デュエル・マスターズ

メニュー
商品情報

ジュニアグランプリ2024 :決勝戦ダイジェスト~最高のキリフダたち~

ライター:河野 真成(神結)
撮影:川守田 悠

 キリフダ。
 デュエル・マスターズを始めたその日から生まれ、そして今日に至るまで、心の中で代々受け継がれていく1枚だ。
 
「初代キリフダは何?」

 その問いに、各々が思い浮かべる1枚が、きっとある筈だ。
 
 ここジュニアグランプリでも、自分がそれを決めたキリフダたちが大いに活躍し、大会を盛り上げていた。

 そしていよいよ舞台はD4を決める決勝戦。
 “ぼく・わたし”の1枚には、どんな瞬間が訪れたのか。

 その戦いを追っていこう。

Aブロック:Ruka Jr. vs. masaくん


 7月20日発売された『超感謝祭 ファンタジーBEST』。そこで新たに登場したのが、【光闇火ファイアー・バード】のデッキだ。
 発売されて僅か1週間という短い中でカードを集め、練習をしてきたRuka Jr.は見事に決勝進出を果たした。

 《ハッター・ルピア》《ハンプティ・ルピア》といった優秀な小型ファイアー・バードでゲームを作り、《龍后凰翔クイーン・ルピア》《アリス・ルピア》といった中・大型のファイアー・バードが展開。

 そして最後は覚醒した《雷炎翔鎧バルピアレスク》で、追加ターンを取って勝利する。
 それが現在のファイアー・バードというデッキだ。

 だがmasaくんのデッキは、展開デッキの天敵となる《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を軸としたもの。加えて、《光開の精霊サイフォゲート》《革命の絆》という受けも待っている。

 果たしてRuka Jr.のファイアー・バードは、これらの壁を乗り越え、天を翔けることが出来るか。

Game1


 ゲームは序盤はRuka Jr.のペース。
 
 《ハッター・ルピア》で相手を止めつつ、《ハンプティ・ルピア》で後続を断つという理想の展開に。
 そして《ハッター・ルピア》の凄いところは、相手を牽制しつつ自分はメクレイドによって展開を可能とするところ。
 盤面には次々とファイアー・バードが駆け付け、空はすっかり鳥の群れ。そして切り札である《雷炎翔鎧バルピアレスク》も、ワイバーンに跨がりやってきた。

 こうして追加ターンを得たRuka Jr.
 その後、彼が送り込んだのは無慈悲な《ルピア炎鬼》

 これによって《光開の精霊サイフォゲート》からの展開も、《革命の絆》をも無効化。
 
 第1ゲームはmasaくんに見せ場を作らせることなく、Ruka Jr.が完勝した。

masaくん 0-1 Ruka Jr.

Game2



 やはり立ち上がりはRuka Jr.が主導権を握る。
 まずは後攻2ターン目、《マジシャン・ルピア》からスタート。masaくんの≪ギャラクシー・チャージャー≫に対して、《ハンプティ・ルピア》を絡めて慎重に立ち回る。

 《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を抜かれた以上、masaくんは耐えの姿勢で挑むしかない。

 その間にRuka Jr.はファイアー・バードを展開。
 《雷炎翔鎧バルピアレスク》も到着し、ゲームは先の再現かと思えるような状況となる。
 だが1つだけ、この試合は大きな違いがあった。

 追加ターンを得てなお、《ルピア炎鬼》を出すことが出来なかったのだ。

 とはいえ、ターンを返せば相応のお仕置きが待っているのでいくしかない。
 だが宣言したダイレクトアタックに対して、待っていたのは《ミラクル・ミラダンテ》《革命の絆》

 そして《革命の絆》から《光開の精霊サイフォゲート》が捲れたことで、大展開が開始。《闘門の精霊ウェルキウス》を絡めた夥しい数の光のクリーチャーたちが並んでいく。

 《聖魔連結王 ドルファディロム》とファイアー・バードが取っ組み合いしたら、もう結果は言わずもがな。
 masaくんのカウンターが見事に炸裂し、このゲームを奪取。試合は最終ゲームへともつれ込む。

masaくん 1-1 Ruka Jr.

