《ヘブンズ・ゲート》
1 《ヴィオラの黒像》
1 《ドンドン火噴くナウ》
1 《襲来、鬼札王国!》
1 《デーモン・スパーク》

 1枚積み、いわゆるピン投のカードが21種類採用されたデッキがあった。それがとーやPの【5c蒼龍】だ。

 その中でも12種類14枚採用されたトリガーが目を惹く。

 【ファイアー・バード】があらゆる手段でケアをしてこようと言うなら、ありとあらゆる裏目を押し付けようというのが目論見だろう。また、フィニッシャーも多種多様に渡り、ドンナ相手にも対応できるようになっている。

あかパラ:オボロティガウォック


 あかパラ
 超CSⅦ広島
 オリジナル構築
 29 クリーチャー
4 《月光電人オボロカゲロウ》
4 《天災 デドダム》
4 《絶海の虎将 ティガウォック》
3 《流星のガイアッシュ・カイザー》
2 《DARK MATERIAL COMPLEX》
2 《王道の革命 ドギラゴン》
2 《飛翔龍 5000VT》
1 《ポクチンちん》
1 《ハンプティ・ルピア》
1 《奇天烈 シャッフ》
1 《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》
1 《時の法皇 ミラダンテⅫ》
1 《聖魔連結王 ドルファディロム》
1 《SSS級天災 デッドダムド》
1 《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》
 2 ツインパクト
1 《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》
1 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》
 9 呪文その他
4 《テック団の波壊Go!》
2 《S・S・S》
1 《オリオティス・ジャッジ》
1 《グランメゾン・ドゥ・メイ様の日常》
1 《大地門ライフ・ゲート》

 ピン投の多さという点ではこちらも負けていない。

 あかパラが持ち込んだ【オボロティガウォック】は、愛好家の多いアーキタイプとして有名である。

 その特徴は大量にドローを行い、対戦相手ごとに必要なカードを使い分けて戦えることに他ならないだろう。

 このリストの特徴としてはフィニッシャーとして《DARK MATERIAL COMPLEX》を採用しているのが挙げられるだろうか。

 2枚目以降はあまり使わないが早期に設置できないと適切なタイミングで起動できないという弱点を、枚数を抑えドローを回す事で補完するというアプローチは、最初からそうだったのではないかというほどの美しさを感じることができる。

 また、《飛翔龍 5000VT》《流星のガイアッシュ・カイザー》といった環境全体へのメタカードもしっかり採用されており、環境理解度を感じさせられる仕上がりになっている。

きゅうくりりん:【闇単XENARCH】


 きゅうくりりん
 超CSⅦ広島
 オリジナル構築
 34 クリーチャー
4 《霊淵 アガルーム=プルーフ》
4 《DARK MATERIAL COMPLEX》
4 《堕魔 ザンバリー》
4 《ベル=ゲルエール》
3 《冥土人形アカイブ・ヤップップ》
1 《アイロン=バイロン》
4 《罪無 ターボ兆》
4 《死神覇王 ブラックXENARCH》
3 《緊縛の影バインド・シャドウ》
3 《ビックリーノ》
 6 呪文その他
4 《無限皇帝の顕現》
2 《秩序の意志》

 超CSⅦのフォーマットはオリジナルである。熱狂的なファンもいるアドバンスと違い、超次元や超GRといった外部ゾーンや、置物と呼ばれるような《零龍》などは使用することができない。

 しかし、メインデッキのカードは制限がかかっていないデッキもある。

 そこに目をつけたのがきゅうくりりんの【闇単XENARCH】だ。

 《零龍》があることにより規格外の動きができることは有名だが、なくたって超高速の《死神覇王 ブラックXENARCH》着地を耐えられるデッキはそう多くはないのだから。

 外部ゾーンのカードが使えないことは、後ろ髪を引かれる、一種の呪いになってしまうことだってあるだろう。しかし「諦めた」って言わなくちゃいけないようなことは一つもない。

 そんな哲学を感じる持ち込みであると言える。


 ここまで見てきたデッキたちはどれも当人たち以外勝ち上がると予想していなかったと思われるデッキだ。自分の考えや信念を貫き、オールインする。その行為が報われた結果だと言える。

 一つの大会が終わった後の世界は全員の認識が一新され、また次のメタゲームが生まれる。

 次にローグデッキで世界を変えるのはこの記事を読んでいるあなたかもしれない。
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