DMGP2024-1st Day1(アドバンス)Round 8:flat- vs. モンジロー
ライター:山口 海斗(ジャイロ)
撮影:瀬尾 亜沙子
モンジロー「前に【水自然べアフガン】が話題になったとき、【マナ退化】とパーツが似ていると思いこのデッキを作りました。」
似ている…?半信半疑ながらモンジローのデッキリストを見て驚いた。
モンジロー DMGP2024-1st アドバンス構築 |
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《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》や《ドリドリ・コドリアン》といったマナ進化クリーチャーに、進化元となる《暴嵐竜 Susano-O-Dragon》などの大型クリーチャー、そして進化クリーチャーのみをシールドに送る《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》。いわゆる【マナ退化】デッキの基盤なのだが、その脇を固めるのは《甲獣軍隊 ベアフ・ガンガンオー》や《龍装者 バルチュリス》などの【べアフガン速攻】の面々だ。マナ進化クリーチャー達が自然の3コストであることに着目し、退化プランとビートプランの2種類の詰め方を変幻自在に変えられる、モンジローが出会った運命のデッキ。《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》が《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》にP侵略できるのもアドバンスならではだ。ここでは仮に、【退化ビート】と呼ばせていただこう。
対戦相手のflat-は数日前、自身のSNSで何やら不穏な投稿をしていた。いったい彼に何があったというのか。
デッキ決まりました。全てを破壊します
— flat- (@flating2nd) April 16, 2024
ともあれ、早速対戦をみていこう。
先攻:モンジロー
マナのカードから察するに、flat-が使用しているのは【光水火ゴスペル】。《禁断 ~封印されしX~》があることから、《オールデリート》での決着を見据える構築のようだ。「全てを破壊する」の意味がなんとなく見えてきた。《エマージェンシー・タイフーン》を唱え、手札と墓地を整えるflat-。対してモンジローは《ドリドリ・コドリアン》をマナ進化によって召喚。進化元が《密林の総督ハックル・キリンソーヤ》なことから、今回は退化プランではなくビートプランを選択したようだ。
意識外の打点形成を得意とするモンジローの【退化ビート】。しかし、モンジローのマナゾーンに《龍装者 バルチュリス》があるのを警戒していたflat-の方が1枚上手だった。
《オリオティス・ジャッジ》!
モンジローからの一撃を喰らう前に除去に成功したflat-。マナ進化の代償にモンジローが動けない隙を狙って、《氷柱と炎弧の決断》、《ア・ストラ・センサー》と更に墓地と手札を増やして、着実に《水晶の王 ゴスペル》へと歩みを寄せるflat-。
《ア・ストラ・センサー》から《爆流剣術 神速の技》を回収すると、flat-の動かす手は一気に速くなる。わずか2コストでの《水晶の王 ゴスペル》の召喚、先ほど回収したばかりの《爆流剣術 神速の技》でスピードアタッカーを与える。召喚酔いの無くなった《水晶の王 ゴスペル》は攻撃時に必殺の《オールデリート》を放つと、flat-・モンジロー両名の手札、マナ、墓地、そしてバトルゾーンを禁断の鼓動を除いて全て奪い去る。唯一バトルゾーンに残った≪伝説の禁断 ドキンダムX≫にflat-が手をかけ、本ゲームの勝者が決まった。
Winner:flat-
flat-にとって、デッキとの出会いは運命的だった。
flat-「4日ぐらい前かな、知人に誘われたんですよ。「お前もゴスペラーズに入らないか」って。」
ゴスペラーズ。それは《水晶の王 ゴスペル》から《オールデリート》を発射し暴れ散らかす物たちの集まり。今回もその理念に則り《オールデリート》によってゲームを決めた。
何とも豪快なデッキではあるが、話を聞くとゴスペラーズの深さを識る。例えば本試合でも大活躍であった《オリオティス・ジャッジ》だが、環境で猛威を奮う【光自然天門】や【闇自然アビス】への解答にもなる。相手が手札を大量に使って超展開をした返しに《オリオティス・ジャッジ》を当ててやるとゲームの主導権を得て、《水晶の王 ゴスペル》に辿り着けるという算段だ。
ゴスペラーズ必殺の《オールデリート》だが、相手にも禁断の鼓動があると自滅となるため使うことができない。
flat-「そんな時はマナゾーンに埋めてしまって、闇文明マナとして《頂上龍素 サイクリタ》の召喚に使えるんで邪魔にはならないです。」
なるほど、《爆流剣術 神速の技》などでスピードアタッカーを与えてしまえば、《頂上龍素 サイクリタ》はスピードアタッカー兼ジャストダイバーの詰めのクリーチャーとして運用が可能だ。
大味に見えてかなり繊細な部分もある、しかし本質は《オールデリート》の爽快感というデュエルマスターズの面白さをしゃぶり尽くしたデッキ。それがゴスペラーズ!
ゴスペラーズの今後の活躍(?)にも注目だ。
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