超CSⅧ大阪 Round 6:FTG(フェアリーと頑張る)vs. 吉祥寺動物園猛獣部隊
ライター:小屋 悠雄
撮影:坂井 郁弥
殿堂改定が施行されて初めての大型大会が始まってすぐに見えたのは、【水単サイバー】の海という異様な光景だった。もちろんそのデッキだけというわけではなかったが、周りを見渡せばありとあらゆる場所でループの証明が行われ、別の所では《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》で相手のシールドをブレイクするという、ありとあらゆる形でサイバーが暴れまわる環境となっていた。
そんな環境で進んできた予選もとうとう6回戦に差し掛かり、本戦上がりへの切符に手を伸ばせる面子も絞られてきた。
あと2試合、1敗ラインのチームにとっては1戦も落とせない厳しい戦いとなる。
そんな中でフィーチャーテーブルに現れたのはFTG(フェアリーと頑張る)である。
このチームは、現在デュエチューブリーグで活躍しているFTGサブリーダーのフェアリー/AYNと魔王軍のカイザ/はっちCS、そこに全国大会出場経験者であり“紅茶派閥”として活躍しているどんよくを加えたまさに強豪揃いのチームである。特にフェアリー/AYNは、直近ではDMGPで解説席に座ることが多いため、久々のプレイヤーとしての活躍は非常に見物だ。
その強豪たちを前に吉祥寺動物園猛獣部隊はどう立ち向かうのか。A卓 フェアリー/AYN vs. 電脳聖者タージマル
B卓 どんよく vs. ヨビニオンフィオナ
C卓 カイザ/はっちCS vs. ちい。ーヨビニオンー
今回はその中からA卓のフェアリー/AYNと電脳聖者タージマルの試合にフォーカスしていく。
先攻:電脳聖者タージマル
電脳聖者タージマルは、《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》をマナチャージしてターンを返す。それに対してフェアリー/AYNは、《ルード・ザーナ》をマナチャージしてから《フラワー・ハート》を召喚することで応じていく。
冒頭で察した人もいるかもしれないが、
この試合はこの会場で一番起きるであろう壮絶なマッチアップ、【水単サイバー】のミラーマッチである。
電脳聖者タージマルは順調に《アストラルの海幻》で手札を回し、後続のサイバーへの架け橋を作る。
フェアリー/AYNも《フラワー・ハート》の上に《アストラル・ハート》を進化させて一気に手札を潤し、相手に対して圧をかけていく。
サイバーミラーにおいて重要な場面となる3ターン目に差し掛かったが、電脳聖者タージマルがとったアクションは《アストラル・ハート》を《アストラルの海幻》の上に進化させて手札を蓄えることだった。
ターンを貰ったフェアリー/AYNは《マクスハト》を召喚、《アストラル・ハート》を手札に戻してサイバー・メクレイド5が発動し、山札の上から3枚を捲る!
しかし、表情を変えずに一言。フェアリー/AYN「…出さないです」
捲れたカードは《昇カオスマントラ》が2枚と《ルード・ザーナ》、コスト5以下のサイバーが捲れずそのまま山札の下へ流れるのをフェアリー/AYNは眺めることしかできないのだった。
勝機を得た電脳聖者タージマルは、《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の召喚を宣言。
ここからサイバーの大展開が始まる。
手札から進化元として《昇カオスマントラ》が2枚と別の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》がカードの下に入る。
そしてそのまま《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の攻撃宣言でメテオバーン効果で進化元の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を墓地に送りながら2枚ドロー、そして《昇カオスマントラ》の超魂Xの効果が2回ストックされる。
1回目の効果で《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の上に進化させ、サイバー・メクレイド・8で《ルード・ザーナ》を出し、《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》の効果で他のサイバーが出たため《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》自身を手札に戻す。そして《昇カオスマントラ》の2回目の能力で《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》が再び現れる。
《昇カオスマントラ》が2枚敷いてある《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》と手札に《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》があることによって山札からサイバーを捲り続ける限り、メクレイドと《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を出し直し続けることができる。
そしてメテオバーンによって手札も入れ替えられる。
これら全てが揃った時の結末は、ただ一つ。
電脳聖者タージマル「ループ証明します。」
とうとう《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の下に《昇カオスマントラ》が3体集った。
これによってメクレイドに依存しないループが完成したのだ。
《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の攻撃時、《昇カオスマントラ》の効果が3回ストック。
1回目で《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を攻撃中の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の上へ進化させる。
2回目でもう1体の《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を手札に戻したいサイバーの上に進化させる。
《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》の効果で隣の同名カードを手札へ戻す。
ここで《昇カオスマントラ》の3回目を解決して《昇カオスマントラ》3枚で構成された《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》が再臨。そしてこれによって《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》の効果で自身を手札に戻すことにより、自分の場の好きなサイバーを手札に戻し続けるループの証明が完了する。
そして先ほどの《昇カオスマントラ》の2回目の効果を手札にある5コスト以下のサイバーを出すことによって手札の5コストサイバーを出し続けるループの証明も完了。
この2つのループが合わさることにより、手札か盤面にある5コスト以下のサイバーを出入りするループが完成したのだ。
電脳聖者タージマルは、これによって《シュトラ》を出し続け、フェアリー/AYNのマナを完全に消してしまい、そこから《~墓碑に刻まれし魔弾の名~》が現れ、フェアリー/AYNの手札が完全に奪い去られようとした時に堪らず一言。
フェアリー/AYN「投了します。」
電脳聖者タージマルが言わずと知れた強豪相手に対して完璧なループで勝利を得た見事な試合であった。
WINNER:電脳聖者タージマル
そして、この勝負の勝敗が決まった直後のことである。
B卓のヨビニオンフィオナはまたしても現れた《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》によってどんよくのシールドを叩き割りに行く瞬間の場面となっていた。お互いに祈りながら、どんよくが勢いよく1枚ずつシールドを捲る!
どんよく「はいっ!はいっ!はいっ!」
待ち侘びたシールドトリガーがそこには…無かった…。
ヨビニオンフィオナのリーサル打点がそのまま貫通していきB卓も決着、これによりC卓の勝敗を迎えるまでもなく吉祥寺動物園猛獣部隊の勝利が決まった。
WINNER:吉祥寺動物園猛獣部隊
総じて、サイバーミラーがどれだけ対面の相手に干渉しないゲームかがわかるフィーチャーテーブルとなってしまった。実績や細かい練度の有無など関係無く、このゲームは全てが平等となる。
「先に水の3コストのカードを使ってループした方が勝つ。」
このミラーは、かつての絶望神を彷彿とさせるゲームとなる。
これからの半年間は、このデッキと向き合わなくてはならない。
この試合を経て、プレイヤーに更なる期待が高まることになるだろう。
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電脳聖者タージマル 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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ヨビニオン・フィオナ 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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ちい。-ヨビニオン- 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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フェアリー/AYN 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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どんよく 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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カイザ 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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