超CSⅧ大阪 準々決勝:特攻の卓 vs. It’s MyGo!!!!!
ライター:谷口 雄飛
撮影:坂井 郁弥
セロに限っては2018年からCSへと赴いていたが、他の2人が競技シーンへと赴き始めたのは今から約3年ほど前の話であり、地元である愛知県で出会った3人はそこから仲良くなっていった。
そんなところに「超CSがチーム戦で開かれる」という情報が舞い込んでくれば、「ちょっと3人で参加してみない?」となるのは必然だった。参加の応募をし、交通費を払いながら会場であるインテックス大阪へと向かった。若い彼らにとって、大阪は少し遠く感じる遠征先だったことだろう。
そしてなんだか今日はチームメンバー全員、調子がいい。チームとしては予選2回戦目で1回負けてしまったが、そのあとは全部勝ち続けている。それも個人成績の観点で見ても全員負け数が少ない。今日はいつもと何か違う。すごいことが起こるかもしれない、と互いに励ましながら決勝トーナメントを勝ち残っていた。
そうして本戦を戦っていたらフィーチャーマッチテーブルに呼ばれた。相手のチームもここまで戦い抜いてきた方々だから、相当強い人達だ。デッキは何を使っているんだろう。だけれど、あと3回勝てば優勝する位置まで来ているから、絶対に勝ちたい。優勝すれば3人で全国大会に行くことができる。
だけれど、そんなIt's MyGo!!!!!に対して神が課した試練はかなり過酷なものだった。次の対戦相手はこの大会で波乱をもたらした特攻の卓なのだから。
A卓 ラボン vs. りん
先攻:りん順位先攻により先攻となったIt's MyGo!!!!!のメンバーだったが、対面の特攻の卓の面々がした初手のマナ置きを見て一度考える。
A卓:《流星のガイアッシュ・カイザー》 B卓:《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》 C卓:《砕慄接続 グレイトフル・ベン》
このマナ置きである。現在のCS環境ではあまりみないカード達を提示させられて驚くプレイヤーも多いと思うし、It's MyGo!!!!!のメンバーも動揺するのではないかと思っていたが、反応はあまり大きくない。
セロ 「ほんとだったか…。」
これは試合後に聞いた話だが、どうやら予選ラウンドの段階で3面4cディスペクターのチームがいることは知っていたらしい。しかしそれでも、まさか自分たちの目の前に対戦相手として立ちはだかるとは思っていなかったのだろう。りんとセロは一度相談する。
It's MyGo!!!!!側からすれば、C卓はマイゴのファンが自然単キャベッジを使っているおかげで有利だ。概ね自然単キャベッジ側であるマイゴのファンは1勝を取ってくれるはずだ。
ところが問題は残る2人。特にジャイアントを使うセロはやりにくい相手である。りんはサイバーを使っているので、やりようによっては相手のシールドを触らずに勝つことができるが、それは可能であるというだけで、達成するのはかなり難しい。どちらともどうしても道中でコスト踏み倒しを行うカードが多く、相手のカウンターを喰らわないように立ち回らないといけないという前提がある。
それ故にどこかで何かしらを割り切らなければならない。コスト踏み倒しをすれば《流星のガイアッシュ・カイザー》が、3体以上展開してしまうと《真気楼と誠偽感の決断》によるカウンターが発動してしまう。それらが手札にない前提で攻撃するか、ステイするかを問われる立場にある。
3ターン目に《天災 デドダム》を召喚したラボンに対して、りんは2ターン目に《アストラルの海幻》、3ターン目に《アストラル・ハート》を進化で手札の質を上げていく。そして相手のマナが5マナになる前に急がなければいけないと言わんばかりに《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を召喚して攻撃。メテオバーンで《疾封怒闘 キューブリック》を墓地に送り、ドローしながら自身をバウンス。そして《昇カオスマントラ》の超魂X効果で再び《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を出しなおす。そしてもう一度攻撃し、今度はメテオバーンで《アイドル・ハート》を墓地に送ることでメクレイド。だが、場に出てきたのは《アイドル・ハート》。そして今度は攻撃キャンセルする方法がないため、《昇カオスマントラ》の超魂X効果で2体目の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を場に出すしかない。
《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》がシールドに触れてしまうことが確定した。T・ブレイク。S・トリガーはなし。
みなさんだったらこのタイミングで止まるだろうか。攻撃するだろうか。相手に3枚の手札を与え、踏み倒し条件が発動してしまっているこのタイミングで。ここまで来たらシールドを割り切ってしまった方がいいのではないかとも考えないだろうか?