Game3



 Ruka Jr.《ルピア&ガ:ナテハ》と上々のスタート。
 そして先のゲームで引けなかった《ルピア炎鬼》が、この試合は手札に来ていた。これを投下し、準備を進めていく。

 とはいえ、《ルピア炎鬼》《アリスの突撃インタビュー》など自身の展開をも抑制する。そのため、ここは一旦《ハンプティ・ルピア》でゆっくりとした試合を目指す。
 だがmasaくんは、ここの隙を見逃さなかった。
 マナ5から軽減が3入り、《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》が着地。

 《ルピア炎鬼》を破壊すると、迷わずプレイヤーへと攻撃を敢行する。

 ……そう、《ルピア&ガ:ナテハ》が2,3,4ターンと経過していたため、シールドが減っていたのだ。
 そしてこの《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の攻撃で、シールドは0。

 当然このターンは《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の効果範囲内。その力によって、ファイアー・バードは天を翔るための羽を奪われ、地へと引き摺り下ろされる。

 そしてもちろん、ファイアー・バードに《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》をEXライフごと処理するカードは、入っていなかった。
 それは即ち、ゲームの勝敗を意味する。

「今日、ロッド・ゾージアを使った人、手を挙げて!」

 大会後、じゃんけん大会の途中でチアリそんな質問をしたとき、masaくんは元気に手を挙げた。そして他に手を挙げた参加者は、(筆者の見えた範囲では)いなかった。
 自分だけが使いこなした、1枚のキリフダ。
 
masaくん「前回はベスト16で終わったので、D4になれて嬉しいです!」

 リベンジを期したこの大会で、そんな1枚を使いこなしたmasaくんが、見事にD4に輝いたのだ。
masaくん 2-1 Ruka Jr.

Bブロック:yoshia vs. ボルシャックカイザー


 見事決勝まで進出を果たしたボルシャックカイザー
 使用しているデッキもその名に相応しく、《龍世界 ~龍の降臨する地~》《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》といった、熱くロマン溢れるキリフダたちで構成されている。

 しかしyoshiaのデッキは、《DARK MATERIAL COMPLEX》を軸にメタ(妨害)クリーチャーやハンデス(手札破壊)などで構成された、言うならば冷酷に現実を突きつけるようなもの。

 いわば正反対と言えるようなのデッキの対決である。
 熱血と冷酷。ロマンと現実。上回るのはどちらか。

Game1


 ゲームは序盤からyoshiaのゲーム。

 《冥土人形ロッカ・マグナム》を複数並べ、踏み倒しを牽制。

 更には《冥土人形ヴァミリア・バレル》《アーテル・ゴルギーニ》といったカードを
並べていき、ゲームを完全にコントロール。ボルシャックカイザーに現実の厳しさを突きつけていく。

 盤面を制圧したあと、yoshiaが着地させたのは《テラ・スザーク <ナーガ.Star>》。一度破壊されたメタクリーチャーも蘇生出来る、お洒落な1枚だ。

 こうして、並べたクリーチャーたちで総攻撃を掛ける。

 ボルシャックカイザーは最後に《革命の絆》を宣言するものの、捲れたカードは無情にも《龍世界 ~龍の降臨する地~》

 これが現実だと言わんばかりのゲーム展開で、夢を見させることなくyoshiaが第1ゲームを制した。

yoshia 1-0 ボルシャックカイザー

Game2



 ボルシャックカイザーは先攻3ターン目に《龍世界 ~龍の降臨する地~》を展開してスタート。

 上々の立ち上がりで今回こそ踏み倒しの威力が発揮されるかに見えたが、yoshiaはマジレスの《冥土人形アカイブ・ヤップップ》
 エレメントをも破壊出来るこのカードで、直ぐさまの対応。見事な手札キープで、ボルシャックカイザーに夢を見させない。

