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超CSⅦ横浜 :事前メタゲーム総括記事

ライター:渋谷 直也(シオン)

 ファンタジーBESTの発売により5つの種族が大幅に強化され、既に公認CSでも結果を残している。今回の超CSⅦ横浜でも活躍することとなるだろう。

本記事では今大会の参加者に向けて、新拡張パック発売後のメタゲームや注目デッキついて簡単に解説していく。

強化された各種族の動きについてはDTLでも確認できる。まだ確認できていないプレイヤーは要チェックだ。


 今大会のフォーマットはオリジナルのチーム戦、特徴として勝率のブレが抑えられるため、地力の高いデッキが勝ちあがりやすい

 実際に前回のDMGP2024-1stでもTOP64に上がったデッキタイプのうち約半数が【闇自然アビス】と【火水マジック】であった。魔覇革命の顔であり、前環境の王者だ。

 しかし、この2つのデッキタイプはファンタジーBESTの発売によって王座を譲ることとなる

魔覇革命の終焉

 殿堂規制を前に【闇自然アビス】と【火水マジック】が環境から姿を消すと誰が予想できただろうか。  【闇自然アビス】は新規デスパペットで強化された【水闇COMPLEX】に、【火水マジック】は新たに登場した【火光闇ファイアー・バード】にも苦しめられている。

 当然、この【水闇COMPLEX】と【火光闇ファイアー・バード】の台頭はメタゲームに大きな影響を与えることになるが、見逃せないのは【闇自然アビス】と【火水マジック】の消滅による影響のほうだ。
 前環境での【闇自然アビス】と【火水マジック】はその圧倒的なデッキパワーからその他の様々なデッキタイプを封殺してきた。

 これら2デッキが環境から姿を消すということは、これまで抑制されていたデッキタイプが息を吹き返すことになるのだ。

 そこから、ファンタジーBEST発売後のメタゲームは以下のように推移していくと予想している。

1.【水闇COMPLEX】と【火光闇ファイアー・バード】といった地力の高いデッキタイプが最大勢力となり【闇自然アビス】と【火水マジック】が数を減らす

2.少し進み【水闇COMPLEX】や【火光闇ファイアー・バード】に有利なデッキタイプが増える

3.天敵が増えたことで【水闇COMPLEX】と【火光闇ファイアー・バード】が数を減らし、再び【闇自然アビス】と【火水マジック】が数を増やし始める

 今大会はファンタジーBEST発売から2週間後だ。筆者の予想では1と2の間のメタゲームが展開されると考えている。

 よって【水闇COMPLEX】や【火光闇ファイアー・バード】を最も意識はすべきではあるが、その2デッキに有利なデッキタイプにも意識をむけておく必要がある。

 まずは、今大会最注目である【水闇COMPLEX】と【火光闇ファイアー・バード】から紹介しよう。

水闇COMPLEX

 多種多様な妨害札とS・トリガーで相手の攻撃をいなしつつ、《DARK MATERIAL COMPLEX》の優れたフィニッシュ力で一気に勝負を決めるデッキだ。
 前環境から存在するデッキタイプだが、ファンタジーBESTで追加されたデスパペットのうち《冥土人形ロッカ・マグナム》《冥土人形ヴァミリア・バレル》が採用されている。

 《冥土人形ロッカ・マグナム》は置き換え効果ではないものの、その名にふさわしく「マナゾーンのカードをタップせずに」踏み倒した際に反応する強力なメタ(妨害)クリーチャーだ。
 現環境で多用されているメクレイドにも反応するほか、呪文の踏み倒しにも反応するため《歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて》などのフレンドバーストも抑え込んでしまう。

 《冥土人形ヴァミリア・バレル》《陰謀と計略の手》を3コストで内蔵したうえで、ブロッカーと相手のリソースを制限する効果を併せ持ったスーパーカードである。  これまで【水闇COMPLEX】は【火水マジック】に不利とされていたが、この2種類のデスパペットが登場したことで相性は完全に逆転することとなった。

 以前はメタデッキとしての印象が強かったが、この2種類のカードを獲得したことで、地力も高くなっている。今大会の本命デッキだろう。

火光闇ファイアー・バード

 【火光闇ファイアー・バード】はメクレイドからの横展開とメタクリによる妨害を得意としたビートダウンデッキだ。

 デッキの動きとしては【火光サムライ】に似ているが、《ハンプティ・ルピア》《アリスの突撃インタビュー》といったハンデスやトリガーの要素が追加されている。

 《ハンプティ・ルピア》はファンタジーBESTで最も強力なカードと言っても過言ではない。  序盤の妨害とピーピングによるゲームプランの組み立て役、中盤のメクレイドの強力な出力先、ここぞというときのG・ストライクと全てのゲームレンジで活躍する。

 《アリスの突撃インタビュー》の存在でメタクリーチャーに強く、《ハッター・ルピア》《龍后凰翔クイーン・ルピア》でメクレイドの試行回数を稼げるため動きの再現性も高い。
 【火光闇ファイアー・バード】に対してはメタクリーチャーで戦うのではなく、デッキ全体の動きでアプローチする必要があるだろう。

