DMGP2024-2nd Day2(オリジナル)決勝戦:ジンジャー vs. 無視無視ノンノン
ライター:河野 真成(神結)
撮影:瀬尾 亜沙子
大会が開始されてから、既に12時間が経過しようとしていた。
ジンジャー「やっと終われる……」
無視無視ノンノン「疲れた……」
決勝戦を前にして、まるで激闘の後のような台詞が出てくるが、それもその筈だ。
準決勝で見事なプレイを魅せてくれた両プレイヤーであるが、ここまで重ねてきた試合数は15。
加えて3位決定戦の間は1時間以上も待機せねばならず、試合開始前から既に満身創痍といった様子であった。
試合数は勿論だが、この待機時間というのも中々にくせ者で、ジャッジが常に付き添いつつ対戦エリアに隔離されており、友人との談笑も出来ない。
決して心身をリラックス出来る状況とは言い難く、例えるなら高速道路で渋滞に巻き込まれた時のようで、何も出来ないが気も抜けないといった状況は、より疲労を加速させるものだ。
互いに決して万全な状態とは言えない。だがそれも、これで最後だ。
2日間参加してきた選手にとっても、2日間で計30試合以上を見守ってきたジャッジ・スタッフにとっても、この試合が大会の集大成となる。
やがて、開始準備OKのサインが配信スタッフより提示された。
最後の最後に待ち受けるのは、果たしてどのような結末なのだろうか。
Game1
先攻:無視無視ノンノン 無視無視ノンノンの初手のマナチャージは《氷柱と炎弧の決断》と悪くない。対してジンジャーは、《雷炎翔鎧バルピアレスク》を埋めてターンを終了。続くターン、無視無視ノンノンは2コストで《バーニング・フィンガー》を唱える。《ロスト・ウォーターゲイト》を切って2ドロー。
ジンジャーも《マジシャン・ルピア》を召喚し、手札を整えていく。
互いに順調な立ち上がりだ。無視無視ノンノンの使う【火光水ゴスペル】の最速起動ターンは、S・トリガーなどが絡まない限りは4ターン目から。故に、このターンの動きは勝敗に直結する。
その無視無視ノンノンは、3マナを払って《氷柱と炎弧の決断》と、と理想の動き。ドローを繰り返し手札を整え、ターン終了する。
2ターン目、3ターン目と手札を回された以上、次に《水晶の王 ゴスペル》からのコンボが決まっても文句は言えない。
よって、ジンジャーは《ハッター・ルピア》の召喚から入る。そのままハイパー化をさせると、攻撃を宣言。
メクレイドで《アリスの突撃インタビュー》を捲り、そして《雷炎翔鎧バルピアレスク》が出すという強力な動きを決める。 ここで何かしらのトリガーがあれば、この瞬間にも勝負も決したかもしれない。ただ、そうはならなかった。勝負の行方を、まだ見せてはくれないようだ。
続けて《雷炎翔鎧バルピアレスク》で攻撃を宣言すると、効果で手札から《アリス・ルピア》が登場。その《アリス・ルピア》は《雷炎翔鎧バルピアレスク》と《アシステスト・インコッピ》を連れてくる。そしてここもトリガーはなし。
攻撃後の効果について、慎重に考えるジンジャー。しかしここは、《雷炎翔鎧バルピアレスク》の自軍破壊効果を使わず、次の《雷炎翔鎧バルピアレスク》で攻撃にいく。
そして効果で出したのは、今度は《ハンプティ・ルピア》。無視無視ノンノンのゴスペルコンボを阻害にいく。
しかし公開されたのは、《水晶の王 ゴスペル》3枚に《時の法皇 ミラダンテⅫ》、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》に《キリモミ・ヤマアラシ》。
ジンジャー「やば……」
思わず呟くジンジャー。
ひとまず、ここは《キリモミ・ヤマアラシ》をカットする。
そのまま攻撃へと向かうが、トリガーしたのは《勇愛の天秤》だった。これで《アシステスト・インコッピ》が焼かれてしまったことで、盤面は一気に寂しくなる。
こうなると打点を揃えにくくなったジンジャーは、ここも追加ターンを取らない判断をし、盤面を残すことを決意。《雷炎翔鎧バルピアレスク》の起動をせず、そのままターンを終了した。
5体のクリーチャーを並べられた無視無視ノンノン。
この場面での急所となる《オリオティス・ジャッジ》は実は1枚のみの採用であり、その1枚も先ほど《氷柱と炎弧の決断》で捨てている。
それでも、《水晶の王 ゴスペル》の着地まではいけそうだった。
まずは《最期の竜炎》で《水晶の王 ゴスペル》を切って《ハッター・ルピア》を処理すると、続けて手札の《水晶の王 ゴスペル》を召喚。 墓地の呪文を回収した後、再びの《最期の竜炎》。これも再び《水晶の王 ゴスペル》を切ると、今度は《雷炎翔鎧バルピアレスク》を処理する。
もっとも脅威となりそうな2体のクリーチャーを破壊しつつ、《ハンプティ・ルピア》も当たらない状況を作り出し、ターンを終了した。
見た目上のリーサル(決着)はなくなったジンジャーだったが、手札には《アリスの突撃インタビュー》が控えていた。ここから《雷炎翔鎧バルピアレスク》を繰り出す。
しかし手札はない。追加の打点はない。
だが、無視無視ノンノンを守るのは残り2枚のシールドと、ブロッカーが1体。ジンジャーの盤面には、《アリス・ルピア》と《ハンプティ・ルピア》、《マジシャン・ルピア》といま出てきた《雷炎翔鎧バルピアレスク》。
これでも打点は足りていた。
ジンジャーは意を決して攻撃を宣言。まずは《雷炎翔鎧バルピアレスク》から1点。これは通る。続けて、《ハンプティ・ルピア》で1点。
だがこれが、大きなミスとなってしまった。
《ハンプティ・ルピア》から攻めたことで、《勇愛の天秤》が有効トリガーとなってしまったのだ。 そして奇しくも、最後のシールドは《勇愛の天秤》。《マジシャン・ルピア》が焼かれ、打点はわずかに届かなくなってしまう。
準決勝までのジンジャーのプレイを見るに、平時でこのようなミスを犯すとは考えにくい。ここに至るまでの疲労が、プレイを僅かに狂わせてしまったのだろうか。
《水晶の王 ゴスペル》が残ったまま、ターンが返ってきた無視無視ノンノン。既に勝負の天秤は、大きく振れていた。
まずは《ロスト・ウォーターゲイト》から最後の《水晶の王 ゴスペル》をデッキに固定させると、《氷柱と炎弧の決断》でこれをドロー。
そして攻撃時に革命チェンジで《時の法皇 ミラダンテⅫ》。更に《水晶の王 ゴスペル》効果で《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》。 これぞ、ゴスペルの必殺コンボ。
こうなると、もうあとはゴスペルのゲームだ。《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》も絡み、《水晶の王 ゴスペル》から≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫を見せると、ジンジャーは潔く投了した。
土俵際で耐えた無視無視ノンノンが、優勝に向けて大きな1勝を上げた。
ジンジャー 0-1 無視無視ノンノン
Game2
先攻:ジンジャー ゲームは2ターン目のジンジャーが《ルピア&ガ:ナテハ》を召喚してスタート。ここに《勇愛の天秤》を合わせる無視無視ノンノン。その後ジンジャーは《ハッター・ルピア》を召喚するものの、横に並ぶクリーチャーはなく、ハイパー化は出来ない。
この間に無視無視ノンノンは《氷柱と炎弧の決断》から2ドローを2回選び、ゴスペルコンボの完成に近付いていく。
次のターンには《最期の竜炎》経由で《水晶の王 ゴスペル》まで辿り着けてしまう。
後がないジンジャーは少考を挟むと、2体目の《ハッター・ルピア》を送り込み、ハイパー化。
そして攻撃時にメクレイドを使用すると、やや迷いながらも《ルピア&ガ:ナテハ》を場に置いた。
2体の《ハッター・ルピア》のお陰で、《水晶の王 ゴスペル》からの即死はなさそうだ。とりあえず、ここは一旦手札の確保に走る。
しかし無視無視ノンノンは《バッドドッグ・マニアクス》に《最期の竜炎》と除去2種を打ち込み《ハッター・ルピア》たちをあっという間に処理。更に《勇愛の天秤》を唱え、手札も補充していく。
まさしく一進一退の攻防。もしも優勢・劣勢を示すゲージがあったなら、数字は激しく変動していることだろう。
ジンジャーは返しのターン、5マナで《龍后凰翔クイーン・ルピア》から発進。 そしてすかさず《凰翔竜機マーチ・ルピア》への革命チェンジを決めると、まずはメクレイドから《アリス・ルピア》をプレイ。《雷炎翔鎧バルピアレスク》と《ルピア&ガ:ナテハ》が並び、更に《凰翔竜機マーチ・ルピア》の効果で《ハンプティ・ルピア》がやってくる。
開かれた手札には、《水晶の王 ゴスペル》も《キリモミ・ヤマアラシ》もない。ならばとドローソースである《氷柱と炎弧の決断》を捨てると、《雷炎翔鎧バルピアレスク》で攻撃開始。
攻撃時に《龍后凰翔クイーン・ルピア》を出すと、そのまま追加ターンの獲得に至った。
続けて《龍后凰翔クイーン・ルピア》でメクレイドしながら攻めていくが、ここは《ヤット・パウル》のみ。
それでも追加ターンには、《アリスの突撃インタビュー》からの《龍后凰翔クイーン・ルピア》を着地させると、再び攻撃時に自壊。メクレイドから《アリス・ルピア》が登場したが、場に出たのは《アシステスト・インコッピ》と《ポッピ・冠・ラッキー》のみで、ここでもなおリーサルは取れなかった。
ジンジャーの攻撃は、ここで終了。ターン終了時に《ポッピ・冠・ラッキー》がエスケープで破壊を逃れる。
とはいえ一連の流れで《水晶の王 ゴスペル》の確保は出来なかった無視無視ノンノン。ジンジャーの攻勢を受けたかに見えたが、攻撃キャンセルを駆使されたこともあり、手札も1枚しか増えていない。
ひとまず《ロスト・ウォーターゲイト》を唱えると、迷わず《水晶の王 ゴスペル》をデッキトップに固定。
そして残るマナから、《氷柱と炎弧の決断》を撃つ。ここはドローではなく、《アリス・ルピア》と《ポッピ・冠・ラッキー》の動きを止めて、ターンを返した。
山札の順番を確認するジンジャー。
まずは《アリスの突撃インタビュー》を唱えると、この試合何度目かもわからない《龍后凰翔クイーン・ルピア》が登場する。
そして革命チェンジで再びの《凰翔竜機マーチ・ルピア》。 《龍后凰翔クイーン・ルピア》の破壊対象に動けない《アリス・ルピア》を選択すると、メクレイド+蘇生という、この日ですっかりお馴染みとなった動きで《雷炎翔鎧バルピアレスク》と《龍后凰翔クイーン・ルピア》を用意する。
そして一連の処理を終え、《凰翔竜機マーチ・ルピア》が無視無視ノンノンのシールドをブレイクする。
無視無視ノンノンも意を決してシールドを確認する。ここで踏ませれば、まだ間に合う。
しかし、空しくもここにトリガーはなかった。
打点は3点。相手の楯は1枚。
最後まで慎重なジンジャー。
《龍后凰翔クイーン・ルピア》で《凰翔竜機マーチ・ルピア》を破壊すると、メクレイドと墓地蘇生から《雷炎翔鎧バルピアレスク》を2体用意。これで、《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》の呪文側も完全にケア。
中盤に分岐が多い難しい試合とはなったが、ここ何とかジンジャーが踏ん張り、勝負は最終ゲームへともつれ込んだ。
ジンジャー 1-1 無視無視ノンノン
今大会の話題は、【マーシャルループ】に引っ張られた。
3~4ターン目にフィニッシュすることも可能なループと、強固な受けを兼ね備えたデッキが弱いわけがなかった。《邪魂転生》のお陰で、その安定感も高かった。
その上で、決勝に残った2つのデッキ・プレイヤーは、その【マーシャルループ】を倒してきたという説得力のあるプレイであり、デッキ構築だった。
【火光水ゴスペル】は小型の除去で《マーシャル・クイーン》の進化元に触ることが出来るし、≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫を絡めることで一定の要求を押し付けながらフィニッシュが可能となった。 加えて無視無視ノンノンのゴスペルには《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》が採用されていた。これは同型を見て採用したとのことだったが、結果として《逆転の影ガレック》に対して強く出ることも出来たのだ。
それはジンジャーの【火光闇ファイアー・バード】も同じだった。
その特徴はやはり《凰翔竜機マーチ・ルピア》だろう。 《凰翔竜機マーチ・ルピア》は、展開時のファイアー・バードの出力を上げるカードであるが、これまでオリジナルのファイアー・バードで出力に不満を覚えるプレイヤーはそうそういなかった筈だ。
だが今回、【マーシャルループ】の躍進により、ファイアー・バード側としてもとにかく多数の妨害を絡める必要に迫られ、そこに対応出来なかったファイアー・バードは次々と【マーシャルループ】に絡め取られてしまった。
しかし《凰翔竜機マーチ・ルピア》を使ったジンジャーは、勝ち残った。
《凰翔竜機マーチ・ルピア》が絡む展開は《ハンプティ・ルピア》の連打や《ポッピ・冠・ラッキー》の複数展開も可能となり、対マーシャルを考える上で、必要な出力増強だったのだ。
その上で、準決勝の対【マーシャルループ】戦は、お手本のようなプレイだった。
例えば《ハンプティ・ルピア》のハンデスでも、《マーシャル・クイーン》を落としただけでは、《影世界のシクミ》が回答となる。
だったら《マーシャル・クイーン》が出て後のことを考えて、《逆転の影ガレック》を落とせばいい。こうした積み重ねによって、完封とも言える勝利を上げたのだ。
この両者が決勝の舞台に辿り着いたことには納得感があり、説得力がある。
勝負は三本目。優勝という称号は、どちらの天秤に振れるのか。
Game3
先攻:無視無視ノンノン無視無視ノンノンは《エンドレス・フローズン・カーニバル》をチャージ。対してジンジャーは《龍后凰翔クイーン・ルピア》と、互いに多色マナを置いていく。
2ターン目の無視無視ノンノンは《時の法皇 ミラダンテⅫ》をチャージしつつ、《ロスト・ウォーターゲイト》から始動。ここでシールドの中身を確認しつつ、初動となる《氷柱と炎弧の決断》を固定し、ターンを終了。
ジンジャーは2ターンをチャージエンドのみで終え、無視無視ノンノンにチャンスがきた。
ただし無視無視ノンノンにも赤マナがなく、《氷柱と炎弧の決断》は撃てず。ここは《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》からスタートを余儀なくされる。
ここでジンジャーは《雷炎翔鎧バルピアレスク》を埋めると長考。
様々なプランが頭を過ぎるが、ここは迷いながらも《ハンプティ・ルピア》の召喚となった。
公開された手札は2枚の《水晶の王 ゴスペル》に《ファイナル・ストップ》、そして《氷柱と炎弧の決断》。
上からの火マナが受け入れとなるので、ここは《氷柱と炎弧の決断》を落とす。
無視無視ノンノンは、上から引いた《ファイナル・ストップ》を埋めると、《ファイナル・ストップ》を唱えてターンエンド。
盤面に起点を作れたため、ジンジャーは《ハッター・ルピア》の構え。再び考慮の末、ハイパーモードを解放し、攻撃を開始する。捲れたのは、《ハンプティ・ルピア》。《ファイナル・ストップ》で引いた《バーニング・フィンガー》を叩き落とし、1点。
しかし、無視無視ノンノンは大きな大きな《最期の竜炎》をトリガーした。その宣言にも、力が籠もる。
《水晶の王 ゴスペル》を1枚切るものの、《ハッター・ルピア》の処理に成功する。これで天秤は、無視無視ノンノンに傾くか。
返しのターン、まずは《水晶の王 ゴスペル》を召喚すると、墓地の呪文を《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》を残して全て回収。ここから追い討ちの《最期の竜炎》に、《ロスト・ウォーターゲイト》も唱え、後続のドロソとなる《氷柱と炎弧の決断》をデッキトップに固定し、ターンエンドを終了。
いよいよ、優勝へのカウントダウンが始まった。
なんとかしたいジンジャーだった、手札を確認すると《雷炎翔鎧バルピアレスク》の他は小型クリーチャーばかり。ここは勝負の《ハッター・ルピア》を選択すると、迷わずハイパー化。再び攻撃へと向かう。 ここのメクレイドでやってきたのは、なんと《龍后凰翔クイーン・ルピア》。これはジンジャーにも、まだチャンスがありそうだ。
そして《ハッター・ルピア》の1点が通るが、ここで無視無視ノンノンの動きがやや止まる。トリガーしたのは《勇愛の天秤》だった。 盤面を確認すると、破壊出来る対象はいない。ここで手札交換を選択する。
ジンジャーは《龍后凰翔クイーン・ルピア》で攻撃時に自壊をすると、メクレイドで《雷炎翔鎧バルピアレスク》がヒットする。しかし、これでは打点が足りない。そもそも《雷炎翔鎧バルピアレスク》から勝てる状況なら、最初からそれを選択していたのだ。
とはいえ、ここで止まったら《水晶の王 ゴスペル》が動く。これは負けに等しい。ジンジャーは《雷炎翔鎧バルピアレスク》で攻撃を宣言し、効果で《ハンプティ・ルピア》を繰り出す。 だが無視無視ノンノン、ここで顔が苦痛に歪んだ。公開された手札にはなんと《水晶の王 ゴスペル》の姿があった。ジンジャーはこれを迷わず撃ち抜いた。
なんということだろう。
無視無視ノンノン「仮に山札に2枚《水晶の王 ゴスペル》が残っていたら、或いは山札の中身を知らなかったら、あの《勇愛の天秤》は撃ってないですね」
奇しくも無視無視ノンノンは最初の《ロスト・ウォーターゲイト》でデッキの中身を把握していた。つまりシールドに1枚《水晶の王 ゴスペル》が落ちていることを把握しており、デッキに残る《水晶の王 ゴスペル》は、わずか1枚だと認識していた。
2ドローするにしても、デッキトップは《氷柱と炎弧の決断》で確定している。
まさか、まさか、その1ドローで最後の《水晶の王 ゴスペル》を引くことがあるだろうか。それだったら、まだ見えていない《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を探した方がいいのではないか。
だが勝負の天秤は、こんなところに死の罠を仕掛けて待っていたのだ。
こうして《ハンプティ・ルピア》で盤面のゴスペルは破壊。墓地には無残にも、3枚の《水晶の王 ゴスペル》の姿がある。
《雷炎翔鎧バルピアレスク》の1点はここで《最期の竜炎》を踏むものの、《ハッター・ルピア》が退くのみ。
そうして帰ってきたターンで、無視無視ノンノンは《氷柱と炎弧の決断》。1体止めと2ドローを選択する。ひとまず、《雷炎翔鎧バルピアレスク》は止まった。
ジンジャーは《龍后凰翔クイーン・ルピア》を召喚すると、これを自壊させながら《ポッピ・冠・ラッキー》を送り込み、ターン終了。決して、手札を与えない。
《水晶の王 ゴスペル》3体を失った無視無視ノンノンは、ここはチャージのみ。
ジンジャーは《アシステスト・インコッピ》を召喚し、《雷炎翔鎧バルピアレスク》の攻撃から《アリス・ルピア》を送り込む。
《ハッター・ルピア》と《雷炎翔鎧バルピアレスク》が追加され、無視無視ノンノンに襲い掛かる。
ここ1点でトリガーしたのは《オリオティス・ジャッジ》だった。
《雷炎翔鎧バルピアレスク》たちが山札下へと送られるものの、打点は充分に残っている。≪「真実を見極めよ、ジョニー!」≫でも、これは止まらない。《B.F.F. モーメント》ですら、《アシステスト・インコッピ》が守ってくれる。
ジンジャーは攻撃を続行する。
無視無視ノンノンの最後のシールドは、眠っていた最後の《水晶の王 ゴスペル》だった。 ジンジャー 2-1 無視無視ノンノン ジンジャー「あー、やっと終わった」
試合後、ジンジャーはとにかくぐったりした様子のまま放送席へと向かった。
その後トロフィー授与や写真撮影などを終えた彼に、今の心境を伺ってみた。
ジンジャー「疲れました」
それが正真正銘の、偽らざる本音だったのだろう。
これにて、DMGP2024-2ndは幕を閉じた。
Day2の優勝は、《凰翔竜機マーチ・ルピア》を手持ちに加え、新たな形のファイアー・バードを見せてくれたジンジャーであった。
おめでとう、ジンジャー!
まずは帰って、ゆっくり休んで欲しい。
CHAMPION:ジンジャー
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