デュエル・マスターズ

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DMGP2022 Day1 3位決定戦:ゆうvs. がらがらどん

ライター:カミ神王子
撮影者:後長 京介

 「デュエル・マスターズとは何か?」

 皆さんはこの問いに対して何と答えるだろうか。

 「新主人公斬札ウィンになり、カッコ良くアビスロイヤルを操る姿が毎回楽しみな漫画、アニメ!」
……わかる。

 確かにウィンのスマートなデュエマは見ていて爽快だし、切札家3代主人公の物語もそれぞれ語り尽くせない位の魅力がある。しかし……

「様々なカードが存在し、コレクションするのが楽しい!」
……これも、わかる。
 
 筆者が初めて当てたSR、《永遠のリュウセイ・カイザー》は、今でも専用5Cコントロールを組んで愛用している宝物だ。更に、パックに封入されるトレジャーはそこにしかないイラストで非常に魅力的だ。個人的には、hmngさんの《雷龍 ヴァリヴァリウス》を当てるのが目下の目標でもある。しかし……

 競技イベント最大規模の祭典、GP2022にて筆を執って筆者が思うデュエル・マスターズとは、「戦いの歴史」に他ならない。カードとプレイヤーが織りなす壮大な物語、それが競技イベントにおけるデュエル・マスターズであると考える。

 初代GP王者垣根が、2022年10月2日本日時点でのDMPランキングTOPひんたが、更には2002年黎明期からの古豪達が、様々なカードと共に紡いできた戦いの歴史である。それは同時に強さの証明でもある。

 相手に強さを示すことで自己を高め、同時に示してくれた相手を尊敬する、そうやって紡がれてきた積み重ねが今日のデュエマに繋がっていることを忘れてはならない。

 本日、新たな歴史が幕を開ける。

 DMGP2022Day1、アドバンスフォーマットの3位決定戦。
その席に座るのは、ゆうとがらがらどん。

 すでに優勝はできないが、2人が挑む3位決定戦にはとても重要な意味がある。

「どちらが強いのか」の証明。それを通して刻まれるデュエマの歴史。そして、予選1回戦を共に戦った3,654人へのけじめ。

 各々が理想を持って参加したが、この舞台まで残ることはできなかった彼らの想い。それは2人に託された。彼らがやりたかったこと、叶えたかった意思を少しでも叶える義務が2人には存在する。

 そう、デュエル・マスターズで戦い、勝利を掴み取ることだ。

Game 1

 先攻はがらがらどん。

 相棒として選択したデッキは【水火アポロヌス】。
安定したリソース確保から、各種レッドゾーンを絡めた《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》のド派手かつ鋭利なワンショットは環境デッキの中でも屈指の決定力を誇る。  《瞬閃と疾駆と双撃の決断》からの《ネ申・マニフェスト》《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》のパッケージは、「ブロックされず、選べないアポロヌス・ドラゲリオン」という最強クリーチャーを生み出すことが可能だ。
 3マナでも勝負が決するそのデッキは、マナチャージ選択が非常にシビアだ。小考した後、がらがらどんは《ウェイボール <バイロン.Star>》をチャージしてターンエンド。

 続くゆうのターン。選択した相棒は【水闇自然チェイングラスパー】。闇火ドルマゲドンやガイアッシュ覇道など、盤面を支配するデッキが多いことを見越し、《水上第九院 シャコガイル》によるEXWINでの別軸勝利が可能なこのデッキを選択した。  まずは文明を確保と、《天災 デドダム》をチャージしてターンを返す。

 がらがらどんのターン。
 《シブキ将鬼の巻》をプレイし、シールド1枚回収し、ターンエンド。

 返しのゆうは《フェアリー・Re:ライフ》をプレイしてターンエンド。

 お互いに手札とマナの確保。3マナのがらがらどんは《シブキ将鬼の巻》を“生きるエナジー・ライト”こと《ウェイボール <バイロン.Star>》に進化。そのまま攻撃し、ブレイク無しで2ドローしてターンエンド。

 返しのゆうは《バイケンの海幻》をプレイし、エンド時に手札入れ替えを行ってターン終了。

 続くがらがらどんは小考の後、

がらがらどん「チャージ無しで」

 の一言から《ネ申・マニフェスト》をプレイ。3枚引いて2枚捨て、手札を理想形に近づけてターンを返す。

 5マナのゆうは《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》を唱え、2マナ加速と1ドロー、さらに、がらがらどんの《ネ申・マニフェスト》を破壊。エンド時に《バイケンの海幻》で手札入れ替えも行い、コンボの下地をじっくりと整える。

 次は8マナへ到達するゆうのアクションを受け、がらがらどんは《異端流し オニカマス》を召喚。《グレート・グラスパー》の踏み倒しを警戒してターンエンド。

ゆう「考えます。」

 しばらくの長考に入った。《異端流し オニカマス》《グレート・グラスパー》の天敵。カード1枚を裏側でマナに置いては確認して手元に戻し、また置いては、を繰り返す。このピンチを切り抜ける糸口を慎重に検討してゆく。