 その後は、直前と同じようなゲームに展開となる。

 複数の《冥土人形ロッカ・マグナム》で封殺しながら展開していき、《忍蛇の聖沌 c0br4》《アーテル・ゴルギーニ》といったカードが複数並ぶ状況に。

 一方でボルシャックカイザーも先の試合でyoshiaのプレイスタイルを理解したか。「打点を並べきるまで殴ってこない」と判断し、引いた《革命の絆》や除去となる《爆殺!! 覇悪怒楽苦》を全てキープしていく。
 
 しかし9マナは中々遠く、これを手撃ちする前にyosihaは打点を並べきり、攻撃を開始。《冥土人形ロッカ・マグナム》が複数いる状況であれば、仮に《革命の絆》で耐えられても、返しに殴り切るのは難しい筈だった。
 
 となるとやはり前ゲームと同じ結末を迎え、新たなD4が決定するのかとも思われたが、ボルシャックカイザーはしっかり《革命の絆》を宣言。
 そして今回捲れたのは《龍世界 ~龍の降臨する地~》ではなく、なんとなんと《頂竜連結 バジュエン・ザ・ローラ》

 3000以下のクリーチャーが全て破壊されることとなり、当然《冥土人形ロッカ・マグナム》軍団は全滅。
 
 ダイレクトアタックを防いだだけでなく、なんと厄介だったメタクリーチャーをも消えていった。
 
 ターンが返ってきたボルシャックカイザー
 まずは《ボルシャック・ヴォルジャアク》を召喚すると、そのまま革命チェンジを宣言。《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》が降臨。ゲームの模様は一気に逆転。

 このまま打点で押し切ったボルシャックカイザーが、見事にゲームを奪い返した。

yoshia 1-1 ボルシャックカイザー

Game3



「頑張ろう・・・!」
 そう気合いを入れた後、互いに声を揃え「デュエマ、スタート!」で最終ゲームが開始される。

 このゲームもやはりこれまで同様に序盤は《冥土人形ロッカ・マグナム》が支配する格好に。
 
 しかし先のゲームの最終盤の展開から何かを掴んだのだろう。
 ボルシャックカイザーは素直にマナを埋めて《ボルシャック・ヴォルジャアク》を狙うことに。
 そしてyoshiaがこれまで同様にクリーチャーを展開していく中、《ボルシャック・ヴォルジャアク》を召喚。革命チェンジで《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》を宣言する。

 つまり自壊覚悟で《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》の効果でカードを捲り、その捲ったカードのいずれかで《冥土人形ロッカ・マグナム》で処理するという戦い方を選択したのだ。
 試合を経ていく中で、最適なプレイを模索している。
 これ自体は捲りの都合で余り上手くはいかなかったが、前の試合を踏まえた見事な判断だったと言えるだろう。

 加えて、こうしたプレイがゲームを引き延ばし、ボルシャックカイザーに貴重な時間をもたらすことになる。

 対してyoshiaもまた、先の敗因を冷静に分析していた。
 続くターンで打点を並べ、攻撃を開始する。

 しかし今度は《革命の絆》をケアし、楯を0にしたところでターンを終了することを選択した。
 《冥土人形ロッカ・マグナム》も残っており、続くターンに過剰打点を用意し、更には《DARK MATERIAL COMPLEX》の動き出しも見える。ここまで見せてきたyoshiaらしい、冷静で冷酷なプレイの筈……だった。

 唯一の、裏目を除いては。

 ターンが返ってきたボルシャックカイザー。そう、その瞬間を待っていた。
 意気揚々とマナをチャージし、枚数を数え、マナ色の確認もし、プレイしたのは《禁断竜王 Vol-Val-8》

 これがボルシャックカイザーの奥の手、まさに裏のキリフダ!