りんは続けて2体目の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》でドローしつつ攻撃。
ブレイクされたシールドから捲れたのは、天国の門を体現するS・トリガー、《光開の精霊サイフォゲート》!!この《光開の精霊サイフォゲート》が2体目の《光開の精霊サイフォゲート》を手札から呼び出し、《砕慄接続 グレイトフル・ベン》を呼び出す。
そしてターン終了時、手札から《流星のガイアッシュ・カイザー》と《真気楼と誠偽感の決断》が宣言。《流星のガイアッシュ・カイザー》が2ドローをもたらし、《真気楼と誠偽感の決断》によって《天災 デドダム》で墓地に落ちた《光開の精霊サイフォゲート》を実行。手札から《天彩の精霊ミルディアス》を場に出して《アイドル・ハート》を手札に戻す。
そして返しのターン、《流星のガイアッシュ・カイザー》の軽減によって場に送り出されるのは、ゲームを終わらせるディスペクターである、《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》!!
これで相手の逆転を封じたラボンが一斉攻撃。ベスト4に王手をかけた。WINNER:ラボン
B卓 賽盗 vs. セロ
C卓でマイゴのファンが勝利し、A卓の決着が着いたことで1対1となったこのチーム戦。勝負の行方はこの試合にゆだねられた。チームメイトと相談してプレイ方針が固まったセロは、2ターン目に《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を召喚し、3ターン目に《アシステスト・シネラリア》を添える。そして《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を攻撃に向かわせて《チアスペース アカネ》へ革命チェンジ。
だがここのシールドブレイクで《ホーガン・ブラスター》を踏んでしまう。めくれるカードによってはゲームセットだが、捲れたのは《ヘブンズ・ゲート》。強い!と思ったが、賽盗は唱えるだけ唱えてなにも出さない。次のトップが弱くなることを加味してのプレイだが、これにより手札に光のブロッカーを持っていないことが判明する。そしてターン終了時のアクションはない。
返しの3ターン目、賽盗は《天災 デドダム》を召喚してターン終了。
再びセロのターン。《アシステスト・シネラリア》の軽減効果で《チアスカーレット アカネ》と《同期の妖精 / ド浮きの動悸》、そしてG・ゼロで《終の怒流牙 ドルゲユキムラ》を追加で召喚。そして《チアスペース アカネ》がプレイヤーへ攻撃するときに革命チェンジで《超重竜 ゴルファンタジスタ》へ。出たときの効果でマナから《アシステスト・シネラリア》の2体目を場に出してT・ブレイク。
だが、ここで《ブレイン・スラッシュ》がトリガー。両方のモードを使って場に《ルード・ザーナ》が場に。《同期の妖精 / ド浮きの動悸》のメガ・ラスト・バーストでのバウンスと《アシステスト・シネラリア》で守った《チアスカーレット アカネ》のマッハファイターで攻撃して《超重竜 ゴルファンタジスタ》へ革命チェンジ。効果で《五番龍 レイクポーチャー ParZero》を出して手札を整えながら面を処理。なんとか盤面の優位を保ってターンを返す。
のだが。このターンにコストを大量に踏み倒し、盤面展開もたくさんおこなってしまった。
賽盗の手札から《流星のガイアッシュ・カイザー》1枚と《真気楼と誠偽感の決断》2枚が宣言される。《真気楼と誠偽感の決断》2枚の効果から《ブレイン・スラッシュ》、《ルード・ザーナ》、《ヘブンズ・ゲート》といったS・トリガーがたくさん実行され、《流星のガイアッシュ・カイザー》、《砕慄接続 グレイトフル・ベン》、《天彩の精霊ミルディアス》といったクリーチャーが場に続々と追加される。あとはあっけなかった。賽盗はセロの山札の枚数が10枚ほどしかないことを確認してから《流星のガイアッシュ・カイザー》2体の軽減効果によって《大樹王 ギガンディダノス》が場に出して相手の手札を奪うと、盤面の水のコマンドをプレイヤーへの攻撃に向かわせる。
そしてその上に重なるのは、《S級宇宙 アダムスキー》。
複数回の《S級宇宙 アダムスキー》による攻撃で、特攻の卓の勝利が決まった。WINNER Team:特攻の卓
試合後のIt's MyGo!!!!!のメンバーは悔しさこそあれ、やりきった、とも見れる様子だった。メクレイドの出目が弱かったり、プランを間違えていたり、ケアするカードは違ったり、ミスはあったのかもしれない。それでもここまでこれたのは、ひとえに仲間の力があったから。そんな彼らは最後まで筆者のインタビューに答えてくれた。これまでのこと、試合のこと。一日でいろんな試合があった。
最後に感想や何か書いてほしいことはあるか?と問いかけてみた。
マイゴのファン&りん 「お前あれ言わなくていいの?」
セロ 「そうだ、今度のGPは○○○○さんと○○○さんと組むので、是非(フィーチャー卓に)読んでほしいです!頑張ります!」
夏も終わりに近づく頃の超CS大阪で強敵とたくさん戦ったことは、彼らの今後の成長の糧になったことだろう。
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ラボン 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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賽盗 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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さくやま 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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りん 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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セロ 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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マイゴのファン 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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