 ゆうが選んだ手段は、《グレート・グラスパー》をそのまま召喚するというもの。
選べない《異端流し オニカマス》は一旦そのままに、《グレート・グラスパー》2体の理想盤面へと1歩を踏み出した。

 《グレート・グラスパー》が2体いれば、フィニッシュループへの準備は整う。《バイケンの海幻》でしっかりと手札の質を高め、ターン終了。

 水火アポロヌスは火自然型よりもゆっくり動く。まだ耐えられる、ゆうが感じたであろう矢先であった。
 
 返しのターン、がらがらどんは動いた。

 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》から《ネ申・マニフェスト》《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》を場に出し、《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》《ネ申・マニフェスト》の上に進化。《禁断 ~封印されしX~》から封印が外れ、墓地に落ちたのは《禁断の轟速 レッドゾーンX》
そのままアタックして《禁断の轟速 レッドゾーンX》《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》が侵略し、選ばれない&ブロックされない《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》が完成した。

 ゆうのシールドをそのまま全ブレイク!

 ゆうのシールドに回答はなく、そのままダイレクトアタックが決まるのであった

がらがらどん0-1ゆう


ゆう「デッキの束は左から上、下、上で。その後、上から5枚は下で、GRはそのままで大丈夫です。」

がらがらどん「わかりました。自分も束は・・・」

 コロナ禍独自のシャッフル文化も慣れたもので、当然の流れでシャッフルを進めていく2人。

 シャッフルは儀式だ。お互いが相手へ敬意を払い、正々堂々と向き合うことの約束だ。2人はそれを知っている。知っているが故に丁寧に、確実に進行していく。

 先にシャッフルを終えたのはゆう。デッキとの対話を終えたゆうは、一足先に顔を上げ、静かにがらがらどんを見据えた。

Game 2

ゆう「先行もらいます」

 負けた側からの先行で、ゆうから動き出した。
 《魔王の傲慢》をチャージし、次のターンで《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》をチャージ、3ターン目には《天災 デドダム》のプレイに成功する。

 一方、その間ゆうは《終末の時計 ザ・クロック》を2枚マナに埋めるに留まったが、3マナから一気に動き出した。

 自分と相手の盤面を指差し確認し、自身のプランが正しいかを確認。そして、《シブキ将鬼の巻》をマナチャージして火マナを確保し、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》をプレイ。  コスト3以下のクリーチャーが2体、盤面に現れる。《ネ申・マニフェスト》の上に、《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》がスター進化。《ネ申・マニフェスト》の効果で3ドローし、手札のさらなる充実を図った後、攻撃。そして、侵略。

 《禁断の轟速 レッドゾーンX》2体と、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》が進化に成功する。《ネ申・マニフェスト》のシンカパワーで、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》はブロックされず、選ばれない超生物へと再び姿を変えた。  そしてそのまま《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》のメテオバーンにより、ゆうのシールドが全てブレイクされた。対応策を探すゆう。しかし、、、

ゆう「ありません。」
 
 《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》がそのままダイレクトアタックを決めるのであった。

Winner:がらがらどん

がらがらどん「相手の《魔王の傲慢》の効果を勘違いしていまして、バトルゾーンだけに干渉するカードだと思っていました。なので、何枚採用しているのかなど、ずっとそれを警戒してたのですが、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》でなんとか駆け抜けられて良かったです!」

ゆう「水火型のアポロだったので、少し悠長に構えすぎてしまっていたところはありましたね、特に1戦目の《異端流し オニカマス》が出てしまったあとが辛かったです。ただ、自分のデュエマ経験の中で今が一番幸せです。ここまで勝ち残れて夢のようです!」

 試合後に2人は語ってくれた。2人からは激闘を終えた安堵と、死力を尽くし、この日の最後に共に戦ったライバルへの称賛を感じられた。

 盤外での話ではあるが、がらがらどんはしばらくデュエマから離れていたそうだ。そんな中、久しぶりに友人と共に購入したパックから《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》の“世界に20枚”20thSPレアバージョンが当たり、デュエマへの本格復帰を決めたらしい。Day1準決勝のカバレージでも詳しく記載されているので、是非そちらも参照してもらいたい。

 がらがらどんはデュエマの神に導かれてこの席に座り、3位を掴み取ったのかもしれない。そう考えたら、その《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》は「戦いの歴史」への招待状であり、今日の入賞も長いデュエマの歴史の中で大きな意味を持ってくるはずだ。

 大会は終わる。環境は移り変わり、デッキも変わる。だが、デュエル・マスターズは終わらない。がらがらどんとゆうの今日の戦いもまた、悠久の「戦いの歴史」へと刻まれていくのだ。

 明日以降のデュエル・マスターズにおける、2人の活躍に大いに期待したい。

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