 これならば、《冥土人形ロッカ・マグナム》など関係ない。
 むしろこれまで散々苦しめられた《冥土人形ロッカ・マグナム》は、逆に《禁断竜王 Vol-Val-8》の追加ターンの礎となったのだ。

ボルシャックカイザー《禁断竜王 Vol-Val-8》は最強です!」

 ボルシャックカイザーの言葉通り、その最強を見せ付けた《禁断竜王 Vol-Val-8》
 長く熱いゲームの果てで、最後は追加ターンと共に、ボルシャックカイザーに大きな栄光をもたらしたのだった。
yoshia 1-2 ボルシャックカイザー

Cブロック:ヨーバルディ vs. ドラゴン99


 ファンタジーBESTで活躍しているのは、ファイアー・バードだけではない。
 長らく眠りについていた筈のドリームメイトたちが起床し、そして何故か料理人(人?)として復活したのだ。
 その【光自然ドリームメイト】を使うヨーバルディはというと、本戦1,2回戦とで5c系統のビッグマナを次々と料理。
 特に準決勝では序盤からドリームメイト得意の猛展開を見せると、多数のトリガーを踏んだものの、それでも止まらず踏み越えて決勝へと辿り着いた。

 決勝で待つのは、ドラゴン99の【光水ヘブンズ・ゲート】。
 ここを乗り越え、見事フルコースを完走することが出来るだろうか。

Game1


 ヨーバルディの勢いは、決勝でも止まらなかった。

 まずは《お目覚めメイ様》からスタート。そして続くターン、《お目覚めメイ様》で攻撃時に革命チェンジを宣言。《森夢のイザナイ メイ様》が登場する!

 ……が。



ヨーバルディ「えー!?」

 ヨーバルディ 0-1 ドラゴン99

Game2


 仕切り直して、第2ゲーム。
 だが直前のゲーム展開がどうであれ、ヨーバルディのやることは変わらない。

 《お目覚めメイ様》を繰り出し、攻撃時に革命チェンジを宣言。《森夢のイザナイ メイ様》で1点!


ヨーバルディ「ええー!?」
ドラゴン99「今回はまだ!まだ全然終わらないから!」

 どうやら今回は、そこまで手札が強かった訳で無いないらしい。
 展開されたのは《光開の精霊サイフォゲート》と≪支配の精霊ペルフェクト≫と、どうやらゲームはまだ続きそうだ。
 ヨーバルディ《森夢のイザナイ メイ様》の光臨も無事起動し、《激烈元気モーニンジョー》経由で《料理猫のプワソン》が着地。更にそこから《料理長のラビシェフ》と、ドリームメイトの定番コースが提供される。

 ただドラゴン99が繰り出したブロッカーという壁は厚い。
 ヨーバルディも地道な展開を見せるものの、ドラゴン99は【光水ヘブンズ・ゲート】ならではとも言える《理想と平和の決断》で盤面を少しずつ対処していき、決定打を許さない。

 やがて5マナに到達したドラゴン99は、≪スターゲイズ・ゲート≫から《闘門の精霊ウェルキウス》、そして待望の《∞龍 ゲンムエンペラー》へと到達する。

 こうなると、ほぼ全てのドリームメイトが能力を失ってしまった。
 そして続くターンでドラゴン99が総攻撃を開始する。

 《料理猫のプワソン》によるブロッカー付与も、コスト5以下のクリーチャーだと《∞龍 ゲンムエンペラー》に消されていますよ、といったジャッジも説明もあり、結果ドラゴン99の攻撃は貫通することとなった。

ヨーバルディ 0-2 ドラゴン99

 1点《ヘブンズ・ゲート》。]

 これもまた、1つのデュエル・マスターズ。

D卓:ニャンピー vs. KANN


 ジュニアグランプリ2023にて、見事D4となったKANNがなんと今年も決勝へとやってきた。
 
 連覇に向け、彼が選択したのは【水闇COMPLEX】。準決勝では、昨年準優勝者の1人であるゆうきうめに勝利。大きな弾みを付けた。

 GP連覇ともなれば、当然あらゆるデュエマのGP史上でも存在していない記録である。
 その最初に達成者になることは出来るのか。相手は、【巨大天門】を使用するニャンピーだった。

Game1


 KANN《冥土人形ロッカ・マグナム》ニャンピー《巨大設計図》に≪フェアリー・パワー≫という立ち上がり。
 その後KANN《DARK MATERIAL COMPLEX》を着地させ、対してニャンピーは≪スターゲイズ・ゲート≫を唱えると《闘門の精霊ウェルキウス》を経て《∞龍 ゲンムエンペラー》を着地させる。

