DMGP2025-1st Day1(アドバンス) 準々決勝:みるえめ vs. 本家
ライター:鈴木 響太(ボルスズ)
撮影:坂井 郁弥

DMGP2025-1st Day1、その準々決勝の場に男たちはいた。
みるえめと本家。【ファイアー・バード】と【ヘブンズ・ゲート】。この時代を代表するかのようなデッキを操る二人の男は、緊張した面持ちで向かい合っている。
すでにBest8のプロモを配られることが決まった中でも、気を緩めない。みるえめが大きな息を1つ吐くと、プライドをかけた灼熱の勝負は静かに幕を開けた。
先攻:みるえめ
Game1

対する本家は思考を巡らせたのち、《真気楼と誠偽感の決断》のチャージから続く2ターン目。
本家「ちょっと強気に動いたほうがいいか」
宣言通りに放たれたのは天運開闢の一手、《ラッキー・ダーツ》!!

最悪の展開は免れ、安堵のみるえめは《ハッター・ルピア》を召喚。すかさずハイパーモードを解放すると、攻撃時には《ポッピ・冠・ラッキー》が着地し、磐石な体制を固めていく。
チャージャー分で1ターン浮いたテンポを活かし、返す本家は《理想と平和の決断》を除去で使用。踏み倒しを多用し、超次元も駆使する【ヘブンズ・ゲート】にとっては、この速度感が非常に染み渡る。
一進一退の攻防は続く。盤面を失ったみるえめは、逡巡ののち《ハンプティ・ルピア》によって前方確認に入る。
本家の手札にビッグアクションがないことを見極め、手札に1枚の《理想と平和の決断》を弾いて再びテンポをくじきに行く形へ。たまらず《真気楼と誠偽感の決断》を手札交換に使う本家を見届けると、ついにみるえめが動き出す!
《龍后凰翔クイーン・ルピア》を召喚し、攻撃時に《凰翔竜機マーチ・ルピア》へ革命チェンジ。そのままチェンジ先を破壊して、メクレイドから《アリスの突撃インタビュー》、《龍后凰翔クイーン・ルピア》を捨ててそのままバトルゾーンに。さらに《凰翔竜機マーチ・ルピア》の力でもう一体の《龍后凰翔クイーン・ルピア》が着地。
猛攻は終わらない。《龍后凰翔クイーン・ルピア》を攻撃時に自壊させると、飛び出したのは《雷炎翔鎧バルピアレスク》!そしてもう一度自壊メクレイドから《アリス・ルピア》!!

能力で飛び出したのは2体の《龍后凰翔クイーン・ルピア》と《ポッピ・冠・ラッキー》!!!
本家「強いねえ……」
《雷炎翔鎧バルピアレスク》攻撃時に手札から再び《アリス・ルピア》!!!
本家「凄まじいねえ……!」
たまらず感嘆三段活用を漏らす本家だが、お構いなしに【ファイアー・バード】の展開は続く。《アリス・ルピア》から《マジシャン・ルピア》、《ハッター・ルピア》、《凰翔竜機マーチ・ルピア》を送り込むと、ようやくシールドのブレイクへ。
本家「……!ジョニーで」

攻撃可能クリーチャーが8体残っていることを確認すると、少々悩んだのち、《雷炎翔鎧バルピアレスク》と2体の《龍后凰翔クイーン・ルピア》をバウンスすることに。
攻め手が心許ないと判断したのか、ターン終了に移行し、自壊デメリットによって《ハンプティ・ルピア》で《真気楼と誠偽感の決断》をケアしに行くみるえめ。
みるえめ「うわ、ペテン2枚か……」
用意周到な本家、ルーティングでしっかり抱えていた《真気楼と誠偽感の決断》を1枚落とされるも、残る1枚でた手札交換とシールド化を選択。エスケープで生き残っていた《ポッピ・冠・ラッキー》を除去し切ることに成功した。
しかし、なおも追い詰められた状況には変わりない。6マナを支払い、《光開の精霊サイフォゲート》から《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》につなぎ、ダブル《真気楼と誠偽感の決断》を回収。望みを繋ぎに行く。
この1ターン。この1ターンをみるえめは見逃さなかった。
《雷炎翔鎧バルピアレスク》攻撃時に手札からまたも《アリス・ルピア》を射出し、3体目の《ポッピ・冠・ラッキー》を含むウィニー3体を捲る。が、ここはクレバーに何も出さないことを選択。抱え込んだ《真気楼と誠偽感の決断》をケアしつつ、シールドをブレイク。
トリガーを踏まなかったことを確認すると、《雷炎翔鎧バルピアレスク》と《アリス・ルピア》を残して追加ターンへ突入!
引き込んだ殿堂カード、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で《コッコ・武・ルピア》と《アシステスト・インコッピ》を踏み倒し、入念に自身の戻すカードを吟味する。山札は残り4枚。先のメクレイド、《アリス・ルピア》を計算に入れなくてはならない。
《ハンプティ・ルピア》と《マジシャン・ルピア》を2体ずつ、《ハッター・ルピア》、《龍后凰翔クイーン・ルピア》を残して、残りは入念に山札の下へ。《光開の精霊サイフォゲート》を除去する。
この先はもはやみるえめの計算の範囲内だ。墓地からデッキから、《ハンプティ・ルピア》を3度踏み倒し、《真気楼と誠偽感の決断》ひいては《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》のEXライフをも安全に解体。
アドバンスで最もポピュラーな矛である、≪蒼き覚醒 ドギラゴンX≫にチェンジしてのダイレクトアタックが通り、鮮やかに1本目を収めた。
みるえめ 1-0 本家
Game2

