金沢超CSⅡ 決勝第4回戦:フジビタイ vs. イシン少年
つい最近、この少年のカバレージを書いたことがある。
筆者はそのときに彼の年齢を知ったのだが…… 改めてこう思う。
大人ですら頭を悩ませる競技レベルのデュエル・マスターズ。
そのトップ8を決める舞台に、小学6年生の少年がいる光景はあまりに不自然。
不自然かつ…… 伝説の始まりを見ている気分だ。
彼の名はイシン少年。
前述した通り弱冠小学6年生だが、その実力は大人顔負け。前年度奈良県ランキングでは5位につけている。
選択肢の広さから難易度が高い、《裏切りの魔狼月下城》無制限時代のクローシスバスターで多数入賞の経験を持つ。それだけで彼のプレイスキルが伺えるだろう。
将来的にはdottoやぎらさきと肩を並べることになるであろう、将来有望なプレイヤーだ。
対戦相手のフジビタイとは10歳差。それを聞き「マジすか!?」とイシン少年の方を向き直す。
競技レベルの大会、しかもその上位でこのような少年と相まみえる経験はなかなかないだろう。その反応も納得がいく。
でも、対戦テーブルを挟んで目指すものは同じ。目の前の試合に勝ってベスト8へ、そしてここまで来たなら頂点へ。
年齢も立場も関係ない。ここにいるのは2人のデュエル・マスターズプレイヤー。
もう1つ先の舞台、一つの区切りとなるトップ8。
それを目指して、少年と大人が相まみえる。
先攻:イシン少年
予選順位で上回るイシン少年の先攻で始まる。
超次元を見る限りはドギラゴン剣のミラーマッチだが、フジビタイは最近では珍しい《禁断 ー封印されしXー》採用。
その理由は一瞬で明らかになる。
1ターン目のセットは《轟速 ザ・ゼット》。
初動は《ヘブンズ・フォース》を置きながらの≪奇石 ミクセル≫。
そう、彼の次元はブラフ…… その使用デッキは赤白バイク。
《“轟轟轟”ブランド》《暴走 ザバイク/ブンブン・バースト》などの新戦力を取り入れつつ、赤い悪魔はこの超CSⅡの舞台でも走り続けている。
イシン少年は《ゴーゴー・ジゴッチ》。《龍装者 バルチュリス》を回収。
イシン少年のドギラゴン剣はテンプレートの赤青軸ではなく、彼がこの春から愛用し続ける赤黒ドギラゴン剣。《勝利のアパッチ・ウララー》の殿堂入りを受けながらも、イシン少年独自のチューニングでここまで勝ち上がってきた。
《ヘブンズ・フォース》 ≪暴走 ザバイク≫《轟く侵略 レッドゾーン》!
このブレイクが《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》をトリガー。盤面には残らないものの、≪奇石 ミクセル≫を排除し、《蒼き団長 ドギラゴン剣》の準備が整いつつある。
……が、続くターンをイシン少年はマナチャージのみで終えてしまい、うまくカウンターを合わせることができない。そこに攻め手を緩めないフジビタイが襲い掛かる。
《一撃奪取 トップギア》を召喚し、1枚の手札から現れるは《“轟轟轟”ブランド》!!
そのままWブレイクを入れ…… 《閃光の守護者ホーリー》。
……ん? 《閃光の守護者ホーリー》!?
筆者は今まで完全に思い違いをしていた。
イシン少年のデッキは《勝利のアパッチ・ウララー》殿堂により攻撃力を落としながらも、《ボルシャック・ドギラゴン》で強烈なカウンターを仕掛ける赤黒ドギラゴン剣……、とばかり思っていた。
だがイシン少年がとったアプローチは違う。《勝利の道標レティーシャ》採用により攻撃力を落とすことなく、防御力を落とす方向を選んだのだ。採用している色で言ってしまえば、赤タッチ白黒ドギラゴン剣。
だからこそ防御札として《閃光の守護者ホーリー》を採用しているし、火のクリーチャー減少に伴い《ボルシャック・ドギラゴン》を入れることはできない。
そして《ボルシャック・ドギラゴン》が入っていないからこそ。
シールドが0枚というこの状況は、イシン少年にとって最大のピンチであった。
《“龍装”チュリス》を召喚、シールド攻撃時《蒼き団長 ドギラゴン剣》。
《音精 ラフルル》、さらに手札の《龍装者 バルチュリス》が絡んで6打点。
呪文トリガーはケアしたが、ここまで行ってもイシン少年の顔は晴れない。
ここで《閃光の守護者ホーリー》がトリガーすれば、フジビタイの勝利となるから。
だからこそ、少年の手は震え、1つ1つ丁寧にシールドを割り……
最後のシールドがフジビタイの手札に加わった瞬間。
一瞬の静寂。トリガーがないと気付き、ハッとした顔で最後のアタックを宣言。
両者の健闘を称え、ギャラリーから拍手が沸き起こる。
緊張しがちな、どこにでもいる12歳の少年の目の前。
そこには、1,200人中たった8人しか見ることができない景色が広がっていた。
WINNER:イシン少年