 《冥土人形ロッカ・マグナム》によって《闘門の精霊ウェルキウス》こそ破壊となるものの、《∞龍 ゲンムエンペラー》は健在。
 このドラゴンは、《DARK MATERIAL COMPLEX》の存在を否定するカードでもあり、【水闇COMPLEX】に対するキラーカードである。

 KANNは、能力を失ったものの一旦クリーチャー並べてターンを返す。
 対してニャンピーも、《∞龍 ゲンムエンペラー》が1人で棒立ちしているとまだゲームエンドまでは持ち込めないというこで、クリーチャーを展開してターンを終える。

 しかしそこはやはり昨年のD4。KANN《∞龍 ゲンムエンペラー》への回答を用意していた。

 だがこの間に準備を整えられたKANNは、ムゲンクライムのコスト軽減を使って《闇参謀グラン・ギニョール》を召喚。
 《∞龍 ゲンムエンペラー》を弾くと、手札状況があまり芳しくなかったニャンピーは、すぐさま後続を展開出来ない。

 これによって、状況は逆転。
 地道に並べていた打点も功を奏し、このまま殴り切ったKANNが第1ゲームを制す。さすが前年のD4と言えるような、見事な逆転勝ちだった。

ニャンピー 1-0 KANN

Game2


 第2ゲームも似たようなゲーム展開となる。

 KANN《冥土人形ロッカ・マグナム》を建てるものの、手札とマナを伸ばせていたニャンピー《闘門の精霊ウェルキウス》からの《∞龍 ゲンムエンペラー》を着地させる。
 そしてここに対して、KANNが再び《闇参謀グラン・ギニョール》を当ててバウンスする、というところまで同じだった。

 だが前ゲームとの違いは、第1試合の展開を省みてか、ニャンピー《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》を繰り出しており、これで先に使っていた《巨大設計図》と≪スターゲイズ・ゲート≫を回収していたことだ。
 そのため《∞龍 ゲンムエンペラー》が飛ばされた返しに、自身の5コスト以下のカードを惜しみなく使えるというわけだ。

 こうして7マナからまずは2マナ使って《巨大設計図》を、そして残る5マナで≪スターゲイズ・ゲート≫を唱えて《闘門の精霊ウェルキウス》を繰り出し、これによって間髪置かず、再び《∞龍 ゲンムエンペラー》がバトルゾーンへと降り立つ。

 加えてKANN《闇参謀グラン・ギニョール》のムゲンクライムを使うためにクリーチャーをタップせざるを得なかったため、これがいわば恰好の的となっていた。

 ここに向かって《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》が走る。バトルに勝った効果で≪閃光の神官 ヴェルベット≫が着地し、KANNのクリーチャーはタップして出てくることに。

 KANN《忍蛇の聖沌 c0br4》を出したものの、これもタップして出さざるを得なくなり、状況を解決するクリーチャーも墓地に落ちなかった。

 そのため、唯一の勝ち筋となる《闘門の精霊ウェルキウス》のバトルに勝ったときの効果に伴う強制ドローでのLO勝ちを狙いにいく。

 自軍のクリーチャーを全て《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》に突撃させるものの山札を削りきるには至らず、加えて《闘門の精霊ウェルキウス》の能力で《終末縫合王 ミカドレオ》が着地したことで、ニャンピーがターンを迎えると同時に勝利となった。

ニャンピー 1-1 KANN

Game3


 KANNの1ターン目は《DARK MATERIAL COMPLEX》。対してニャンピーは後攻2ターン目に《巨大設計図》と、互いに理想の動き。

 KANN《終止の時計 ザ・ミュート》を召喚して、ドローの後に《闇参謀グラン・ギニョール》を墓地に置くが、ここにニャンピーは≪お清めシャラップ≫を当て、山札へと返していく。