《マジシャン・ルピア》、《ハンプティ・ルピア》とテンポよく動き出したみるえめに対し、4ターン目に《理想と平和の決断》から《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》、《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》、《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》、《ヘブンズ・ゲート》を呼び込むどっしりとした構え。
なおも《アシステスト・インコッピ》、《ルピア&ガ:ナテハ》と展開するのに対し、2枚目の《理想と平和の決断》ですかさず《アシステスト・インコッピ》を除去。本家のギアが上がり出す。
《ハッター・ルピア》のメクレイドから《ハンプティ・ルピア》を呼び出すも、すでに手札は潤沢。《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》を落とされても、まだ1枚抱えているため動じない。
反す刀で、満を辞して《ヘブンズ・ゲート》を超動!!

3枚目となる《ハンプティ・ルピア》による執拗なピーピングハンデスにも怯まず、ついにトップギアへ突入!
《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》の攻撃トリガーで《ヘブンズ・ゲート》を発動、アドバンス伝家の宝刀たる《頂上接続 ムザルミ=ブーゴ1st》、《光開の精霊サイフォゲート》を呼び出すと、続け様に《邪帝斧 ボアロアックス》、シールド多重化、≪暴発秘宝ベンゾ≫、さらには6重のシールドから≪星龍の暴発≫、≪真実を見極めよ、ジョニー!≫、《光開の精霊サイフォゲート》と怒涛の展開を見せる。
そこからの本家は鮮やかだった。
《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》、《真気楼と誠偽感の決断》、《ヘブンズ・ゲート》、≪真実を見極めよ、ジョニー!≫を駆使したサイクルで手際よく超次元ゾーンから輪廻への道のりを整え始める。
みるえめ「あ、ファンパイループか」
ループ証明目前、一足先に気づいたみるえめが時間確保のために投了した。
みるえめ 1-1 本家
Game3
残る時間は20分。丁度一戦分ほどの完璧なタイムキープの中、使わないGRのシャッフルも軽めに最終ラウンドへ両者は向かう。お互いに静かな立ち上がりの中迎えた先攻3ターン目。深く息を吐いて、みるえめが動き出す。
《ハッター・ルピア》を召喚し、直前のターンに呼び出していた《マジシャン・ルピア》を寝かせてハイパー化するや否や、迷いなくシールドへ向けて特攻!!
本家「強い!」
メクレイドから現れた《龍后凰翔クイーン・ルピア》を前に、思わず声の出る本家。
トリガーはなし。続く女王の攻撃。自壊から蘇生がつながり、再び自壊から三度目の《龍后凰翔クイーン・ルピア》を戦場へ送り込む。
墓地が用意できたことを合図に、控えていた《凰翔竜機マーチ・ルピア》へ革命チェンジ!
メクレイドからはさらなる《凰翔竜機マーチ・ルピア》、能力で不死鳥のお株を奪うが如く、4度、さらには自壊から5度目の《龍后凰翔クイーン・ルピア》が顕現。
さらなる自壊メクレイドから、《アリス・ルピア》が駆けつけると、待望の《雷炎翔鎧バルピアレスク》を含む3体が飛翔する!!

みるえめ「バルピアアリスアリス冠マジシャンで」
絶望の詠唱、《凰翔竜機マーチ・ルピア》の助力によって実質的な無傷どころか、《雷炎翔鎧バルピアレスク》が再び戦場へと舞い戻る。
この1点からは《理想と平和の決断》で応えるも、本家の表情は暗い。
本家「……全部くっつけるしかないか」
選択は手札補充とシールド化。《理想と平和の決断》と《ヘブンズ・ゲート》が加わるも、狙い通りとはいかなかった様子だ。
さらなる追加ターン獲得能力の起動によって、《ハンプティ・ルピア》で手札のブロッカーをはたき落とすと、《ポッピ・冠・ラッキー》でシールドをブレイク。……トリガーした《光開の精霊サイフォゲート》は、《ハッター・ルピア》を含めて二重にケアされている。
残るシールドも叩き割られ、≪蒼き覚醒 ドギラゴンX≫のダイレクトアタックが通り、激闘は幕を下ろした。

本家「一本目のドカ引きで勝てなかった俺が悪いか~~~」
みるえめ「一本目、公開領域にGSが全部あったんですよ。気付かないで、って祈ってました」
本家「あったんだ。下手負けだ……悔しいね」
敗北してもただでは帰らない。きっと、幾度となくその姿勢を貫いてきたのだろう。
悔しさも、後悔も、労いも、賞賛も。全てを露わにし、飲み下す。
それこそが、未来の勝利へ繋がるのだと信じて。
そして、勝者はそのすべての想いを受けて、一歩、また一歩と頂点への道を進むのだ。
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