DMGP9th 決勝第4回戦:リヒッコチュリス(奈良) vs. dotto(大阪)
「デュエル・マスターズに人生を捧げる者がいる」
そう聞くと、まるで漫画の世界のように聞こえるだろう。
だが、DMPランキングが浸透した今、漫画のような世界は現実になりつつある。
GPに全身全霊を注ぐ者、ストイックにCSをひた走る者、調整チームを組み日夜調整に励む者。
彼らが目指すのは日本一の座。
一年に一度、一人しか見ることが出来ない世界のためにデュエル・マスターズに人生を賭けるのだ。
今回席に着いたのは、全国大会2017にて一度頂点を手にした者。
「春のGPではここで負けているので、今日は次に進みたいです」
GP8thの雪辱を果たさんとするdottoだ。
「大きな目標を達成した時、モチベーションが落ち着く人もいると思います。でも、僕は日本一決定戦決勝のひりつく空気を知ってしまったら、モチベーションが上がらざるを得ないんです。GPの決勝と日本一決定戦の決勝、どれだけ空気が違うか味わってみたいですね」
一度日本一に輝き、カードラッシュ所属のプロプレイヤーとなってなお、「DMGPと日本一の両方を制する」という、現時点ではせいなしか知らない世界を求め燃え滾る闘志。
彼ほどの歴戦のプレイヤーになると、この大舞台でもさほど緊張しないのだろうか。
しかし、そんな思考はdottoの一言に吹き飛ばされた。
「慣れていると言えば慣れているけど緊張はします。でも、この緊張が好きなんです」
歴戦のプレイヤーであれど緊張からは逃れられない。
緊張を楽しみ、愛することが彼の強者たる所以なのだろうか。
そのdottoに挑むのは、決勝第1回戦にてZweiLanceを破ったリヒッコチュリス。
CSに出始めて日は浅い彼だが、ここまで勝ち上がってきた実力は本物。
「大きい大会で緊張するけど、大きな舞台でデュエマができるのが楽しいです」
彼もまた緊張している。
しかし彼が言うように、大舞台での試合には緊張に打ち勝つほどの魅力がある。
リヒッコチュリス「ラムネ、ひとつどうですか?」
dotto「僕もラムネ、持ってます」
ラムネを食べ、試合の準備を進める2人
今までの冒険を背負うdottoと、冒険を始めたばかりのリヒッコチュリス。
デュエル・マスターズと共に歩んできた時間の長さこそ違うが、勝負の前の緊張は同じなのかもしれない。
先攻:dotto
2ターン目に《ブラッディ・タイフーン》で墓地を増やすdottoに対し、リヒッコチュリスは1ターン目に《ブルース・ガー》、2ターン目に《ホップ・チュリス》を召喚。続けて《ブルース・ガー》でシールドを1枚ブレイクする。
3ターン目、dottoはもう一度《ブラッディ・タイフーン》を唱えた後《セイレーン・コンチェルト》で《ブラッディ・クロス》を回収し、すぐさまプレイ。
これで墓地に呪文は10枚。次のターンには≪魔導管理室 カリヤドネ≫で勝負を決められる圏内まで到達する。
フィニッシュの準備が整うまで僅か3ターン。ループデッキの中でもフィニッシュまでが非常に速い『カリヤドネループ』の理想的な動き。
しかし3ターンは、今の『火単ミッツァイル』にとって勝負を決めるのは十分すぎる時間だ。
《GIRIGIRI・チクタック》と《“魔神轟怒”ブランド》、軽減された《“罰怒“ブランド》を展開し畳みかけるリヒッコチュリス。
Wブレイカーになった《“魔神轟怒”ブランド》によって、dottoのシールドに必要なトリガーの要求値が跳ね上がる。
《“罰怒“ブランド》による1回目のWブレイク。
このタイミングであれば、後ろに控える《“魔神轟怒”ブランド》を止めればターンが返ってくる。
…《“魔神轟怒”ブランド》による2回目のWブレイク。
要求されたトリガーは《》2枚か《知識と流転と時空の決断》。
……dottoのシールドに眠っていたトリガーは《エマージェンシー・タイフーン》のみ。
リヒッコチュリスは見守る家族にガッツポーズを見せた。
Winner:リヒッコチュリス
リヒッコチュリス「強い人と戦えるのはいい経験にもなるので、また来たいです」
DMGP9thもまだまだこれから。
だがリヒッコチュリスの瞳には、次の試合だけではなくDMGP10thまでもが映っている。
このGP9thを超え、GP10thを超え、背負う歴史が現在のdottoと同じ数になったとき、リヒッコチュリスの目の前にはどんな世界が広がっているのだろうか。
自身の冒険の結末なんて誰も知らない。だからこそリヒッコチュリスは先へ進むのだ。
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