 次にこの2つのデッキタイプに対して有利と考えられるものをいくつか紹介する。

光自然巨大天門

 前環境から変わらず、【水闇COMPLEX】のカウンターデッキとしてはピカイチだ。
 《∞龍 ゲンムエンペラー》の着地がほぼ直接的な勝利になることに加え、《DARK MATERIAL COMPLEX》お得意のトリガー貫通も無効化できる。

 【火光闇ファイアー・バード】に対しての有利不利は《ルピア炎鬼》の有無で大きく変わってくるが、ビートダウンVSヘブンズゲートである以上、こちらの土俵で戦えることに変わりはない。

 また、他の環境デッキとも十分に戦えるだけの地力を持っているため魅力的だ。

光水闇ホワイト・スワン

 アドバンスで話題となったいわゆる逆アポロのオリジナル版とも言えるデッキだ。シールドを殴り切って勝利するデッキを悉く否定する。

 デッキ内の7割以上がS・トリガーで構成されており、除去や楯追加で相手の攻めを完全に受けきり、《ホワイト・スワン》《偽衒学者の交渉》などで相手の山札を減らしライブラリアウトを狙う。

 このデッキの鉄壁ともいえる防御を突破するには【水闇COMPLEX】の《奇天烈 シャッフ》や【火光闇ファイアー・バード】の追加ターンでは不十分。事前に対策されていなければかなりの勝率を叩き出すだろう。

火光水ゴスペル

 現代のソリティアデッキ代表ともいえるのが【火光水ゴスペル】だ。豊富な除去呪文と呪文メタを駆使し相手を妨害しつつ、最後はコンボパーツを揃えて安全に楯を殴り切る。

 前環境では【火水マジック】に苦しい思いをさせられてきたこのデッキだが、天敵が消えた今の環境は【火光水ゴスペル】にとってまたとないチャンスといえる。

 デッキの性質上、墓地リセットを弱点としているが、【水闇COMPLEX】や【火光闇ファイアー・バード】においては墓地リセットの採用率が低いのも好都合だ。

 また、受けを封殺するコンボデッキであるため他のコントロールデッキにマウントをとれる。
 同じ【水闇COMPLEX】と【火光闇ファイアー・バード】を狩る側で差をつけられるのは大きなメリットだろう。

火光自然ドリームメイト

 こちらはファンタジーBESTで登場したデッキだ。デッキの構造上【火光闇ファイアー・バード】に対して有利に立ち回ることができる。

 デッキパワーも十分に高く、《お目覚めメイ様》のエクストラウィンによるS・トリガーの無効化や2ターン目の《森夢のイザナイ メイ様》による大量展開といった「押しつけ」を得意としている。

 現在の主流のデッキタイプが超化獣を採用しているものが中心な関係上、2ターン目にクリーチャーが立つことが多く《料理犬のヴィヤンドゥ》が上手く機能しやすいことも現環境に適している。

 しかし、このデッキは《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》に弱いという致命的な弱点を持っており、一度召喚されてしまうとそれだけでデッキの動きの大半を封じ込められてしまう。  【火水マジック】の減少で《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》に遭遇する機会は減っているものの、目を瞑るには大きすぎる欠点だろう。

 次に勢いは失われたものの、前環境から引き続き活躍が期待できるデッキタイプを紹介しよう。

闇自然アビス

 【水闇COMPLEX】が強化されたことで立ち位置が若干悪くなってしまったが、各対面に安定した勝率を出すことができるデッキだ。

 《邪幽 ジャガイスト》の爆発力は不利対面をも破壊し、《謀遠 テレスコ=テレス》の制圧力は有利対面のワンチャンスを潰しきってしまう。

 今大会において懸念されるのは対処すべきメタクリーチャーが絞れないことだ。
 前環境では《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》ぐらいのものであったが、それに加え《冥土人形ロッカ・マグナム》《ポッピ・冠・ラッキー》となるとそれぞれにベストな解答を用意しづらい。  繰り出される多彩なメタクリーチャーをどのように対応していくかが今大会の課題となっている。

火水マジック

 ファンタジーBEST発売前の環境の最前線で戦っていたのが【火水マジック】だ。
 圧倒的な速度と安定性、《飛翔龍 5000VT》を駆使したロングゲームの強さで、アグロからコントロールにかけた全ての対面に対応するこのデッキは、まさに「最強」であった。

 しかし、新環境に入り【水闇COMPLEX】と【火光闇ファイアー・バード】の両方が大きな壁として立ち塞がることとなる。
 デッキパワーではこの2つにも劣っていないものの、新しく登場した《冥土人形ロッカ・マグナム》《ハッター・ルピア》に動きを止められてしまう。

 前環境では間違いなく最もヘイトを集めていた【火水マジック】だが、今大会ではそのヘイトが【水闇COMPLEX】と【火光闇ファイアー・バード】に向いている。
 そのような状況であるからこそ、この2つの大きな壁を乗り越え再び【火水マジック】が大暴れする可能性も否定できない。

おわりに

 以上が今大会における注目デッキだ。

 強化された5つの種族が新たな時代を作り出すのか、魔覇革命がその意地を見せて勝利をつかみ取るのか。はたまた我々のまだ知らぬデッキが飛び出すのかもしれない。
 さらに、今大会は現殿堂レギュレーション最後の大型大会でもある。一つの時代の区切りとして歴史に名を刻むのはどのデッキなのか、是非その目で見届けていただきたい。

 この記事が参加者の皆様の力になれば幸いだ。
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