筆者はそのときに彼の年齢を知ったのだが…… 改めてこう思う。
大人ですら頭を悩ませる競技レベルのデュエル・マスターズ。
そのトップ8を決める舞台に、小学6年生の少年がいる光景はあまりに不自然。
不自然かつ…… 伝説の始まりを見ている気分だ。
彼の名はイシン少年。
前述した通り弱冠小学6年生だが、その実力は大人顔負け。前年度奈良県ランキングでは5位につけている。
選択肢の広さから難易度が高い、《裏切りの魔狼月下城》無制限時代のクローシスバスターで多数入賞の経験を持つ。それだけで彼のプレイスキルが伺えるだろう。
将来的にはdottoやぎらさきと肩を並べることになるであろう、将来有望なプレイヤーだ。
対戦相手のフジビタイとは10歳差。それを聞き「マジすか!?」とイシン少年の方を向き直す。
競技レベルの大会、しかもその上位でこのような少年と相まみえる経験はなかなかないだろう。その反応も納得がいく。
でも、対戦テーブルを挟んで目指すものは同じ。目の前の試合に勝ってベスト8へ、そしてここまで来たなら頂点へ。
年齢も立場も関係ない。ここにいるのは2人のデュエル・マスターズプレイヤー。
もう1つ先の舞台、一つの区切りとなるトップ8。
それを目指して、少年と大人が相まみえる。
先攻:イシン少年
予選順位で上回るイシン少年の先攻で始まる。
超次元を見る限りはドギラゴン剣のミラーマッチだが、フジビタイは最近では珍しい《禁断 ー封印されしXー》採用。
その理由は一瞬で明らかになる。
1ターン目のセットは《轟速 ザ・ゼット》。
初動は《ヘブンズ・フォース》を置きながらの≪奇石 ミクセル≫。
そう、彼の次元はブラフ…… その使用デッキは赤白バイク。
《“轟轟轟”ブランド》《暴走 ザバイク/ブンブン・バースト》などの新戦力を取り入れつつ、赤い悪魔はこの超CSⅡの舞台でも走り続けている。
イシン少年は《ゴーゴー・ジゴッチ》。《龍装者 バルチュリス》を回収。
イシン少年のドギラゴン剣はテンプレートの赤青軸ではなく、彼がこの春から愛用し続ける赤黒ドギラゴン剣。《勝利のアパッチ・ウララー》の殿堂入りを受けながらも、イシン少年独自のチューニングでここまで勝ち上がってきた。
《ヘブンズ・フォース》 ≪暴走 ザバイク≫《轟く侵略 レッドゾーン》!
このブレイクが《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》をトリガー。盤面には残らないものの、≪奇石 ミクセル≫を排除し、《蒼き団長 ドギラゴン剣》の準備が整いつつある。
……が、続くターンをイシン少年はマナチャージのみで終えてしまい、うまくカウンターを合わせることができない。そこに攻め手を緩めないフジビタイが襲い掛かる。
《一撃奪取 トップギア》を召喚し、1枚の手札から現れるは《“轟轟轟”ブランド》!!
そのままWブレイクを入れ…… 《閃光の守護者ホーリー》。
……ん? 《閃光の守護者ホーリー》!?
筆者は今まで完全に思い違いをしていた。
イシン少年のデッキは《勝利のアパッチ・ウララー》殿堂により攻撃力を落としながらも、《ボルシャック・ドギラゴン》で強烈なカウンターを仕掛ける赤黒ドギラゴン剣……、とばかり思っていた。
だがイシン少年がとったアプローチは違う。《勝利の道標レティーシャ》採用により攻撃力を落とすことなく、防御力を落とす方向を選んだのだ。採用している色で言ってしまえば、赤タッチ白黒ドギラゴン剣。
だからこそ防御札として《閃光の守護者ホーリー》を採用しているし、火のクリーチャー減少に伴い《ボルシャック・ドギラゴン》を入れることはできない。
そして《ボルシャック・ドギラゴン》が入っていないからこそ。
シールドが0枚というこの状況は、イシン少年にとって最大のピンチであった。
《“龍装”チュリス》を召喚、シールド攻撃時《蒼き団長 ドギラゴン剣》。
《音精 ラフルル》、さらに手札の《龍装者 バルチュリス》が絡んで6打点。
呪文トリガーはケアしたが、ここまで行ってもイシン少年の顔は晴れない。
ここで《閃光の守護者ホーリー》がトリガーすれば、フジビタイの勝利となるから。
だからこそ、少年の手は震え、1つ1つ丁寧にシールドを割り……
最後のシールドがフジビタイの手札に加わった瞬間。
一瞬の静寂。トリガーがないと気付き、ハッとした顔で最後のアタックを宣言。
両者の健闘を称え、ギャラリーから拍手が沸き起こる。
緊張しがちな、どこにでもいる12歳の少年の目の前。
そこには、1,200人中たった8人しか見ることができない景色が広がっていた。
WINNER:イシン少年
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