 そんな細かな攻防が続く中、KANN《》を置いた返し、ニャンピーは≪スターゲイズ・ゲート≫から《闘門の精霊ウェルキウス》で発進。
 1枚《闘門の精霊ウェルキウス》を連鎖させると、まずは≪星門の精霊アケルナル≫を場に。
 そしてターン終了時に再び《闘門の精霊ウェルキウス》を繰り出し、効果で着地したのは《深淵の螺穿 ラゼル=ズバイラル》

 全ハンデスor全破壊が押し付けられ、KANN《深淵の螺穿 ラゼル=ズバイラル》の処理についてジャッジの説明を聞くと、自身のクリーチャーの全破壊を選択。
 ≪ボン・キゴマイム≫らが破壊されることとなるが、《DARK MATERIAL COMPLEX》は当然残り、更にそのカウントは進み、更に更に≪ボン・キゴマイム≫のドローも出来たので、充分やれるという判断だろう。

 そして返ってきたKANNのターン。そのターン開始時に《DARK MATERIAL COMPLEX》の下にカードを置くと、カウントは7に。

 KANN《アーテル・ゴルギーニ》をプレイし、4000マイナスを2回選択。《闘門の精霊ウェルキウス》を落とし、これで《DARK MATERIAL COMPLEX》が起動する。

 攻撃時に《奇天烈 シャッフ》を吐き出しながら「6」を宣言。《ヘブンズ・ゲート》を止めつつ、ワールド・ブレイクが決まる。

 だがニャンピーのシールドにあったのは2枚の《水雲の聖沌 5u170n》

 相手のクリーチャーをタップしつつ《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》を展開し、EXライフによる楯も増やしながら、ターンを得る。

 そしてここから、ゲームは怒濤の展開を迎える。

 まずニャンピーだったが、盤面にフィニッシュとなる《∞龍 ゲンムエンペラー》がいなかった。
 そのためKANNをこのターンで倒すべく展開されたクリーチャーたちで攻撃に向かうが、ここでKANN《終止の時計 ザ・ミュート》がトリガーし、攻撃は止まる。

 ターンは再びKANNへ。

 そのKANNだったが、《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》で増えたEXライフが厄介だった。
 そのためこれを処理すべく≪♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり≫で「8」を宣言して8コストのブロッカーたちを止め、更に《DARK MATERIAL COMPLEX》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》に攻撃。

 とはいえこれはEXライフが剥がれるのみ。《DARK MATERIAL COMPLEX》は再起動せず、更に《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》のEXライフが剥がれた時の効果が起動。
 ≪スターゲイズ・ゲート≫が唱えられ、なんと2体目の《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》が着地。EXライフのお代わりも発生してしまう。

 KANN《DARK MATERIAL COMPLEX》を起動させるべく《終止の時計 ザ・ミュート》《真邪連結 バウ・M・ロマイオン》に突撃させ、自壊。
 効果によって《DARK MATERIAL COMPLEX》の下にカードが入り、アンタップされるが、だが同時にニャンピー《闘門の精霊ウェルキウス》の効果も起動。

 1ドローの後に着地してしまったのは、何よりも恐ろしかったニャンピーのキリフダ《∞龍 ゲンムエンペラー》だった。

 こうなると、KANNに打つ手はなかった。返しのターン、ニャンピーの攻撃を受け入れ、激闘に終止符が打たれた。

ニャンピー 2-1 KANN
《∞龍 ゲンムエンペラー》に、何回も助けられました」

 自身のキリフダたるカードに、そう感謝を述べたニャンピー
 ヒーローは遅れてやってくるとも言うが、やはり窮地に駆け付けてこそのキリフダ。十王編の大英雄は主を助け、そして栄冠をもたらしたのだった。

 かくして、今年のD4が決まった。
 決勝が2本先取ということもあり、前のゲームを踏まえて各自がプレイの工夫をしているシーンが多く見られ、それが筆者としてはかなり印象的だった。
 
 そして「デュエマスタート!」の掛け声も含めて、勝っても負けても元気にデュエマを楽しんでいる。
 改めて、今回D4となったプレイヤーには心からの称賛を。
 ぜひ、これからもデュエル・マスターズを心から楽しんで欲しいと思う。


PAGE TOP

TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY