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DMGP2024-1st Day1(アドバンス)Round 6:神結 vs. ざわ/仔猿

ライター:原田 武(たけじょー)
撮影:後長 京介

 あなたは普段、デュエマに関する情報をどこで手に入れているだろうか。公式サイト、雑誌、SNS、情報ブログ、動画サイト……無数のデータが飛び交うこの情報社会において、豊かなデュエマライフを送るためには情報収集が欠かせない。

 そして、それらの情報には当然ながら「書き手」がいる。その最も著名なうちの一人が神結だ。公式サイトでのカバレージ執筆をはじめ複数の有名ブログの運営・寄稿に携わるほか、CS主催も務めており多様なアプローチでデュエマを盛り上げている。神結の記事を見たことがない……というプレイヤーも逆に珍しいだろう。

 そんな彼が、珍しく選手としてグランプリに参加するのだという。

神結「プレイヤーで出るのはGP9th以来かな。それ以外はGP7thからずっとライターでやらせてもらってて」

 では何故、今回は選手側での参加を決めたのか?

神結「アドバンスだから。ずっとアドバンスが好きで遊んでいて、次の(アドバンスの)GPには出たいと思ってた。念願叶ってって感じだね」

 そしてそのアドバンス愛を証明するがごとく、ここまで黒星無しで勝ち上がってきた訳である。知は力なり———かつてそう謳った哲学者がいたが、それを証明するかのような戦いぶりだ。

 そんな神結に対するのはざわ/仔猿。地元・山梨のデュエマを盛り上げたい、と夢を語ってくれた。

ざわ/仔猿「去年下半期から、地元のショップで大会運営の練習をさせていただいています。いずれ正式にジャッジ資格を取るのが目標です」

 片や、デュエマ界屈指のライター神結。片や、郷里のデュエマの未来を担うざわ/仔猿

 デュエマを愛し、盛り上げようとするもの同士の勝負。これが白熱しないはずがない。

Game

 先行はざわ/仔猿。手札を確認するや否や、躊躇いなく《巨大設計図》をマナチャージ。超次元ゾーンの《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》《邪帝斧 デッドアックス》といった顔ぶれと合わせ、デッキタイプがおおよそ確定する。

 【光自然巨大天門】。現アドバンスの頂点に君臨する、守りの王道

 対する神結のマナチャージは《氷柱と炎弧の決断》。環境内では【水火マジック】や【光水火ゴスペル】の屋台骨として活躍するドローソースだ。

 《最終龍覇 グレンモルト》を用いたデッキ、なかでも【4cドラグナー】を推している印象のある神結だが、今回のデッキ選択は一味違うようだ。

 だが、神結の使用デッキがなんであれ、ざわ/仔猿のプレイに変化はなかっただろう。2ターン目、まずは2枚目の《巨大設計図》をチャージ。唱えたのは予定調和の《超七極 Gio / 巨大設計図》  《巨大設計図》《超七極 Gio / 巨大設計図》のパッケージで一世を風靡した、かの【グルメ墓地ソース】から競技デュエマに踏み込んだと語るざわ/仔猿

 人一倍の思い入れに応えて手札に集結した≪巨大設計図≫は、《闘門の精霊ウェルキウス》《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》《閃光の神官 ヴェルベット / フェアリー・パワー》《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》を呼び込んだ。

 そのまま続く3ターン目に《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》の呪文側を使用、手札に加わるカードこそなかったもののマナを伸ばす。どんなデッキにも通用する、【光自然巨大天門】の誇る押し付けムーブだ。

 一方神結はというと、2ターン目は≪エマージェンシー・タイフーン≫、3ターン目は《ア・ストラ・センサー》+《勇愛の天秤》で手札と墓地を整えてターンを終える。

 これで神結のデッキは【光水火ゴスペル】であることが明らかになった。十分に良いスタートと言える内容だが、先手後手の速度差を覆すには至らない。

 4ターン目。マナ5枚。【光自然巨大天門】にとっては一つのゴールとも言えるターンを迎え、ざわ/仔猿が動く。 《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》
 
 開かれた星門から降り立つのは《闘門の精霊ウェルキウス》《闘門の精霊ウェルキウス》、そして《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》

 トドメと言わんばかりに《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》を呼び出し、ターン終了時に《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》を着地させた。宣言は勿論、《水晶の王 ゴスペル》

 呪文1枚からで大型ブロッカー4体の包囲網を築き、おまけに神結の切札たる《水晶の王 ゴスペル》まで封殺したざわ/仔猿。この圧倒的パワーこそがアドバンスの【光自然巨大天門】の最強たる所以の一つだ。




 だが。神結は焦らない。

 知っているからだ。【光自然巨大天門】の強さを。アドバンスフォーマットのアグレッシブさを。蓄積された経験と知識故に、彼は焦らない。

 そして、知っていれば、対策もできる。

 ターンが返った神結が唱えたのは、《オリオティス・ジャッジ》  【光自然巨大天門】の強みであるわずか5コストからの大型クリーチャー展開をそのまま弱点として突き付けるこの呪文により、居並ぶざわ/仔猿のブロッカーはまとめて山札の下に送還されてしまう。

 「EXライフ」で《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》こそ踏みとどまったものの、ほぼほぼリセットと言ってよい大打撃だ。これでターン終了。

 しかし、このカウンターパンチを喰らってなおざわ/仔猿は冷静さを保ったままだ。マナチャージして6マナ、《ヘブンズ・ゲート》  繰り出すのは……《闘門の精霊ウェルキウス》《冥界を統べる新月のハーデス》  《闘門の精霊ウェルキウス》の効果で再び《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》を呼び寄せ、《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》を増設。ターン終了時に≪閃光の神官 ヴェルベット≫を出して手札を使い切る。

 ≪巨大設計図≫で抱え込んだリソースが実を結び、1ターンで体制を立て直すことに成功した。

 《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》の設置こそ成らなかったものの、ふたつの《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》によって光以外の呪文のコストは+2。≪閃光の神官 ヴェルベット≫によって《キリモミ・ヤマアラシ》《水晶の王 ゴスペル》での奇襲は無効。やむなく神結《勇愛の天秤》のドローのみで5ターン目を終える。

 ざわ/仔猿の6ターン目が始まると、《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》がW龍解。≪天命讃華 ネバーラスト≫二体が顕現し、光以外の5コスト以下の呪文が禁止される。

 そしてこのままゲームに幕を下ろすべく、ブロッカー軍団が動き出す。《闘門の精霊ウェルキウス》で攻撃時にパラレル侵略、《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》のトリプル・ブレイクが神結を襲う!

 大型クリーチャー7体による一斉攻撃。光以外の呪文の制限。おまけにクリーチャーはタップイン。戦力の差は歴然……かに思われた。




だが。神結は諦めない。

 知っているからだ。デュエル・マスターズは逆転のゲームであると。『最強』の座を賭けた数多の戦いを見守り、記録してきた男の、それは確信だった。

そして、信じたからこそ、デッキは答えた。 神結「よし!《オリオティス・ジャッジ》!」

 裁き、一閃。〈エスケープ〉の耐性をもすり抜けて、再びざわ/仔猿のクリーチャー達が吹き飛ぶ。残されたのは《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》一体のみ。

 それでも僅かな望みにかけて残された《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》で突っ込むざわ/仔猿だったが、なんと三枚目の《オリオティス・ジャッジ》がトリガー!遂にバトルゾーンは更地に戻った。やむなくターンを終えるざわ/仔猿

 神結、待望の6ターン目。まずは《キリモミ・ヤマアラシ》、続いて僅か2コストで《水晶の王 ゴスペル》召喚!  墓地から拾い上げた《セイレーン・コンチェルト》を即座に唱え、マナゾーンの《奇石 ミクセル / ジャミング・チャフ》を回収。更に《氷柱と炎弧の決断》でドロー効果を2回選択して手札を整え、下準備は完了。

 スピードアタッカーを得た《水晶の王 ゴスペル》の攻撃時に革命チェンジ、《時の法皇 ミラダンテⅫ》  《時の法皇 ミラダンテⅫ》の効果で回収したばかりの≪ジャミング・チャフ≫を唱え、呪文を封殺。〈ファイナル革命〉でコスト7以下のクリーチャー召喚までも制限し、【光自然巨大天門】相手には事実上のS・トリガー完封となる。  さらに、《水晶の王 ゴスペル》の攻撃時能力で《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を詠唱!クリーチャーロック+呪文ロック+追加ターンの三重奏で殴りこむ。トリプル・ブレイクが通り、ターン終了。

 再び神結のターン。革命チェンジで手札に戻った《水晶の王 ゴスペル》が再度《キリモミ・ヤマアラシ》を伴って飛び出し、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を回収。  そのままざわ/仔猿へと攻撃し、今度は≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫に革命チェンジしながら《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》

 さしもの守りの王道も、これほどまでのカウンター封じの前には打つ手なし。最後は《時の法皇 ミラダンテⅫ》のダイレクトアタックが決まり、勝利の栄光を刻みこんだ。

Winner:神結

 試合を終えた神結に、今回の【光水火ゴスペル】というデッキ選択について聞くことができた。

神結「今のアドバンス環境だとまず【光自然巨大天門】が一つ抜けて最強で、その下に【水火マジック】【闇自然アビス】、【光ゼロサバキZ】なんかが並んでいる。これらにある程度勝率の出せるデッキを探したら【光水火ゴスペル】になった、って感じかな」

神結「はじめは【光自然巨大天門】が厳しかったんだけど、オールインコンボからコントロール寄りに切り替えたら勝てるようになった。《ドリル・スコール》でランデス(マナ破壊)したり、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》《時の法皇 ミラダンテⅫ》のロックでいろんなデッキに勝てるようになったりね」
 
 アドバンスフォーマットはオリジナルと比べ、開拓の余地が多分に残されている。このグランプリをきっかけに、色んなプレイヤーがアドバンスに触れてくれると嬉しい。神結はそんなことを語ってくれた。

インタビューがひと段落ついたところで次回戦のマッチングが発表され、神結は席を立つ。筆者も取材のお礼を伝え、ブースの外まで見送った。

神結「じゃあ、頑張ってね~」

ありがとうございます!頑張ります!

神結「まあ、出来は見るけどね」

うっ。

思わず顔を引きつらせた筆者にもう一度手を振って、神結はプレイヤー達の中に消えていった。

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